はじめに
プレーオフ、ドラフトと話題豊富な最近のNHL(日本にはほとんど伝わってきませんが)、さらに話題となっているのが各個人賞の行方です。荒々しいスポーツの代名詞ともなっているアイスホッケー、NHLの中で、年間通して紳士的なプレーをした選手に贈られる賞があります。
その賞の名はレディ・ビング・トロフィー、何とも優雅な感じしませんか?その最終候補者3名が発表されました。後述の3名のプレーを思い起こすと、確かにキャプテンシーに溢れ、チームをまとめ、決してダーティなプレーで相手を止めたりしませんでした。
そんな彼らのプレーを映像付きでお届けします。
センターの選手は司令塔、サッカーで言うところの、
10番の選手の役目だと思えば分かりやすいかにゃ。
そんなポジションだから、冷静な選手が多いのかもしれない。
引用元:NHL.com「Hughes, Kopitar, Point named Lady Byng Trophy finalists」。
レディ・ビング・トロフィーとは?
ジャック・ヒューズ(センター、21歳)、アンゼ・コピター(センター、35歳)、ブレイデン・ポイント(センター、27歳)は火曜日にレディ・ビング・トロフィーの最終候補者に選ばれました。
※レディ・ビング・トロフィー=歴代受賞者を見ると、フォワードの選手が多く、しかもセンターのポジションが最多となっている。100年の歴史の中で、ディフェンスの受賞者はわずか4名である。
この賞は、プロホッケー記者協会の投票により、スポーツマンシップ、紳士的な振る舞い、能力を兼ね備えた選手に毎年贈られます。6月26日、受賞者は、ナッシュビルのブリヂストン・アリーナで開催される「2023NHLアワード」中の一部門賞として発表されます。
まずはキングスの大ベテラン
コピターは82試合すべてに出場して74ポイント(28ゴール、46アシスト)を記録し、チーム2位タイのプラス20(出場中にゴールが入ればプラス1、逆だとマイナス1)でした。
このセンターの選手は、シーズンを通して2つのマイナー・ペナルティ(2分間のペナルティ・ボックス行き、ペナルティ中、最も軽い)を受け、1試合あたりの平均アイスタイム(氷上でプレーした時間、20分18秒)、平均パワープレイ・アイスタイム(3分1秒)、
そして平均ショートハンド・アイスタイム(ペナルティにより、自チーム選手数が少ない状態。1分52秒)で、ロサンゼルスのフォワード陣をリードし続けました。
ショートハンドの短さが示しているは、氷上でコピターのプレイ中、
チームもペナルティを取られていないってことなんだにゃ。
それだけ、コピターのキャプテンシーが優れてるワケ。
コピターは、ロサンゼルス(47-25-10)の2シーズン連続スタンレーカップ・プレーオフ進出に貢献しました。
3度目の最終候補者であるコピターは、2015-16シーズンに受賞し、2014-15シーズンには3位となりました。
では、彼(背番号11)のプレーを映像で見てみましょう。↓がいろいろ見られていいかな?
2番手はデビルズの若きリーダー
ヒューズは今シーズン78試合に出場し、ゴール(43)、アシスト(56)、ポイント(99)でデビルズをリードし、いずれもNHLのキャリアハイを記録し、デビルズのシーズン最多ポイント記録を樹立しました。
NHLのトップ46スコアラー中、彼は最も少ない3つのマイナー・ペナルティを受けました;ポイントではNHL11位となっています(これは間違い、実際は12位)。
デビルズのリンディ・ラフ監督は「ジャックはほとんどの時間でパックを持っているから、そんな時にペナルティーを課されるなんて難しいんじゃないかな」と語りました。
「彼は自分のペースで試合をしているんだよ。(ベンチから氷上に)戻ってきても、規律正しく、自分のペースでプレーしている。スティックを使った反則はしないし、フリーハンド(腕を使って、相手選手の動きを止める反則)も使わないし、それが彼の規律なんだ」。
監督談話から考えられるのは、簡単にパックを取られない
ヒューズのスティック扱いの上手さなんだにゃ。
無駄にスティックを振り上げることもない、模範的選手ってこと。
このセンターの選手は、1試合あたりのアイスタイム(19分58秒)で、デビルズの他のスケーターをリードし、ニュージャージー(52-22-8)が2017-18シーズン以来となるプレーオフ出場権を獲得し、昨シーズン(27勝、63ポイント)より25勝、49ポイント増加しました。
初のファイナリストとなったヒューズは、デビルズの選手として初めて同賞を受賞することになります。
ザック・パリス(左ウィング、38歳。現在、ニューヨーク・アイランダーズ所属)は2008-09シーズンに3位になりましたが、デビルズの選手がファイナリストになった唯一の例です。
ヒューズの今シーズンの活躍を振り返ってみましょう。背番号86、とにかく速くて上手い!
3番手はキャリアハイの数字を残した!
ポイントはゴール(51)でライトニングをリードし、獲得ポイント(95)ではキャリアハイとなるNHL2位でした。このセンターの選手は、82試合でわずか1度のマイナーを含む7分間のペナルティ(他にメジャー〈5分間〉1回)を受け、ゴールではNHL14位に終わりました。
1試合あたりのアイス・タイム(19分40秒)は、タンパベイのフォワード中、2位でした。
ポイントは、ライトニング(46-30-6)の6シーズン連続となるポストシーズン進出決定に貢献しました。
初めてのファイナリストであるポイントは、2012-13シーズンのマーティン・セントルイス(47歳。現在、モントリオール・カナディアンズ監督)以来、この賞を受賞した3番目のタンパベイのプレーヤーになります。
ポイント(背番号21)のゴール集を。派手なタイプの選手ではないので、こんなにゴールに絡んでいるとは、正直驚き(^_^;)。
※マーティン・セントルイス=同賞を3回受賞(2009-10、10-11、12-13)。それでもペナルティ・ミニッツは12、12、14となっており、今シーズンの3名の選手が、いかにペナルティをしなかったかが分かる。
昨シーズン、ウィニペグ・ジェッツのフォワード、カイル・コナー(左ウィング、26歳)が同賞を受賞しました。
まとめ
現時点、プレーオフでプレーしているのはヒューズのみです。しかも、デビルズはハリケーンズに連敗し、かなり劣勢状態にあります。今後、どう盛り返していくかは、この若き司令塔の活躍にかかっていると言っても過言ではないでしょう。
コピターは現役を続行すると思いますが、今シーズンのようにフルで働けるかどうか。またも1回戦負けの憂き目にあったキングスにとって、彼に頼り続けるのか、それとも思い切った方向転換をするのか。
生きた手本であるコピターがこの賞を獲る・獲らないも、チームの未来を占う要素になるかもしれません。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!