NHL今週のMVPは、個人成績トップを行くタンパベイのFW!

現役スター選手紹介

はじめに

 全日本アイス・ホッケー選手権(A)も無事に終わり、アイスバックスの攻撃力の高さが印象に残る決勝戦でした。その試合内容以上に驚かされたのは、JIHF広報委員長にアレックス・ラミレスが就任していたことです。確か横浜在住だったような…、それが縁になったのかな?

 今回のラミレス起用の成否はともかく、決勝戦にそこそこの観客が来ていましたし、広報活動一つで、また違った展開があると思うのです。リーグにチーム数が少ないとはいえ、もっとスター的素養のある選手とラミレスをペアにして前面に出すとか。「スター」育成は急務です。

 今回は「スター」繋がりで、NHLが毎週選ぶ「スリースター」に焦点を当ててみました。絶不調に喘ぎ、「深海」から浮上してこないのではないか?と言われていたサンノゼ・シャークスのエース・センターをはじめ、正真正銘の「スター選手」がピックアップされました!

讃岐猫
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引用元:NHL.com「Kucherov leads 3 Stars of the Week」。

12月10日までの週で、輝いていたのは彼らだ!

 タンパベイ・ライトニングの右ウィングであるニキータ・クチェロフ、サンノゼ・シャークスのセンター、トーマス・ハート、フロリダ・パンサーズのセンター、サム・ラインハートが、12月10日までの週のNHLの「スリースター」1に選ばれました。

11月の「ファーストスター」に選ばれた男がまたも! 

ファースト・スター–ニキータ・クチェロフ、RW(右ウィング)、タンパベイ・ライトニング 

 クチェロフは、4試合で決勝点となる3ゴールを含む4ゴール・3アシスト・7ポイントを記録し、(今週の)ライトニング(13-11-5、勝ち点31)を3-1-0の成績に導きました。 

 12月4日(月曜日)、ダラス・スターズ戦で4-0、12月6日、ピッツバーグ・ペンギンズ戦で3-1の勝利を収め、彼は(2試合とも)1ゴール・1アシスト・2ポイントを記録し、(ピッツバーグ戦で)決定的なゴールを挙げたこと(2点目のゴール)がハイライトとなっています。 

 クチェロフはその後、12月7日のナッシュビル・プレデターズ戦で5-1の敗戦を喫し、無得点に終わりました。しかし、12月9日のシアトル・クラーケン戦では、キャリア6点目の延長戦でのゴールを含む2ゴール・1アシスト・3ポイントで立ち直り、4-3で勝利を収めています。 

オーバータイムだけのダイジェストです!

 11月のNHLの「ファーストスター」2に選ばれた30歳のクチェロフは、今シーズン計28試合に出場し、19ゴール・28アシスト・47ポイントで、現在アート・ロス・トロフィー(シーズン最多ポイント賞)のレースで7ポイントのリードを保っています(2位はバンクーバー・カナックスのJ.T.ミラー〈センター、30歳〉)。 

 また、2023-24シーズンのゴール数(1位:19)、アシスト数(1位:28)、パワープレー・アシスト数(1位:15)でもトップにランクインしています。

 パワープレー・ポイント(1位;22)、ゴール・シュート数(1位;137)、1試合あたりのポイント(1位;1.68)、マルチポイント・ゲーム(2ポイント以上を挙げた試合数、1位タイ;13)、延長で勝利を決めたゴール(2位タイ;4)、パワープレー・ゴール(3位タイ;7)。

讃岐猫
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不調シャークスの希望の星!

セカンド・スター–トーマス・ハートル、C(センター)、サンノゼ・シャークス

 ハートルはNHLの3試合で5ゴールを挙げ(5ゴール・1アシスト・6ポイント)、シャークス(8-17-3、勝ち点19)の複数得点差を付けられた劣勢からの挽回に貢献し、チームは3試合すべてで勝ち点を獲得しました(2-0-1)。

 12月5日、ニューヨーク・アイランダーズ戦は延長戦までもつれ込み、サンノゼは5-4で勝利しています。第3ピリオド、3ゴール差をひっくり返し、フランチャイズ史上3度目となる勝利を収め、ハートルはキャリア6回目のハットトリックを達成しました。

 12月7日、シャークスはデトロイト・レッドウィングスとの対戦も延長戦まで行き、6-5と勝利を収めています。ハートルは第3ピリオド残り1分29秒の同点ゴールを含む2得点を加えています。なお、この勝利は4点差を追いついた後の勝利としては史上2度目となります。

  12月10日、ラスベガス・ゴールデンナイツ戦で、サンノゼが第3ピリオドで2ゴール差の劣勢を跳ね返し、最終的には5-4のシュート・アウト(PK戦)で敗れましたが、ハートルは試合終了間際(残り39秒!)に同点ゴールをアシストして今週を締めくくっています。

第3ピリオドの同点劇は鳥肌モノ!

 30歳のハートルは今シーズン、合計27試合に出場し、ゴール(9)、アシスト(チーム・タイの15)、ポイント(24)でシャークスの中でトップに立っています。

出場したら、必ずシュートとポイントを挙げる男

サード・スター–サム・ラインハート、C(センター)、フロリダ・パンサーズ

 ラインハートは3試合(1ゴール・7アシスト・8ポイント)で7アシスト、8ポイントを挙げてNHLトップとなり、パンサーズ(17-8-2、勝ち点36)を「完璧なデキの週(その週開催試合全勝)」に導きました。

 12月6日のダラス・スターズ戦(5-4で勝利)では1ゴール・2アシスト・3ポイントを、12月8日のピッツバーグ・ペンギンズ戦(3-1で勝利)では1ヘルパー(アシスト)をそれぞれ記録しています。

 その後、ラインハートはキャリア4度目となる4ポイントのパフォーマンスを繰り広げており、12月10日、チームはコロンバス・ブルージャケッツ戦でも5-2で勝利し、彼は4アシストを記録しました。

 2021年7月、フロリダがラインハートを獲得して以来(バファロー・セイバーズから移籍)、28歳の彼は、1試合平均ほぼ1ポイントを記録し(187試合出場、81ポイント・105アシスト・186ポイント)、今シーズンはここまで27試合出場、17ゴール・20アシスト・37ポイントでNHL5位につけています。

 また、マルチポイント・ゲーム(1位;13)、決勝ゴール(2位;4)、プラス/マイナス(3位;+18)、シュート成功率(3位;25.8%–1試合平均、最低でも1SOG(=Shots on goal)を打っている)、パワープレーゴール(3位タイ;7)、およびゴール(4位タイ;17)等でも、2023-24シーズンの成績トップクラスにランクインしているのです。

まとめ

 ラインハートはバファロー時代より得点力を上げていて、比例してアシスト数も増えています。難関であるプレーオフを勝ち上がり、敗れはしたものの、スタンレーカップ決勝の舞台に立てたのは、彼を中心とした攻撃力の賜と言えます。

 アトランティック・ディビジョン順位表を見ると、1位のボストン・ブルーインズと2位のフロリダの勝ち点差は3。他の数値を見ても、両者の力はほぼ拮抗しています。昨シーズンほどの強さは見せていないものの、ボストンのしたたかな試合運びは健在です。

 この2チームに、絶好調クチェロフ擁するタンパベイがどれだけ肉薄するか。そして、パシフィック・ディビジョン最下位脱出の可能性も出てきたサンノゼが、ハートルを中心に、どこまで粘り腰を見せられるか。この3人の選手に注目してみるのもいいかもしれません。

讃岐猫
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【註釈】

  1. 以前、このブログでも詳細について触れてある→
    ↩︎
  2. 12月2日にNHLから発表。セカンド・スターはコロラド・アバランチのケイル・マカー(ディフェンス、25歳)、サード・スターはバンクーバー・カナックスのクイン・ヒューズ(ディフェンス、24歳)。詳細はこちら→↩︎
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