NHLが決断してくれた!来年、4ヶ国代表戦が遂に開催されます!

アイスホッケー各国代表情報

はじめに

 サッカーのアジアカップにおける日本代表の早期敗退は、かなりのインパクトを持って報じられ、現在でも様々な議論が飛び交っています。日本代表の目指すところが、ワールドカップ上位であるとはいえ、どんな相手にも万全の態勢で臨めるようにすべきでは?と思います。

 代表と言えば、国際情勢を鑑み、一部活動停止していたアイスホッケーの代表戦が、来年、やっと復活するようです。日本でも一般マスコミ各社が報じていましたから、ご存じの方も多いと思います。プロ・リーグ戦と違う趣とモチベーションあふれる代表戦は格別です。

 しかも、NHLトップ・プレーヤーが一同に介し、国別に分かれるため、一見、オールスター戦のような選手構成になりますが、真剣味は全く違います。いずれにせよ、国際舞台が日常に戻ると決まったことで、選手達は大喜びしています。

讃岐猫
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引用元:NHL.com「NHL to hold 4 Nations Face-Off tournament in 2025

マクデイビッドの熱い思いが通じた!

 コナー・マクデイビッドは、カナダ代表として、最良の国際大会に出場する機会を得ました。

 エドモントン・オイラーズのキャプテンは、米国、スウェーデン、フィンランドも参加する2025年のNHL4ネーションズ・フェイスオフ(大会の正式名称)で、カナダ・チームの一員としてプレーする予定です。

 「その機会が与えられただけでも、夢が叶ったようなものだ」、マクデイビッドは2月2日(金曜日)に語りました。

  「僕はこれについて声を大にしてきたけど、国際的にも国内でもホッケー競技の成長を目指し続ける中で、今回のことは、ホッケーにとって重要だと感じているよ」。

※マクデイビッドの国際大会出場への熱い思いは、以前、このブログでも取り上げている。詳細はこちら↓。

 27歳のマクデイビッドが最後に母国代表として出場したのは、デンマークで開催された2018年のIIHF世界選手権で、カナダは4位に終わっています。

 彼は、2016年のホッケーワールドカップで北米チームとしてプレーして以来、(国を代表する)トップ・クラスのトーナメントに参加していません。

 (NHLの)シーズン中に行われる2025年NHL4ネイションズ・フェイスオフは、2月12日から20日までの9日間で合計7試合と、2月10日から11日の2日間の練習日で構成され、まだ具体的な都市名は決まっていませんが、北米の2つの国(カナダと米国)で開催されます。

オールスター前に記者会見

 NHL選手会エグゼクティブディレクターのマーティ・ウォルシュとNHLコミッショナーのゲーリー・ベットマンが登壇した際、マクデイビッドは米国代表のトロント・メープルリーフスのフォワードであるオーストン・マシューズ、

 フィンランド代表のカロライナ・ハリケーンズのフォワードであるセバスチャン・アホ、スウェーデン代表のバンクーバー・カナックスのフォワードであるエリアス・ペッターソンとともにステージに上がりました。

 ベットマンは、2024年NHLオールスターウィークエンドの開催地スコシアバンク・アリーナで行われた、ドラフトキングス・スポーツブック(スポーツ・ベッティング関連の大手会社)による2024年NHLスキルズ・プレゼンテーションに先立ち、この発表を行っています。

※2024年NHLスキルズ・プレゼンテーションについては、こちら↓。

 コミッショナーはまた、NHLが2026年にイタリアのミラノで開催されるのを皮切りに、2030年にも再びオリンピックに参加することを発表しました。2030年オリンピックの開催地は、今年後半に国際オリンピック委員会によって選ばれる予定です。

 1998年(日本・長野)、2002年(ソルトレイクシティ)、2006年(イタリア・トリノ)、2010年(バンクーバー)、2014年(ロシア・ソチ)のオリンピックに出場するため、NHLのリーグ戦は約2週間中断しました。NHLの選手は2018年と2022年のオリンピックに参加していません。

 「国際大会の日程としては、2026年にオリンピックに出場し、その2年後にワールドカップに出場し、その2年後の2030年にオリンピックに出場し、その2年後にワールドカップを開催するという目標を掲げています」とベットマンは語りました。

 「そういうサイクルでいきたいね」。

 ベットマンは、2025年のNHL4か国対抗戦は、来るオリンピックとその後のワールドカップ・トーナメントに向けた「ちょっとした前菜」だと語っています。

讃岐猫
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ステージ上の選手達も大喜び

 NHLトップ・レベルの選手たちが出場可能なトーナメント方式による国際舞台へ戻ろうと、マクデイビッドは先頭に立ってきました。世界選手権は毎年スタンレーカップ・プレーオフと同時に開催されるため、各国のトップ選手は参加できません。

 「エキサイティングなスケジュールだね。2年に1度、2年ごとに楽しんでもらえるような、素晴らしい内容だと思うよ」とマクデイビッドは語りました。「(ステージ上の)僕たち4人ですごく盛り上がっているのがわかるね」。

4か国対抗戦の選手登録

 4か国対抗試合の各チームは、ホッケーカナダ、フィンランド・アイスホッケー協会、スウェーデン・アイスホッケー協会、USAホッケーの各国内協会によって選出された23名のNHL選手(スケーター20名、ゴールキーパー3名)で構成されます。

 選手は2024-25シーズンにおけるNHLとの契約を締結しており、2024年12月2日時点で、NHL選手名簿(ロースター)に登録されている必要があります。

 ロースター発表の日程はすべてNHLとNHLPAが決定し、参加する各国内協会はこの夏に最初の6選手を選出し、その後に全ロースターを選出する流れになっています。

 「我々は、この大会を、より大きなワールドカップへの基礎になると考えているし、選手たちにとっては重要な大会と見なしている」とウォルシュは語りました。

  「このステージにいる彼らは皆、私かロン(・ヘインゼー、NHLPA事務次長)と個人的に話をして、『NHLに国際ホッケーを取り戻したい』と話しているんだ。そして、このシリーズで、我々は素晴らしい機会を得るだろう」。

讃岐猫
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4か国対抗戦の試合形式

 2025年のNHL4ネーションズ・フェイスオフのすべての試合は、NHLサイズのリンクで、NHLルールに従って行われます。各チームは従来の総当り形式(ラウンドロビン形式1)で3つのトーナメントゲームを行います。

 チームはレギュレーション(60分間)での勝利で3ポイント、延長戦またはPK戦での勝利で2ポイント、延長戦またはPK戦での敗北で1ポイント、レギュレーションでの敗北でノーポイントを獲得します。

 最も良い成績を収めた2チームが、1試合のみの決勝戦に進みます。総当たり戦(ラウンドロビン形式)での延長戦は、10分間の3対3サドンデスと、3ラウンドのシュートアウト(PK戦)で行われます。

 決勝1試合の延長戦形式は、どちらかのチームが20分間のピリオドで得点するまで続ける、5対5のサドンデスとなります。

 このトーナメント開催が決定したことにより、NHLは来シーズンのオールスターゲームを開催しないことになりました。

再び選手達の声

 「4ネーションズ(フェイスオフ)は、出場するチームにとってエキサイティングなものになるだろうし、待ちきれない」とマクデイビッドは語っています。

 スコシアバンク・アリーナ(当時はエア・カナダ・センターと呼ばれていた)で開催され、カナダ・チームが優勝した2016年のホッケー・ワールドカップ以来、NHLは国際大会に参加していません。

 「どのレベルであれ、国を代表することは大きな意味を持つ。とても光栄なことだ」とマシューズは語りました。

  「オリンピックや4カ国対抗(フェイスオフ)のような世界の舞台で、選手やそれぞれの国と対戦することは、選手にとっても、スポーツやファンにとっても素晴らしいことになるだろうし、僕らもそう思っている。本当に楽しんで欲しいね」。

まとめ

 代表に選出されるという新たなモチベーションが選手達に加わることで、よりその能力アップが期待できます。この4カ国対抗戦の盛り上がりが世界中に広まり、スピーディーで熱い試合内容に多くの国が関心を持ってくれれば、こんなに素晴らしい事はありません。

 個人的には、最近、地力を付けて、強豪国の仲間入りをしているフィンランドに期待しています。他の3カ国と比べ、あらゆる面でやや見劣りする、なんて予想が出るかもしれませんが、ギャフンと言わせてやろうと、これから強化に励めば、ドンデン返しも夢ではありません。

 とはいえ、米国と並び、その実力の高さは折り紙付きである「ホッケー強大国」の欠席は、やはり寂しい気持ちになります。あの国の選手はNHLで主力クラスに必ず名を連ね、スターの座に君臨しているだけに尚更です。なんとかならないのでしょうか…。

讃岐猫
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【註釈】

  1. トーナメント形式のように勝ち進むための勝ち抜き方式ではなく、各チームが対戦相手を複数回設定し、すべての試合を行い、試合終了のたびに、各チームの勝ち数や負け数、引き分け数に応じて順位を付ける形式。 ↩︎
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