はじめに
サッカーW杯も大詰めを迎え、開幕前やや批判的な論調が多かったようですが、今じゃ「エキサイティングな大会だった」「次回は参加国も増え、もっと盛り上がる」と、すっかり手のひら返し。日本代表が好調だったこともあり、批判がさらに封じ込められた感じもします。
とはいえ、今回の代表には若い選手が多く、次回大会での大きな飛躍を期待させるものがあります。それは、日本サッカー協会の若手(20歳以下)育成方針に、「あまり」間違いなかったからだと思います。
同様に、アイスホッケーの世界も、しっかりと若手育成に励んでいます。今回は、アイスホッケー強国・カナダの逸材たちが挑む、「IIHF世界ジュニア選手権2023」についてお届けしましょう。
日本のアイスホッケー界はどうなんだろにゃ?
20歳以下の世代の活躍を耳にしないのだが…。
引用元:NHL.com「2023 World Junior Championship rosters」。
2023年新春早々、注目の国際大会が開幕!
シェーン・ライトとコナー・ベダードは、2023年のIIHF世界ジュニア選手権のカナダ代表選手に選ばれた22人のうちの1人です。
大会詳細
※IIHF世界ジュニア選手権=国際アイスホッケー連盟が世界中の 20 歳未満のアイスホッケーチームのために主催する大会。伝統的に12月下旬に開催され、1月上旬に終了。
メイン・トーナメントでは、世界のトップ10にランク付けされたホッケー国が参加し、「トップ・ディビジョン」で構成。
また、ディビジョンI、II、IIIの3つの下位プールがあり、それぞれが上位プールに昇格、または下位プールに降格を争う個別のトーナメントもある。
大会は12月26日から1月5日まで、ノバスコシア州ハリファックス(カナダ大西洋岸地方最大の文化・経済の中心都市であり、州都)とニューブランズウィック州モンクトン(フランス語圏と英語圏両方の機能を持つバイリンガル都市として、ここ数年で発展)で開催されます。
カナダは8月の「2022 WJC」で優勝しました。
※2022 WJC =2022年世界ジュニア・アイスホッケー選手権は、2022年8月9日から20日までカナダ、アルバータ州エドモントンのロジャーズ・プレイスで開催。金メダルはカナダ、銀はフィンランド、銅はスウェーデン。
注目はライトとペダード
2021年のNHLドラフトでシアトル・クラーケンから4位指名を受けたライトは、木曜日、この大会のためにカナダへと招集されました。
18歳のフォワードは、アメリカン・ホッケー・リーグのコーチェラ・バレーでの最近のコンディショニング・スティント中に、5試合で4ゴールを決め、NHLの8試合で2ポイント(1ゴール1アシスト)を獲得しています。
「カナダ代表チームで金メダルを争う機会を得ることは、若い選手にとってかなり貴重な機会です」とクラーケンのコーチであるデイブ・ハクストルは木曜日に言いました。
「ですから、いろいろな意味で、これは彼にとって成長のための大きなチャンスであり、彼にとって経験面でも素晴らしい機会になるでしょう」。
2023年のNHLドラフトで1位指名が予想されているベダードは、ウェスタン・ホッケーリーグのレジーナで28試合に出場して64得点を挙げ、カナディアン・ホッケーリーグのすべてのプレーヤーをリードしています。
17歳のセンター(5フィート10インチ=約178センチ、183ポンド=約83キロ)は、ゴール(27)とアシスト(37)でWHLをリードし、27試合連続でポイントを獲得しています。
彼は、月曜日、CHL/NHLの若手有望選手によるゲームに出場するため選ばれた、40人の選手のうちの一人でした。
※CHL=カナディアン・ホッケーリーグは、カナダを拠点とする3つの主要なジュニアアイスホッケーリーグを代表する包括的な組織。
ライトも才能の塊みたいな選手だが、
ペダードはもっと凄いらしいにゃ。
誰もが認める、ペダードの恐るべき才能
セントラル・スカウティングのシニアマネージャー、デビッド・グレゴリーは「たとえ自陣でのプレーであっても、ひとたび攻撃に転じ自陣のブルーラインを突破すれば、得点の脅威になることは間違いないようです」と語りました。
※セントラル・スカウティング=NHLセントラル・スカウティング・サービスは、NHL内の部門であり、シーズン中の特定の時期に、NHLエントリー・ドラフトに向けて、プレーヤーに対してランク付けをする。
プレーヤーは、NHLのプロの試合にどれだけうまく適応できるかに基づいてランク付けされる。
「彼は絶対的なエリート・パック・ハンドリングとシュート・スキルを持っていますが、それとホッケーIQと彼の考え方を組み合わせると、彼を止めたり封じ込めたりするのはとても難しいことなのです」。
ベダードは名選手と肩を並べた!
ベダードは2022年のWJCで8ポイント(4ゴール、4アシスト)を獲得し、16歳で同大会のカナダ代表に選ばれたのは、ウェイン・グレツキー(アイスホッケーの神様、史上最も優れたホッケー選手と称されている。1978)、
エリック・リンドロス(’97年NHL史上最高の平均年俸を獲得、25歳以下の全プロスポーツを通じて史上4位となる。1989)、ジェイソン・スペッツァ(2005〜2006年、71アシストでセネターズのフランチャイズ記録を樹立。2000)、
ジェイ・ブーミースター(2004〜2014年の間に、737試合連続出場達成。2000)、シドニー・クロスビー(現・ペンギンズのキャプテン、2004)、コナー・マクデビッド(ご存知、現在のNHLを代表するスター選手。2014)に続いて8番目となりました。
彼は、ディフェンスのイーサン・デル・マストロ(シカゴ・ブラックホークス)、オレン・ゼルウィガー(アナハイム・ダックス)、フォワードのネイサン・ゴーチャー(アナハイム・ダックス)、ザック・オスタプチュク(オタワ・セネターズ)、
ブレナン・オスマン(ニューヨーク・レンジャーズ)、ジョシュア・ロイ(モントリオール・カナディアンズ)、ローガン・スタンコーベン(ダラス・スターズ)とともに、2022年のチームから復帰した9選手のうちの1人です。
※ここまで名前の出た選手は全員19歳。残念ながら、ここまでNHLの試合に未出場。
カナダのトーナメント・ロスターに指名された他の2人の選手は、今シーズンNHLでプレーしました。ディフェンスマンのブラント・クラーク(19歳)はロサンゼルス・キングスで9試合に出場して2アシストを記録していますが、11月1日以降プレーしていませんでした。
フォワードのディラン・ゲンサー(19歳)はアリゾナ・コヨーテズで21試合に出場して11ポイント(3ゴール、8アシスト)を記録しています。
ベダードは「アイスホッケーの神様」に
肩を並べた訳だにゃ!
カナダ代表はこのメンバーだ!
カナダ代表の意気込み
カナダは予選ラウンドのグループAでスウェーデン、チェコ、ドイツ、オーストリアと対戦します。グループBはアメリカ合衆国、フィンランド、スイス、スロバキア、ラトビアの5カ国で構成されています。12月24日までに全10チームの登録選手を発表しなければなりません。
カナダは、WHLでエベレット・シルバーチップスを指導するデニス・ウィリアムズ(2017年からWHLで指揮。43歳)が監督を務めます。
※WHL=ウエスタン・ホッケー・リーグは、西部カナダと米国北西部に拠点を置く主要なジュニア・アイスホッケー・リーグ。カナダで最高レベルのジュニア・ホッケーとしてカナディアン・ホッケー・リーグを構成する3つのリーグの1つ。
カナダの選手担当ディレクターであるアラン・ミラーは、「カナダ代表として、ワールドジュニアに出場する機会を得た22人の選手を発表できることについて、嬉しく思います。
ホームの氷上で、我々の金メダルを守る最高の機会を与えてくれる、深く才能あるメンバーが揃ったと信じているからだ」と語りました。
トーナメント準々決勝は1月2日、準決勝は1月4日、金メダルをかけた決勝戦と銅メダルをかけた3位決定戦は1月5日に行われます。
カナダ世界ジュニア選手権出場選手ロースター
※選手名、所属チーム、所属リーグ、()内はチームを傘下に入れるNHLチーム。年齢は省略。
ゴールキーパー
ベンジャミン・ゴードロー、サーニア・スティング、OHL(サンノゼシャークス)
トーマス・ミリク、シアトル・サンダーバーズ、WHL(2023ドラフト対象)
※OHL=オンタリオ・ホッケー・リーグは、カナディアン・ホッケー・リーグを構成する3つの主要なジュニア・アイスホッケー・リーグの1つ。リーグには16~19歳のプレーヤーが主に参加。20歳以上のオーバーエイジ・プレーヤーには特定ルールを適用。
ディフェンス
ノーラン・アレン、シアトル、WHL(シカゴ・ブラックホークス)
ブラント・クラーク(ロサンゼルス・キングス)
イーサン・デル・マストロ、ミシソーガ・スティールヘッズ、
OHL(シカゴ・ブラックホークス)
タイソン・ハインズ、シェルブルック・フェニックス、QMJHL(アナハイム・ダック)
※ QMJHL =ケベック・メジャー・ジュニア・ホッケー・リーグのこと。カナディアンホッケーリーグを構成する3つのメジャー・ジュニア・アイスホッケー・リーグの1つ。リーグには、ケベック州、ノバスコシア州、ニューブランズウィック州、プリンスエドワードアイランド州のチームが参加。
ケビン・コルチンスキ、シアトル、WHL(シカゴ・ブラックホークス)
ジャック・マティア、オタワ 67s、OHL(ナッシュビル・プレデターズ)
オレン・ゼルウィガー、エベレット・シルバーチップス、WHL(アナハイム・ダック)
フォワード
シードン・バンキアー、カムループス・ブレイザーズ、 WHL(ミネソタ・ワイルド)
コナー・ベダード、レジーナ・パッツ、WHL(2023年ドラフト対象)
コルトン・ダッハ、ケロウナ・ロケッツ、WHL(シカゴ・ブラックホークス)
ザック・ディーン、ガティノー・オリンピック、QMJHL(ベガス・ゴールデンナイツ)
アダム・ファンチーリ、ミシガン大、NCAA(2023年ドラフト対象)
ネイサン・ゴーチャー、ケベック・レンパルツ、QMJHL(アナハイム・ダック)
ディラン・ゲンター(アリゾナ・コヨーテズ)
ザック・オスタプチュク、バンクーバー・ジャイアンツ、WHL(オタワ・セネターズ)
ブレナン・オスマン、ピーターボロ・ピーツ、OHL(ニューヨーク・レンジャース)
ジョシュア・ロイ、シェルブルック、QMJHL(モントリオール・カナディアンズ)
リード・シェーファー、シアトル、WHL(エドモントン・オイラーズ)
ローガン・スタンコーベン、カムループス、WHL(ダラス・スターズ)
シェーン・ライト(シアトル・クラーケン)
唯一の大学生選手、
アダム・ファンチーリに注目してるにゃ。
まとめ
贔屓チームのコヨーテズやクラーケンから選出されているのは、とても嬉しいことです。でも、この選手権で大活躍して、NHLの上位チームに目をつけられるのは、ちょっとな…って思わないでもないです。コヨーテズのディラン・ゲンターとか大丈夫でしょうか…。
17歳にして恐るべきポテンシャルを見せている、コナー・ベダードの活躍にも期待大です。まさにゴール・ハンターと言うべき動きでを見せ、相手チームのゴールテンダーに脅威を与え続けるでしょう。
監督がどんなラインを組むか、それによって才能が光り輝くか、そうでなくなるのかが決まります。この若い監督の采配にも注目です。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!