最高のスタートを切ったレッドウィングス、赤い翼はどこまで飛ぶか?

NHLチーム紹介

はじめに

 NHLも10月10日に開幕してから、はや2週間を過ぎようとしています。ベガス・ゴールデンナイツやボストン・ブルーインズのように、昨シーズンからの好調をキープしているチームもあれば、エドモントン・オイラーズのように、故障者続出で低迷しているチームもあります。

 そんな中、予想以上に健闘しているのが、デトロイト・レッドウィングス。大いにオフシーズンの移籍市場を賑わし、大量補強によってロースターを一新、かつての名門はプレーオフ出場圏内争いにとどまらず、さらにその上を狙えるかのような勢いです。

 彼らの実力は本物なのでしょうか。良く言えば「ナイス・プレー連発のスター軍団」、悪く言えば「連携バラバラの寄せ集め集団」、監督の手綱さばき一つで、両極端に転びそうな状態にある印象は拭えません。今回は、そんなデトロイトの内情調査です。

讃岐猫
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引用元:NHL.com「Red Wings’ season-opening run has players, fans ‘excited’

得点王争い上位の選手が複数いると強い! 

 10月22日(日曜日)、デトロイト・レッドウィングスは、リトル・シーザーズ・アリーナ(レッドウィングスのホーム)で行われたカルガリー・フレームス戦、6-2で勝利した際、NHLの得点王争いを大スクリーンに映し続けました。 

 前回は第3ピリオドにそれをやっていました。1位はFWアレックス・デブリンカット(右ウィング、25歳)で12ポイント(8ゴール、4アシスト)を記録し、2位はラインメイトでもあるディラン・ラーキン(センター、27歳)で11ポイント(3ゴール、8アシスト)でした。 

 デブリンカットはカルガリー戦で3ゴール・1アシストを記録し、ラーキンはゴールとアシストを決めています。 

 「それはエキサイティングなことで、ファンが興奮しているのは知っているよ」とレッドウィングスのキャプテンであるラーキンは述べました。 

 「僕たちも興奮しているけど、僕らも…今夜は(勝利を)積み上げていかないといけないことは分かっていたし、それが僕らのベスト・パフォーマンスになったと思う」。 

好調の立役者・デブリンカット 

 あらゆることを視野に入れていくと、今のデトロイトについて、誰もが興奮することになるでしょう。 

 2008-09シーズンのFWマリアン・ホッサ1以来、レッドウィングスでは40得点を挙げた選手が出ていません。2022-23シーズン、237ゴールでNHL24位となり、7シーズン連続でスタンレーカップのプレーオフを逃しました。 

 そして、2018-19と2021-22シーズンにシカゴ・ブラックホークスで41ゴールを記録したデブリンカットが登場します。レッドウィングスはオタワ・セネターズから彼を獲得し、7月9日に4年・3150万ドル(日本円で約47億円。年平均787万5000ドル=約11億8千万円)の契約を結びました。 

 デブリンカットの8ゴールはリーグトップであり、レッドウィングス史上、開幕から6試合で最多得点を挙げた選手となりました。 

讃岐猫
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いろいろとチーム記録を見ると…

 レッドウィングスが5連勝しています。ディフェンスのニクラス・リドストローム2、フォワードのパベル・ダチュク3ヘンリック・ゼッターバーグ4がまだ中心選手だった2011-12シーズンに5-1-0を記録して以来、6試合で最高のスタートを切りました。

 チームは、30ゴールでNHLをリードしています。これは1972-73シーズンに樹立されたデトロイトの、シーズン開幕から6試合でのゴール記録に1つ足りません。

 1993-94シーズン以降、シーズン最初の6試合で30得点を挙げたチームは他にもあり、2013-14シーズンのサンノゼ・シャークスです。

 5対5でのデトロイトの20ゴールで1位、パワープレー率は39.1で2位となっています。

 これは持続可能でしょうか?いいえ。

 「もちろん、それは誰にとっても持続可能なものではありません」とデレク・ラロンド監督は語りました。「でも、連勝ができたらそのペースに乗り、いいプレーを続け、できるだけ長くそれを維持しようとするものさ。たまたまシーズン序盤にそれがあっただけだ」。

オフシーズン、ロースターを一新するほどの大改革!

 忘れてならないのは、2016-17シーズン、5レッドウィングスが6-2-0でスタートし、2月9日〜16日まで5連勝を飾ったことです。どちらも大したものではありませんでした。

 パックポゼッションの悪さとパック運の良さを示唆する数字もあります。今シーズン、5対5でのシュートを試みたパーセンテージは45.1で27位、5対5でのシュート成功率は14.1でNHLのトップです。

 5対5でのシュート率とセーブ率の合計は105.8でリーグ3位であり、デブリンカットのシュート成功率は35.7になります。

 とはいえ、デトロイトはオフシーズンにデブリンカット、J.T.コンファー(左ウィング、28歳。コロラド・アバランチより新加入)、クリム・コスティン(センター、24歳。エドモントン・オイラーズより新加入)、ダニエル・スプロング(右ウィング、26歳。シアトル・クラーケンより新加入)を前線に配置し、選手層に厚みと経験を加えました。

 シェイン・ゴスティスベヒア(30歳。カロライナ・ハリケーンズより新加入)、ジャスティン・ホール(31歳。トロント・メイプルリーフスより新加入)、ジェフ・ペトリー(35歳。ピッツバーグ・ペンギンズより新加入)がディフェンスを担当し、ジェームズ・ライマー(ゴールテンダー、35歳。サンノゼ・シャークスより新加入)がゴールに入っており、それが功を奏しているのです。

 これはある程度持続可能かもしれません。

讃岐猫
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好調の原因は、安定した守備か

 レッドウィングスにはすでにゴールを決めた選手が14人、19人の選手がポイントを獲得しています。アイスリンクの端の部分(ゴールネット近辺、つまりディフェンスやゴールテンダーのこと)でも改善が見られる、とラーキンは考えています。

 「試合に出場できる7人の守備陣と、これまで僕らにとって非常に大きな存在だった2人のゴールキーパーがいるね」と語りました。「(フォワードの)パック(パス)プレーや不手際がない限り、相手にA級のチャンスはあまり与えていないよ。

 僕らには素晴らしい経験があるし、ネット前をクリアできる選手もいるからね」。

 10月22日(日曜日)、レッドウィングスは罠にはまる可能性がありました。土曜日、オタワでは5-2の勝利を収めていましたが、2023年2月27〜28日にオタワで(合計スコア)12-3(6-2、6-1)と連敗していたことを考えれば、彼らにとっては感慨深い勝利だったのです。

 フレームスは、すでにデトロイトで待っていました。

チームは平常心を維持

 「僕はただ、他の選手たちの気持ちを落ち着いた状態にさせて、あまり感情むき出しにならないよう、試合に挑んだだけだよ。みんな確実に、それを本当によく実行してくれたね」とラロンドは述べています。

 デブリンカットは試合開始1分59秒で1-0とリードをもたらしました。第1ピリオド・9分44秒、センターのジョー・ベレーノが2-0とし、ラーキンは第2ピリオド・2分に3-0にしました。

 「4つのラインがある」とラーキンは言いました。「自分たちのゲームについて、1人で何とかしようとする選手はウチにいないね。ラインナップにNHLトップレベルの選手がいるとしても、状況が厳しくなると(1人でやりたがるものだ)…。

 あのね、今夜の第1ピリオドは、実を言うといいパフォーマンスじゃなかったんだけど、自分たち本来のペースを見つけるために、みんなで試合を続けていたんだ。僕らは経験が豊富だからさ、一緒に働き、お互いのために働くんだよ」。

 10月24日・火曜日(東部標準時午後8時15分;ROOT-NW6BSDET7)、レッドウィングスはシアトル・クラーケンとホームで対戦し、2019年3月23日〜4月6日以来となる6連勝を目指します。

讃岐猫
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昨シーズンのシアトルのようになれるか

 拡張チームとして2年目となる昨シーズン、クラーケンは同様のアプローチを取りました。彼らはプレーオフに進出して多くの人々を驚かせただけでなく、ダラス・スターズに敗れるまで、ウェスタン・カンファレンス第2ラウンドの第7戦まで進んだのです。

 フォワードのジャレッド・マッキャンという40得点のスコアラーを擁していましたが、彼らの強みはその層の厚さでした。

 デトロイトは、同じようなことができるでしょうか?残り76試合です。

まとめ

 日本時間10月25日午前中に行われたシアトル戦、オーバー・タイム(延長戦)にまでもつれ込んだ末、デトロイトは4−5で惜しくも敗れています。終始、試合のペースを握っていたのはシアトル、一時逆転したデトロイトでしたが、相手の若さと勢いに敗けたように見えました。

 今ひとつ波に乗れなかったシアトルが元気を取り戻しそうな予感のする反面、デトロイトがこのまましぼんでいくのも、何だかもったいない気がします。ベテランの多いチームなので、経験値の高さがいい方向に進んで、チームがさらにまとまってくれることを期待します。

 何気に勝ち星を積み重ねるバンクーバー・カナックスや、ロサンゼルス・キングスの今後も大いに気になるところ。開幕したばかりのNHL、残り70試合以上、見どころ満載ですよ!

讃岐猫
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ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

【註釈】

  1. 詳しくはこちら→
    ↩︎
  2. スウェーデン、クリルポ出身。53歳。現在、レッドウィングスのフロントで副社長を務める。彼が現役の間、レッドウィングスは一度もプレーオフを逃しておらず、プレーオフを一度も逃さなかった選手としてはリーグ史上最長。

     またリドストロームはヨーロッパ出身でスタンレーカップ優勝チームの初のキャプテンであり、プレーオフMVPに選ばれた初のヨーロッパ選手でもある。
    ↩︎
  3. ソ連(当時)、スヴェルドロフスク出身。45歳。驚異的なスティック・ハンドリングと創造性を称えて「マジックマン」と呼ばれる。

     2017年、史上「最も偉大なNHL選手100人」の1人に選ばれた際、SKA サンクトペテルブルクで現役生活を送っており、発表時点でNHL以外で活躍していた唯一の選手でもある。
    ↩︎
  4. 詳しくはこちら→
    ↩︎
  5. このシーズンの最終成績は、33−36−13と負け越していて、プレーオフにも進出できていない。
    ↩︎
  6. ルート・スポーツ・ノースウェストのこと。シアトル・マリナーズとワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の合弁事業として運営されている米国の地域スポーツ・ネットワークである。ワシントン、オレゴン近辺を中心にフォローしている。

     クラーケン、マリナーズの他に、ポートランド・トレイルブレイザーズ、ユタ・ジャズ(共にNBA)、シアトル・シーホークス(NFL)の放送を担当。
    ↩︎
  7. バリー・スポーツ・デトロイトのこと。こちらもスポーツ・ネットワークで、レッドウィングスの他に、デトロイト・タイガース(MLB)、デトロイト・ピストンズ(NBA)の放送をフォロー。 ↩︎
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