はじめに
皆さん、お正月気分もそろそろ抜けた頃でしょうか。いや、年の始めからいろんなことが起きすぎて、時間軸がおかしくなっちゃってる方が多いかもしれません。そんな時は、NHLを見て、気分転換しましょう!え?よけいドキドキハラハラする?
さて、12月から1月にかけて、連勝チームの多いこと。フロリダ・パンサーズとエドモントン・オイラーズが共に8連勝、開幕から不振だったシアトル・クラーケンが7連勝と、これら3チームがプレーオフ進出争いを面白くしています。
そして、まさに「一人旅状態」に入りつつある最強チームがバンクーバー・カナックス。その前に立ちはだかったのが、ディビジョン首位を明け渡しそうにないニューヨーク・レンジャーズ。この両者の対戦、ミス連発のチームが崩れ去っていきました…。
レンジャーズの攻撃陣は両サイドを中心にタレント揃い、なかなかチームが崩れないにゃ。
伸び盛りのバンクーバーがどこまで通用するかが焦点だったのだが…。
引用元:NHL.com「Pettersson has 4 points, Canucks defeat Rangers」。
バンクーバー監督、ヒューズを激賞!
バンクーバー・カナックスは、1月8日(月曜日)、マディソン・スクエアで行われたニューヨーク・レンジャーズ戦を6-3で勝利し、エリアス・ペターソン(センター、25歳)が2ゴール・2アシストで4ポイント、オールスター・ディフェンスマンのクイン・ヒューズ(24歳)が1アシストと(プラス/マイナス評価)プラス4を記録しました。
ヒューズはNHL最多のプラス30を記録しています。
カナックスの監督、リック・トシェットはヒューズについて「彼は今日、まるで羅針盤の針(パックをキープし、味方選手へパスを出し、攻撃を司る役目)のようだったね」と語っています。
「彼を見ていると、彼はいつでもパックを欲しがっていたし、どんな状況でもパックを持ちたがっていた。彼は時々そのようになるんだ。彼はプレッシャーを欲しがっている、いや切望していると言っていいかな。彼を見ていれば分かるよ」。
チーム状態は絶好調すぎるくらいだ!
カナックス(26勝11敗3延長負け)では、ニルス・ホグランダー(左ウィング、23歳)が2ゴール、ブロック・ボーザー(右ウィング、26歳)が1ゴール・2アシストを記録し、レンジャーズ、ウィニペグ・ジェッツと並んでNHL最多勝利数を記録しました。サッチャー・デムコ(ゴールテンダー、28歳)も39セーブを挙げています。
「そうだね、試合を楽しむべきなんだが、常に安定した本当に優れたホッケーチームになるためには、常に一貫性を保つ必要があるね」とトシェットは語りました。
「選手たちを称賛しなきゃいけない。彼らは本当に平常心を身につけている。我々は有頂天になって闊歩しろ、なんて思ってもいないが、もっとプレーを楽しみながら自信を持ってほしい。レンジャーズはプレッシャーをかけてきたし、我々はその中で何度かいいプレーをした。
それは私の好きなプレーで、その好みについては一歩も退かないよ。今のチームを60分間維持することは、なかなか難しいんじゃないかな。(それができるから)本当に良いホッケーチームだし、プレッシャーをかけられても、ほとんどの部分で良い仕事をしたと思うよ」。
昨シーズン、トシェット監督に途中交代した時、
こんな大躍進を予想できた人はいないだろうにゃ。
短期間でチームはガラッと変わり、とにかく負けないし、
大量得点による勝ち方が派手!
レンジャーズ、シーズン序盤の勢いはどこへ…
レンジャーズ(26勝11敗2延長負け)ではヴァンサン・トロチェック(2ゴール。センター、30歳)、アルテミ・パナリン(1ゴール、1アシスト。左ウィング、32歳)、アレクシス・ラフレニエール(2アシスト。左ウィング、22歳)がそれぞれ2ポイントを獲得しています。イゴール・シェスターキン(28歳)は20セーブを挙げました。
ニューヨークは過去9試合4勝4敗1延長負けで、1試合あたり3.22失点を許しており、そのうち4試合は規定60分以内の敗戦で、それぞれ4失点以上を喫しています。特に、1月2日のカロライナ・ハリケーンズ戦も1-6で敗れました。
開幕からの30試合終了時点で見た場合、レンジャーズは1試合あたり2.70失点を許し、22勝7敗1延長負けとなっています。
ニューヨークのキャプテン、ジェイコブ・トルバ(ディフェンス、29歳)は「シーズン序盤に成功を収めていた時、堅実な守備で、(相手チームによる)オッドマン・ラッシュ(相手チームよりも人数の多い状態で、アタッキング・ゾーンに入ること)やよくある一般的なチャンスに対し、制限をかけていた」と語りました。
「我々のチームを見てもらえればわかるだろう、両サイドにかなり優秀なスペシャルチーム・ユニットがある。5対5で劣勢に立たされ、(相手に)チャンスを与えてしまうこと、ゴーリーがセーブする必要のないセーブをしすぎてしまうことは、今年の前半にはなかったことだと思うね。
それはチーム内で細かい連携を確認する作業が不足しているからで、その不足感が我々のゲーム中に少し漂っているようだ。自分自身を見つめ直し、不足している部分を認識し、今シーズンの初め、我々を成功に導いたものへ戻るのは我々次第なんだ」。
得点経過〜ヒューズが起点!
第1ピリオド・3分38秒、トロチェックはパワープレーゴールを決め、レンジャーズに1-0のリードをもたらしました。
カナックスは続けて3点を奪い、最初のゴールは53秒後の4分31秒、ペターソンからのパスを左フェイスオフ・サークルからJ.T.ミラー(センター、30歳)がワンタイマーで決めて1-1としています。
6分45秒、ホグランダーのワンタイム・シュートがシェスターキンを打ち破り、バンクーバーが2-1とリードしました。このプレーは、ヒューズからサム・ラファティ(センター、28歳)へのニュートラルゾーンからの素早いパスを起点としています。
19分44秒、ヒューズは再び同様のプレーを行い、ボーザーのゴールをお膳立てし、3-1としました。
レンジャーズがディフェンスペアを交代させている間、ヒューズが右サイドの壁にパックを当てて、ペターソンにパスを送り、ボーザーがラッシュを仕掛けて得点しています。
ペターソンは、氷上に出てきたばかりのカンドレ・ミラー(ディフェンス、23歳)を通り越すかのように、パックをボーザーのいる所まで移動させました。シェスターキンをかわして、ボーザーはバックハンドでショットを放っています。
今シーズンのNHLの話題を独占するヒューズ三兄弟、
ニュージャージー・デビルズに所属するジャック・ヒューズ(次男)は
負傷離脱してしまったのは残念だにゃ。
クイン(長男)とルーク(三男)が出場するかどうかに注目。
レンジャーズ監督、ミスの多さを嘆く
レンジャーズのピーター・ラヴィオレット監督は「我々はメンタル面でのミスを犯した」と語りました。「ラインチェンジのミスもあったし、ターンオーバーでのミスもあった。一晩中我々のサイドが変にヒートアップしていたと思わないが、犯したミスは大きかった。
そう、本当に大きいものだった。あまりにもミスが多すぎるよ。ゴールキーパーには荷が重すぎる、もっと上手くならないといけないな」。
第2ピリオド・8分19秒、パナリンが右サークルからゴールを決めて、3-2とリードを広げます。
しかし、15分33秒、ペターソンは自らのリバウンドからパックを奪い返し、バックハンドでシェスターキンの左パッド(ゴールテンダーの防具)の周りを回り、フォアハンドでゴールに押し込み、4-2としました。
16分47秒、ホグランダーはバックハンドでパックを引き寄せ、得点してリードを5-2に広げています。
「あれは前にも見たことがあるよ」とペターソンはホグランダーのゴールへの動きについて語りました。「彼はああいうプレーをするし、そうあるべきだ。彼はとてもスピードのあるプレーをする。仲間がナイスゴールを決めたんだよ、あの時、彼に興奮していたんだ」。
第3ピリオド・3分36秒、左サークルからトロチェックが得点し、5-3とします。18分29分、ペターソンは無人のネットにゴールを決め、6-3とし、それが決勝点となりました。
追記
注:ヒューズのディフェンス・パートナー、フィリップ・フロネク(26歳)も2アシストで(プラス/マイナス評価)プラス4でした。
…ヒューズと同じラインでプレーした2試合で、ミラー、ボーザー、ペターソンは合計16ポイント(8ゴール、8アシスト)を獲得しています。
…ペターソンは2試合連続で2ゴール、4試合中3ゴールを記録しています。
…ホグランダーは2021年12月10日以来、1試合で2ゴールを決めていませんでした。
…トロチェックは3試合連続でマルチポイント・ゲーム、5試合で4試合連続のマルチポイントを記録したことになります。過去5試合で11ポイント(4ゴール・7アシスト)を記録しています。
まとめ
最新の試合結果(1月9日、日本時間では10日午前中)を見ると、アウェイで、バンクーバーはニューヨーク・アイランダーズに5-2で勝利(3連勝)。ヒューズ、ペターソンの中軸がそれぞれ1ゴールずつ決めての横綱相撲。次回は11日、ピッツバーグ・ペンギンズとアウェイで対戦します。
いつの間にか、同一ディビジョンのライバル、昨シーズンのチャンピオンチーム、2位ベガス・ゴールデンナイツに6ポイント差をつけて、首位独走態勢に入った感もあります。「攻撃は水物」とよく言われますが、このチームには関係ないようです。
気になるのは、昨シーズン、無敵を誇ったボストン・ブルーインズのように、プレーオフになった途端、ガクッと力が落ちないようにすることだけでしょう。プレーオフにも耐えられるよう、戦力補強をするという噂もあります。トチェット監督がどう動くのか。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!