はじめに
2月初旬開催のオールスターまで、後1ヶ月程となりました。アイスホッケーのルール上、頻繁に選手が入れ替わるので、「あの選手が出ないな」というのはあまり無いのですが、「あのコンビをまだ見たい!」と思っても、あっという間にチェンジするのは仕方ないところ。
ところが、その「夢のコンビネーション」に加わると思われていた、若手スター選手が次々と負傷により戦線離脱中。遂に2023年ドラフト全体1位、その数字に違わぬ活躍を見せていたシカゴ・ブラックホークスのコナー・ベダードまでも、リンクから一時離れてしまいました。
選手同士の肉弾戦にこそ醍醐味を見出すアイスホッケーに負傷は付き物です。しかし、ベダード、「アナハイム・ダックスの未来」トレバー・ゼグラス、NHLに旋風を巻き起こしているヒューズ三兄弟の次男、ジャック・ヒューズの離脱は、所属チームだけの問題ではないのです。
シカゴの試合を見ていると、ベダードへの強い当たりが結構あって、
「危ないな」とは思っていたんだにゃ。
シカゴが調子良ければ、彼の使い方も変わっていたんだろうけど、
どっぷりと最下位では、彼に頼らざるを得ないわけで…。
引用元:ESPN.com「Chicago Blackhawks’ Connor Bedard out 6-8 weeks with broken jaw」。
「シカゴの至宝」が…
シカゴ・ブラックホークスのルーキー、コナー・ベダード(センター、18歳)は骨折した顎の修復手術を受け、6~8週間離脱を余儀なくされています。
1月5日、ニュージャージー・デビルズ戦(4-2で敗戦)・第1ピリオド、ベダードはディフェンスのブレンダン・スミス(34歳)からヒットを受けて退場しました。
今週のファンによる投票を受けて、18歳201日のベダードは、NHLオールスターゲーム史上最年少出場となり、2011年、バッファロー・セイバーズの(左)ウィンガー、ジェフ・スキナー(31歳)が樹立した記録(18歳259日)を上回っています(当時はカロライナ・ハリケーンズ所属)。
監督は早期復帰を願うが…
オールスターゲームは2月3日ですが、ベダードの回復に向けての新しいスケジュールでは、彼はこの試合から外れる可能性が高いと思われます。
ブラックホークスのルーク・リチャードソン監督は、「あのような外傷を負った若い選手に対し、彼ら(医者)はこれ以上悪くならないよう警戒しているのだと思う」と語りました。
「つまり、それ(復帰)が早ければ素晴らしいことだけど、彼らがどういう手順で何を考えていたか、について思いやれば、おそらくそれ(6~8週間)が普通のタイムラインなのだろう」。
ベダードが希望の光だったのに、監督の落胆ぶりは大きいだろうにゃ。
なかなかチームに浮上の兆しが見えない中、「客を呼べる選手」の離脱は、
チームの懐具合にも影響しそう。
負傷の原因は…
デビルズ戦、ベダードは4回目のシフト中(リンクに出たのが4回目)、しかもブラックホークスのパワープレー中、彼はデビルズのブルーラインを滑って越えていきます。スティックをさばきながら相手ゾーンに入ると、スミスのショルダーチェックに遭ったのです。
ベダードは氷の上に倒れ込み、すぐに顎を掴みました。第1ピリオド・9分11秒、デビルズのネット裏で、ニック・フォリーニョ(左ウィング、36歳)、ブレット・セーニー(左ウィング、27歳)、そして数人のチームメイトがスミスと小競り合いを起こしたため、ベダードは試合から去っていきました。
金曜日の夜、シカゴのルーク・リチャードソン監督は、相手の当たりが汚いプレーと感じたかどうか尋ねられ、「コナーがパックに手を伸ばそうとした時、相手選手の後ろにいたから、相手は彼(コナー・ベダード)に気づかなかったんじゃないかな。彼の方からコナーに近づいていった訳じゃないと思うよ」と語っています。
「彼は立ち止まり、コナーが彼に真っ向からぶつかって行ったように見えたね。(怪我をさせる)意図はなかったと思っている。彼はただブルーライン上で懸命にプレーして、ペナルティキルされないよう、パックをキープしていたんだ」。
最下位シカゴの負傷者リスト
18歳のベダードは、39試合に出場し、ゴール(15)とアシスト(18)でNHLルーキーのトップに立っています。2023年のNHLドラフト1位指名選手である彼は、氷上でプレーする時間の平均値(19分04秒)でも新人フォワードのトップを走っています。
チームのトップ・ディフェンスマンであるセス・ジョーンズ(29歳)も肩の負傷で離脱中です。彼は12月10日以来プレーしていません。
29歳のジョーンズは、木曜夜のウィニペグ戦に帯同できませんでしたが、再びスケートをしており、復帰に近づいています。
「今日は朝のスケート以外の練習をした最初の日だった」とリチャードソンは語りました。「今日は少しぶつかり合ったけど、練習ではあまりぶつからなかったから、明日は戻って、もう少し練習し、できれば金曜日の全体練習に合流して、そこから先に進むことを願っているよ」。
ブラックホークスのフォワード負傷者リストには、フォリーニョ(左手指の骨折)、アンソニー・ボーヴィリエ(左手首。左ウィング、26歳)、タイラー・ジョンソン(右足。センター、33歳)、アンドレアス・アタナシウ(鼠径部。センター、29歳)も含まれています。
しかし、ジョーイ・アンダーソン(右ウィング、25歳)とテイラー・ラディッシュ(右ウィング、25歳)は、火曜日の夜、2-1で敗れたエドモントン戦でラインナップに復帰しています。
これだけ主力FWが万全じゃない上に、ベダードまで抜けたら、誰が得点するんだろにゃ?
緊急補強をするか、下部組織から上げてくるか。両方ともやるかもな。
引用元:ESPN.com「Ducks’ Trevor Zegras ‘out for a while’ with lower-body injury」。
アナハイムの若手スター、またもや離脱…
アナハイム・ダックスのフォワード、トレバー・ゼグラス(センター、22歳)は、火曜の夜、ナッシュビル・プレデターズに5-3で勝利した試合の第1ピリオド、下半身を負傷したため、コーチのグレッグ・クローニンによると「しばらく離脱する」予定だということです。
ダックスのトップラインの左ウイングであるゼグラスは、第1ピリオド開始わずか6分25秒、プレデターズのフォワード、ジュウソ・パルシネン(センター、22歳)ともつれた際に負傷しました。
ゼグラスはナッシュビルのベンチ近くのボードに足から倒れ込み、リンクから離れる際に助けが必要になるくらい、左足に体重をかけることができませんでした。
NHL通算200試合目に出場したゼグラスは、ダックスのロッカールームへ直行しています。第1ピリオド終了後の休憩時間、チームは下半身の負傷のため復帰しないことを発表しました。
試合後、クローニンは「ゼグラスの調子は良くない。しばらく離脱するだろう」と語っています。
22歳のゼグラスは、下半身の負傷で20試合を欠場した後、復帰して8試合目でした。アナハイムにとっては直近の日曜日の試合、彼はデトロイト・レッドウィングス戦(3-2で敗戦)で2ゴールを決めています。
彼は今シーズン19試合で7ポイント(4ゴール、3アシスト)を記録して火曜日を迎えました。
ナッシュビルとの試合は、ダックスにとって6連戦となる遠征の開幕戦だったのです。
引用元:ESPN.com「Devils center Jack Hughes expected to miss weeks, not months」。
ヒューズ三兄弟の次男も長引きそう…
ニュージャージー・デビルズのオールスター・センター、ジャック・ヒューズ(センター、22歳)の負傷離脱は数カ月でなく、数週間続く見込みだと、監督のリンディ・ラフが火曜日に語りました。
金曜日、ヒューズはデビルズvs.シカゴ・ブラックホークス戦(4-2で勝利)で上半身を負傷し、土曜日、敗れたバンクーバー・カナックス戦には出場していません。
22歳のヒューズは、32試合に出場し、45ポイントでジェスパー・ブラット(左ウィング、25歳)とチームトップに並んでいます。彼は30アシストを記録し、これもブラットとチームトップに並び、15ゴールではタイラー・トフォリ(16。右ウィング、31歳)に次ぐ2位となっています。
2019年にドラフト1位で指名されたヒューズは、2019年10月にNHLデビューして以来、276試合で252ポイント(102ゴール、150アシスト)を記録しました。先週、ヒューズは3シーズン連続でオールスターに選出されています。
まとめ
今回取り上げた3人は、単に優れたプレーをするだけでなく、客を呼べるスター・オーラを持った選手ばかり。MLS(サッカー)に抜かれるんじゃないか、と言われているNHLとしても、オールスターの目玉となり得る選手の相次ぐ離脱は、大きな痛手と言えます。
とはいえ、彼らはまだ若く、ここで無理をさせて、後の選手生命に悪影響を及ばしたのでは元も子もありません。予想以上の離脱期間の長さに、シカゴの監督は落胆の色を隠せませんが、悪化させないために、しっかり治して欲しいと割り切った様子。
ゼグラスは、今シーズン、もう休ませるべきかもしれません。彼の場合、何か完全回復の前に氷上へ出てきたような気もするのですが…。回復まで数ヶ月→数週間となったヒューズも、チーム事情で短縮させられたのでは?と邪推しています。無理は禁物ですよ!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!