はじめに
昨シーズンの今頃、NHL情報サイトが過去の名選手ランキングを続々と発表し、その一つ一つに食いついていったのですが、結局、最後までお届けすることができませんでした…m(_ _)m。一つの記事を何回かに分けて、のんびりやっていたら、あっという間に23-24シーズンが始まってしまったのです…。
で、今年は反省の意味も込めてやらないのかと思いきや、懲りもせず、またやってしまいました(^^;;。でも、あまり長文になりそうな記事のピックアップは無しということで。現在の32チームの情報も追いかけないといけませんからね。
今回は古豪中の古豪、オリジナル・シックのうちの一つ、モントリオール・カナディアンズの名選手10名をお届けします。長らくスタンレーカップから遠ざかっていますが、歴代最多の獲得数を誇る「強豪」でもあるのです。
先日行われたドラフトについて、
トップにランクするマスコミもあるくらい、
豊作だったのがカナディアンズなんだにゃ。
良い若手も集まってきているので、彼らの力を結集し、
そろそろその勇姿をプレーオフの後半まで見続けていたいものです。
引用元: Clutch Points.com「Ranking 10 greatest Montreal Canadiens of all time」
日本で言えば、讀賣巨人軍?
モントリオール・カナディアンズは、NHLの歴史の中で最も成功したチームです。1993年以来、スタンレーカップの獲得数24回(NHL加盟チームとしては23回)を伸ばすことはできていませんが、プロホッケーの魅力あるフランチャイズとなっています。
北米のスポーツ選手権に関して言えば、カナディアンズはメジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースやNBAのボストン・セルティックスと肩を並べる存在です。
グリーンベイ・パッカーズより優勝回数が多いNFLチームはありませんが、(パッカーズの)13回の優勝回数はカナディアンズの素晴らしい合計回数に比べれば、まったく比較になりません。
古豪にふさわしいスター選手がいっぱい
スタンレーカップ優勝の栄光に加え、カナディアンズには数多くのスーパースターが名を連ねています。この記事では、フランチャイズの歴史の中で最高の10人を紹介していきます。
1967-68シーズンのエクスパンション(6→12チームに拡張)後の時代に活躍した選手ですが、ハウィー・モレンツ、オーレル・ジョリア、エルマー・ラック、ディッキー・ムーア、ビル・ダーナンなど、それ以前のスター選手たちも評価に値します。
トップ10に届かなかったその他のスターとしては、アンリ・リシャール、スティーブ・シャット、ジャック・プランテ、バーニー・ジェフリオン、ギ・ラポワント、セルジュ・サヴァールなどが含まれます。
※記事中に出てくる全選手への注釈を作成すると、かなりの分量になるので、今回は割愛させていただきました。
また、読みやすい分量を考え、10位のジャック・ルメール(センター。在籍期間は1967-1979まで)と9位のボブ・ゲイニー(左ウィング。在籍期間は1973-1989まで)の記事も割愛させていただきました。ごめんなさいm(_ _)m。
瓢箪から駒なゴールキーパー、引退後は弁護士に
ゴールキーパー2人と史上最高のディフェンスマン、8、7、6位
1971年のスタンレーカップ・プレーオフ前に、8位のケン・ドライデン(在籍期間1971-1979)がカナディアンズのゴールキーパーの座に就いたとき、彼はほとんど期待されていませんでした。
(プレーオフ準々決勝で)カナディアンズは、ボビー・オアとフィル・エスポジートを擁する得点力の高いブルーインズに対して大きく劣勢であり、ボストンの圧勝が予想されていたのです。
ハブスが第1戦(1-3)に敗れ、第2戦で5対1とリードされてしまい(最終スコアは7-5で大逆転勝利!)、コーネル大学(ニューヨーク州。米国屈指の名門校)出身の身長6フィート4インチ(約193センチ)の新人は序盤こそ苦戦しましたが、
その後、モントリオールは一気に盛り返しました。
カナディアンズはシリーズを制し(決勝でシカゴ・ブラックホークスに4勝3敗)、スタンレーカップを勝ち取ったのです。
ドライデンは、8年間のキャリアでモントリオールを6回のスタンレーカップ優勝に導き、殿堂入りした彼は5回のベジーナ・トロフィー(最優秀ゴールキーパー賞)を獲得しました。
7位のダグ・ハーベイ(在籍期間1948-61)は、1950年代を通じてNHLで最高のディフェンスマンでした。彼は19年間のNHLキャリアで7回のノリス・トロフィー(最優秀ディフェンス選手賞)を獲得し、19年のうち14年はカナディアンズで過ごしました。
ハーベイは優れたスケーターで、パックを自陣から運び出し、チームメイトに得点のチャンスを与えることに長けていました。ボビー・オアがボストン・ブルーインズで伝説的なキャリアを始めるまで、彼はNHL史上最高のディフェンスマンとして広く認められていました。
このリストで6位にランクされているパトリック・ロイ(在籍期間1984-1996)は、モントリオール史上最高のゴールキーパーであることはほぼ間違いありません。
彼はカナディアンズを2度のスタンレーカップ制覇に導き、その卓越した直感と運動能力により、NHLの最高の攻撃的な選手たちを苦しめることにもつながりました。彼はNHLで20年間のキャリアを持ち、そのうち12年間はハブスで活躍しました。
ロイはオールスターに6回、ベジーナ・トロフィーを3回受賞しています。
1対1では絶対防ぎきれないヤツ!
スピードと決定力は、カナディアンズのスターである5位と4位の選手たちの特徴です。
観客を沸かせることに関しては、NHLの歴史の中で、5位のイヴァン・クルノイヤー(在籍期間1963-79)の爆発力に匹敵する選手はほとんどいません。彼の並外れた直感と卓越したスティックさばきでオフェンスゾーンでプレーする能力は、説明のしようがないほどでした。
対戦相手が1対1でカバーしようとすることはめったになく、クルノイヤーに対してそうしようとした者は、誰でもいつも恥ずかしい思いをするのです。レギュラーシーズン968試合で428ゴール、863ポイントを記録し、キャリアの中で40ゴール以上を4回記録しました。
殿堂入りした彼は、8回のスタンレーカップ優勝チームの一員でした。
史上最高のディフェンスマンといえば、4位のラリー・ロビンソン(在籍期間1972-89)の才能と影響力に匹敵する人はほとんどいません。
彼はボビー・オアのようにゲームを変えることはできなかったかもしれませんが、おそらく他のどのディフェンスマンよりも(オアに)近かったでしょう。
ロビンソンは、その体格、リーチ、スケーティング能力、そして知性で、(相手の)優れた攻撃陣を封じ込めることができました。彼は6回のスタンレーカップ優勝チームの一員であり、ノリストロフィーも2回受賞しました。
観客が身を乗り出して応援するほど、すごい人気選手
ゲームの流れを変えるオフェンスのスターが、3位と2位を獲得するでしょう。
アイスホッケー界で、ランキング3位のギイ・ラフレール(在籍期間1971-85)が自陣からスピードを上げて強烈なスラップショットを放ち、ゴールネットを揺らす光景ほどスリリングなシーンはそう多くありません。
これは有名なモントリオール・フォーラム(本拠地)では日常茶飯事で、ラフレールのファンの反応はいつも長く大きな歓声でした。
ラフレールはキャリアを通じて560ゴールと1,353ポイントを獲得し、スタンレーカップで5回の優勝、ハート・トロフィー(MVP)を2回、アートロス・トロフィー(得点王)を3回獲得し、オールスターチームに6回選出されています。
ランキング2位のモーリス・”ロケット”・リチャード(在籍期間1942-60)は、氷上に立つたびにカナディアンズの勝利に貢献したいという思いに突き動かされ、フランチャイズ史上最もダイナミックなゴール・スコアラーとなりました。
リチャードはほぼ無敵で、ハブス(カナディアンズの愛称)での18年間のキャリアで544ゴール、966ポイントを獲得しています。彼がチームの熱狂的なフランス系カナダ人ファンの寵児であったことは間違いありません。
リチャードはレギュラーシーズンでも素晴らしい活躍を見せましたが、スタンレーカップのプレーオフではさらに素晴らしい活躍を見せています。ポスト・シーズンの132試合で82ゴールを決め、そのうち18ゴールが決勝点でした。
ラフレールとリチャード(リシャールと読む場合も)は、
この手のランキング特集には必ず名前の出てくる選手だにゃ。
しかも、2人とも割と上位に顔を出すのが特徴。
NHLの続く限り、この2人のプレー映像が流れ、
偉業が称えられていくことだろう。
引退するまで紳士な選手が第1位
注目に値するジャン・ベリヴォー、全選手中、最も偉大なNo.1
トップランクのジャン・ベリヴォー(在籍期間1950-71)は、NHL最多勝利チームの歴史上最も上品な選手と言えます。彼は真の紳士で、勝つためにプレーしましたが、決してラインを越えるようなことはありませんでした。
ベリヴォーは身長6フィート3インチ(約191センチ)、体重205ポンド(約93キロ)の大男で、1951年から1971年まで20年間も、カナディアンズでプレーしています。
この殿堂入りを果たしたこの素晴らしいセンターは、スタンレーカップ優勝10回、オールスター10回、ハート・トロフィー(シーズン最優秀選手賞)を2回受賞しました。
507ゴール、712アシストを記録し、そして彼の華麗なパスとプレーメイキングのおかげで、(相手にとって、)すべてのラインメイトをより危険な存在にすることのできる選手なのです。
彼は気品の象徴であり、キャリア初日からハブスとの関わりが終わるまで、その態度を貫きました。
まとめ
冒頭で述べた過去の名選手ランキングに、あまり出てこないような選手の名前が見えるのにビックリ。1位のジャン・ベリヴォーにしても、黄金期のチーム引っ張ってきた経歴は凄いのですが、個人記録を見ると、さほどではありません。
おそらくファンにウケの良かった選手、つまり、記録よりも記憶に残る選手がランキングに食い込んできていると見ていいでしょう。
かつてはチーム数も少なく、古豪というブランドが新人を惹きつけ、それがそのまま強化につながっていった時代。ところが、チーム数が増えたことにより、選手達が拡散してしまい、さらにサラリーキャップ制がスター選手を長年抱え込めないようにしてしまいました…。
23-24シーズンのプレーオフは、カナディアンズ以外のカナダ勢の躍進が目立ちました。さあ、古豪もここで一発ぶちかまさないと、ますますブランドの色が薄くなってしまいますよ。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!