はじめに
シカゴ・ブラックホークスがオフシーズンに本格的な再編に動き出しました。今回は注目の若手ルーカス・ライヘルとベテランDFコナー・マーフィーの去就に焦点を当てた“記事2本分”の読み応えある内容です🧐
なお、この記事はCBSスポーツ・シカゴが行ったインタビューをもとに、チームの今後に関する重要な発言や視点を再編集しています。ファンならずとも気になるロースターの変化、そして再建へのビジョンをぜひチェックしてみてください!
参照記事:CBS News「Blackhawks head coach Jeff Blashill talks about his experience and the road ahead」
🔥シカゴ・ブラックホークスに新たな風!ジェフ・ブラシル新HCの想いとは?
2025年、シカゴ・ブラックホークスに新たな舵取り役がやってきました。その名もジェフ・ブラシル1。51歳のブラシルは、過去3シーズンをタンパベイ・ライトニングのアシスタントコーチとして過ごし、それ以前は、2015〜2022年までデトロイト・レッドウィングスのヘッドコーチを7シーズン務めました。
そして、ついに伝統あるブラックホークスのヘッドコーチとして就任🏒✨「この仕事、このチーム、この瞬間こそが、私が望んでいた確かな仕事だ😊」。
誇り高く歴史あるフランチャイズの42人目のヘッドコーチとして紹介された就任会見で、ブラシルの語ったこの言葉は、多くのファンの心に響きました。その言葉の裏にあったのは、“人”とのつながり、そしてこれからの可能性に対するワクワク感。
「まあ、そう感じたというのが率直なところで、理由はいくつもあります。まず一つは『人』です。一緒に働く人たちが素晴らしく、ビジョンを共有できる。それがすごく大事なことなんです」と語るブラシル。現在のブラックホークスには多くの若い才能が集まっていて、それぞれのポジションに深みとエリート性が備わりつつあります。
また、彼自身も経験から多くを学んできました。かつてデトロイト・レッドウィングスで7年間ヘッドコーチを務めた経験を通して、NHLでの再建がいかに難しく、そして痛みを伴うものかを身をもって知っています。
ブラシルは、自身の経験を生かし、チームの若手選手の才能を磨いて、この誇り高いフランチャイズを再び競争力のあるチームに戻したいと考えています。
💬「何に飛び込もうとしているのか、分かっています」
最近のブラックホークスは、ファンにとっても辛いシーズンが続いていました。そんな状況を理解した上での就任に、覚悟の強さが見えます。
「ここ数年の苦しみを理解しているし、それがどれだけ大変なことか、抜け出すのがどれだけ難しいかも分かっています。でも、いくつかの落とし穴があることも分かっていて、それらを乗り越えていく必要があります」。
そして、彼はNHLでも特別な立ち位置にいる存在。なぜなら、NHL創設6チーム(オリジナル・シックス2)と呼ばれる伝統ある6チームのうち、2チームでヘッドコーチを務める数少ない人物の1人となったからです👏
「デトロイトとシカゴの間に昔から続くノリス・ディビジョン3時代のライバル関係もよく知っていますし、クリス・チェリオス4は私の友人なんです。だから、ブラックホークスがどれだけ誇り高く、ファンがどれほど情熱的かもよく分かっています。そんなチームの一員になれることにワクワクしています」。
🏆再建への挑戦と、自分自身への証明
シカゴ・ブラックホークスが最後にスタンリーカップを手にしたのは、もう10年前のこと。ちょうどその頃、ジェフ・ブラシルはデトロイト・レッドウィングスのコーチに就任したばかりでした。地元デトロイトでの経験は、決して華々しい結果には終わりませんでしたが、彼にとっては大きな学びの場でもありました。
「今回の再建に取り組む上で、あなた自身にも、NHLのヘッドコーチとしてふさわしい存在だと証明するチャンスがあるという点で、“完璧なフィット”だと感じていますか?」の問いに対して、彼は次のように答えています。
「間違いなく、そう思います。これまでの経験があるからこそ、今このチームをトップに導くために何が必要なのか分かっている。もちろん、簡単な道のりではないし、計画を実行できるかどうかも分からない。我々はまだ、実行に移さなければならない段階です」。
これは単なる再建ではなく、自分自身がNHLのヘッドコーチとして「ふさわしい存在」だと証明するための機会でもあるのです🔥
⏳「一夜にしてうまくいくことはない」
どれだけ熱意があっても、結果はすぐに出るわけではありません。本人もそれはしっかりと理解しています。
「ファンと同じくらい早く結果を出したいと思っているけど、いつまた競争力のあるチームになれるか、それはまだ分かりません。ただ一つ言えるのは、我々には若い才能があるということです。若い才能が“勝つためのホッケー”を理解し、私たちがしっかりと育てていければ、想像よりも早く競争力を取り戻せると思います😊」。
再建に焦りは禁物。でも、確かな希望がチームに宿り始めているのを感じさせます🌱
タンパベイでの経験を聞かれると、「確かに、タンパでの時間は、NHLレベルの“優勝チームとはどういうものか”を実際に目にする貴重な機会になりました。そして、ジョン・クーパー5のような、リーグでも最高レベルのコーチから学ぶことができたのも大きかったです」と答えています。
👨👩👧👦家族の支えが力になる
最後にブラシルは、自身の家族への感謝を忘れませんでした。妻のエリカさん、そして3人の子どもたち。彼らの支えがあってこそ、彼は何度も困難を乗り越えてきたのです。
「家族は本当に素晴らしい存在です。コーチの家族って、勝敗による感情のジェットコースターに一緒に生きていくことになります。そこには辛い敗戦もあるし、デトロイトでの解任も、引っ越しもしなければなりません。ずっと支えてくれました。常に“前へ進め”と励まし続けてくれた。そのことには永遠に感謝しています」。
新たな挑戦を前にしたジェフ・ブラシル。彼の覚悟、そして家族やチームへの思いが、この再建の鍵となるはずです。シカゴ・ブラックホークスが再び栄光を手にするその日まで、ファンとして温かく見守っていきたいですね💪🖤❤️
ピザがお好きなようです。いい人そうなんだけど、あんまり押しが効きそうにない感じ。とか言ってると、来年の今頃「名将」って言われてたりして。
参照記事:Blackhawk Up6「2 Blackhawks listed among the top of early offseason trade boards」
🏒動き出すブラックホークスのオフシーズン再編!
今季も下位に沈んだシカゴ・ブラックホークスは、オフシーズンに大きな動きを見せることが予想されています。GMのカイル・デイビッドソンが新たなヘッドコーチを迎えたことで、次に注目されるのはやっぱりロースターの見直し。どこをどう改善していくのかが焦点です👀
すでに多くの選手がトレード候補として名前が挙がる中、ブラックホークスからも注目選手がピックアップされています😊。
デイリー・フェイスオフのフランク・セラバリは、オフシーズンのトレードターゲット上位20人を発表。その中にブラックホークスの選手が2人リストアップされていました。コナー・マーフィー(8位)とルーカス・ライヘル(13位)がランクイン!
【追記】デイリー・フェイスオフに掲載された、オフシーズンのトレードターゲット注目選手は以下の通り。
JJ ペターカ(バッファロー・セイバーズ、レフトウィング):23歳にしてトップラインの成績を誇るペターカは、今夏のトレード市場で最も優れた選手の一人かもしれない。セイバーズのGMはペターカをトレードする意向はないと公言しているが、環境の変化が必要とされている。
クリス・クレイダー(ニューヨーク・レンジャーズ、レフトウィング):レンジーズ一筋のクレイダーにとって困難な年だったが、彼はチームを離れることに興味がなく、15チームへのトレード拒否権がトレードを複雑にする可能性がある。
マルコ・ロッシ(ミネソタ・ワイルド、センター):23歳のロッシは契約延長の時期を迎えており、ワイルドが彼との契約を望んでいるかどうかが疑問視されている。
ボーウェン・バイラム(バッファロー・セイバーズ、レフトディフェンス):昨年コロラドから獲得されたバイラムは、10ヶ月前に契約延長の資格があったが、契約は成立していない。
ジョナサン・マーシェソー(ナッシュビル・プレデターズ、ライトウィング):プレデターズは若返りを図る必要があり、34歳のマーシェソーは移籍に前向きであると考えられている。
ラスムス・アンダーソン(カルガリー・フレームス、ライトディフェンス):アンダーソンは、比較的低調な年だったにもかかわらず、優れたトレード価値を持っている。
エリック・カールソン(ピッツバーグ・ペンギンズ、ライトディフェンス):34歳のカールソンは、1000万ドルの高額な契約が残っているものの、GMがチーム再編を進める中でトレード候補として浮上すると予想されている。
ジョン・ギブソン(アナハイム・ダックス、ゴールテンダー):過去3回のオフシーズンもトレードの噂があったが、今夏は残り契約年数が2年であること、好調なシーズンを送ったこと、そしてゴールテンダー市場が薄いことから、トレードが成立する可能性が高いとされている。
ケイアンドレ・ミラー(ニューヨーク・レンジャーズ、レフトディフェンス):25歳のミラーは高額な契約延長が必要とされており、レンジャーズの守備の再構築において重要な要素となっている。
ヴラディミール・タラセンコ(デトロイト・レッドウィングス、ウィング):タラセンコはデトロイトでの状況に不満があるとの情報があり、より良いフィット先を求めて今夏移籍する可能性がある。
モーガン・ライリー(トロント・メープルリーフス、レフトディフェンス):ライリーはパックを動かすディフェンスとしての能力が低下しており、メープルリーフスは彼の高額な契約が重荷になる前に動くべきか検討している。
エリアス・ペターソン(バンクーバー・カナックス、センター):ペターソンにとって今夏は重要な時期であり、ノー・トレード条項が7月1日に発効する前に、カナックスが彼の市場価値を探る可能性があります。
記事全体はこちらをどうぞ→☆。
期待と現実の狭間に立つルーカス・ライヘル
まずはライヘルについて。彼は2020年ドラフトで全体17位指名を受けた有望株。かつてのGMスタン・ボウマン7が最後に指名した選手の一人でもあります。すでにNHLで4シーズンを経験し、169試合で54ポイントを記録しています📊
23歳のライヘルには、NHLの真のエリートフォワードへと成長するポテンシャルがあります。しかし、シカゴでその夢が叶う可能性は、年々低くなっているようです。でも最近はレギュラー定着に苦戦しており、今季は主に第4ラインでの出場が多く、出番も限られていました。
このショート映像を見ても分るように、身体能力は抜群。市場に出たら、サラリーキャップがカツカツのチームに拾ってもらえるんじゃないの?
🔄若手の台頭とベテランのマーフィーの去就
23歳のライヘルはまだエリートフォワードになる可能性を秘めていますが、ブラックホークスでそれが実現するかは微妙なところ。
来季には新たなプロスペクト(若手有望選手)もロースター争いに加わるため、ライヘルはブラックホークスのラインナップから外れる可能性が高いでしょう。デイビッドソンGMは彼のトレードも検討中で、もし移籍すれば別のチームで才能を開花させる可能性もあります🌱
一方、32歳のディフェンスのコナー・マーフィーは、2021年8月に結んだ4年契約の最終年。2017-18シーズンからチームに在籍しており、現在残る最長在籍の選手で、キャプテン代理も務める頼れるベテランです。
しかし、若手ディフェンス陣が急増する中、マーフィーのような経験豊かな選手はまだ必要ですが、今オフに驚くようなトレードオファーがなければ、トレードは少なくとも来シーズンの中頃になるかもしれません。
ポジショニングの良さが光るディフェンスマン。得点力のある選手はキープしといた方がいいんだけど、チーム事情が許さんでしょ。
来シーズンのブラックホークスのディフェンス陣には、23歳のアレックス・ヴラシック、19歳のアルチョム・レヴシュノフ、20歳のサム・リンゼルやケビン・コルチンスキー、22歳のノーラン・アラン、イーサン・デル・マストロと若手がずらり。これからのチームを担うスター候補が揃っています✨

これだけ若手が揃ってりゃ、マーフィーが移籍に大きく傾く可能性は強いにゃ。32歳、もうひと花咲かせるには充分な年齢。ライヘルは23歳、これらの若手とほとんど変わらない年齢。移籍直訴で大勝負に出てもいいんじゃないか?監督代わったし、ドラフトまで待ってみるか…なんて悠長こと言ってなくて。
さらに、ワイアット・カイザーとルイ・クレヴィエも今オフに制限付きフリーエージェント(RFA)となり、再契約の可能性があります。マーフィー以外で唯一のベテランディフェンスは、34歳のTJ・ブロディで、彼も来シーズンまで契約が残っています。
まとめ
ブラックホークスは若手の台頭と共に、重要な決断を迫られています。ライヘルやマーフィーの今後は、チームの方向性を大きく左右するでしょう。再建期にある今こそ、将来を見据えた柔軟な選択が求められています。🦅

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- ミシガン州デトロイト生まれで、フェリス州立大学ではゴールテンダーとして活躍し、1994年にはルーキー・オブ・ザ・イヤーに選ばれ、1997年にはセントラル・カレッジ・ホッケー・アソシエーション(CCHA)のオール・アカデミック・チームに選出された。
1999年にフェリス州立大学のアシスタントコーチとしてキャリアをスタートし、その後マイアミ大学、インディアナ・アイス(USHL)、ウェスタン・ミシガン大学などで指導経験を積む。特にウェスタン・ミシガン大学では、2010–11シーズンにCCHAチャンピオンシップゲームとNCAAトーナメントに進出し、コーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞。
2012〜2015年までAHLのグランド・ラピッズ・グリフィンズのヘッドコーチを務め、3シーズン連続でカルダー・カップ・プレーオフに進出し、2013年にはグリフィンズ初のカルダー・カップ優勝を達成した。
その後、デトロイト・レッドウィングスのヘッドコーチに就任し、2015–16シーズンから21–22シーズンまで7シーズンにわたり指導。レッドウィングスでは通算204勝261敗72分の成績を記録し、プレーオフ進出は1度のみ。
ブラシルは、2009年の世界ジュニアAチャレンジ、2009年の世界ジュニアアイスホッケー選手権、2017年のIIHF世界選手権など、アメリカ代表のコーチングスタッフとして参加している。
↩︎ - 1942〜1967年までリーグを構成していた6つの伝統的チームの総称。モントリオール・カナディアンズ、トロント・メープルリーフス、ボストン・ブルーインズ、ニューヨーク・レンジャース、シカゴ・ブラックホークス、デトロイト・レッドウィングスの6チームで構成され、現在も人気と影響力を誇る。
「オリジナル」といってもNHL創設時のメンバーとは限らず、あくまで長期間リーグを支えた固定チームという意味で使われている。
↩︎ - 1974〜1993年まで存在したNHLの旧地区の1つで、デトロイト・レッドウィングスやシカゴ・ブラックホークスなどが所属。激しいフィジカルプレーが特徴で、「乱闘の多い地区」として知られていた。1993年のリーグ再編で廃止され、現在のセントラル・ディビジョンの前身にあたる。
↩︎ - 1962年生まれ、26年間にわたってNHLで活躍したアメリカ出身の名ディフェンスマン。モントリオール、シカゴ、デトロイトなどでプレーし、スタンレー・カップを3回、ノリス・トロフィーを3度受賞。アメリカ代表としてもオリンピックに4度出場し、2002年には銀メダルを獲得。2013年にホッケー殿堂入り。
↩︎ - NHLのタンパベイ・ライトニングのヘッドコーチで、2020年・2021年にスタンレー・カップを連覇。弁護士からコーチに転身し、AHL・ジュニアリーグを経てNHLで成功を収めた異色の経歴を持つ。2025年と2026年にはカナダ代表のヘッドコーチとして国際大会にも出場予定。
↩︎ - シカゴ・ブラックホークスに特化したニュース・分析サイト。最新の試合情報、選手の動向、トレードの噂、ドラフト情報などを、ファン視点でわかりやすく提供している。地元ジャーナリストによる寄稿も多く、熱心なファン層に支持されている。
↩︎ - カナダ・モントリオール生まれのプロアイスホッケーのエグゼクティブで、2024年からエドモントン・オイラーズのGMを務めている。彼は、シカゴ・ブラックホークスのGMとして2009年から2021年まで在任し、その間に3度のスタンレー・カップ制覇を達成。
しかし、2021年にブラックホークスのコーチによる性的暴行事件の対応不備が明らかになり、GM職を辞任。その後、2024年にNHLへ復帰し、オイラーズのGMに就任した。 ↩︎