はじめに
前回の記事で、NHL→ロシアのKHLへ移籍する選手の話題を出しましたが、両リーグを往復している選手もたまに出てきます。今回の記事に出てくるドミトリー・ヤシュキンも、セントルイス・ブルースやワシントン・キャピタルズでプレーし、KHLでもスター選手です。
さて、オフシーズンでも、選手達はそれぞれの方法で体を動かしています。ワシントン・キャピタルズのキャプテンであるアレックス・オベチキンはいつものルーティンにプラスして、今年は母国ロシアでチャリティー・マッチに参加し、大活躍しました。
その反面、かつてはオベチキンと共にキャピタルズ黄金時代を築いたエフゲニー・クズネツォフは、拾ってもらったカロライナ・ハリケーンズを解雇され(強制的に?)、現在、その立場は完全にフリーとなっています。果たして母国に戻るのでしょうか、それとも…。
ヨーロッパのリーグでプレーするって選択肢もあると思うにゃ。
まさか、日本のリーグに…それはないか、さすがに^^;。
大物スター選手だし、プライドも高そうだからね。
まあ、母国に戻り、心身共にリフレッシュして、
現役生活を送ってほしいところだ。
引用元:The Hockey News.com「Capitals Captain Alex Ovechkin Set To Make Return To Ice For NHL vs. KHL All-Star Game」
ロシアのオールスターに出るよ!
ワシントン・キャピタルズのキャプテン、アレックス・オベチキンは、7月20日・土曜日、モスクワでNHLとKHL選手のオールスター戦に出場するため、今週末に氷上に戻る予定です。
38歳の彼は、アルテミ・パナリン(ニューヨーク・レンジャーズ)とミハイル・セルガチョフ(タンパベイ・ライトニング)とともに、イベントの調整を手伝いました。
この試合には、元キャピタルズのイリヤ・コバルチュク1(2024年4月、引退発表)やドミトリー・オルロフ(カロライナ・ハリケーンズ)なども出場し、イゴール・シェスターキン(レンジャーズ)、アレックス・ラドゥロフ(ダラス・スターズ)などのスター選手も出場します。
オベチキンはNHLで20シーズン目を迎え、彼がキャリアの中で最も困難なシーズンと呼んだシーズン(23-24)を終えようとしています。(23-24)シーズン序盤はなかなか得点に結びつきませんでしたが、後半はギアを上げ、通算18度目となる30ゴールを記録しています。
彼は現在853ゴールで、ウェイン・グレツキーの歴代最多ゴール記録まであと42ゴールと迫っています。
オベチキンのオフの過ごし方
NHLとKHLのスター選手による初めての対戦は、シーズンに向けて何人かの選手にとって良い調整となるでしょう。オベチキンはトルコで休暇を過ごしており、パデル(テニスとスカッシュを合わせたようなラケット競技)とビーチバレーで体調を維持しています。
そして今、数週間後のワシントンD.C.復帰に向け、オフシーズンのトレーニングを続ける前に、彼は氷上でいくつかの仕事をすることになります。
オベチキンはシーズンの終わりに、トレーニングとオフシーズンの練習プログラムにいくつかの変更を加える予定だと言っていました。
彼はパベル・ブルラチェンコと(専属のトレーナー。後述、エフゲニー・クズネツォフも担当していた)一緒に行動しており、大抵の場合、トレーニングキャンプの前には米国に戻り、ワシントンでチームメイトたちと非公式に氷上あるいはそれ以外でも練習を行います。
引用元:The Hockey News.com「Ovechkin’s Still Got It, Scores & Earns Player Of Game Honors In NHL vs. KHL All-Star Match」
オールスターで健在ぶりを発揮!
ワシントン・キャピタルズのキャプテン、アレックス・オベチキンはまだまだやれます。
7月20日・土曜日、この38歳の選手は氷上に登場し、モスクワで行われたNHLとKHLそれぞれのスター選手によるオールスターゲーム2でショーを披露しました。
アルテミ・パナリン、エフゲニー・マルキン(ピッツバーグ・ペンギンズ)、そしてお馴染みの顔ぶれとプレーしたオベチキンは、すぐに仕事に取り掛かり、開始1分でゴールを決めています。
オベチキンのゴールは、彼の典型的なやり方によって、パナリンからのフィードを左サークルからスナップショットで決めたものでした。
さすが千両役者、美味しいところは必ず持っていきます↑。
彼はまた、ベンチで観客を煽りながら、(この試合に対し)盛大な祝福も行っています。
試合の最終スコアは8-8で、オベチキンがプレーヤー・オブ・ザ・ゲームに選ばれました。元キャピタルズのドミトリー・オルロフとイリヤ・コバルチュクはオベチキンのチームに所属し、
ドミトリー・ヤシュキン(KHLのアク・バルス・カザン所属の右ウィング。NHLでも5シーズンにわたりプレー、キャピタルズには18-19シーズンに所属)はKHLのスター選手としてプレーしています。
オベチキンはNHLで20シーズン目を迎え、ウェイン・グレツキーの歴代最多ゴール記録を破るまであと42ゴールと迫っています。
YouTubeにもうちょっと映像アップされているかと思ったけど、
まだ終わったばかりってこともあり、少なめだにゃ。
「今年こそKHL!」と思っている^^;自分としては、
情報プリーズ!です。
NHL以上に日本で取り上げられないのは、非常に残念。
引用元:The Hockey News.com「Report: Ex-Capitals Center Kuznetsov’s New KHL Deal With SKA Won’t Be Signed ‘In The Near Future,’ What Are Next Steps?」
オベチキンの僚友は今…
元ワシントン・キャピタルズとカロライナ・ハリケーンズのセンター3、エフゲニー・クズネツォフは、ロシアへの復帰を視野に入れていると報じられています。
NHLでの契約をすべて断ち切りましたが、新しい報道によると、KHLとの契約に正式にサインをするには、今しばらく待たなければならないと言われています。
Match.TV(ロシアの連邦スポーツ・テレビ・チャンネルで、無料放送)は、クズネツォフが「近い将来」SKAサンクトペテルブルクと契約することはなく、SKAは彼を加入させるために何らかの手を打つ必要があると報じています。
「近い将来、それは実現しないでしょう。なぜなら、まず、SKAは(キャップ)スペースを空けて、サラリーキャップの上限よりも下回らねばならず、そのためにいくつかのトレードを行う必要があるからです。
それを超えた場合、クズネツォフの契約はKHLに登録できなくなります」と情報筋は7月19日・金曜日にMatch.TVへ語りました。
母国でもいろんな話が飛び交っています
クズネツォフがカロライナとのNHL契約を終了した後、SKAサンクトペテルブルクと4年契約を結ぶと最初に報じたのは、Championat(ロシアのスポーツ情報サイト。情報の信頼度は3番手くらい?)です。
7月18日・木曜日、ハリケーンズは無条件で保有権を放棄し、彼との契約を打ち切りました4。クズネツォフは、600万ドルと、2017年にキャピタルズと結んだ8年契約の最終年も破棄してしまったのです(無制限のフリーエージェントとなった)。
クズネツォフは、契約に対応できる十分なキャップスペースが確保されるまで、無制限のフリーエージェントのままであるようです。
故郷のチェリヤビンスク・トラクトル(イースタン・カンファレンスのハルラモフ・ディビジョン所属。23-24シーズンはディビジョン4位、プレーオフ準決勝で敗退)など、クズネツォフのサービスに興味を持っている他のKHLチームもあるかもしれません。
クズネツォフがNHLを去ったことにより、彼の年俸を分割管理しているワシントンとカロライナ両方の財政にとって、彼の合計キャップヒットである780万ドルは完全に「会計簿」から外れることになります。
2024年のNHLトレード・デッドラインで、キャピタルズは2025年の第3巡目指名権獲得のために彼をハリケーンズにトレードした後、彼の給料の50%を保持していました。
クズネツォフはNHLで511年間にわたって743試合に出場し、575ポイントを獲得しています。2018年のポストシーズンでの彼の31ポイントのパフォーマンスは、D.C.(キャピタルズのこと)を史上初のスタンレーカップ初優勝に導きました。
ファンはみんな君の帰還を待っている!↓
まとめ
クズネツォフは32歳、これからひと花もふた花も咲かせられる年齢です。「健康面が万全であれば」というエクスキューズが付くとはいえ、23-24シーズン最終盤、ハリケーンズでの活躍ぶりを見ていると、衰えた感じは全くありません。
ただし、プレーオフ出場を絶対条件とするチームでは、戦力的にやや物足りないかも。再建途中のチームであれば、常時出場とはいかないまでも、味のあるプレーを随所に見せてくれるはずです。コロンバスとかカルガリーなんかどうかな、と思っているのですが…。
本人が常時出場を望むのであれば、やはり母国のリーグが最適。ここでも、トップ・レベルのチームより、その下のランクのチームがいいでしょう、彼のキャプテンシーが発揮されますから。まだ開幕まで時間はあります、じっくり状況を見て決めていくことでしょう。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 現役時のポジションは左ウィングの41歳。2001年NHLドラフト全体1位指名(アトランタ・スラッシャーズ、現ウィニペグ・ジェッツ)。NHLとKHLを往復していて、両リーグで優秀な成績を残す。
キャピタルズには2020年の数ヶ月のみの在籍だったが、チームは違っていても、オベチキンとプライベートで行動を共にすることが多い。
↩︎ - この試合はどちらのリーグも後援していないものの、タンパベイ・ライトニングのディフェンスマン、ミハイル・セルガチェフとニューヨーク・レンジャーズのフォワード、アルテミ・パナリンが中心となって企画・運営されたものである。
「真夏の最高のホッケーフェスティバル」と銘打ち、ロシアのモスクワのCSKAアリーナ開催されたチャリティ・マッチ。この試合の収益の大部分は、選手が主催する慈善団体に寄付される。
ホッケーの試合以外にも、大人から子供まで楽しめるアトラクションや人気選手やコーチとのサイン会等も開催された。
↩︎ - 2024年2月5日、以前から薬物使用歴のあったクズネツォフはNHL選手支援プログラムに参加(キャリア2回目)。3月2日、クズネツォフがプログラムによって練習復帰を許可された、とNHLから発表があったものの、その数時間後、クズネツォフはキャピタルズから解雇。
3月4日、クズネツォフは、キャピタルズの傘下チームであるのハーシーベアーズ(AHL)にレンタル移籍。3月8日、ハーシーズとの試合出場前、クズネツォフはキャピタルズから2025年ドラフト3巡目指名権と引き換えにカロライナ・ハリケーンズへトレード。
ハリケーンズ加入後、クズネツォフは、レギュラーシーズン20試合で2ゴール、7ポイントを、また、チームのプレーオフ第2ラウンド進出に貢献し、10試合に出場して4ゴール、6ポイントをそれぞれ記録している。
特にPNCアリーナでのイースタン・カンファレンス第1ラウンドの第1戦(対ニューヨーク・アイランダーズ)で、クズネツォフはオープニング・ゴールを決め、カロライナを3-1の勝利に導いたのは印象深い。
↩︎ - 「最終的に双方は、これが選手とチームの両方にとって最善の行動であることに同意した」とゼネラルマネージャーのエリック・トゥルスキーは、ハリケーンズのウェブサイトで語っている。
「チームでの時間を共に過ごせたエフゲニーに感謝し、彼と彼の家族の幸運を祈ります」。
↩︎ - 2010年NHLドラフトで全体26位でキャピタルズから指名。743試合出場で575ポイント(173ゴール、402アシスト)、
ポスト・シーズンは、77試合出場で73ポイント(33ゴール、40アシスト)を記録し、2018年、ワシントンのスタンレーカップ獲得に貢献。プレーオフMVPであるコン・スマイス・トロフィーの投票で、ラインメイトのアレックス・オベチキンに次ぐ2位となっている。
NHLに参加する前に、クズネツォフは2009年IIHF U18世界選手権でロシアと銀メダルを、IIHF世界ジュニア選手権で金メダル(2011年)と銀メダル(2012年)を、また、2014年のIIHF世界選手権で金メダルをそれぞれ獲得している。 ↩︎