ユニークな永久欠番発表と2023年度ホッケーの殿堂入り決定!

アイスホッケー名選手

はじめに 

 このブログに設置している「名選手列伝」コーナーは、レギュラー・シーズン中、なかなか記事を増やしていかないのですが、このオフシーズンになると、ぐっと増えていきます。その原動力になっているのが、永久欠番OBとホッケーの殿堂入り関連のニュースです。

 まず、ユニークな形で永久欠番発表となった、シカゴ・ブラックホークスの元ディフェンスマン、クリス・チェリオスの話題から。観衆の前で発表されるのはよくあるパターンなのですが、ロック・コンサートのステージ上で聞くとは、歴戦の強者・チェリオスも想像できなかったでしょう。

 そして、今年のホッケーの殿堂入り5名も決定しました。来年1月スタートの女子リーグについて、このブログでも紹介しましたが、その関係者が選出されていますし、女子代表として、多くの偉業を打ち立てた選手の名前も見られます。

 アイスホッケーが完全に文化となっている国、羨ましいです。

讃岐猫
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引用元:ESPN.com「Pearl Jam tells Chris Chelios news of Blackhawks jersey retirement」。

パール・ジャムに発表してもらえるなんて…

 2024年2月25日、ユナイテッド・センター(イリノイ州シカゴ。ブラックホークス、NBAブルズのホーム)での試合前セレモニーで、シカゴ・ブラックホークスが、殿堂入りしているディフェンスのクリス・チェリオスの背番号7を永久欠番とする、と9月7日(木曜日)の夜に発表しました。

クリス・チェリオス=米国、イリノイ州シカゴ出身、61歳。ディフェンス選手によるNHLでの最多試合出場記録保持者であり、1,651試合出場で全体8位、プレーオフ通算266試合出場している。また、NHLで26シーズンにわたりプレーしたのも最多である(ゴーディ・ハウとタイ)。

 このニュースは、ユナイテッド・センターで行われたパール・ジャムのコンサートで明らかになったのです。バンドのフロントマンであるエディ・ヴェダーの親友であるチェリオスは、サプライズ発表のためステージ上へ連れて行かれました。

エディ・ヴェダー=米国、イリノイ州エバンストン出身、58歳。ロックバンド、パール・ジャムのリードボーカリスト。デビュー・アルバム『テン』(1991)は、1990年代で最も売れたオルタナティブ・アルバムの1つである。社会活動家でもあり、政治的テーマに関する発言も多い。

※YouTubeにその映像アリ。

 2010年を最後に、26シーズンを過ごしたNHLから引退したチェリオスは、ホームでブラックホークスがデトロイト・レッドウィングスを迎え撃つ前に表彰されます。シカゴで9シーズン、デトロイトで10シーズンプレーしました。

ブラックホークス会長ファミリーも喜んでいます

 ブラックホークスの会長兼CEO(最高経営責任者)のダニー・ワーツ会長は「私たちは氷上におけるブラックホークスのホッケーの新時代を迎えようとしているが、この組織の過去のメンバーを称えることの重要性は優先事項であり、今後も常に優先される」と述べています。

ダニー・ワーツ=米国、イリノイ州ウィネトカ出身、46歳。ワーツ・コーポレーションのオーナー兼会長。ワーツ・コーポレーションは、シカゴ地域全体の不動産を監督し、また酒類を管理する会社でもある。2023年に亡くなった父親からワーツ・コーポレーションを継承したばかり。

 「クリス・チェリオスはブラックホークスだけでなく、ここに彼のルーツがあることを考えると、シカゴの街を代表しているのです」。

 7月に亡くなったブラックホークスの元オーナー兼会長である父ロッキーが、チェリオスについて、”次のブラックホークスの永久欠番は彼のジャージーとなることを望んでおり、そしてその瞬間を見たかっただろう”とワーツは語りました。

父ロッキーが、…=2023年7月25日に亡くなったロッキー・ワーツのこと。享年70歳。ロッキーがブラックホークスを管理する以前、チームの成績だけでなく、財政的にも苦境に立たされていた。

 ロッキーは「お金を稼ぐためにはお金を使うと信じている」をモットーに立て直しを図り、チームをプレーオフ出場の常連チームへと変えていった。

 「2月にクリスのキャリアを家族や友人と祝い、ブラックホークスファンとそのすべてを分かち合うことを楽しみにしている」とワーツは述べています。

 61歳のチェリオスは、現役時代に3度スタンレーカップのタイトルを獲得しました。1回はモントリオール・カナディアンズで、残り2回はレッドウィングスで獲得したものです。アトランタ・スラッシャーズでも短期間プレーしています。

 チェリオスはNHLのトップ・ディフェンスマンとしてノリス・トロフィーを3度受賞し、2013年にホッケーの殿堂入りを果たしました。

讃岐猫
讃岐猫

引用元:ESPN.com「Dustin Brown, Jamie Langenbrunner top U.S. Hockey HOF class

2023年度ホッケーの殿堂入り決定!

 元NHL選手のダスティン・ブラウンとジェイミー・ランゲンブルナーは、USAホッケーによって9月8日(金曜日)に発表された、2023年米国ホッケー殿堂入りクラス(その年度に殿堂入りした5人のこと)の中でもハイライトとなっています。

ダスティン・ブラウン=米国、ニューヨーク州イサカ出身、38歳。現役時代のポジションは右ウィング。2008年から2016年までチームキャプテンを務め、控えめで模範的なアプローチで知られていたと同時に、フィジカルなプレースタイルで味方を鼓舞し続けた。

ジェイミー・ランゲンブルナー=米国、ミネソタ州クロケット出身、48歳。現役時代のポジションは右ウィング。2010年オリンピック米国チームのキャプテンであり、1999年にはダラス・スターズの、2003年にはニュージャージー・デビルズの、それぞれスタンレー・カップ優勝チームのメンバーであった。

昨年度の米国ホッケー殿堂入りクラスについては、こちら→

 ボストンで12月6日に行われるセレモニーで、長年のエグゼクティブであるブライアン・バーク、女子のスター選手ケイティ・キング・クロウリー、そして審判のブライアン・マーフィーも殿堂入りを果たします。

ブライアン・バーク=先ごろ、来年1月から発足する女子のプロ・アイスホッケーリーグのフロントに入り、事務局長を務めることとなった。詳しくはこちら↓。

ケイティ・キング・クロウリー=詳しくはこちら↓。

ブライアン・マーフィー=米国、ニューハンプシャー州ドーバー出身。NHLでは1988〜2020年まで審判を務め、その内訳は、レギュラーシーズンで主審を88試合、線審を1983試合、プレーオフ304試合、スタンレーカップ決勝9試合となっている。

 30年以上にわたり、USAホッケー開発プログラムに関わって後進の育成に務めており、現在も継続中。

 USAホッケーのマイク・トリンボリ会長は「素晴らしいクラスであり、本当に非凡さを反映したグループだ」と述べました。「彼らの業績は多岐にわたり、広範囲に及んでおり、彼らがゲームに与えたプラスの影響は、(今後も)間違いなく次の世代に利益をもたらすだろう」。

殿堂入りを果たした顔ぶれについて

 2012年、ロサンゼルス・キングスが初めてスタンレーカップを制覇した時、ブラウンはアメリカ人キャプテンとしてスタンレーカップを掲げた2人目の選手であり、2014年に再び優勝しました。

 今年初め、アリーナの外にチームはブラウンの銅像を設置し、彼の背番号23を永久欠番としました。

 ランゲンブルンナーは、1999年にダラスで、2003年にニュージャージーで(スタンレー)カップを2度制覇しています。米国が銀メダルを獲得した2010年のバンクーバーオリンピックで、ブラウンとチームメイトでした。

 キング・クロウリーは、1998年の長野オリンピックの女子ホッケーで、米国の金メダル獲得に貢献しています。2002年ソルトレイクシティ大会で銀メダル、2006年トリノ大会で銅メダルを獲得しており、五輪での14ゴールは米国代表選手最多タイです。

 バークのホッケー界における豊富なキャリアには、代理人としての経験や、2007年にダックスのゼネラルマネージャーとして、アナハイムでスタンレーカップ優勝を経験したことも含まれます。

 2010年に銀メダルを獲得した米国オリンピックチームのGMを務めたほか、米国のいくつかのクラブでホッケー運営の社長を務めてきました。

 マーフィーは、NHLのレギュラーシーズン2,000試合以上を担当したわずか8人の審判の1人であり、アメリカ人はわずか2人です。スタンレー・カップ・ファイナルの審判を9回務め、審判と線審の両方を務めた数少ない審判員の1人でもあります。

審判と線審を兼任する=現在は主審2名、線審2名でジャッジされているが、かつては1人や2人の時代もあった。1990年代初頭、マーフィーがフルタイムの線審に昇格した際、線審の拡充が図られ、現在の形に徐々に近づいていったと言える。

 なお、主審と線審の間に明確な格差があり、フルタイムの主審に昇格するには、相当の実力と経験が伴わなければならない。

まとめ

 それにしても、ブライアン・バークは、いろんなところに名前の出てくる人です。それだけ手腕のある人なんでしょうけど、ここ数シーズンのNHLでは、あまりパッとした仕事を残せていないのも事実。新装開店の女子プロリーグは、心機一転で成功させてほしいものです。

 ブラウンとランゲンブルナー、どちらもそのキャプテンシーが殿堂入りの大きな要因となったのでしょう。いくつメダルを持ってるんだろう?と思わせる、キング・クロウリーの活躍も見事です。

 そして、あのスピーディーで、ちょっと荒くれた?リンク上で、的確なジャッジを2,000試合以上も出し続けたマーフィーの冷静さあってこその、エキサイティングなNHLなのだと思います。彼のような審判がいなかったら、とっくにリーグ戦は空中分解してますからね。

 とにもかくにも殿堂入りの皆さん、おめでとうございます!アイスホッケー、バンザイ!
 

讃岐猫
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