はじめに
プレーオフ進出チームが続々と決まっても、なかなか日本のスポーツ報道機関は取り上げてくれないようで…。まあ、いいです、あまり見たくないニュースでもありますから^^;。リーグ32チームの全体順位が決まりつつある今、あの話題が盛り上がりつつあります。
そう、ドラフト指名順抽選の件です。非常に複雑なシステムであり、下位チームが良い選手を指名できるようにはなっていますが、リーグ最下位チームがそのまま1位指名権獲得と行かず、抽選くじを引かねばなりません。
他チームに指名権をトレードしていなければ、くじを引いても、1〜3位のどれかは確実に入手できるのですが…。現在、最下位のサンノゼ・シャークスが全体1位指名権をほぼ手中にしていますが、ブービーのシカゴ・ブラックホークスにも可能性はあるのです。
シカゴがまた全体1位指名権を大逆転で?手に入れたら、
新人王ほぼ確実のコナー・ベダードと
1位指名候補のマックリン・セレブリーニが組むことになるにゃ。
それはそれで見たいんだけど…。今回は、サンノゼ期待の若手のニュースもお届け!
引用元:The Hockey News.com「Sharks Fans Must Become Blackhawks Fans Against Blues」
ドラフト全体1位指名権獲得の条件
(4月10日、)シカゴ・ブラックホークスがセントルイス・ブルースに勝てば、サンノゼ・シャークスが2024年のNHLドラフト・ロッタリー(指名順の予備抽選)の最高オッズ(1巡目全体指名権を獲得する確率。下位チームほど確率が高くなる)を獲得することになります。
今夜は、シャークス・ファンにとって、この闘いが「みんなから祝福される夜1」になるかもしれません。サンノゼは勝ち点45で、ブラックホークスとは6ポイント差の最下位となっています。
ブラックホークスがレギュレーション・タイム(60分間)内で勝てば、残り4試合で8ポイント差となります。
シャークスは2シーズン連続でNHL最少勝利数を記録しているため、ブラックホークスはどんな形でも勝つことができます。
今シーズンここまで18勝しているシャークスは、残り4試合しかないため、(全勝して、シカゴが全敗しても)ブラックホークスの23勝にあと1勝までしか迫ることができません。
シカゴは現在サンノゼに6ポイント差をつけており、合計勝利数が多いため、今夜ホークスが勝利した後、両チームが残り試合で全勝(サンノゼ)と全敗(シカゴ)した場合のみ、サンノゼが勝ち点の合計ポイントで並ぶ2ことができます。
もし1位指名権を獲得したら…
今夜、シャークスがナンバーワンのオッズを獲得する権利を得た場合(つまり、最下位確定の場合)、2024年のNHLドラフトで1位指名権を獲得する確率が25.5%になります。ボストン大学のマックリン・セレブリーニ3が、疑いの余地なくシャークス全体1位指名の最有力候補です。
シャークスのファンは、世代交代の可能性を秘めた才能をドラフトで獲得する最高のチャンスを得るため、オリジナル・シックス(NHL草創期に創設された6チーム)の一つであるシカゴ・ブラックホークスのファンの帽子を、一晩中かぶり続けなければなりません。
17歳がドラフトで上位指名って、NHLでは当たり前なんだにゃ。日本だと大騒ぎになるけど。
この辺の年齢でツバ付けといて、大学行っても良し、
チームに残って下部組織チームでプレーするも良し、と選択させるのが面白いシステム。
引用元:The Hockey News.com「The Best Of Collin Graf Is Still To Come」
もしセレブリーニが加入したら、相棒は俺だ!
コリン・グラフ4はサンノゼ・シャークスでの2試合で1アシストを記録していますが、この若いフォワードはまだNHLで「快適に過ごしている」段階です。
まだまだ若いキャリアの中で、グラフは第1戦と第2戦で別の選手のように見えました。
「最初の試合では、自分の守備がうまくいくかどうかを確認しようとしていたんだ」とグラフは今朝(4月9日)語っています。「コーチたちは、ゾーン内やニュートラルゾーン等での動き、フォアチェックの仕方など、多くのことを教えてくれた。
僕はただ、それらすべてを身に付けているかどうかどうかを確認しようとしたんだよ。第2戦に向けて、より慣れてくるだろうから、アイスリンクに出て、僕はもっとプレーしようと思っていた」。
「一番大事なのは、常に正しいポジションにいなければならないということさ」とグラフは最初の2試合で学んだことについて語りました。「試合はあっという間に終わってしまうし、間違ったポジショニングをしていたら、そんなのすぐにバレてしまう。
他の選手たちのスピードは速いと思うから、素早く考えて素早くプレーしなければならないね」。
グラフは最初の試合で右ウイングでプレーしましたが、2試合目では左ウイングにシフト・チェンジしています。記者団に対し、彼はどちらのウイングでも快適だと語りました。
チームの2人の右利きフォワードのうちの1人であったため、彼はクイニピアック(大学の名称。グラフの母校)で右ウイングをプレーしていたと語っています。
若いのに、ジョークが上手い
今日のグラフのメディアとの関わり方は、彼の成長ぶりを示していました。彼はますます笑顔になり、面白い冗談を言っています。
「自分から声を出すようにしていたんだ。みんなの名前を覚えて、自分がオープンな場所にいるとき、名前を読んでパックを呼びこめるようにね」とグラフは語りました。「うん、みんなの名前は知っているよ。ジャージのおかげで助かりました」。
グラフのジョークはそれだけにとどまりませんでした。自身の身体の成長について語るとき、自分にとって最も調整しなければならなかった点は何かについて、彼は言及しています。
「膝が痛くなったよ」とグラフは冗談を言いました。「(自身の体の小さいことが5)助けになると思っていたけど、違ったんだ。なぜなら、特にパックを打つとき、より大きな選手を本当に意識しなければならなかったからさ」。
今夜、クリム・コスティンが戦列に復帰し、ウィリアム・エクランドがラインに入ってくれば、グラフは右ウイングに戻る可能性があります。
そんなに上手いジョークには思えないんだけどにゃ…。
インタビューの言葉通りに解釈すると、瞬間的にジャージにある選手名を読み取って、
パックをパスできるのは、それなりに才能ありなんじゃないの?動体視力がいいという意味で。
引用元:The Hockey News.com「REPORT: Sharks Winger To Play For Team USA At 2024 IIHF World Championship」
将来のサンノゼのキャプテン候補
アンディ・ストリックランド(NHL取材歴20年以上のベテラン記者)によると、サンノゼ・シャークスのウィンガー、ルーク・クニン6は、チェコで開催される2024年IIHF世界選手権で、チームUSAの一員としてプレーする予定だと言われています。
クニンは、セス・ジョーンズ、ブレイディ・トカチュク、トレバー・ゼグラスといったアメリカのスター選手とともに、チームに加わると報じられています。
クニンにはトカチュクやゼグラスのような攻撃的な瞬発力はありませんが、彼のリーダーシップとチームを鼓舞する能力は貴重なものとなるでしょう。
クニンは2019年以来世界選手権に出場しておらず、その時はわずか3試合に出場し、ポイントを記録できませんでした。
2017年の世界ジュニア選手権では、クニンはチームUSAのキャプテンに任命されています。7試合で2ゴール・2アシストを記録しました。
サンノゼの監督は代表監督候補
その2017年のロースター(選手名簿)には、アダム・フォックスやクレイトン・ケラーなどのNHLのスーパースターが含まれています。クニンはチームを金メダルに導くのに貢献しました。
ヘンリー・スランがロースターに名を連ねていた2023年の世界選手権で、シャークスのヘッドコーチ、デビッド・クインはベンチボス(代表監督)を務めています。
ヘッドコーチはまだ決まっていませんが、もしクインが再び招集されれば、トーナメント用に編成されたロースターに、クニンが何をもたらすことができるかを彼は正確に理解しています。
公式ロスターは、NHLレギュラー・シーズン終了後に発表される可能性が高いとされています。大会は5月10日から5月26日まで開催されます。
まとめ
サンノゼの不思議なところは、あれだけコテンパンにレギュラー・シーズンで弱いのに、辛抱強くクイン監督に指揮を取らせているし、中心選手がトレードで出て行っても、フロントは平気な顔をしている…。完全に育成に舵を切っているんだとは思います。
さらに、クニンが代表チームのキャプテンに就任したら、チームの中心にNHL32チームの最下位チームがドンと構えていることになります。クイン監督はともかく^^;、クニンのキャプテンシーがいかに優れているか、代表戦を見る楽しみの一つになりそう。
ドラフト1位指名権を取って、意中の選手を指名できたとしても、チームがすぐ強くなるわけではありません。それは、今シーズンのシカゴ・ブラックホークスを見ていれば、分かります。要は、その選手を中心にして、いかにチーム作りを素早く、手堅くやれるかが鍵なのです。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 残念ながら、セントルイスが5-2シカゴに勝利。第1ピリオド、セントルイスが4点先取して、完全に主導権を掌握されてしまい、これが最後まで尾を引いた形となった。一方、4月のサンノゼも相変わらずだが、セントルイスに勝っている(6日、3-2)。
↩︎ - 勝ち点1の付く延長負け数において、サンノゼは9、シカゴは5となっており、約2勝分の差があるため。
↩︎ - 2006年6月13日、カナダ・ブリティッシュコロンビア州生まれの17歳。180センチ・82キロのフォワードで、左サイドを得意とする。オール・ジュニアのUSHL(米国ホッケーリーグ)では、17歳以下で史上最多の86ポイントを記録。
年間最優秀選手賞をはじめ、主たる章を総なめにした。バンクーバー・カナックスのファンだが、今シーズン、上位に君臨するバンクーバーからの指名はほぼない。
↩︎ - 2002年9月21日、米国・マサチューセッツ州生まれ。ユニオン大学(ニューヨーク州)でカレッジ・アイスホッケーのキャリアをスタートさせ、1年生の時にクイニピアック大学(コネチカット州)へ転校。両校での好成績が認められ、2024年4月4日、ドラフト外でサンノゼと3年間のエントリーレベル契約を結ぶ。
↩︎ - 身長は公称182センチだが、体重が82キロと、アイスホッケー選手としてはやや軽量。
↩︎ - 1997年12月4日、米国・ミズーリ州生まれ。ポジションはセンター。2016年のNHLラフト1巡目、全体15位でミネソタ・ワイルドに指名され、ナッシュビル・プレデターズを経て、22-23シーズンからサンノゼでプレー。
ウィスコンシン大学在学中もキャプテンを務める。前十字靱帯断裂をはじめケガが多く、シーズン・フル出場の少なさが残念。 ↩︎