はじめに
コロンバス・ブルージャケッツは2026-27シーズンに向け、若き主力の契約交わしを進めつつトレーニングキャンプの準備を進めています。特にゴールテンダー陣の出来栄えは、チームが長年の低迷を脱しプレーオフ進出を果たすための重要なキーとなります。
今回は正キーパー候補の成長や控えの動向、そして新シーズンのチーム展望を詳しく解説していきます。🏒
参照記事(1):The Hockey Writers「Projecting Blue Jackets’ Goalie Stats for 2026-27」
参照記事(2):同上「3 Reasons the Columbus Blue Jackets Can Make the Playoffs in 2027」
2026-27シーズンに向けたゴールテンダー陣の現状と契約動向
コロンバス・ブルージャケッツは今オフシーズン、若きスター選手たちに焦点を当てています。9月中旬に予定されているトレーニングキャンプに向けて契約問題の整理を進めている最中です。
残る制限付きフリーエージェントの3選手との交渉妥結が、新シーズンを迎える上でチームの最優先課題となっています。🏒
未契約となっている3選手はアダム・ファンティリ、ジェット・グリーブス、コール・シリンジャーの3名です。チームはグリーブスとシリンジャーの2人を仲裁手続き期間に通す方針を固めています。
その上で、将来的にフランチャイズの顔となる、これら若い選手たちとの長期契約を速やかにまとめたい意向です。🏒
【讃岐猫😿の深堀りコラム】仲裁ヒアリング目前の波乱:ブルージャケッツを揺るがすRFA3選手との契約攻防
コロンバス・ブルージャケッツが2026-27シーズン開幕へ向けて最大の障壁としている制限付きフリーエージェント(RFA)3選手――アダム・ファンティリ、ジェット・グリーブス、コール・シリンジャーとの契約問題は、オフシーズンの佳境を迎えて極めて緊迫した局面を迎えている。
フロント陣が速やかな長期契約による体制確立を望む一方で、北米現地メディアや評論家たちは、チームが抱えるキャップスペースの運用と「仲裁ヒアリング(Arbitration)」のリスクに強い焦燥感を覗かせている。
最大の焦点は、2025-26シーズンにブレイクし正守護神の座を確立したジェット・グリーブスを巡る金額の著しい乖離である。7月23日に予定されている仲裁ヒアリングを前に、双方が提示した年俸希望額には約470万ドルの大差が生じた。
ブルージャケッツ側が単年280万ドルを提示したのに対し、グリーブス陣営は750万ドルを要求している。現地アナリストは、仲裁手続きが正式に開始されれば事後交渉による和解が不可能となり、第三者たる仲裁人の裁定にすべてを委ねざるを得ない点に注意を喚起する。
単年契約によるRFA権の先送りは一時しのぎに過ぎず、将来的な流出リスクを残す結果になりかねない。
一方、7月27日に仲裁ヒアリングを控えるセンターのコール・シリンジャーについても、中長期のチーム構想における年俸水準を巡り慎重な議論が続く。
さらに大きな影を落としているのが、仲裁権を持たない21歳のアダム・ファンティリに対する他チームからの「オファーシート(Offer Sheet)」リスクである。
今オフのNHL移籍市場では、フィラデルフィア・フライヤーズによるレオ・カールソンへのオファーシート提出が示しているように、若手スターを強奪しようとする他チームの脅威が現実化している。
ドン・ワデルGMは、約2,300万ドルから2,500万ドルのキャップスペースを確保していることを強調しつつも、ファンティリへの引き抜きを防ぐ防壁とグリーブス、シリンジャーの仲裁裁定額によって、その資金枠が一気に圧迫される現実を認めている。
北米メディアの評論家陣は、ブルージャケッツがフランチャイズの未来を担うこれら若手コア層との間で、仲裁直前でのギリギリの長期契約妥結に漕ぎ着けられるか、あるいは裁判形式の冷徹な査定によって感情的・財政的な亀裂を残すことになるか、クラブの先行きを左右する試練の数日間を迎えていると分析している。
出典
Daily Faceoff, “Report: Blue Jackets, Jet Greaves nearly $5 million apart in arbitration filings“, 2026年7月21日
Sportsnet, “Blue Jackets, Greaves $4.7M apart in arbitration“, 2026年7月21日
TSN, “Waddell on Werenski: ‘Our discussions were much different than what was portrayed at times’“, 2026年7月21日
交渉が継続している状況ではあるものの、選手たちがどのようなシーズンを送るかは一定の予測が可能です。
この展望シリーズでは、ファンタジー予想や過去のシーズン成績、出場時間、周囲の状況などを基に、2026-27シーズンに向けた各ポジションの戦力や今後の展開を詳細に分析し紐解いていきます。🏒新シーズンに向けた戦力配置とそれぞれの役割を正しく整理することで、開幕への期待と課題がより鮮明に見えてきます。🏒
今回の分析で特に焦点を当てるのは、チームの勝敗を大きく左右するゴールテンダー陣の動向です。ゴールを守る守護神たちのパフォーマンスは、チーム全体の成績や失点数に直結します。
ブルージャケッツが上位争いに食い込むためには、ゴールテンダー陣の安定した活躍が不可欠となります。過酷なレギュラーシーズン全日程を戦い抜く上で、主力を務めるキーパーの調子やバックアップ陣を含めた層の厚さが試されることになります。
ファンにとっても、このポジションの動向は最大の関心事です。🏒
オフシーズンの厳しい契約交渉がどのように妥結し、トレーニングキャンプへ突入するのか大きな注目が集まります。陣容が完全に確定すれば、新シーズンへ向けた具体的な戦術や起用法も固まってきます。
守護神たちの仕上がり具合こそが、チームの運命を左右するきわめて重要な鍵となるのは間違いありません。🏒
正ゴールテンダーへと輝かしい飛躍を遂げたジェット・グリーブス
コロンバスの正ゴールテンダー候補として大きな期待を集めているのがグリーブスです。GMのドン・ワデルは彼との長期契約を強く望んでいますが、グリーブスは7月23日に予定されている仲裁ヒアリングへ向かうことになっています。
この契約交渉の行方が、チームの将来設計における重要な局面となっています。🏒
グリーブスは2025-26シーズン、26勝19敗9分、防御率2.60、セーブ率.908、完封2試合という非常に堅実な成績を残しました。今季も再びチーム最多の出場機会を担うことが強く期待されており、数字はさらに向上する可能性があります。
彼はチーム加入後4シーズン連続で着実な成長を続けています。🏒
最初の2シーズンとなる2022-23、2023-24シーズンでは出場機会が限られ、わずか10試合の出場で3勝7敗、セーブ率は.912という成績でした。しかし2024-25シーズンにグリーブスは大きく飛躍します。
11試合で7勝2敗2分、セーブ率.938、防御率1.91、完封2試合を記録しました。🏒
2024-25シーズンの終盤戦において、彼は5勝0敗、防御率0.75という圧倒的な成績を残して台頭しました。
続く2025-26シーズンには完全にブレイクを果たし、53試合で先発を務めて26勝、クオリティ・スタート35回、平均以上に防いだ失点数(GSAA)18.6という見事な数字を記録したのです。🏒
【注釈】アイスホッケーにおける「クオリティ・スタート」と「GSAA」について
1. クオリティ・スタート(Quality Start / QS)
アイスホッケーにおける「クオリティ・スタート(QS)」とは、先発出場したゴールテンダー(GK)が、チームに勝利のチャンスを与える「十分以上に優れ安定したパフォーマンス」を見せた試合数を指すスタッツ(統計指標)である。
定義・算出基準:
先発登板した試合において、原則としてセーブ率(SV%)が「.912以上」を記録した場合にクオリティ・スタート1回とカウントされる(※.912という数値は、近代NHLにおけるレギュラーシーズンの平均セーブ率に由来する)。
ただし、試合全体で被シュート数が非常に少ないロースコアな展開(合計被シュート数20本未満など)の場合、セーブ率が.912未満であっても2失点以下に抑えていればQSとして認められる例外規定が存在する。
指標の意義:
試合ごとのパフォーマンスの「波(ムラ)」を評価するために用いられる。
どれだけ防御率(GAA)が良くても、大差で勝った試合と大炎上した試合の差が激しい選手より、毎試合確実に平均以上のセーブ率(.912以上)を維持してチームを勝負圏内に留め続けた選手を高く評価する指標である。
先発数のうちQSを記録した割合(QS%)が50%を超えると「平均以上の安定感を持つ先発キーパー」とされる。
2. GSAA(Goals Saved Above Average)
「GSAA(平均以上に防いだ失点数)」とは、対象のゴールテンダーが「リーグの平均的なゴールテンダー」と比較して、どれだけ多くの失点を防いだか(何ゴール分チームを救ったか)を数値化したセイバーメトリクス(アドバンスド・スタッツ)的な指標である。
定義・算出方法:
基本的な計算式は「(本人のセーブ率-リーグ平均セーブ率)×本人の被シュート数」で求められる。
プラス(正)の値:リーグ平均のGKが守るよりも失点を抑えたことを意味し、数値が大きいほど優秀なパフォーマンスを示す。
マイナス(負)の値:リーグ平均のGKよりも多く失点してしまったことを意味する。
指標の意義:
従来の防御率(GAA)やセーブ率(SV%)だけでは見えにくい「チームの守備力や被シュート総数の影響」を補正し、ゴールテンダー個人の純粋な貢献度を評価するために用いられる。
被シュート数(打たれたシュートの絶対数)が多いチームのGKであっても、コンスタントにセーブを重ねていればGSAAの数値は大きく跳ね上がるため、シュートを多く打たれながらも失点を防ぎ続けた「真の守護神」を浮き彫りにできる利点がある。
彼が記録したGSAA18.6という数字は、リーグ全体でも3位に位置する非常に優れた記録でした。これを上回ったのはローガン・トンプソン(ワシントン・キャピタルズ)と、ベジーナ賞(最優秀ゴールテンダー)を受賞したアンドレイ・ヴァシレフスキー(タンパベイ・ライトニング)の2人のみです。
グリーブスがすでにリーグ屈指の実力を備えていることを、このデータは雄弁に物語っています。🏒
迎える2026-27シーズンのグリーブスの個人成績予想は、30勝21敗6分、防御率2.52、セーブ率.912、完封3試合と試算されています。
正ゴールテンダーとしてさらなる高みを目指す彼の進化と安定したパフォーマンスが、ブルージャケッツの勝利数を大きく積み上げていく原動力となるはずです。🏒
グリーブスがまだAHLクリーブランド・モンスターズ在籍時のハイライト映像。この頃から、才能は頭抜けていたのです。

最新の情報によると、グリーブスとチームは交渉を持ったものの、両者の提示した額に大きな開きがあり(一説には500万ドル以上)、年俸調停に入ることはほぼ確実とされているにゃ。ここで決裂することは無いんだけど、話の流れによってはお互い気まずい雰囲気になるのは間違いない。マルチェンコやウェレンスキーという火種もまだ燻っている上に、ファンティリにはオファーシートの恐怖が付きまとう。ブルージャケッツ、これクリアしないと、開幕ヤバいぞ。
2番手として巻き返しを期するエルビス・メルツリキンス
エルビス・メルツリキンスにとって、2025-26シーズンは波乱の多い苦しい一年となりました。しかし、若手のグリーブスがゴールを本格的に任されるようになってからは、2番手ゴールテンダーとして精神的にも落ち着きを取り戻したように見えます。
置かれた立場を受け入れ、役割に集中し始めています。🏒
彼の先発出場数は大幅に減少しましたが、ワデルGMは組織内にNHLレベルのゴールテンダーを3人揃えておきたいという強い姿勢を崩していません。
最近では(ロサンゼルス・キングスから)フェニックス・コプレイも新たにチームへ加入しています。ブルージャケッツは今後もグリーブスの後ろでメルツリキンスを起用していく方針です。🏒
2026-27シーズンからNHLのレギュラーシーズンが84試合制へ移行し、試合数が2試合増加するため、彼にもより多くの出番が回ってくる可能性があります。
期待されるのは、(ゴールテンダー3人制による)出場負担の軽減によって、コロンバスと大型契約を結ぶ前に見せていた本来の素晴らしいパフォーマンスを取り戻してくれることです。🏒
2025-26シーズンのメルツリキンスは、14勝11敗3分、防御率3.40、セーブ率.883、完封1試合という成績にとどまりました。ブルージャケッツが真剣にプレーオフ進出を目指すのであれば、この数字は必ず改善されなければなりません。
それでも、彼の復活に向けた希望の光はしっかりと残されています。🏒
リック・ボウネス監督は就任当初からメルツリキンスを高く評価しており、ベンチ入りして最初の11試合で彼に6試合の先発機会を与えました。
その期間、メルツリキンスは5勝0敗、防御率2.03、セーブ率.925という素晴らしい結果を残し、期待に応えられる存在であることを自ら証明してみせました。🏒
2026-27シーズンのメルツリキンスの成績予想は、12勝9敗6分、防御率3.14、セーブ率.892、完封1試合となっています。
グリーブスとの強力なタンデムを形成し、バックアップとして質の高いプレーを維持することができれば、チームの勝ち点を底上げするための大きな推進力となるでしょう。🏒
NHL公式によるエルヴィス・メルツリキンスのトップ15セーブ集です。グリーブスが契約問題で揺れる中、開幕戦のゴールに立つのは彼かもしれません。
ボウネス監督は好調な選手を積極的に起用する姿勢を示しており、昨季はその役割を主にグリーブスが担いました。
しかし、もし2人のゴールテンダーがともに最高レベルのプレーを見せることができれば、シーズン終盤に向けて互いにフレッシュな状態を維持でき、チーム全体にとって非常に大きな助けとなります。🏒
両者が健康を維持し安定したパフォーマンスを発揮できれば、チームは42勝30敗12分、96ポイントで終える可能性があります。この数字は過去5シーズンのうち3回、ワイルドカード2枠目以上を確保するのに十分な成績です。
さらに数勝を上積みして100ポイントを突破できれば、確実に枠を確保できます。🏒
チームは10月1日(木)、ホームでバッファロー・セイバーズを迎えて開幕戦を戦います。最初の1か月でメトロポリタン・ディビジョンのライバルと4試合を戦う日程です。
開幕から重要な試合が続く中、守護神陣が好スタートを切れれば、6年連続でプレーオフを逃している不名誉な記録を終わらせられます。🏒
【讃岐猫😿の深堀りコラム】『2人の守護神』が描く競争の構図——ボウネス采配とメディアが見るCBJタンデムの真価
コロンバス・ブルージャケッツのゴールテンダー陣を巡る評価は、「主力を支えるバックアップ」という関係を超え、互いに高め合う「熱い競争のタンデム」として北米メディアで大きな注目を集めている。
昨季(2025-26シーズン)、ジェット・グリーブスとエルビス・メルツリキンスの2名のみでレギュラーシーズン全82試合のゴールマウスを守り抜いた実績は、チーム史上でも非常に稀有なタフネスの証明であった。
この安定した稼働率と質の高いプレーに対し、専門メディアや評論家からは高い評価が寄せられている。
特に現地メディア『1st Ohio Battery』等の分析によると、就任2シーズン目を迎えるリック・ボウネス監督の下で形成されたこのタンデムの強みは、明確な役割分担でありながら「常に背中を追わせる競争環境」が存在することにある。
ボウネス監督自身、シーズンオフの面談において、大型契約の最終年を迎えるメルツリキンスに対し「自らを正GKだと信じるなら、キャンプでそれを証明してみせろ」と発破をかけたことを明かしている。
監督就任直後にメルツリキンスが見せた復調(5勝1敗、防御率2.03)は、ベテラン指揮官の対話アプローチが彼の潜在能力を引き出す鍵となることを裏付けた。
一方で、現在まさに年俸仲裁手続き(7月23日開催)の真っ只中にあり、契約更新が注目されるグリーブスについて、カナダ大手メディア『Sportsnet』などは「もはや一発屋ではなく、リーグ上位クラスのスタッツ(MoneyPuck指標における5on5のGSAx/60でリーグ8位)を叩き出した真の正守護神」として絶賛している。
評論家の視点からは、昨季53試合に先発したグリーブスに頼り切るのではなく、出場数を適切に分散させることで「勝負どころの終盤戦にフレッシュな状態の守護神を送り込める」というメリットが強調されている。
メルツリキンスがかつてのようなハイレベルなパフォーマンスをバックアップとして安定して維持できれば、チームの勝ち点を着実に押し上げる最大の推進力になることは間違いない。
ドン・ワデルGMが目指す「プレーオフ争いに耐えうる強固なキーパー陣の確立」において、この新旧2人のタンデムは、ブルージャケッツの命運を握る最大のストロングポイントとして外部から高く評価されているのである。
出典リスト
1st Ohio Battery, “Blue Jackets Set Stage For Goalie Battle As Merzlikins And Greaves Compete For No. 1 Role“, 2026年4月
Sportsnet, “Blue Jackets, Greaves $4.7M apart in arbitration“, 2026年7月21日
1st Ohio Battery, “Jet Greaves’ Rise Gives The Blue Jackets Something They’ve Been Missing“, 2026年7月13日
The Hockey News, “Blue Jackets Goalie Tandem Pulls Off Relatively Rare Feat This Season“, 2026年4月
ブルージャケッツが長年の壁を破りプレーオフへ進出できる3つの理由
とはいえ、コロンバス・ブルージャケッツは、このオフシーズンに厳しい現実と向き合っています。2勝7敗1分という終盤の失速によってプレーオフ進出を逃したことで、チームにはすでに多くの疑問符がついていました。
そこへさらに、キリル・マルチェンコが自身の将来に関する意思を明確にし、再契約を望んでいないことが伝えられたのです。
ザック・ウェレンスキーも同様の発言をしていましたが、その後撤回しています。現在は前向きな発言をしているものの、移籍の噂は依然として消えていません。
【讃岐猫😿の深堀りコラム】混迷を深めるコロンバス:迷走する常勝へのロードマップと球団幹部の苦渋の選択
2025-26シーズン終盤における2勝7敗1分という凄絶な失速は、好不調の波ではなく、コロンバス・ブルージャケッツの戦術的・精神的な脆さを白日の下に晒す結果となった。
シーズン途中でディーン・エバソンからリック・ボウネスへ監督を交代し、一時的には21勝11敗5分と一変したかに見えたチームだったが、北米ホッケー専門誌や地元評論家は「プレッシャー下における構造的な守備崩壊とリーダーシップの不在が土壇場で噴出した」と極めて厳しく分析している。
勝ち点100を超えるペースを見せたボウネス効果の真価は、プレッシャーのかかる大一番でチームの規律を維持できるかという点にかかっており、終盤の失速は現状のロースター構成に対する根深い不信感を深める形となった。
このチーム体制への疑念は、看板選手たちの動向という形で一気に表面化した。右ウィングの主力であるキリル・マルチェンコが将来的な長期再契約を望んでいないという報は、フロントにとって決定的な打撃である。
2024-25シーズンに74ポイントを叩き出し、翌2025-26シーズンも攻撃を牽引したマルチェンコは、2026-27シーズン終了後にRFA(制限付きフリーエージェント)を迎えるが、北米メディアの解説者たちは「勝利から見放されたクラブカルチャーに対する若手スターの限界の表れ」と指摘している。
ドン・ワデルGMはアダム・ファンティリら他の若手RFAとの契約交渉を抱える中で、マルチェンコを契約満了前にトレードに出すか、あるいは巨額の引き留め工作を図るかという極めて厳しい二者択一を迫られている。
一方、最優秀DF(ノリス賞)を獲得し81ポイントを記録した絶対的エース、ザック・ウェレンスキーを巡る狂騒曲は、このオフシーズンの混乱を象徴している。
6月末から7月初頭にかけて、ダラス・スターズとの間でトーマス・ハーリーらを含む大型トレードが合意寸前まで達したものの、ウェレンスキー本人が完全トレード拒否条項(NTC)を行使してこれを拒絶した。
2026年7月1日にウェレンスキー自らコロンバス残留の意思を表明したことで表面上の事態は沈静化したが、評論家の見方は冷ややかである。
ヴァレリ・ニチュシキンの獲得やドラフト14位でのオスカリ・ヘミング指名など、フロントが補強を進めているものの、2027-28シーズン終了後に契約が切れるウェレンスキーを引き留め続けるには、今季のプレーオフ進出が絶対条件となる。
現在、チームは表面上の平穏を取り戻しているものの、勝者への転換を示せなければコアメンバーの解体という崩壊の足音が再び聞こえ始めるのは明白である。
出典リスト
AP News、Zach Werenski reaffirms his future with Blue Jackets after turning down trade、2026年7月1日
TSN、Waddell on Werenski: ‘Our discussions were much different than what was portrayed at times’、2026年7月2日
NHL.com、Werenski to meet with Blue Jackets GM to discuss future、2026年6月25日
NHL.com、Instant analysis: Blue Jackets add a big piece in Nichushkin、2026年6月25日
しかし、多くの混乱と険しい道のりが待ち受けているにもかかわらず、ブルージャケッツにはプレーオフ進出に必要な要素が揃っているのです。
プレーオフ進出を狙える1つ目の理由は「本物のゴールテンダー陣」の存在です。これまで述べてきたように飛躍を遂げたグリーブスが正守護神となり、実績あるメルツリキンスが控える体制は強固です。
2つ目は「強力な選手層」です。ブルージャケッツを苦しめている最大の問題の1つは、攻撃陣に真のスーパースターが不足していることです。ウェレンスキーは素晴らしい選手ではありますが、年間80ポイント前後が彼の上限になる可能性が高いとされています。
それでもブルージャケッツが危険な存在なのは、失った戦力がある中でも依然として層の厚さを維持しているからです。アダム・ファンティリはさらに成長を遂げ、大きなブレイクアウトシーズンを迎える準備が整っています。
マルチェンコは契約最終年を迎えるため、他チームから評価されるためにも最高のパフォーマンスを見せる必要があります。さらに、(コロラド・アバランチから)ヴァレリ・ニチュシキンをトレードで獲得し、ウイング陣を強化しました。
ブルージャケッツは今後もロースターに手を加える可能性はあるものの、十分に相手を苦しめられるだけの攻撃力は備えています。ファンティリやケント・ジョンソンのような若手が大きく成長すれば、チームはさらに新たなレベルへ到達できるでしょう。🏒
3つ目の理由は「ボウネス効果」です。シーズン途中で就任したボウネス監督の下、チームは21勝11敗5分(勝率.568)を記録し、82試合換算で102~105ポイントペースの強い戦いを見せました。
新シーズンは開幕から彼が正式に指揮を執るため、チームを長年の壁の向こう側へ導く可能性が高まります。🏒
最後に最も必要なのは自分たち自身を信じることです。混乱や不安を乗り越え、開幕から自信を持って戦い続けることが求められます。勝利を積み重ねることで周囲の評価を変え、クラブの未来そのものを大きく転換できます。
自分たちの可能性を信じて一丸となれば、2020年以来のプレーオフ進出は必ず実現します。🏒
まとめ
コロンバス・ブルージャケッツの2026-27シーズンは、若き守護神ジェット・グリーブスの覚醒とボウネス監督の指揮の下、大きな飛躍を遂げる絶好の好機を迎えています。
幾多の課題や厳しい下馬評は存在するものの、安定したゴールテンダー陣と厚みを増した選手層、そしてチーム全員の強い揺るぎない自信が噛み合えば、6年ぶりのプレーオフ進出という目標は十分に射程圏内です。熱い戦いに期待が高まります。🏒

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

