はじめに
2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪を前に、NHLとイタリアのサッカーリーグ・セリエAが異例のコラボを発表!🏒⚽️ ホッケーとサッカー、それぞれのスター選手が交差するユニークなプロモーション企画が進行中です。舞台はもちろん五輪開催地ミラノ。
ちなみに、ブログの中の人は、セリエAのトリノとBに降格したヴェネツィアのサポです。
参照記事:SportsPro.com1「NHL and Serie A form content partnership for Milan-Cortina 2026 Winter Olympics」
NHLとセリエAがタッグ!ミラノで始まる新しい挑戦🇮🇹🏒
2026年にイタリア・ミラノとコルティナで開催される冬季オリンピック2に向けて、NHLとイタリアのトップサッカーリーグ「セリエA」、そしてNHL選手会(NHLPA)がコンテンツ提携を結びました✨
NHLとセリエAは、8月22日からミラノで始まる「NHL・NHLPA欧州メディアツアー3」に合わせて、目玉となるイベントを共同で実施する予定です🇮🇹🏒。現在・過去のセリエA選手と欧州出身のNHLスターたちが協力し、両スポーツの魅力をつなぐようなコンテンツを作成します。
撮影場所には、イタリア国内のサッカークラブのトレーニング施設や、ACミランとインテルの本拠地サン・シーロ・スタジアム4も登場予定とのこと⚽️🏟️
【追記1】
セリエAの現役スター選手や往年の名選手たちが、8月22日にミラノで開催される「NHL/NHLPA欧州選手メディアツアー」のイベントにNHL選手とともに参加する予定。これは、イタリアのトップサッカーリーグであるセリエAの2025-26シーズン開幕の前日でもある。
なお、イベントの内容は、「ワールドクラスのサッカー選手とホッケー選手の繋がりをそれぞれのスポーツファンに紹介する特別イベント」になるとのこと。
一方、NHL選手たちは、複数のセリエAクラブのトレーニング施設を訪れたり、ACミランとインテルの本拠地であるミラノのサン・シーロ・スタジアムでの試合(ACミラン対クレモネーゼ)を観戦したりする予定。
NHLによると、セリエAのレジェンドであるアンドレア・ピルロ5とマルコ・マテラッツィ6が、3月3日、マディソン・スクエア・ガーデンで行われたニューヨーク・レンジャーズ対ニューヨーク・アイランダーズの試合を観戦後、レンジャーズのミカ・ジバネジャドとジャージー交換を行った。
これが、北米のプロリーグと欧州サッカーリーグとの“初の試み”となる今回のパートナーシップのきっかけとなったとされている。このやり取りの写真はNHL、レンジャーズ、セリエAのソーシャルメディアアカウントで拡散された。
NHLビジネス部門社長のキース・ワクテルによると、「(この拡散について)イタリアでどんなエンゲージメントがあったかは忘れてください。セリエAのインスタグラムでのエンゲージメントは信じられないほどだったからです。しかし、レンジャーズとNHLサイトにとって、これは私たちにとって最も強力なエンゲージメントの一つでした。
それで、私たちは『おい、これをもっとやらなきゃ』って言って、もちろんオリンピックと結びつけなきゃいけないと考えたのさ」。
「本当に素晴らしいことをたくさん計画しています」とワクテルは語った。「ヨーロッパ出身の選手の多くは、もともとサッカーやフットボールで育ちました。どのチームも試合前にツータッチでプレーしています。これはよく知られた、一般的なやり方で、いつも目にしています」。
「今度は、NHL選手がミラノでトレーニングし、世界トップクラスのサッカー選手たちと対戦する様子を撮影し、そのコンテンツをNHLファン層だけでなく、スポーツに興味を持つより幅広いファン層に届けます」。
ワクテルは、NHLの次シーズンのプロモーションのために毎年8月に開催される欧州メディアツアーに、ヨーロッパから30~40人のNHL選手が参加すると見積もっている。このイベントは初めてミラノで開催され、NHL選手のオリンピック参加を促進するだけでなく、セリエAとの連携も目指している。
参照記事:Sportsnet.ca7「NHL, Serie A announce partnership ahead of Milano-Cortina Olympics」
NHL公式サイト「NHL, Serie A announce partnership ahead of Milano-Cortina Olympics」
ピルロ、マテラッツィと言えば、2006年W杯決勝ですね。この頃は海外サッカーも見てたなぁ。
セリエA USA8のCEOであるアンディ・ミッチェルは、米スポーツメディア「SportsPro」に、アメリカ人が持つイタリア文化への関心を活かしたいと語っています。
「NHLは、デジタルストーリーテリングやファンとのエンゲージメント、コンテンツの革新という面で業界のリーダーです。特に、国際的なスター選手の見せ方や、若い世代に響くストーリー作りは非常に優れています。セリエAをはじめとする多くの国際スポーツリーグが学べる点がたくさんあります」。
「NHLがホッケー文化やライフスタイルをどう取り入れているのかにも注目しています。北米市場でのセリエAの強みのひとつは、イタリア文化への広範な関心です。私たちの調査によると、5100万人のアメリカ人がイタリア文化に親しみを持っており、毎年600万人がイタリアに観光で訪れています🇮🇹✨」。
「私たちはオリンピックを通じて、セリエAが単なるサッカーリーグではなく、イタリアの優れた文化を体現する象徴として位置づけていきたいという立場を確立したいのです」。
【追記2】
ワクテルよると、セリエAのコマーシャル&マーケティングディレクターであるミケーレ・チッカレーゼと初めて協働の構想を話し合ったのは、約3年前、マイアミで開催されたサッカー業界関係者向けのグローバルネットワーキングイベント「Soccerex9」で出会った時だった。
両氏はこのイベントで、NHLのデジタル強化ダッシャーボード10や、セリエAの外周サイネージを手がけたバーチャル広告テクノロジー企業Supponor11について語った。
「そこで、どのように協力できるか話し合いました」とワクテルは語った。「彼らはビジネスへの取り組み方に非常に起業家精神を持っています。私たちも同じような考え方を持っていると感じていました。『なあ、私たちに何ができる? ミラノオリンピックがあるんだから、何かやらなきゃ』と話し合いました。そうやって、ゆっくりと勢いが増していったんです」。
オリンピックを見据えた国際戦略🌍❄️
NHLビジネス部門のプレジデント、キース・ワクテルもこの取り組みに強い期待を寄せています。「SportsPro」のインタビューで、イタリア市場は2026年のオリンピックを見据えた「短期的な注力市場」だとしつつ、今回のような提携を、今後NHLが他国のリーグと連携してアイスホッケーの普及を目指す際のモデルケースになるとも語っています🌍❄️。
「今回のセリエAとのパートナーシップは、他の重要市場でも同様、いやそれ以上の規模で再現しようと考えているものです。ブンデスリーガ(ドイツ)やプレミアリーグ(イギリス)ともぜひ連携したいですね」。
ワクテルによると、重要なのは「その国の人々が慣れ親しんでいるスポーツ」を通して、ホッケーに関心を持ってもらうことのようです。
「私たちの戦略は、ホッケーのファン層を拡大できると考える市場を見極め、そこのファンとつながることにあります。その国の主要スポーツを通じて、スポーツファンにリーチしていくわけです。例えば、過去に試合を開催したオーストラリアなら、AFL(オーストラリアン・フットボール・リーグ)12やクリケットとの連携が考えられます🏏」。

日本にも来てくれないかにゃあ。コラボできる日本の主要スポーツって何だ?相撲?相手選手へのヒットが激しいNHLなら、意外とありかも。大谷を生み出したNPBの可能性も高いな。どうやったら、あんなスーパーマンを育てられるんだ?みたいな感じで。それよりも何よりも日本国内のリーグにテコ入れしてやってくれ!
「つまり、サッカーに限定した話ではありません。大切なのは、現地の有力な団体や企業と協力し、NHLの魅力をより広く伝えていくことなのです✨」。
また、NHLは2026年冬季オリンピックに向けて、選手の出場を可能にするため、2月に19日間の中断期間を設けることを正式に発表しました。NHLのスター選手たちが代表として出場できるよう配慮されたこの期間、ワクテルによると、NHLはオリンピックを活用したプロモーションにも力を入れるとのことです。
【追記3】
NHLコミッショナーのゲイリー・ベットマンも、【追記1】で触れたガーデンでの試合前、ニューヨークのリーグ事務所でセリエAのエツィオ・シモネッリ会長と会談し、両リーグの関係の可能性について話し合った。
「世界中のプロアスリートは、この画期的なコラボレーションを通して、特別な絆を共有しています」と、NHLPAの国際戦略・成長担当シニアディレクター、ロブ・ツェップは述べている。
「NHLとセリエAのトップアスリートのプロフィールを組み合わせることで、ミラノ・コルティナで開催される冬季オリンピックに向けて、両リーグと選手のスターパワーをさらに高めることができるでしょう」。
未来へのステップ:4 Nationsからワールドカップへ🏆🇨🇦🇺🇸
NHLは、オリンピックのプロモーションを行う際にも、IOC(国際オリンピック委員会)および大会組織委員会とも「良好な関係を維持している。最も適切で敬意のある形でこの取り組みを実現させていく予定です🏆🇨🇦🇺🇸」と語っています。
まだだいぶ先だと思ってたけど、もう来年早々には冬季五輪開幕ですね。開催場所はこんな感じ。
「私たちは、選手たちをどのようにプロモートできるか、さまざまなコンテンツを通じて模索しています。商業利用というよりも、あくまでプロモーション機会として捉えています」。
ワクテルは、さらにこう続けました。「オリンピックでは、4 Nations Face-Offの選手たちが再び登場します。ファンの皆さんに『この選手たちは4 Nations Face-Offでも活躍していたんですよ』ということを知ってもらいたいんです。あの大会が好きだった方は、よりスケールの大きい舞台、オリンピックで彼らをまた見られるという期待感を持ってほしいですね」。
4 Nations Face-Offはかなり熱くなりました!来年のオリンピックでも見たい!
2025年初頭に開催された「4 Nations Face-Off」は、NHLにとって国際大会展開の大きな成功例となりました。カナダとアメリカの決勝戦は、北米全体で1600万人以上が視聴し、近年でも特に注目を集めたアイスホッケーの試合となりました📺🔥
この成功を受けて、NHLとNHLPAは2028年に「ワールドカップ・オブ・ホッケー」を再開催する計画を進めています。ワクテルは、開催地の選定も進行中で、数週間前には各都市に対して提案依頼書(RFP=request for proposal)を送付したと語っています。
4 Nations Face-Offと2026年冬季五輪をきっかけに、NHLは国際大会への本格参入によって、他の北米スポーツリーグとの差別化を図ろうとしています。
「ファンの皆さんも、NHLがいかに国際大会において他の北米スポーツリーグと一線を画した魅力を持っているかに気づき始めています。これをきっかけに、さらに観客やファン層の拡大に繋げていきたいと考えています」。
「だからこそ、私たちは革新を続け、新しいことに挑戦し続けたいんです。4 Nationsは、2028年のワールドカップに向けた非常に良い土台となりましたし、オリンピックもそれを後押ししてくれると考えています」。
国際大会への積極的な取り組みと、それを通じた新しいファン層へのアプローチ。NHLは、単なるリーグ運営を超えた“国際スポーツの顔”としての進化を目指しているようです🌐✨
まとめ
NHLとセリエAの提携は、スポーツの枠を超えた文化的なコラボとして大きな注目を集めています。2026年冬季五輪やワールドカップ・オブ・ホッケーに向け、国際的な盛り上がりが加速中。これからの展開にも要注目です!

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- ロンドンを拠点とするSportsPro Mediaが運営する、世界のスポーツ業界に特化したB2Bメディア。2008年6月に発刊され、スポーツビジネスにおける商業的、戦略的、運営的側面に関する包括的な情報を提供する。
ニュース、分析、データ駆動型インサイト、そしてグローバルイベントの主催を通じて、スポンサー、投資家、放送局など、スポーツ業界の主要な意思決定者が成長を促進するための洞察を提供。
↩︎ - 2026年2月6日から22日にかけて、イタリアのミラノとコルティナ・ダンペッツォを中心に開催される第25回冬季オリンピック競技大会。ロンバルディア州、ヴェネト州、トレンティーノ=アルト・アディジェ州の3州にまたがる広域開催となる。
競技は16分野、メダル数は195個が争われ、山岳スキー(スキーモ)がオリンピックで初採用される点が注目される。
主要な会場は以下の通りである。
開会式: ミラノのサン・シーロ・オリンピックスタジアム(スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ)
閉会式: ヴェローナのアレーナ・ディ・ヴェローナ
ミラノ地区: アイスホッケー(女子)、フィギュアスケート、ショートトラックなど
コルティナ・ダンペッツォ地区: アルペンスキー、スノーボード、ボブスレー、スケルトン、リュージュ、カーリングなど
ヴァル・ディ・フィエンメ地区: バイアスロン、クロスカントリースキーなど
本大会は、既存施設の最大限活用と新規建設の最小化を方針としている。
↩︎ - 主にヨーロッパでのホッケー普及を目的とする、NHLとNHLPAが主催するイベント。NHLは、近年「グローバルシリーズ」としてスウェーデン、フィンランド、チェコ共和国でレギュラーシーズン試合を、ドイツやスイスでエキシビション試合を開催するなど、ヨーロッパでの普及活動を強化している。
このメディアツアーも、NHLの国際的なリーチを拡大し、特に2026年の冬季オリンピックに向けて、ホッケーとサッカーという二つの世界的なスポーツの交差点を祝うことを目的としている。
↩︎ - イタリア・ミラノに位置する多目的スタジアムで、正式名称は「スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ」。セリエAのACミランとインテル・ミラノが共同で本拠地としており、75,817人の収容人数を誇るイタリア最大のスタジアムである。
1926年に開場し、1980年に伝説的サッカー選手ジュゼッペ・メアッツァにちなんで改称された。サッカーの試合のほか、世界的なアーティストのコンサートも多数開催される。2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでは開会式の会場となる予定。現在、新スタジアム建設の計画が議論されている。
↩︎ - イタリア出身の元プロサッカー選手であり、現在は指導者としても活動している。現役時代はミッドフィルダー(MF)として、「マエストロ(芸術家)」の異名を持ち、その確かな戦術眼と正確なパスワークで試合をコントロールする「レジスタ(司令塔)」として世界的に評価された。
ACミランやユヴェントスといった名門クラブで活躍し、特に2006年のFIFAワールドカップではイタリアの優勝に大きく貢献した。2017年に現役を引退し、その後はユヴェントスやUCサンプドリアなどで監督を務めている。
↩︎ - イタリア出身の元プロサッカー選手であり、現在は指導者である。現役時代はディフェンダー(DF)として、「マトリックス」の愛称で知られ、激しいプレイスタイルと高い得点能力を持つセンターバックとして活躍した。
ペルージャやエヴァートンFCを経て、インテル・ミラノでキャリアの全盛期を過ごし、数々のタイトル獲得に貢献した。イタリア代表としても活躍し、2006年のFIFAワールドカップドイツ大会ではイタリアの優勝に大きく貢献した選手の一人である。
↩︎ - カナダ最大のスポーツメディアブランド「Sportsnet」が運営する公式ウェブサイト。Rogers Sports & Mediaが所有し、カナダのスポーツファン向けに幅広いコンテンツを提供している。
NHL、MLB、NBAなど北米主要スポーツリーグのニュース、試合結果、詳細な分析記事、ハイライト映像などを提供。また、有料サービス「Sportsnet+」を通じてライブストリーミングも視聴可能である。カナダにおけるNHLの全国放映権やトロント・ブルージェイズの独占放送権など、主要スポーツの放送権を多数保有。
↩︎ - イタリアのトップサッカーリーグであるセリエAが、アメリカ合衆国におけるリーグのプレゼンス拡大とファンベース構築を目指す取り組みである。
アメリカ市場の大きな潜在力と、現在セリエAのチームの多くがアメリカ資本のオーナーシップ下にあることが背景にある。将来的には、アメリカでのリーグ戦公式試合開催も視野に入れており、実現すれば主要なヨーロッパリーグとして初の試みとなる可能性がある。他のスポーツリーグとの連携や、FIFAとの交渉も進めながら、現地のファンとの接点強化を図っている。
↩︎ - ソッカレックスは、1995年にロンドンで設立された、サッカー業界向けのグローバルなビジネスイベント運営組織。サッカービジネスの専門家、クラブ、リーグ、連盟、ブランド、メディアなどが集まり、知識の交換、ビジネスチャンスの創出、業界全体の発展を促進することを目的としている。
カンファレンス、ネットワーキングイベント、展示会などを世界各地で開催しており、サッカー業界で最も影響力のあるイベントの一つとして知られている。
↩︎ - アイスホッケーのテレビ中継において、リンクのダッシュボードに表示される広告を仮想的に置き換えるAIベースの技術である。
これにより、テレビ画面上で様々なデジタル広告を動的に表示できるようになり、リーグやクラブの新たな収益源となっている。国際放送や地域別放送など、ターゲットに合わせて異なる広告を表示できる柔軟性も持つ。導入初期には一部で視覚的な違和感が指摘されたものの、技術改善が進められている。
↩︎ - ロンドンを拠点とするスポーツ中継向けのバーチャル広告テクノロジー企業。その主要技術は「バーチャル広告置換技術」であり、テレビ中継の映像に映る物理的な広告ボードを、視聴者ごとに異なるデジタル広告にリアルタイムで置き換えることを可能にする。
これにより、地域やターゲットに合わせた動的な広告表示が実現し、リーグやクラブ、広告主にとって新たな収益機会を提供。
↩︎ - オーストラリアン・フットボールのプロリーグであり、オーストラリアで絶大な人気を誇る。1897年にプロリーグが設立され、現在のAFLは1990年にVFLから改称された。
このスポーツは、サッカー、ラグビーなどの要素を組み合わせたユニークで激しい球技で、楕円形のフィールドとボールを使用し、18人制でプレーされる。キックやハンドボールでのパス、15m以上飛んだボールを直接キャッチする「マーク」などが特徴である。毎年開催されるグランドファイナルには10万人以上の観衆が集まるなど、その人気は非常に高い。 ↩︎