パンサーズとレンジャーズ、プレーオフ2試合連続延長戦の激闘!

アイスホッケー名勝負

はじめに

 この記事で話題になっている第4戦は既に終了しておりまして、日本時間で5月29日の午前中に行われ、延長戦の末、フロリダ・パンサーズがニューヨーク・レンジャーズを3-2で下しています。では、なぜ時間軸を巻き戻したような記事をアップしたのでしょうか。

第4戦のハイライト映像です!

 第3戦も激しい点の取り合いで延長戦までもつれ込み、5-4でレンジャーズの勝利。その翌日から多くのホッケー・サイトはさまざまな選手・監督の談話、過去の試合データに基づき、第4戦の予想を組み立てていきます。今回は、2つのサイトから、その予想構築の様子をお届けしたかったのが真相です。

讃岐猫
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引用元:tsn.ca「Down 2-1,Panthers still have plenty of hope in East final against Rangers

負け越していても、余裕あり

 カーター・ヴェルハーゲは、月曜日の午後、フロリダ・パンサーズの練習施設を出た後、選手用駐車場から車を出すと、約50人のファンが道路脇に立ち、サインを求めて騒いでいるのに気づきました。

 そこで彼は立ち止まり、しばらくサインをしていたのです。ブランドン・モンツアーもそうしました。その数分後には、キャプテンのアレクサンダー・バルコフなど、さらに多くの選手もそれに続きます。

 ファンは、子供も大人も、看板を持っている人も、ジャージを着ている人もいて、予想通り大喜びでした。

 イースタン・カンファレンス決勝で、ニューヨーク・レンジャーズに1勝2敗で負けていますが、2年連続のスタンレーカップ決勝進出を目指すパンサーズは、火曜の夜、ホームでの第4戦に臨もうと意気込んでいます。ファンもはっきりとそう思っているようです。

 「目が覚めると太陽が輝いていて、ここではすべてがうまくいっている」とパンサーのフォワード、サム・ベネットは語りました。「それほど難しいことじゃないよ」。

 レンジャーズを倒すのが、そんなに簡単だったらいいのですが。

シュートの撃ち合い!

 日曜日、ニューヨークは延長戦の末に5-4で勝利し、このシリーズのホーム・アイスへ戻ることができました。この試合でパンサーズは100本以上のシュートを放ち、これはレンジャーズが試合中に試みたシュート数の2倍以上です。

第3戦のハイライト映像です!

 第3ピリオド、フロリダは特に終盤で次から次へとチャンスを作りました。

 しかし、それは問題ではありません。ここぞという時に、レンジャーのイゴール・シェスターキンは必ずビッグ・セーブを見せ、アレックス・ウェンバーグはパンサーズの(ゴールテンダー)セルゲイ・ボブロフスキーをかわして勝利を決めるゴールを挙げ、

 レギュラー・シーズン最高の成績を獲得したチームは、東地区優勝まであと2勝に迫りました。

 「第3戦は、おそらくこれまでのシリーズ中、最もタフな試合だった」と、レンジャーズのピーター・ラビオレット監督は、第3戦・第3ピリオドでフロリダの猛攻を受けたパンサーズについて語っています。

讃岐猫
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守りさえ改善すれば…

 パンサーズは4-2の劣勢を挽回したものの、再びリードを取り戻すことはできませんでした。

 パンサーズのポール・モーリス監督は、第4戦に向けて、チームが何を調整する必要があるかをしっかりと理解した上で、月曜日にやるべき事をやり終えたと考えていると語っています。

 「我々のゲームプランは、決して『シュート数を減らしてチャンスを増やそう』となることはない」とモーリスは言いました。「我々が狙っているのは確かにゴールだが、第1戦では3点、第3戦では4点は取れているんだ。でも、ゴールじゃないんだ、守らなければならない。

 …パックの扱い方については、わずかに良くなる可能性がある–わずかにと言ったのは、パックの扱い方について、わずかな改善が可能だからだ。パックをもう少し改善できる点についてはかなりよく知っています。少しだけというのは、少し改善できる点があるからです。

 でも、ウチはパックをかなりうまく扱えるよ」。

白熱の第3戦あれこれ

トロウバに罰金

 レンジャーズのディフェンダー、ジェイコブ・トロウバは、日曜日、フロリダのフォワード、エバン・ロドリゲスの頭部と首のあたりを肘打ちをしたとして、月曜日、リーグから5,000ドルの罰金を科されました。この罰金の総額は、リーグ規定で認められている最高額です。

 トロウバは肘打ちでマイナー・ペナルティを受けました。パンサーズは5分間のメジャー・ペナルティに相当すると感じています。

 「(正当なメジャー・ペナルティを受けさせるために)募金でもするかな」と、モーリスは罰金の額を知ったときに言いました。

こりゃひどいな…。
讃岐猫
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4では足りなかった

 プレーオフでレンジャーズに4ゴールを決めチームは、91%の確率で勝利しています。

 第3試合で、その予想が覆されました。

 日曜日、対戦相手がレンジャーズに対して4点以上を奪いながらも勝てなかった、17回目の試合(175試合中)となっています。

 ニューヨークは、現在、そのような試合で16勝158敗1延長負けとなっており、日曜日の勝利は、1997年、フィラデルフィアとの東地区決勝・第2戦にまでさかのぼり、そのシナリオでのレンジャーズのプレーオフ連敗は42でストップしました。

 (1997年の)日曜日と同じように、レンジャーズはその試合を5-4で勝っています。おそらく、パンサーズにとっては良い前兆と言えるでしょう。フライヤーズはそのシリーズの残り3試合に勝利し、スタンレーカップ・ファイナルに行きました。

第3ピリオドの猫(←パンサーズのこと?)

 レギュラー・シーズン中、フロリダは第3ピリオドの得失点差でNHLのトップであり、レギュレーションの最後の20分間で対戦相手を99得点-63失点で上回っています。

 プレーオフでも調子は維持されています。

 第3戦・第3ピリオド、パンサーズはレンジャーズを2-0で圧倒し、プレーオフでは、このピリオドでプラス13となっています。このプレーオフにおいて、フロリダは第3ピリオドで21ゴールを奪い、わずか8ゴールしか許していません。

 レンジャーズは第3ピリオドが苦手で、プレーオフではこのピリオドで13勝11敗の成績を残しています。しかし、ポスト・シーズンの延長戦になると、ニューヨークは完璧な成績を残しており、第3戦の勝利により、レンジャーズの今春のOT(延長戦)記録は4勝0敗に伸びました。

讃岐猫
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※以下は、NHL公式におけるフロリダの戦術分析の一部です。

引用元:NHL.com「Panthers hoping to be ‘a half-inch better’ against Rangers in Game 4 of East Final」(一部抜粋)

課題はポジショニング?

 パンサーズがチーム内で話し合った課題は、オフェンシブ・ゾーンでの実行力を高めることでした。

 フロリダはイゴール・シェスターキンに対して4ゴールを決め(スタンレーカップ・プレーオフの13試合で3ゴール以上を許したのは2度目)、

 実際にゴールへ打たれたシュート数やシュートを試みようとした数でも大きな優位に立っていましたが、ニューヨークのゴールキーパーを苦しめるには十分ではなかったと感じています。

 パンサーズの108本のシュートのうち、42本はブロックされ、29本はゴールネットから逸れました。そしてNHL EDGE Puck and Player Tracking(NHL公式・超高精密データ・サイト)によると、レンジャーズは危険度の高いシュート数で10-8と優位に立っていました。

 「ゴールネットにパックを運ぶだけでなく、もっとハードなエリアにも行かなければならないと思う」とフォワードのウラジミール・タラセンコは語っています。

ゴール前エリアをどう使うか

 「相手の前に留まって、セーブするのを難しくしなければいけない。ゴール前エリアに行けば行くほど、リバウンドや得点のチャンスを作れる可能性が高くなると思う」。

 第2ラウンドでボストン・ブルーインズのゴールキーパー、ジェレミー・スウェイマンに対して、フロリダはこの戦略でうまくいきました。

 スウェイマンは、パンサーズとの第1戦を含め、プレーオフ開幕からの7試合に先発して、それぞれ2ゴール以下しか許しませんでしたが、その後、パンサーズに第2・3戦で12ゴール、第2〜第4戦の3試合で合計15ゴールを奪われて、パンサーズが勝ち上がりました。

 パンサーズがシェスターキンに対してより良いパフォーマンスを発揮し、守備のミスを修正できれば、第3戦で行ったことのほとんどが、長いシリーズで勝っていくのに十分必要なものである、と彼らはまだ期待しています。

 「もちろん、あの試合に勝ちたかった」とディフェンスのオリバー・エクマン=ラーソンは語りました。「すべての試合に勝ちたい。でも同時に、相手は強いチームで、彼らも勝利を目指しているので、難しいよね。あの試合ではいいプレーができたと思う。

 第3ピリオドの終わりにレギュレーション・タイムで勝つチャンスが何度かあったし、延長戦でもいいチャンスはあった。昨日はうまくいかなかったのははっきりしているけど、雰囲気はいいんじゃないかな」。

 「自分たちが良いプレーをしていることに気づいているし、だからこそ、次の試合に向けてもっと良くなるために7連戦を戦うんだ。それが今の自分たちの関心事さ」。

まとめ

 第4戦、ショットブロックは28対8で、レンジャーズのシェスターキンをはじめ守備陣の頑張りはあったのですが、パワープレーになると、俄然パンサーズが効率よく攻め、3得点中2得点を稼ぎ出しました。つまり、ゴール前へのポジショニングを取りやすい時、確実に得点したのです。

 さあ、2勝2敗のタイに持ち込みました、パンサーズ。次はアウェイでの対戦となりますが、この第4戦のように要所を押さえた攻撃ができれば、自信がさらに深まりますし、一気に王手→カンファレンスと持っていきそうです。

 レンジャーズは第4戦でも2アシストと好調なパナリンに、どれだけパックを集められるかが焦点となるでしょう。

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