スタンレーカップ第3戦詳報!ペナルティと乱闘の激戦を制すのは

アイスホッケー名勝負

はじめに

 2025年スタンレーカップ・ファイナル第3戦は、フロリダ・パンサーズがエドモントン・オイラーズに6-1で圧勝!試合を支配したフロリダの堅実な守備とベテランの活躍、そしてオイラーズ側の感情的な乱れが大きな話題に。

 今回は試合中に起きた数々のペナルティに注目し、その背景や影響を深掘りします。

参照記事:NBC News1Panthers rout Oilers 6-1 to take a 2-1 lead in the Stanley Cup Final

パンサーズ、圧巻の6得点!シリーズ2勝1敗とリード🐾🔥

 6月9日・月曜の夜に行われた2025年スタンレーカップ・ファイナル第3戦は、予想外の大差で決着!フロリダ・パンサーズがエドモントン・オイラーズを6対1で圧倒し、シリーズのリードを2勝1敗としました。

 ここ数週間では最も低調なパフォーマンスを見せたオイラーズに対して、パンサーズは隙を見逃さず攻め続ける展開に。試合は序盤からパンサーズペースで進み、まさに「何もかもがうまくいった」一夜となりました😊。

経験と層の厚さが光ったフロリダの攻撃陣💥

 この試合で大きな役割を果たしたのが、ベテランのブラッド・マーシャンドと、今プレーオフで絶好調のサム・ベネットの2人。

 マーシャンドはファイナルの最初の3試合すべてでゴールを決めた最年長記録を樹立。一方のベネットはエドモントンのヴァシリー・ポドコルジンへの激しいヒットからパックを奪い、そこから抜け出して単独でゴールを決めて、プレーオフ最多の14ゴール目を挙げました🔥

 この2人で今決勝シリーズ8ゴールを奪っており(2人とも4ゴールずつ)、パンサーズはあらゆる面で試合を支配しました。「僕たちはフロリダが望むような試合をしてしまった」と語ったのは、23本のシュートのうち5失点で途中交代となったオイラーズのゴーリー、スチュアート・スキナー。「今夜の彼らは素晴らしかったよ」。

 「僕らは前線から守備、ゴーリーまで層が厚い。全体のバランスが自分たちの強みなんだ」とマーシャンドも胸を張ります。

 この2人に加えて、カータ・ヴァーヘイグやアーロン・エクブラッド、サム・ラインハートらも得点を重ね、エドモントンの守備は完全に崩壊してしまいました。

ゴーリー“ボブ”が魅せた!南フロリダに響く「ボビー!」コール🥅✨

 この日のパンサーズの勝利を支えたもう一人の立役者、それが守護神セルゲイ・ボブロフスキーです💪🥅。リンクの反対側では、南フロリダの観客から「ボビー!ボビー!」という大歓声に包まれながら、彼はオイラーズの数少ないチャンスを完璧に防ぎました。

 2度のベジナ・トロフィー受賞(最優秀ゴーリー賞)経験を持つ実力者ボブロフスキーは、32セーブを記録。オイラーズの攻撃は精度を欠き、決定機もほとんどボブの壁を越えられませんでした。

 「プレーに完璧なんてない。でもこの時期の試合は、世界クラスのゴーリーが必要不可欠。僕らはそれをしっかり手にしている」と語ったのはサム・ラインハート。

 また、シリーズ最年長のコーリー・ペリー2(40歳。エドモントン・オイラーズ)は、巧みなスティックワークでボブロフスキーを破ってパワープレーから1点を奪取。マーシャンドと並んで、このファイナルでは経験豊富なベテランたちが大きく存在感を示しています🔥👏

オイラーズ、崩壊… ペナルティ85分の荒れ模様💥

 オイラーズのエース、コナー・マクデイビッドはチームを立て直すことができず、エドモントンは15件のマイナーペナルティ3を犯しました。特にエヴァンダー・ケインは3件のマイナーとミスコンダクト(試合の秩序を乱す反則)を含む計85分のペナルティに関与。

 残り10分を切った場面では乱闘が発生。トレント・フレデリックとダーネル・ナースは、ジョナ・ガジョヴィッチとの乱闘によりミスコンダクトを受け、勝負が決していたゲームから退場となりました。

見苦しい第3ピリオドになってしまった。緊張の糸が切れたオイラーズ、それをうまく利用したパンサーズ。

 「この時期の試合は、感情が非常に高ぶる」とマーシャンは言います。「この時期にプレーできるのは幸せなこと。1分1秒が楽しいんだ」。

讃岐猫
讃岐猫

勝負の行方は第4戦へ⚔️

 第1戦と第2戦はどちらも延長戦に突入する接戦でしたが、第3戦は一方的な展開に。オイラーズは完全に崩れ、ついにはジェイク・ウォルマンが敵ベンチに向かって水をかけるというフラストレーション全開の行動まで見られました💧

子どもじゃないんだからさ…。しっかり反省して、次の試合へ気持ちを切り替えてほしい。

 両チームには第4戦まで少しの休養日があり、次戦は6月12日・木曜の夜(日本時間:翌日の午前9時)に開催予定。パンサーズが勝てばシリーズは3勝1敗となり、2年連続優勝に王手をかけることになります。

 「第4戦は本当に重要な試合だ」とマクデイビッドは語ります。「シリーズの流れを大きく左右する一戦になるよ」。

参照記事:The Playoffs4NHL Misconduct Penalty – What Are the Most Penalty Minutes in an NHL Game?

アイスホッケーってこんなに激しい!?NHLのペナルティ制度とは🏒

 アイスホッケーはスピードとパワーがぶつかり合う、とても迫力のあるスポーツ。その中でも、NHLは北米のみならず世界中で最も過酷でフィジカルなスポーツリーグの一つです。選手同士のぶつかり合いは日常茶飯事で、ちょっとした接触から感情が爆発することも😤

 このスピード感あふれるスポーツは選手の身体に大きな負担を与え、わずかな接触でもアドレナリンが高まり、ポジション争いやターンオーバー、そしてゴールを決めるためにチーム同士の激しい戦いが繰り広げられます。

 NHLでは、リンク中央で選手が殴り合うシーンがよく見られますが、そんな中で、試合の秩序を守るために大切なのが「ペナルティ制度」。アイスホッケーにおいてフィジカルな強さは非常に重要な要素であり、時には試合が制御不能になるのを防ぐために管理が必要です。

 乱闘や危険なプレーがエスカレートしないよう、ルールがしっかり整備されているんです。

ミスコンダクト・ペナルティってなに?🤔

 そのために、NHLにはさまざまな種類のペナルティが存在します。反則の内容によって、審判は「マイナーペナルティ」「メジャーペナルティ」「ミスコンダクトペナルティ」を科します。マイナーおよびメジャーペナルティ5には多くのファンがなじみがありますが、ここでは「ミスコンダクトペナルティ」について詳しく見ていきましょう。

 これは簡単に言うと、選手がちょっと行き過ぎた行動を取った時に科される、その名の通り、選手およびチームにとって影響の大きい重い処分です。

 このミスコンダクトには2種類があって、「10分間のミスコンダクト・ペナルティ」と「ゲーム・ミスコンダクト・ペナルティ(試合失格)」があります。

 まず、10分間のペナルティは、他のペナルティと同様、選手が試合から一時的に外されるというもの。通常、このペナルティは試合の第3ピリオド終盤に科されることが多く、対象選手はロッカールームへと下げられます。

 試合が延長戦に突入した場合、その選手は復帰することが可能です。さらに、このペナルティでは、チームは即座に他の選手と交代させることが認められており、相手チームにパワープレーの機会(数的有利)が与えられることはありません✋

 このペナルティは、ファイティング・メジャー(乱闘による重大なペナルティ)と組み合わされることが多く、例えば乱闘のあとにまだ暴れようとしている時や、審判が「この選手はちょっと落ち着かせないとヤバい」と判断したときに出されることが多いです。

 「ゴールキーパーを除く選手にミスコンダクト・ペナルティが科された場合、各選手は10分間リンクから除外される。交代選手は即座に入れ替わることができる。ペナルティの終了時点で、対象選手は次のプレー停止までペナルティボックス内に留まらなければならない。
— NHL公式ルールブック第22.1条より

ゲーム・ミスコンダクトは超重い処分😱

 次に紹介するのは、「ゲーム・ミスコンダクト・ペナルティ(試合失格)」。これはもっと重くて、その試合から完全に退場になるペナルティです。

 主に、違法なヒット(反則的な接触行為。危険なタックル等)によって相手選手をケガさせてしまった場合に科されることが多く、5分間のメジャーペナルティと併せて適用されることが一般的です。しかも、もう試合には戻れません…😢

 ただし、ゲーム・ミスコンダクトが科されても、他の選手が即座に交代出場することは可能ですが、5分間のメジャーペナルティも併せて科されている場合には、他の選手がペナルティボックスでその5分間を代わりに消化しなければなりません。ルール上はその退場になった選手に「記録上10分間のペナルティ」が加算されるんです。

 とにかく、これは選手にもチームにも大ダメージな処分。乱暴なプレーは大きな代償を払うことになります。

 「ゲーム・ミスコンダクト・ペナルティとは、選手が試合の残り時間すべてにおいて出場停止となる処分であり、当該選手は退場となる。ただし、代替選手による交代は認められる。このペナルティを受けた選手には、リーグの記録上で10分間のペナルティが加算される。」
— NHL公式ルールブック第23.1条より

歴史に残るペナルティの嵐🔥

 では、実際にNHLでどれくらいのペナルティが出たことがあるのかというと…その記録がスゴいんです!

 NHL史上最多のペナルティ分数が記録された試合は、2003-04シーズンに行われたオタワ・セネターズ対フィラデルフィア・フライヤーズの試合です。

 2004年3月5日、オタワ・セネターズ対フィラデルフィア・フライヤーズの試合で、フライヤーズが5対3で勝利しましたが、なんと両チーム合計で419分ものペナルティが発生😲 フライヤーズが213分、セネターズが206分という数字で、NHL史上最多!

この映像が最悪の試合の一部。これ以外にも伏線があったと思うんですよね。

 さらに、個人選手としての最多ペナルティ記録に目を向けると、それは1979年3月11日までさかのぼります。ロサンゼルス・キングスのディフェンスマン、ランディ・ホルト6が67分間のペナルティを受けたという驚異の記録があります(ロサンゼルス・キングスとフィラデルフィア・フライヤーズの試合。またフライヤーズ!)。

背番号4がホルト。とにかくリンクのあちこちで暴れまくってます。キングス、紫ジャージの時代だ、懐かしい。

 1試合で9回もペナルティを取られるって、もはや伝説ですね…笑💥

2025年スタンレーカップ・ファイナル第3戦でのオイラーズの乱れっぷり😵‍💫

 2025年のスタンレーカップ・ファイナル、第3戦でエドモントン・オイラーズはフロリダ・パンサーズに敗れてしまいました。その試合でオイラーズが受けたペナルティは、なんと合計85分にも及びました。これはスタンレーカップ・ファイナルの歴史の中で3番目に多い記録なんです!実際、1996年以来最多のペナルティ分数でした。

 特に第3ピリオドは大荒れで、オイラーズだけで75分のペナルティがつき、5人の選手が10分間のミスコンダクト・ペナルティを受けています。対象選手は、

ダーネル・ナース
トレント・フレデリック
マティアス・エクホルム
エヴァンダー・ケイン
カスペリ・カパネン

と、まさに主力選手が勢ぞろい。この大量ペナルティは、試合の勝負がほぼ決した後のことで、選手たちの悔しさやフラストレーションが爆発した結果と言えるでしょう😤

 とはいえ、このシリーズはこれまで非常に競争力の高い内容となっており、これからの試合、オイラーズは冷静さを取り戻さないと、シリーズで1勝3敗と大きく後れを取る危険があります。これ以上のペナルティで自滅しないよう、気持ちを切り替えてほしいですね!🔥

まとめ

 第3戦はパンサーズの組織力と冷静さが際立つ一方で、オイラーズはペナルティで自滅する展開に。特に後半の乱闘やミスコンダクトの連発は、今後の流れにも大きく影響しそうです。第4戦では両チームがどう立て直すかに注目です。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. アメリカの大手テレビネットワーク「NBC」のニュース部門で、1940年設立。主な番組には『NBC Nightly News』『Today』『Meet the Press』などがあり、国内外のニュースや政治、社会問題などを報道している。

     デジタル展開も積極的で、NBCNews.comや24時間ニュース配信の「NBC News NOW」、公式アプリやポッドキャストなどを通じて、さまざまな形でニュースを配信している。
    ↩︎
  2. 2007年にアナハイム・ダックスで唯一のスタンレーカップ優勝を経験している。しかし、2007年以降、彼は驚くほど多くのチームで立て続けにスタンレーカップファイナルに進出しながらも、いずれも優勝を逃している。

     具体的には、2020年にはダラス・スターズで、2021年にはモントリオール・カナディアンズで、そして2022年にはタンパベイ・ライトニングでファイナル敗退を喫した。彼の近年のファイナルでの「惜敗」が続いていることから、「彼が在籍するチームはスタンレーカップを獲れない」というジンクスのように語られている。

     現在、ペリーはオイラーズに在籍しており、スタンレーカップファイナルでフロリダ・パンサーズと対戦中。彼の長年のキャリアと経験はチームにとって重要である一方、この「ジンクス」の行方も注目されている。
    ↩︎
  3. 第1&第2ピリオドで5件だったので、以下に第3ピリオドが荒れていたかが分る。第1ピリオド、試合開始5分過ぎから2〜3分おきにペナルティを取られた時点で予兆はあったのかも。

     この時点でまだ1失点と慌てる段階でないにもかかわらず、氷上に余分な選手が残っていたり(交代のタイミングのミス)、チーム内に混乱があったように思われる。
    ↩︎
  4. NBA・NFL・MLB・NHLなどを中心に扱う、スポーツニュース&ベッティング専門のオンラインメディア。試合結果・選手分析・オッズ比較・ベッティングガイドなどを多言語で提供し、初心者から上級者までをサポート。日本語版サイトも展開中で、日本の読者にも分かりやすく構成されている。
    ↩︎
  5. マイナー・ペナルティは比較的軽微な反則(例:トリッピング、フッキング)に対して課せられ、反則した選手は2分間退場となる。この間に相手チームが得点すると、ペナルティは即座に終了し、選手は試合に戻れる。

     一方、メジャー・ペナルティはより悪質で危険な反則(例:ファイティング、ボーディングなど、相手に怪我を負わせる可能性のある行為)に対して課せられ、選手は5分間退場となる。マイナーとは異なり、この5分間は相手が得点してもペナルティは解除されず、選手はペナルティボックスに留まらなければならない。

     メジャー・ペナルティはチームにとってより大きな不利となり、試合の流れを大きく左右する可能性がある。
    ↩︎
  6. 1970年代から1980年代初頭にかけて活躍したカナダ出身の選手で、特にその激しいプレースタイルで知られている。1973年、全体45位でシカゴ・ブラックホークスに指名、1974年から1984年までの10シーズン、現役生活を送った。

     ホルトの名を広めたのは、1979年3月11日のフィラデルフィア・フライヤーズ戦。この試合では、ケン・リンスマンからのラフプレーに反応し、ブレイク・ダンロップと激しく衝突。その結果、ベンチクリアリングの乱闘に発展し、ホルトは9回のペナルティを受け、試合終了までに67分のペナルティを記録した。

     引退後は自動車販売業に転身したが、数回の交通事故に遭い、特に歩行中にトラックに轢かれた際には重度の頭部外傷を負うなど、厳しい時期もあった。 ↩︎
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