ベダードの他にもいる!連敗中のチームにも、いいルーキーがいる!

現役スター選手紹介

はじめに

 今年6月に行われたNHLドラフトを見ていて、「NFLやNBAと違い、10代後半の選手が多いなぁ」と思い、同時に「さすがに、すぐにトップ・チームで活躍できないだろうな」と勝手に決めつけて納得していました。

 ところが、コナー・ベダードを筆頭に1巡目指名の10代選手は大活躍しています。もちろん昨年や一昨年にドラフト指名され、最優秀新人賞獲得資格のあるルーキーはたくさんいて、それまでのベテランを凌ぐ働きをしています。

 今回は、そんな選手達の中から、ベダードは当然入れるとして(あそこまで活躍するとは、さすがに予想できなかった)、彼の他に、このブログでこれまで紹介してこなかった3人の選手を見ていただこうと思います。

※元記事は10人の選手をピックアップしていますが、あまりにも長くなるので、4人にさせていただきました。

讃岐猫
讃岐猫

引用元:ESPN.com「Connor Bedard, Luke Hughes, Logan Cooley lead loaded rookie class」。

楽しみな若手が、こんなにいっぱい!

 コナー・ベダード(センター、18歳)。レオ・カールソン(センター、18歳。アナハイム・ダックス所属)。ローガン・クーリー(センター、19歳。アリゾナ・コヨーテズ所属)。アダム・ファンティリ(センター、19歳。コロンバス・ブルージャケッツ所属)。ルーク・ヒューズ(ディフェンス、20歳。ニュージャージー・デビルズ所属)。

 彼らは将来の強力な有望株として語られてきましたが、今やNHLにやってきた最新の1巡目指名選手達による波であり、それぞれのチームが、さらに彼らを長期的な成功に導いてくれると固く信じています。

 (これから紹介する)彼らはルーキー・クラスの中から選ばれ、(開幕から)11月下旬までの間に印象を残した数人のメンバーでもあります。

 ブロック・フェイバー(ディフェンス、21歳)とマルコ・ロッシ(センター、21歳)はミネソタ・ワイルドのトップの役割で起用され、カールソン、ジャクソン・ラコム(ディフェンス、22歳)、パベル・ミンチュコフ(ディフェンス、20歳)はアナハイム・ダックスのシーズン序盤の躍進に貢献しています。

 これはすべて、今年のルーキー・クラスに記憶に残るチャンスがあることを示しています。これもまた、カルダー・トロフィー(最優秀新人賞)とNHLオールルーキー・チーム1の座をめぐる競争が、レギュラーシーズンを通してかなり激しくなる理由の一つです。

 シーズンのこの段階で、ルーキーのフィールドは正確にどのように見えますか?確認してみましょう。

この人の名前を出さないと、話にならんでしょう

1.コナー・ベダード、C、シカゴ・ブラックホークス
統計:16GP(試合)|9G(ゴール)|6A(アシスト)|15P(ポイント)
※選手名の横の数字は、元記事で付された通し番号です。

彼がこのポジションにいる理由:この選手はNHLの次世代を担う才能として広く考えられていますが、現在、どのような活躍をしているのでしょうか。

 ベダードは、1試合あたり19分36秒出場しており、ゴール、ポイント、イーブンストレングス・ゴール(両チームが氷上で同人数の場合の得点率)、イーブンストレングス・ポイント(両チームが氷上で同人数の場合のポイント獲得率)、シュート、平均アイスタイムで今年のルーキー・クラスのトップ・クラスに入っています。

 彼の9ゴールはNHLで17位タイです。ブラックホークスにおいても、ベダードはゴールやポイントなど、他の多くの攻撃的なカテゴリーでチーム内トップに立っています。

 セス・ジョーンズ(ディフェンス、29歳)がいなければ、ベダードはアイスタイムでブラックホークスのトップに立っていたでしょう。

今後の展開:2ポイントを除いて、ベダードの獲得したポイントはすべてイーブン・ストレングス・プレーでのもので、ブラックホークスのパワープレーがいかに苦戦しているかを物語っています。11月21日現在、NHLで4番目に悪いユニットで、成功率は11.3%でした。

 ベダードや(チーム内の)他の誰かがこのパーセンテージを上げるために何ができるかは、注目すべき項目の一つです。そのような苦戦をしているにせよ、トップラインのセンターとして、ベダードは開幕から要求に応えられていることを証明しています。

 実際、開幕からの16試合で、彼はすでに昨年度カルダー(トロフィー)獲得者であるマティ・ベニアーズ(センター、21歳。シアトル・クラーケン所属)よりも多くのポイントを獲得しています。

讃岐猫
讃岐猫

ミネソタから2人の渋い若手をチョイス

5.ブロック・フェイバー、D、ミネソタ・ワイルド
統計:17GP|1G|7A|8P

彼がこのポジションにいる理由:ジョナス・ブローディン(ディフェンス、30歳)がいなかったら、フェイバーはアイスタイムでワイルドのトップに立っていたでしょう。

 ワイルドは、ジャレッド・スポルジョン(ディフェンス、33歳)を欠いてシーズンを開幕させ、2試合後にアレックス・ゴリゴスキー(ディフェンス、38歳)を失ったため、チームはフェイバーに多くの信頼を置かねばなりませんでした。

 フェイバーはブローディンとペアを組み、1試合平均23分以上プレーし続け、ワイルドのトップ・ディフェンス・コンビとなろうとしています。

 彼はまた、5対5のアイスタイムでワイルドのトップであり、ショートハンド(ペナルティで、自チームの方が人数が少ない)のアイスタイムで2位です。アイスタイムで、彼はルーキークラスを3分以上引き離しているのです。

今後の展開:フェイバーはワイルドにとって不動の存在ですが、勝利することは少々難しいようです。ワイルドは5連敗しており、1試合あたりの失点数は2番目に多く、成功率65.5%とリーグワーストのペナルティキル(ワイルドはペナルティを取られると、必ず失点)を記録しています。

 11月21日現在、5年連続のプレーオフ進出を狙うワイルドは、ワイルドカードに入るための最終順位から勝ち点5差となっています。

フェイバーのプレーを動画でどうぞ。

ミネソタの「二刀流選手」

7.マルコ・ロッシ、C、ミネソタ・ワイルド
統計:19GP|4G|5A|9P

彼がこのポジションにいる理由:当初はサード・ラインのセンターだった(つまり、チームで3番手)ロッシは、今やワイルドのトップラインのアンカー2に昇格しました。彼はワイルドで3位のゴール数、ポイントで5位にランクインしています。

 ロッシはまた、ワイルドのセカンド・チームのパワープレー・ユニットのセンターにもなっています。氷上で5対5の際、ディフェンシブ・ゾーンにおけるフェイスオフ数で、ワイルドのフォワード中、ロッシは5位につけるなど、彼の(攻守両方できる)二刀流は生かされています。

 今年のルーキークラスで、ゴール数で2位タイ、ポイントで3位タイ、10試合以上出場しているフォワード中、アイスタイムでは3位タイにつけています。

今後の展開:ワイルドはここ11試合で9敗を喫しており、次の3試合はプレーオフ進出圏内または(圏外でも)1ポイント以内のチームとの対戦となります。

 ロッシとワイルドの双方に利益をもたらす可能性があるのは、パワープレーの安定性を高めることです。

 ワイルドはリーグで9番目に悪いパワープレイ・ユニットになっており、成功率は15.6%で、ロッシのすべてのポイントはイーブン・ストレングス(両チームの氷上のプレー人数が同数)によるものです。

 パワープレーで結果を出せば、ワイルドは試合中の1部分を活性化させることができ、ロッシが新人ゴールレースとポイントレースで強力な候補の1人であり続けられるでしょう。

ロッシのプレーを動画でどうぞ。
讃岐猫
讃岐猫

続々と…アナハイムも若手の宝庫

6.ジャクソン・ラコム、D、アナハイム・ダックス
統計:18GP|0G|3A|3P

彼がここにいる理由:ラコムは、(ディフェンスの)トップペアの役割を任されているルーキーの一例です。彼はキャム・ファウラー(ディフェンス、31歳)とコンビを組み、ダックスに多くの出場時間をこなせるトップペアをもたらしました。

 ラコムは5on5(5人対5人の出場時間)でチーム2位、平均アイスタイムで2位、ショートハンド・アイスタイム(自チームの人数が少ない)で3位を記録しています。

 ペナルティキル(自チームの人数が少ない時、相手チームのチャンスを潰す)の際、昨シーズンの31位から11月21日に13位まで順位を上げており、特に貢献しています。ラコムはまた1試合平均20分1秒のアイスタイムとなっており、ルーキー中で2番目です。

今後の展開:今シーズンのラコムの最も驚くべき点は、彼が3ポイントしか獲得していないことかもしれません。彼はミネソタ大学での4シーズンで平均0.71ポイントを獲得しており、これは彼のプレーに攻撃的な面があることを示しています。

 もし彼が大学でやったことをNHLに活かす方法を見つけることができれば、すでにかなりのものを見せている(他の新人)選手達に対し、新たな一面を提示できるでしょう。

 さらに、フェイバー、ヒューズ、ミンチュコフといったNHLレベルで攻撃力を発揮できると証明中のディフェンスマン達との、オール・ルーキー・チーム争いに加わることにも役立ちます。

ラコム、オーバータイムを締めくくるゴール!

まとめ

 ここ数試合、アナハイムの守備が崩壊気味です。11月26日のエドモントン・オイラーズ戦は2-8と大量失点…、さらに6連敗と絶不調。しかも4失点(モントリオール戦)、5失点(ロスアンゼルス戦)と来ての8失点は、そろそろチームの方向性を見直さなければいけないかもしれません。

 ミネソタも7連敗中で、その間、28失点となっており、1試合平均4失点は正直かなり多いです。アナハイムにしてもミネソタにしても、ディフェンスに若さが出ているというか、経験の少なさが露呈して、そこを開いてチームに突かれていると思われます。

 両チームがこのままズルズル落ちていくか、また上昇気流に乗っていくか。絶好調ベダードを擁しながら、ずっとチームは低空飛行のシカゴも含め、良い新人のいる下位チームの巻き返しを見ていくのは、下位チーム観戦でご飯三杯食べられる自分の楽しみなんですけどね。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. プロ・ホッケー・ライター協会によって、その年のシーズンのパフォーマンスに基づき、NHLの各ポジションの最優秀ルーキーの中から選出される。
    ↩︎
  2. アイスホッケーのセンターは、サッカーでいうボランチ、即ち中盤の底の役割も果たすため、ボランチの別称、アンカーで呼ばれる事もある。 ↩︎
タイトルとURLをコピーしました