NHLアバランチは、マカールを活かしきれるだろうか?【後編】 

現役スター選手紹介

はじめに 

 先にアップした【前編】では、ケイル・ダグラス・マカール(ディフェンス、24歳)の現状、自らのプレーに対する思い、そしてディフェンス・コンビを組むデボン・トーズ(28歳)の発言等を紹介しました。 

 今回もその続きに少し触れた後、マカールのプライベート、そしてアバランチのヘッド・コーチがいかに彼の起用法を考えているか、をお届けします。 

讃岐猫
讃岐猫

ESPN.comが長文記事にしたということは、

それだけ期待できる選手だし、

もっと大物になる可能性を秘めているからだにゃ。

引用元:ESPN.com「Avalanche work to get most out of Cale Makar without burning him out」。 

トーズのコメント(前回からの続き) 

 そのため、アバランチのディフェンスマンには自由が与えられています。自分達は、その自由を利用して選択し、いつエネルギーを節約するのか、いつより積極的に攻撃するのかを知ることができます、トーズは述べました。 

 全てのゲームが同じというわけではありません。自分とマカールが28分または29分以上プレーし、気分の良いゲームもいくつかある、とトーズは述べた。しかし、23分や24分プレーして、4日の休みが必要だと感じる試合もあります。 

 トーズは「僕らのチームの選手層を見ると、これまで怪我に悩まされてきたこともあり、ラッシュでプレーする自由はあるんだけど、必要性を感じなかったり、ラッシュでプレーするタイミングがなかったりするんだ」と述べました。 

 「攻撃面で、チームにチャンスを与えるためにもう少し守備的で、もう少し完全なゲームをしなければならないことは理解しているつもりだ。なぜなら、毎晩、(ディフェンスマンは)攻撃的な武器を持っているわけじゃないし、他のチームのトップラインを抑え込むことに関して、誇りを持ってそれを受け入れているからさ」。 

ラッシュ=相手チームよりも人数の多い状態でアタッキング・ゾーンに入ること。 

チーム内のケガ人の影響 

 アバランチの今シーズンは、怪我人がどの程度影響しているのでしょうか? 

 簡単に答えます:たくさん。センターのネイサン・マッキノン(センター、21歳)とエバン・ロドリゲス(センター、29歳)を11試合欠場しました。ディフェンスのボーウェン・バイラム(21歳)は10試合、ウィンガーのヴァレリ・ニチュシュキン(右ウィング、27歳)は15試合、ディフェンスのジョシュ・マンソン(31歳)は21試合の出場にとどまっています。 

 キャプテンで左ウィングのガブリエル・ランデスコグ(左ウィング、30歳)は10月に膝の手術を受けから全くプレーしておらず、フォワードのダレン・ヘルム(左ウィング、35歳)は1月2日にシーズン・デビューを果たし、ゴールテンダーのパベル・フランコウズ(32歳)は12月下旬に負傷交代しています(故障者リストへ)。 

 そのおかげで、アバランチでは38回のコンテストを通じて、38人が1試合以上出場しています。これは、2021-22年の82試合シーズンを通しての出場者よりも、1人少ない数です。 

 そのため、トーズはマカールに「ホッケーから何日か離れてもいいんだ」という貴重なアドバイスを与えています。 

 「多くの選手、特に若い選手はスケートをしなければならないと考えているし、試合のない予備日でも、若いんだから(ジムとかに)行かなきゃと感じているよ」とトーズは述べました。「僕達の指導者が言ってたことの一つは、外出する必要がないと感じたら、外出しないことさ。 

 それは(マカールが)氷の上で何分間もプレーした後に自己管理し始め、ジムに行くようになったのは、彼がより良く回復し、気分が良くなると感じているからだと思うんだ」。 

讃岐猫
讃岐猫

マカールは自己管理のできる、

本物のプロ選手になろうとしてるんだにゃ。

マカールの両親 

 ある意味で、マカールはすでに仕事を家に持ち帰らないことを学んでいました。父親のゲイリーによると、ケイルはデンバーの自宅に、彼が受賞した個々の賞のレプリカすら持っていないと言います。 

 カルダー賞(シーズン最優秀新人賞)、ホビー・ベイカー賞(NCAA最優秀選手賞)、ノリス賞(シーズン最優秀ディフェンス選手賞)など、彼の息子の賞の多くはカルガリーのマカール家にあります。 

 マカールは、ホッケーから離れることは、家族や友人に電話したり、ビデオゲームをしたり、映画やテレビ番組を見たりすることを意味すると述べました。 

 「彼は(母親に)電話して、自分がコストコで手に入れたものを見るべきだと言うだろう!」、ゲイリーは息子のホッケー以外の普段の生活について語ってくれました。「完璧だから笑ってしまうんだ。 

 …一番面白いのは、彼が(母親の)ローラと30分間、旅行カバンを買うことについて話した時かな。『じゃあ、これだ!』って感じで、僕たちは『OK、ケイル』って感じだったね」。 

 とはいえ、そうした会話が買い物から離れて、ホッケーの話題に変わることもあります。 

 ゲイリーが言うには、自分が息子に「いい試合だった」と言っても、ケイルから父親へ「それほどでもなかったさ」と言われることもあるそうです。ゲイリーによると、息子が自己分析を必要とするのは、自分がまだ選手として目指すところに到達していないことを自覚しているからだと言っています。 

ヘッドコーチのコメント 

 しかし、進歩がなかったわけではありません。アバランチのヘッドコーチであるジャレッド・ベドナー(50歳)は、マカールは仕事をこなしてきたのだから、その分重要なプレーができると信頼を寄せています。 

 ベドナーは、マカールが攻撃的な脅威であり続けながら、攻撃的であることと保守的であることの管理法を見つけたと述べています。 

 ベドナーは「マカールのプレーを見ていると、ある程度の時間が経過した時点で調子が落ちたり、疲れ始めたり、問題が発生したりした場合、少しは彼を助けなければならないと思っている」と述べました。 

 「マカールにとっても私たちチームにとっても、ディフェンス・ゾーンでプレーする選手に負傷者が出たこともあり、やむを得ずあれだけプレーさせることもありますが、彼はうまく対処してくれています」。 

チーム全体でフォロー 

 しかし、マカールのような選手がいると、哲学的な議論が伴います。つまり、ベドナーや他のコーチは、マカールを走らせることなく、彼がチームに与えてくれるものを最大限に生かすにはどうしたらいいのか、ということです。 

 ベドナーは、コーチング・スタッフ、チームの医療スタッフ、そしてマカールが自分自身の気持ちについて話し合っていると語りました。ベドナーは、マカールは「かなり正直な選手」であり、休憩が必要な場合はチームに知らせると述べました。 

 チームにおけるマカールの役割と地位は非常に重要です。だからベドナーは、マカール(あるいはどんな選手でも)に自分の気持ちを正直に伝えてほしいと言いました。その情報があれば、コーチ陣は次のステップを見極めることができると言っています。 

 「ケイルには成熟した部分があり、彼が常に真実を語ることを知っている」とベドナーは述べました。「マカールは自分の状況に正直になるだろう。彼がもっとチームを助けたいと思ってても、自分はその立場にないと思っても、その気持ちを知りたいし、注意を払わなければならないね」。 

讃岐猫
讃岐猫

チームはバックアップしてくれそうだが、

今の状況では出場時間がさらに伸びそうだにゃ。

まとめ 

 間もなくNHLオールスターのファン投票も締め切られます。マカールは出場確定で、攻守両面で活躍しそうな予感がしますし、何か賞を獲りそうな勢いがあります。ご両親やヘッド・コーチも期待していることでしょう。ですが、今回の記事等を見ると、ちょっと休ませてあげたい気もしないではありません。 

 プライベートでは、ごくごく普通の青年なのに、いざアイスホッケーのことになると、高みを目指す姿勢を崩さないようです。アバランチのチーム・スタッフも万全のフォロー態勢を築いているようですが、監督のコメントを読むと、まだまだ休めない様子。NHLファンとしてはマカールの健康を祈りましょう、いいプレーをずっと見ていたいですからね。 

讃岐猫
讃岐猫

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

タイトルとURLをコピーしました