ベテラン・ディフェンスマン、ライアン・スーターがブルースと契約!

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はじめに

 FA市場が解禁になって、そろそろ2週間が経過しようとしていますが、大物ディフェンダーが突然市場に出てきました。ダラス・スターズのライアン・スーターがバイアウトによって、1年早めに無制限フリーエージェントになってしまったからです。

 本来なら来年の今頃、4年契約終了後にFA市場へ出るはずだったのに(39歳ですから引退の可能性もあり)、チームの方針=若手の切り換えの影響をもろに受けて、契約残り1年間の面倒見るから(=バイアウト)、チームを出てくれないか?と言われたわけです。

 年齢を考えたら、「辞めてやるよ!」って選択肢も取れたのですが、スーターは19年のキャリア中、一度もスタンレーカップ決勝進出を経験していません。吹っ切れなかったのか、彼はセントルイス・ブルース移籍を選びました。今回はその一部始終をお届けします。

讃岐猫
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引用元:ESPN.com.au「Former Stars D Ryan Suter joining Blues on one-year deal」(オーストラリア版)

ダラスからセントルイスへ

 ベテランディフェンスのライアン・スーターが、1年契約の条件に合意した後、セントルイス・ブルースに移籍すると、チームは7月10日・水曜日に発表しました。

 制限なしのフリーエージェントだったスーターは、基本給77万5000ドルを受け取るほか、さらに最大222万5000ドルの業績に応じたボーナスを受け取る可能性があります。

 39歳のスーターは、スターズのシーズンがウェスタンカンファレンス決勝で終わった後、フリーエージェントになるつもりはありませんでしたが、6月下旬、ダラスが彼の契約最終シーズンを買い取った1のです。これは彼にとってキャリアで2度目のこととなりました。

彼はミネソタ・ワイルドからも契約を買い取られています。

 2021年、スーターはスターズと3年(←記事の間違い、4年。現在4年契約の3年目)・総額1460万ドルの契約を結び、平均年俸は365万ドルとなるため、40歳のシーズンを迎える選手としては減給は当然のことと思われました。

 昨シーズン、スーターは、ウェスタン・カンファレンス第1シードとなったスターズという強豪チームにおいて、アイスタイムは平均18分56秒、2ゴール・17ポイントをそれぞれ記録しています。

 スターズが第3ラウンド(カンファレンス決勝)まで闘ったポストシーズンで、スーターは1ゴール・4ポイントを記録しました。

引用元:Breakaway on SI.com「Blues Sign Veteran Free Agent Defenseman

FA市場解禁から1週間経過での移籍…

 フリーエージェントになってから1週間以上が経ち、セントルイス・ブルースはフリーマーケットで最も経験豊富なベテラン選手の一人と契約しています。ブルースはディフェンスのライアン・スーターと1年契約を結んだと発表しました。

 スーターとの1年契約は、ブルースのサラリーキャップに対して77万5000ドルの負担となりますが、ベテランディフェンダーはパフォーマンスボーナスとしてさらに222万5000ドルを獲得するチャンスがあります。

 ボーナスが支払われれば、スーターは1シーズン働くと300万ドルを稼ぐことができるのです。

 39歳のスーターにとって、2024-25シーズンは、NHLでの最後のシーズンになる可能性が非常に高いと言えます。20シーズン目を迎えようとしているスーターは、2003年にナッシュビル・プレデターズに全体7位でドラフト指名されました。

2005-06シーズン、彼はプレデターズでNHLデビューを果たしています。

 スーターは、レギュラーシーズン1,444試合出場で105ゴール、576アシスト、合計681ポイントを獲得しています。彼はキャリアを通じて15回のプレーオフ出場を果たし、ポストシーズン133試合に出場し、合計44ポイント(7ゴール、44アシスト)を記録しています。

 プレデターズでの日々を終えた後、スーターは2012年にミネソタ・ワイルドと大型契約を結びました。スーターはワイルドで656試合に出場し、常にトップクラスで、試合中、パックを動かせるディフェンダーの一人でした。

 2021年、ミネソタで9年間過ごした後、ワイルドはスーターの契約の残り4年間を買い取りました。スーターはフリーエージェントとして、ダラス・スターズと4年契約を結んでいます。

 スターズが最終シーズンの契約を買い取ったことにより、スーターは契約の3年間のみプレーしたことになりました。

 NHLで19シーズンも過ごしたスーターは、スタンレーカップ決勝に進出したことがありません。過去2シーズンいずれも、スーターとスターズはウェスタン・カンファレンス決勝で敗退し、惜しくも決勝に届きませんでした。

 ブルースに加入したスーターは、チームの守備陣中、チャートのトップ近くに躍り出る(トップかセカンド・ラインに入る)はずです。

 もしスーターがキャリアを最高の形で締めくくることができれば、いつの日かホッケーの殿堂から、電話がかかってくる大きなチャンスがあるかもしれません。

偉大なる名選手の一人なのです!

引用元:Last Word on Sports.com「Twice Bought Out Defenceman Signs With St. Louis Blues

2回のバイアウトで、セントルイスに流れ着いた男

 セントルイス・ブルースは、ディフェンスのライアン・スーターと1年契約を結びました。この契約には、77万5000ドルとボーナスインセンティブも付きます。

ブルースがスーターと契約

 19年のキャリアを持つスーターは、過去3シーズンをダラス・スターズで過ごしました。また、ナッシュビル・プレデターズやミネソタ・ワイルドでもプレーしています。

 スーターは、レギュラーシーズン1,444試合に出場して、105ゴールと576アシストを記録しました。さらに、スーターはポストシーズン133試合に出場し、7ゴールと37アシストを記録しています。

 オールスターに3回選出された彼は、そのキャリアの中で信頼できるディフェンダーとして活躍してきました。しかし、彼は39歳であり、スターズでの2023-24シーズンは厳しいものだったようです。

バイアウトとセントラル・ディビジョンのチーム

 スーターは、これまでのキャリアの中で2度、契約を買い取られました。どちらの場合も、期待外れのシーズンを過ごした後だったのです。ワイルドは2021年シーズン終了後にスーターの契約を破棄し、残りの契約期間分を買い取りました。

2024年オフシーズン初日、スーターの契約について、スターズも同じようにしたのです。

 また、スーターはキャリアのすべてをセントラル・ディビジョンで過ごしてきました。スーターは、2005年にプレデターズでNHLデビューを果たしています。プレデターズで順調なキャリアをスタートさせた後、スーターはワイルドと大型契約を結びました。

ダラスで3年間プレーした後、スーターはブルースに移籍したのです。

この移籍はブルースにとってメリット?デメリット?

ブルースにとってこれが何を意味するか

 スーターはブルースのもう1人の左利きのディフェンスマンです。数週間前、(左利きの)ピエール=オリヴィエ・ジョセフと契約し、2ブルースが今オフシーズンに契約した2人目の選手となります。ブルースには現在、6人の左利きのディフェンスマンがいます。

 現時点では、ブルースが余剰のディフェンスマンをどのように監督するかは不明です。よりコストの高いディフェンスマンを移籍させることで、3余剰とキャップのスペースを一掃することができるでしょう。しかし、そうするためのコストを考えると、実行が困難かもしれません。

 スーターは確かにベテランであり、若いディフェンスマンは彼と一緒に仕事をすることで恩恵を受けるでしょう。まさに、それがブルースにとって良い投資となる理由です。

讃岐猫
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これが、ブルースにとって、今オフシーズン最後の大きな移籍となるのか?

 確かに、これがブルースにとって最後の大きな移籍になる可能性はあります。しかし、ゼネラルマネージャーのダグ・アームストロングは、どこからともなく突然出てくるような動きをすることで知られています。ジャスティン・フォークのトレード4はその典型的な例です。

 ブルースの残りのオフシーズンは、ただ座って、もし何か起こりそうなら何が起こるか見守るのが最善かもしれません。

まとめ

 ブルースのGMが、余計な動きをしそうな予感を漂わせています。クリュッグ移籍について、3チーム参加の三角トレードでも吹っかけて、埋もれた若手の有望株何人か獲得可能な上に、彼のサラリー3分割OKなら動くべきでしょうが、それ以外ならやめるのが最善です。

 ブルースの現状でプレーオフ圏内を狙うのは、ちょっと難しい。ならば、クリュッグを残し、スーターと共に若手へのレクチャー役を任せて、長い目でチームの将来を見ていく姿勢を取った方が得策。ブルースGMがそうなれるかどうかが今後の課題となるでしょう。

 スーターが最後のひと花を咲かせるか、それとも年齢に勝てず、このまま引退への道を歩んでしまうのか。こればっかりは、9月のトレーニング・キャンプでチームと融合してみないと、何とも言えません。大ベテランに幸あれ!

讃岐猫
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【註釈】

  1. バイアウトのこと。

     例えば、チームがシーズン中からトレードを画策していた高額年俸の選手に対し、数年契約が残っていたとする。この場合、トレード相手からすれば、その契約をそっくりそのまま受け継ぐのは負担となり、トレードに積極的になれない。

     そこで、その時点で所有権を持つチームが何割か選手の契約の残りを買い取り、言い換えれば、チームが何割かサラリーを支払うという条件をつければ、相手側は「まあ、話に乗るか」となりやすい。

     在籍していない選手にサラリーを支払うわけで、サラリーキャップにも影響出るのだが、選手の所有権を何割か保持しておけば、もしその選手がさらに他チームへ移籍する場合、「おいおい、勝手するなよ。じゃあ、ウチはこれまでそれなりに支払ってきたんだから、来シーズンから減額ね」と言いやすい。

     つまり、所有権を持っている分だけ、発言権上、他チームより優位に立てるのである。
    ↩︎
  2. 7月2日、ピッツバーグ・ペンギンズから獲得。兄のマチューもブルースに在籍しており、兄弟で氷上に立てる可能性もある。兄は第3か第4ラインに入ると言われており、弟もその辺りのディフェンス・オプションとなる予定。
    ↩︎
  3. ブルースは、2020年、ボストン・ブルーインズからトーリー・クリュッグ(33歳)をFAで獲得しているが(7年・4,550万ドルの契約)、契約に見合った活躍をしていないこともあり、現在、チームはバイアウトかAHL行きを検討している。
    ↩︎
  4. 2019年9月24日、カロライナ・ハリケーンズの主力だったディフェンスマン、フォークと2020年5巡目指名権、ブルース側のジョエル・エドマンソン、ドミニク・ボック、2021年7巡目指名権のトレードが成立。

     ブルースは、フォークと7年・4,550万ドルの契約にサインしている。やや精彩を欠いていたフォークのトレードをハリケーンズが考えているとの噂に、ブルースのGMが反応したと言われている。 ↩︎
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