はじめに
カンファレンス決勝、ベガス・ゴールデンナイツの相手はダラス・スターズに決定しました。レギュラー・シーズン中、どちらも安定した戦いぶりを見せており、最終の第7戦までもつれるのは必至だと予想しています。
シアトル・クラーケンに意外とあっさり突破されていたダラス守備陣、ここが勝敗を分ける、一つのポイントのような気がします。
さて、「いぶし銀伝説再び!ベガスのスティーブンソンが浮上した理由」【後編】です。プレーオフも好調キープのチャンドラー・スティーブンソン、ここぞという時の得点感覚の鋭さは眼を見張るものがあります。
ベガスのトップ・ラインを抑えても、彼のいるセカンド・ラインは全く気が抜けません。ダラス攻撃陣vs.スティーブンソン率いるベガスのセカンド・ラインは、決勝の見どころの一つとして挙げておきましょう。
※「いぶし銀伝説再び!ベガスのスティーブンソンが浮上した理由」【前編】はこちら→☆。
ベガスの泣きどころは、ベテランの多さかにゃ。
ここまでプレッシャーのかかるタフな試合が続くと、
かなり疲労も溜まっているはず。どれだけクリアされているか。
引用元:ESPN.com「Inside Chandler Stephenson’s rise to stardom with the Golden Knights」。
移籍は大成功!
結果はすぐに判明しました。スティーブンソンは、キャピタルズでの24試合で4ポイントを獲得していましたが、ゴールデンナイツでは41試合で8ゴール、22ポイントとなり、1試合平均4分近く氷上でプレーする時間が増えたのです。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって中断された2020-21シーズン、彼がどのようにそれをフォローしたかが、今後の展開を予感させたかもしれません。
スティーブンソンは51試合出場で自己最多の14ゴール、自己最多の35ポイントを記録し、自身のキャリアで最も多い平均18分5秒のアイスタイムを記録しました。
翌シーズン(2021-22)には、ゴール(21)、アシスト(43)、ポイント(64)、試合出場(79)、アイスタイム(19分18秒)でスティーブンソンはキャリアハイを記録し、今までの記録を上回ったのです。
「去年来たときのことを思い出すと、ベガスとは年に数回しか対戦しないし、東海岸にいるとき、彼らをあまり見なかったんだよね」とアイシェル。
「彼の優秀な腕前には驚いたよ。練習で一緒に氷上に立ち、彼のスケーティングがいかにスムーズであるか、彼のスキルがいかに巧みなものであるか、彼のホッケーIQと強さを目の当たりにするだけでいいのさ」。
分厚い選手層に!
コーチやスタッフがチーム・メンバーに求めている、完全な「守備も攻撃もこなせるセンター」の1人がスティーブンソンであり、それには正当な理由があります。デプス(選手層の厚さ)は、ゴールデンナイツにとって最強の資産かもしれません。
レギュラー・シーズンで10ゴール以上を記録した選手は12人いて、そのうちの1人、ポール・コッター(センター、23歳。13ゴールを記録)はポスト・シーズンでの試合に出場していません。
ベガスはトップラインのセンターとしてアイシェルを固定し、スティーブンソンが2番目のラインをドライブし、ウィリアム・カールソン(センター、30歳。14ゴールを記録)が3番目、ニコラス・ロイ(センター、26歳。14ゴールを記録)が4番目のラインをそれぞれ任せられる選手層の厚さになっています。
レギュラー・シーズンで、彼らはそれぞれ14ゴール以上を記録して終了した4人のセンターであり、多くの攻撃的シナリオに沿ってプレーするので信頼できるのです。
スティーブンソンはラスベガスに来てから開花し、フランチャイズの成功に欠かせない選手の一人となりました。
※ラインについて=トップ・ラインはチームの最も熟練した攻撃的な選手で構成され、氷上で最も多くの時間をプレーし、通常はチームの得点の大部分を占めている。
セカンド・ラインは、「二刀流」で試合に参加できる選手で、トップの選手よりわずかにレベルの落ちる攻撃的な選手で構成される。高いレベルの相手に対して得点することも、防御することもできるラインとなる。
場合によっては、トップ・ラインになれるほどのスキルを持った選手が、より攻撃の機会を広げるためにセカンド・ラインに配置されることもある。スティーブンソンの場合、アイシェルというチーム内にポジションを共有するエリート選手がいるため、セカンドを務めることが多い。
サード・ラインは守備ベースのラインで、多くの場合、相手をチェックして消耗させることに重点を置く大型のフォワードが配置される。このラインは、ゴールを最小限に抑えながら、相手を疲労させる役目を持つため、他のチームの得点を量産するラインとバッティングすることが多い。
通常、最初の2つのラインほど得点数は多くないが、それでもチームにとって大切なゴールに貢献できる選手がいる。
4番目のラインは最もフィジカルなラインであり、多くの場合、スキルは低いが、「手を汚すこと」を気にしない耐久力のあるプレーヤーで構成される。
彼らはプレー時間は最も短いが、相手を打ち負かし続け、このラインが仕事を終えた後、よりエネルギーを持って出てくることができるトップ・ラインに短い休憩を提供する。
上記通りじゃない場合もあって、守備重視の監督さんだと、
セカンド・ラインのセンターも守備的な選手を入れるかもにゃ。
ラインそれぞれに役割が決められているから、
それをどう相手の攻撃に当てはめていくか、それもアイスホッケーの醍醐味!
チームメイトとの息もピッタリ!
「リーグの多くの選手に尋ねたんだけど、ある選手と長期間プレーできるのは素晴らしいことなんだ」とストーンは語っています。「10試合、20試合だけじゃないよ。それは何年にもわたることさ。ボストンのパトリス・バージェロンやブラッド・マルシャンの例を見てもわかるだろ。
(ベガスなら)[ライリー・]スミス(右ウィング、32歳)、カールソン、そして[ジョナサン・]マルケッソー(センター、32歳)の例があるね。今、彼らは一緒のラインでプレイしていないが、4、5年一緒にプレイして成功している。…そうすることで、ハイエンドな化学反応が生まれ、そいつがどこにいるのかがわかるようになるんだよ」。
スティーブンソンの影響を測定する別の方法が必要ですか?ハウデンに聞いてみてください。スティーブンソンはゴールデンナイツの中でも静かな性格の持ち主だが、ここぞというときに一発芸を披露することができる、と彼は説明してくれるでしょう。
ハウデンは弟子?
また、ハウデンは、2人の関係が、チームメイトという関係から、同じセーターを着ているだけではない、もっと意味のあるものになったことを紹介しています。2021-22シーズン開幕前、ハウデンがニューヨーク・レンジャーズからゴールデンナイツにトレードされたのが始まりでした。
「彼が僕に敬意を示してくれて、助けてくれたことで、私は快適に感じるようになったんだ」とハウデンは言っています。「彼は僕にとって素晴らしい人なんだ」。
スティーブンソンがハウデンを指導したと言っても過言ではありませんか?
「ああ、確かにそうさ」とハウデンは言いました。「気持ちが楽になり、彼のおかげで自分という殻から少し抜け出すことができたので、自分らしく振る舞うことができたと思ってるよ。
去年、ここに来たばかりで新米だったとき、隣に座っていたのが彼だったかどうかにかかわらず、僕はどちらかというと無口な男で、恥ずかしがり屋なんだ。彼が自分の殻から抜け出す手助けをしてくれたと思う。…僕が長い道のりを歩むのを本当に助けてくれたんだ」。
もうチーム内の同僚を通り越して、師匠と弟子、親子関係に近いノリだにゃ。
ところで、スティーブンソンの一発芸って何?
「父親になること」へのアドバイス
スティーブンソンは、話している人がもっと聞きたくなるようなレベルの文脈と深さで話してくれます。
ハウデンはこれを知っており、そのため、プロアイスホッケー選手としてのキャリアと、初めて父親になることを両立させるために、スティーブンソンからアドバイスをもらっているのだと言いました。
ホッケーより大事なもの
スティーブンソンは、どうやってそれを自分で管理しているのでしょうか?長年求めてきた成功を手に入れながら、父親としての役割もこなすには、どうバランスを取ればいいのでしょうか。
「小さな子どもができたことで、それが全てになったんだよ」とスティーブンソンは言いました。「ある意味、今はそれだけが重要なのさ」。
スティーブンソンと妻のターシャは、昨年5月に初めて「両親」となりました。2人は名前の候補を考えていましたが、ターシャの妊娠中、最後の3ヶ月でフォードという名前を思いつき、スティーブンソンはそれを気に入ったのです。
「彼と彼の性格を見ただけで、フォードとしか思えなかったんだ」とスティーブンソンは言いました。マスタングに似ているということですか?
「彼はF-150さ!」、スティーブンソンは満面の笑みを浮かべて言いました。「”彼 “がいるからこそ、今があるんだ。彼がいるからこそ、僕は試合をすることができる。彼のおかげで、長いキャリアを続けることができ、わくわくしているよ。
※F-150=詳細はこちら→☆。マスタングについても、少し触れている。
マスタングについてはこちら→☆。
今、彼がいること、それがすべてだと思ってる。ホッケーは2番目かな。家族は僕にとってNo .1なのさ」。
まとめ
新しい家族も増え、チームでの確固たる地位を築いたスティーブンソン、プレーオフでのさらなる活躍が期待されます。それにしても、「フォード」はともかく「マスタングに似ている」って、どんな感じなんでしょ^^;?
文中で述べた4つのラインの性格上、どうしても「縁の下の力持ち」的存在の選手は出てきますし、彼らは重要な戦力です。あまのじゃくなこのブログ(汗)、これからも「いぶし銀をさらにいぶしたような」渋い選手を紹介していけたら良いな、と思っています。
今度のドラフト下位指名の方で、強烈過ぎるくらい「仕事人」な選手が指名されると嬉しいです。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!