はじめに
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現在、NHLは、サラリーキャップの引き上げや選手の権限強化など、激動の時代を迎えています。そんな中、特に大きな注目を集めているのが、「新チームの拡張」と、それに伴う「プレーオフ制度の大改革」です。
今回は、海外の大手メディア『The Athletic』に掲載された記事をもとに、今後のNHLがどう変わっていくのか、その熱いポイントを分かりやすく解説していきます!👇
参照記事:The Athletic「Why NHL expansion should also lead to expanding and improving the playoff field」
🚀 拡大するNHL市場!テキサス新チームと34チーム構想
早ければ2029-30シーズンにも、テキサス州(オースティンまたはヒューストン)に、NHL33番目となる新チームが誕生する見通しです。
33番目の新チームによる約20億ドル(約3,000億円超)もの巨額な参入料は、サラリーキャップを予想以上に押し上げる要因となり、拡大を続ける市場に大きなインパクトを与えています。さらにリーグは、早くも34番目のフランチャイズ設立に向けても動き出しているとのことです。
※巨額な参入料が、サラリーキャップを予想以上に押し上げる?
参入料(エクスパンション・フィー)と資産価値の上昇
北米のプロスポーツリーグにおいて、新規参入を希望するオーナーグループは、リーグ全体および既存オーナーに対して巨額の「参入料」を支払う仕組みになっている。
- 市場価格の引き上げ: 33番目のチームが提示・合意された「20億ドル(約3,000億円超)」という参入料は、過去の新規参入料(例:NHLにおけるベガス・ゴールデンナイツの5億ドル、シアトル・クラーケンの6億5,000万ドルなど)から大幅に高騰している。
- 全体の資産価値の底上げ: 1つの新規フランチャイズに20億ドルの価格が付くことは、既存の全チームの「企業価値(フランチャイズ価値)」を直接的に再評価・引き上げる効果を持つ。
参入料がサラリーキャップを押し上げる直接的・間接的メカニズム
サラリーキャップ(チームの人件費上限)の上限額は、基本的に「リーグ全体が創出する関連収益」に基づいて計算・設定される。参入料そのものは既存オーナーへの一時的な一時金として処理され、直接的な収益(HRRなど)から除外されるケースもあるが、これが結果として「サラリーキャップを予想以上に押し上げる要因」となる理由は主に以下の3点に集約される。
① リーグ全体の総収益(関連収入)のベースアップ
新チームが33番目のフランチャイズとして稼働を始めると、以下の継続的な新規収益がリーグ全体に加わる。
- 放映権料の拡大・再交渉: チーム数が増加することによる試合数の増加、新たなローカル放送市場の開拓、および全国放映権契約の規模拡大。
- スポンサーシップ・ライセンス収入の増加: 新たな大都市圏・経済圏の参入に伴う、グローバルスポンサー契約やグッズ売上の増加。
- チケットおよびアリーナ収益: 新設・改修される最新鋭アリーナによる入場料収入や、スイートルーム売上の加算。
これらの合計収益(リーグ総収入)が増大するため、労使協定に基づき「総収入の一定割合(一般的に約50%前後)」として決定される選手給与の上限額が大きく上方修正される。
② 労使交渉における「キャップ引き上げ上限(Cap Ceiling)」の緩和
巨額の参入料が設定されるほどの市場の好況や将来の収益性の高さを受け、リーグと選手会(選手組合)との間で行われる労使協定(CBA)の改定・運用において、年間のサラリーキャップ上昇率の制限(バンパーやキャップ成長上限)が通常想定よりも緩やかに、あるいはより高い基準へと引き上げられる。
市場の拡大速度が予想を上回るため、キャップの上昇幅も予測モデルを超えたスピードで拡大する。
③ エスクロー(預託金)制度の解消・是正
プロスポーツリーグでは、選手の給与がリーグ総収入の規定割合を超えないよう、選手給与の一部を一時留保する「エスクロー制度」が存在する。
- 20億ドルの参入料を支払って参入する強力なビジネス基盤を持った新チームが加わり、かつリーグ全体の収益基盤が強固になると、エスクロー率が下がる。
- これにより、リーグ側は「実際の収益に伴ってサラリーキャップ枠を安全かつ大幅に拡大できる」環境が整い、キャップ上限を意図的に高く設定できるようになる。
「拡大を続ける市場へのインパクト」と今後の展望
33番目の新チームが20億ドルという価格帯を打ち立てたことで、スポーツビジネス市場全体に以下の波及効果をもたらしている。
- 34番目以降の参入障壁と評価額のさらなる高騰: 33番目が20億ドルの基準を作ったため、早くも動き出している34番目のフランチャイズ設立においては、20億ドル以上の参入料が最低ライン(ベンチマーク)となる。
- 選手の年俸高騰(ハイパーインフレ): サラリーキャップが予想以上に押し上げられた結果、各チームの補強予算枠が大幅に広がり、トップ選手やフリーエージェント(FA)選手の契約年俸が急激に上昇するスパイラルが生まれている。
しかし、ここで一つの大きな問題が生じます。チーム数が増えることで、現在の「4地区制」では綺麗に割り切れず、東西のチーム数にどうしても不均衡(アンバランス)が生じてしまうのです。
【さらに解説】ミネソタ・ワイルドとコロンバス・ブルーブラケッツが加入した時期から、スラッシャーズがアトランタからウィニペグへ移転した直後までの13シーズン、NHLは2カンファレンス・6地区(計30チーム)の体制をとっていた。
その後、2013-14シーズンから4地区制へ移行。イースタン・カンファレンスは各地区8チームの計16チームとなった。一方、14チームで始まったウェスタン・カンファレンスは各地区7チームで構成されていたが、2016年にベガス・ゴールデンナイツ、2021年にシアトル・クラーケンが加わり、東西でチーム数が揃った。
各カンファレンスを2地区に分ける現行スタイルには、確かなメリットがある。カンファレンス全体でライバル関係が深まった点だ。
かつて別地区だったタンパベイ・ライトニングとモントリオール・カナディアンズは、現在同じアトランティック地区で熱戦を繰り広げている。フロリダ・パンサーズとトロント・メイプルリーフスも同様だ。
ダラス・スターズがコロラド・アバランチやワイルドと同じ地区に入ったことで、セントラル地区の争いも過熱している。こうした因縁の対決は、近隣同士のローカルなカードにとどまらず、プレーオフの白熱化やレギュラーシーズンの名勝負を生み出している。
だからこそ、NHLは制度を根本から覆すのではなく、現行の地区編成をベースに改定を進めるべきだ。テキサスの新チームはセントラル地区へ編入すればいい。問題がややこしくなるのは34番目のチームで、どう割り振っても必ず不均衡が生じてしまう。
例えば、アリゾナ(フェニックス)にチームを再設置してパシフィック地区へ入れた場合、ウェストは18チームとなり、16チームのイーストとのバランスが崩れる。逆に34番目のチームをアトランタなどイーストに置けば、両カンファレンスは17チームずつとなり、どちらかの地区だけチーム数が多くなってしまう。
これこそが34チーム制の難点であり、4地区にも6地区にも割り切れない理由だ。そう考えると、33~34チームへの拡張は、将来的な「36チーム時代」への過渡期に過ぎないのかもしれない。36チームまで増えれば、9チームがひしめく巨大地区を解消し、6チームで首位を争う「6地区制」に戻す意義も生まれる。
⚠️ 現行プレーオフ制度の「致命的な欠陥」
チームの拡張以上に急務とされているのが、プレーオフ形式の見直しです。現行の制度は、序盤から地区内ライバル対決を演出して盛り上げようとしたものの、いくつかの深刻な問題を引き起こしています。
- ラウンドが進むにつれて好カードの実現性が減り、後半戦に向かうほど熱気が冷めてしまうこと。
- 長丁場のレギュラーシーズンで素晴らしい成績を残したチームが、正当に報われないこと。
昨春のシーズンを振り返ってみても、ウェストで2位と3位の好成績を収めた強豪同士が、あろうことかプレーオフ第1ラウンドで潰し合いを強いられました。イーストでも、上位の勝ち点を持ちながらワイルドカード枠に回され、地区1位との厳しい対戦を余儀なくされたチームがあります。
チームがさらに増えて地区ごとの偏りが強まれば、この不公平感や理不尽さはさらに加速してしまうでしょう。
【さらに解説】ウェスタン・カンファレンスで2位と3位の好成績を収めたスターズとワイルドは、あろうことか第1ラウンドでの直接対決を強いられた。イーストでも、ボストン・ブルーインズとオタワ・セネターズは、メトロポリタン地区の2位や3位のチームより勝ち点で上回っていたにもかかわらず、ワイルドカード枠に回されて各地区1位との厳しい対戦を余儀なくされた。
チーム拡張は、こうした理不尽な問題を解消する好機とすべきである。チームが増えて地区ごとのチーム数に偏りが生じれば、不公平感はさらに増すことになる。 8チーム地区で上位3枠(プレーオフ確定枠)に入る確率は37.5%だが、9チーム地区では33.3%まで落ち込む。いくらワイルドカード枠(地区上位以外からの救済枠)が2つあるとはいえ、この確率の差が及ぼす影響は無視できない。
💡 解決の鍵は「1位対8位」のシード制復活とプレーイン導入
こうした課題をクリアし、リーグ全体の競技バランスとエンタメ性を最大化するため、記事では以下のアップデートが提案されています。
「1位対8位」のシード制復活
地区優勝を果たした上位2チームだけをトップシードに固定し、残りの6枠はカンファレンス全体の成績順で広く争う仕組みです。これにより、レギュラーシーズン終盤の1試合の重みや順位争いが、劇的に白熱するようになります。
【さらに解説】この制度では、地区優勝を果たした2チームだけが上位2シードを獲得し、残りの6枠をカンファレンスの他15~16チームが成績順で争う。 こうすれば、近年の固定化された制度では起きにくかった順位の逆転劇が生まれ、プレーオフ開幕に向けて最高のドラマが仕上がる。これは、近年の課題である観客動員数や視聴率の改善に直結する。
「1位対8位」方式なら、地区1位の強豪は「最下位シード(8位)と当たる」という正当なアドバンテージを得られる。これだけでもラウンドが進むにつれて緊張感が高まり、カンファレンス決勝で真のトップ同士が激突する確率は格段に上がる。現在の7位・8位は必ずしも実力が劣るわけではないため、ジャイアント・キリング(下剋上)の衝撃もよりドラマチックになるはずだ。
現行のプレーオフシステムがもたらす興行面のデメリットや対戦カードの偏り(レギュラー上位チーム同士の早すぎる潰し合いなど)を鋭く突いた、スポーツ専門メディア(TSN / BarDown)の公式動画です(3年前のもの)。詳細は以下の通り。
こんにちは、コーウィンです。現在のプレーオフのフォーマットについて、いくつか言いたいことがあります。今の仕組みに対しては、多くの人が不満を抱いている点で意見が一致しているようで、みんなそれぞれ異なる理由で文句を言っています。中でも特に多いのが、1回戦の対戦カードが不公平だという意見です。
ここ数年は、リーフスのファンがそのことに不満を漏らしていました。しかし今年のリーグ順位を見ると、タンパベイ・ライトニングとの対戦は実際になかなか妥当なカードになっていました。
もちろん、ファンがライトニングと再び対戦することに、少し不安を感じているのは分かります。しかし別の理由として、私がより妥当だと考えているのが、レギュラーシーズンに与える影響です。一番バカげていると思うのは、トロント・メイプルリーフスとタンパベイ・ライトニングが1回戦で対戦するということが、どれほど前から分かっていたかということです。
実際、正確にどれくらい前から分かっていたのか知りたくなり、もちろん確定事項ではないものの、ずっとだいたいの予想はついていたので、今シーズンの毎日の順位を振り返って調べてみました。そうしたら、こんなことが分かりました。2022年11月28日以降、リーフスがホームアドバンテージを持ってライトニングと1回戦で対戦する順位に「いなかった」日は、たった1日しかありません。
そして、そのたった1日である2023年2月14日も、対戦カードの唯一の違いは、ライトニングがホームアドバンテージを持っていたということだけでした。
つまり、135日間はリーフスがタンパベイ・ライトニングと対戦すると感じており、実際にその通りになりました。さらにそのうちの134日間は、ホームアドバンテージを持った状態で対戦するとほぼ確信しており、これもその通りになりました。
比較として、もしその順位を1位対8位のフォーマットに変更していたとしたら、11月28日以降、リーフスの1回戦の対戦カードは42回も変わっていたはずです。私にとって、これこそがレギュラーシーズンをもう少し面白く保つ方法に他なりません。
結局のところ、NHLはレギュラーシーズンの興奮を、プレーオフでの地区内対決と引き換えているのだと思います。ここに少し分かりにくさがあります。というのも、職場でも世間でも、レンジャーズ対デビルスや、リーフス対ライトニングの再戦を見るのが本当に楽しみだという声をあちこちで耳にするからです。
両方のいいとこ取りはできません。1位対8位の方式に戻すべきだと主張し続けるのは構いませんが、1回戦の対戦カードがどれほど素晴らしいと思うかについては、あまり語ってほしくないのです。カード自体はかなり魅力的なのですから。
MLB式「3戦2勝制」のワイルドカード・シリーズ
1979-80シーズンに16チーム制が確立されて以来、NHLでは常に「全チームの半分以上」がプレーオフに進出してきました。チーム数が増えると、現行の枠組みのままでは「全チームの半分以上がプレーオフに進出できない」という事態に陥ってしまいます。 そこで、進出枠の基準を維持・拡大するために、救済策が必要になるといいます。
この救済策について正式な決定はまだありませんが、ビル・ダリー副コミッショナーも「進出できないチームが過半数にならないよう、フォーマットの見直しを検討することになるだろう」と示唆しています。
【さらに解説】進出枠をリーグ全体の3分の2まで広げたり、1978年以来となる「1回戦不戦勝(バイ)」を復活させたり、全4ラウンドという基本構造を崩す必要はない。 34チーム(あるいは将来の36チーム)になっても全チームの半数をプレーオフ争いに巻き込む最善策は、現行の「2つのワイルドカード枠」をアップデートすることだ。
具体的には、NBAの「プレーイン・トーナメント」のように、最後の2枠を巡って4チームで争う形式が望ましい。7位対10位、8位対9位が最後の切符をかけて激突する形である。一発勝負のプレーインは興隆を極めるだろうが、84試合もの激闘を勝ち抜いてきた努力がたった1敗で泡となるのはあまりに酷。そこでNHLは、MLBのような「3戦2勝制のワイルドカード・シリーズ」を採用すべきである。これならプレーオフの価値を下げずに枠を拡大でき、試合数増加による収益アップも確実となる。
【讃岐猫😻の深堀りコラム】NHLのプレーオフ改革は必要か? チーム拡張で問われるシード制復活と新制度の可能性
NHLのチーム拡張をめぐる議論で、見落としてはならないのがプレーオフ制度と競技バランスの関係である。チーム数が増えれば選手層が分散するだけでなく、地区ごとのチーム数にも偏りが生じ、現行制度の不公平さがさらに目立つ可能性がある。
現在のNHLは、各地区の上位3チームと、各カンファレンスの残りの成績上位2チーム、合計16チームがプレーオフに進出する方式を採用している。第1ラウンドでは地区内の対戦が優先されるため、カンファレンス全体の勝ち点順位が必ずしも対戦カードに反映されるわけではない。
この方式には、地区ライバル同士の対決を早い段階から実現できる利点がある。一方、カンファレンス上位の成績を残したチームが、同じ地区に強豪が集中しているために第1ラウンドから厳しい相手と対戦する問題もある。2026年のプレーオフで、ウェスタン・カンファレンスのダラス・スターズとミネソタ・ワイルドが第1ラウンドで対戦したことも、その一例である。
🏒 シード制復活でレギュラーシーズンの価値を高める
提案されているのは、かつて採用されていた1位対8位方式の復活である。ただし、今回の案では地区優勝チームに上位2シードを与え、残り6枠をカンファレンス全体の勝ち点順で決める。
この方式なら、地区4位でも別地区の2位より好成績を残したチームが、上位シードを獲得できる。地区内の順位だけでなく、84試合を通じた成果がより正当に評価されるわけだ。
上位シードの大きな利点は、ホームアイス・アドバンテージである。NHLのプレーオフでは、選手交代でホームチームが有利なため、相手の主力フォワードに守備力の高いラインをぶつけるなど、戦術面でも優位に立てる。
したがって、レギュラーシーズンの好成績に対して明確な報酬を与えることには意味がある。
ただし、地区優勝チームを無条件で上位2シードに固定すると、他地区のチームより勝ち点が少なくても優遇される問題が残る。地区優勝の価値を尊重しながら、地区間の実力差も考慮する必要があるだろう。
2026年4月20日付の『Sports Business Journal』によれば、ビル・ダリー副コミッショナーは現行の地区別対戦方式を擁護している。スターズとワイルドのような強豪同士の対戦にも興行価値があるという考え方である。
ここには、レギュラーシーズンの成績を重視するのか、地区ライバル同士の対決を優先するのかという、制度改革の根本的な対立がある。
📊 戦力平準化とサラリーキャップ上昇の影響
2026-27シーズン序盤の成績を見ると、エドモントン・オイラーズではコナー・マクデイビッドやレオン・ドライザイトルらが得点を重ね、カロライナ・ハリケーンズも好調なスタートを切っている。
もっとも、開幕から15〜16試合程度の成績だけで、リーグ全体の戦力平準化を判断するのは早計である。主力選手の負傷やゴールテンダーの調子によって、順位は大きく変動するからだ。
実際、11月上旬にはニューヨーク・アイランダーズのライアン・プロックや、モントリオール・カナディアンズのニック・スズキらの負傷も報じられている。
一方、サラリーキャップの上昇は、各チームの戦力構想にも影響を与えている。2026-27シーズンの上限は1億400万ドルで、2027-28シーズンには1億1350万ドルまで引き上げられる見通しである。
2027年にフリーエージェントとなる有力選手や、ダラス・スターズのジェイソン・ロバートソンの契約延長問題も、今後の戦力分布を左右する材料となる。
チーム拡張によって選手が分散する一方、サラリーキャップの上昇によって有力選手を確保する資金も増える。したがって、チーム数の増加が必ずしも競技レベルの低下につながるわけではない。重要なのは、新チームがどれだけ戦力を整えられるか、既存チームが若手を育成できるかという点である。
🎯 NBA型プレーインはNHLに適しているか
もう一つの改革案が、NBAのプレーイン・トーナメントを参考にした制度である。
NBAでは、レギュラーシーズン7〜10位のチームが最後の2つのプレーオフ枠を争う。7位対8位の勝者が7位シードを獲得し、敗者は9位対10位の勝者と最後の出場枠を争う仕組みだ。
この制度の魅力は、レギュラーシーズン終了後にも注目カードを生み出せることにある。2026年のNBAプレーインも、Prime Videoでの配信を通じて前年を上回る視聴者を集めた。
NHLでも同様の効果は期待できる。しかし、一発勝負には問題がある。
アイスホッケーは、ゴールテンダーの好守やパックの不規則な跳ね返りなど、短期決戦では偶発的な要素が結果を左右しやすい。84試合を戦い抜いたチームが、たった1試合の敗戦でシーズンを終えるのは厳しいだろう。
ダリー副コミッショナーも、NBAのプレーインについて、シーズン終盤に出場圏内のチームがほぼ決まってしまう場合があると指摘している。NHLでは現行制度でも終盤まで多くのチームが進出を争っており、必ずしもプレーインが必要とは考えていないのである。
⚾ MLB型3戦2勝制なら公平性を保てるか
そこで注目したいのが、MLBのワイルドカード・シリーズを参考にした3戦2勝制である。
MLBでは2022年から、ワイルドカード枠のチームが3戦2勝制で対戦する方式を採用している。上位シードのチームが全試合を本拠地で開催するため、短期決戦ながらホームアドバンテージも確保される。
NHLに導入するなら、7位対10位、8位対9位の対戦をそれぞれ最大3試合で実施する形になる。
一発勝負よりも偶然性を抑えられ、試合数の増加による興行収入も期待できる。ただし、3試合で必ず実力差が反映されるわけではない。MLBでも短期決戦では下位チームが勝ち上がることがあり、ホームアドバンテージだけで実力差を埋めることはできない。
NHLの場合、さらに考慮すべきなのが選手の疲労である。プレーインを3試合戦ったチームは、通常のプレーオフに進出したチームより休養期間が短くなる可能性がある。導入するなら、第1ラウンドまでに十分な休養日を確保する必要があるだろう。
🏆 チーム拡張を機に、プレーオフ制度を進化させるべき
結論としては、まず1-8シード制を復活させ、プレーインについては慎重に検討するべきだというものである。
34チーム体制では、地区ごとのチーム数に不均衡が生じる可能性がある。地区順位を重視する現行制度では、所属地区によってプレーオフ進出の難易度が変わりかねない。だからこそ、カンファレンス全体の勝ち点をより重視する仕組みが望ましい。
一方、進出枠をむやみに増やすことには賛成できない。スタンレーカップ・プレーオフの魅力は、レギュラーシーズンを勝ち抜いたチームが、7戦4勝制の厳しいシリーズを4ラウンド戦い抜くところにある。参加チームを増やしすぎれば、レギュラーシーズンの価値もプレーオフの希少性も損なわれる。
そのため、16チームという基本枠を維持しながら、進出資格とシード順位の決め方を改善するのが現実的である。
チーム拡張によって選手が分散すれば、これまで強豪チームに集中していた戦力が他のチームにも行き渡る可能性がある。サラリーキャップの上昇や若手育成の進展も含め、リーグ全体の競争環境を再構築する好機なのである。
NHLが目指すべきなのは、単にチーム数を増やすことではない。新チームが加わっても、どのチームにもスタンレーカップを狙う現実的な可能性が残されるリーグを作ることだ。
シード制の復活は、その第一歩となり得る。伝統あるプレーオフの格式を守りながら、現代の競争環境に合った制度へ進化させる決断が求められているのである。
出典リスト
① Sports Business Journal
「NHL unlikely to change playoff format from divisional matchups to straight seeding」
2026年4月20日
② Sportsnet
「NHL’s Top 12 UFAs of 2027: Latest rumours, reports」
2026年10月21日

③ NHL.com
「NHL Status Report: Pulock out 2-4 weeks for Islanders」
2026年11月2日

④ NHL Trade Rumors
「Report: Stars Jason Robertson Could Delay $100M-Plus Deal」
2026年11月3日

⑤ NHL.com
「NHL, NHLPA announce team payroll range for next season」
2026年5月6日

⑥ NBA.com
「2026 SoFi NBA Play-In Tournament viewership increases 18% for inaugural season on Prime Video」
2026年4月22日
⑦ MLB.com
「No such thing as an upset in a 3-game series」
2020年9月22日
⑧ NHL公式統計データ
「NHL Stats Leaders 2026-27」
2026年11月3日更新


あちらを立てれば、こちらが立たずって感じだにゃ。どの案もそれなりに面白みがあるんだけど、カンファレンス間orディビジョン間のバランスを考えると、「うーん」となってしまう。
NFLみたいにディビジョンを増やすと、日程の組み方によっては、いつも同じディビジョンのチームとばかり対戦して、面白みがなくなりそう。個人的にはNBAのプレーインを試験的に導入してみてはどう?と思ってる。
でも、米国の人、あんまり下剋上好きじゃないですよ、因みに。
✨ まとめ:最高峰のコンテンツへ向けて
戦力が分散して平準化が進む一方で、今回のチーム拡張は、NHLが競技バランスを根本から再構築する絶好のチャンスでもあります。
プレーオフの質を落とさず、リーグの収益と興行的な盛り上がりを両立させるための改革は、果たして実現するのでしょうか?今後のNHLという組織の動きによっては、両取りなのか片方なのかが分かります!
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