2026年NHL拡大!フレームズのプロテクト選手を完全予想

NHLチーム紹介

はじめに 🏒

 NHLで近々33〜34チーム目への拡大が噂される中、早ければ2029-30シーズンにも新チームが誕生する可能性があります。もし来年ドラフトが開催されたら、再建中のカルガリー・フレームズは誰を保護するのでしょうか?

 現在のチーム状況やルールを踏まえつつ、フレームズのプロテクトリストを予想してみました。誰が守られ、誰が指名対象となるのか詳しく紐解いていきましょう!✨

参照記事:The Win Column「Projecting who the Calgary Flames would protect in an expansion draft

近未来のNHL拡大!2026-27カルガリー・フレームズのプロテクトリストを予想 🏒

 NHLは5年前を最後にエクスパンション(新規参入)・ドラフトを行っていませんが、近いうちに33~34チームへ拡大し、早ければ2029-30シーズンにも新チームが参入する報道があります。実際にドラフトが実施されるのは数年先になりそうですが、今回は少し先取りして楽しんでみましょう!

 現在再建の真っただ中にあるカルガリー・フレームズが、仮に2026-27シーズンにドラフト対象となった場合、誰をプロテクト(保護)するのでしょうか?もし来年開催されたとしたら、チームがどの選手を残そうとするのか詳しく見ていきましょう。✨

エクスパンション・ドラフトの基本ルールと対象選手 📝

ルールと保護リストの選択肢
 ドラフトルールは2017年・2021年と同様と仮定します。各チームは「FW7人+DF3人+G1人」か「フォワードまたはディフェンスのスケーター8人+G1人」のどちらかで選手を保護できます。

 前者のFW7人・DF3人を選択するチームが圧倒的に多く、スケーター8人を守る方式は非常に珍しい選択肢となります。

対象資格の基準
 チームに所属する全選手が指名対象ではなく、保護不要な選手もいます。PuckPediaによるエクスパンション・ドラフト対象資格の基準は以下の通りです。

 2025-26シーズン終了時にプロ経験が3年以上ある選手が対象です。プロ経験年数は、ウェーバー制度(CBA第13.4項)に基づき、以下のように定義されます。

注釈:ウェーバー制度(CBA第13.4項)

 NHLにおける「ウェーバー制度(Waivers)」とは、特定の選手をマイナーリーグ(AHLなど)へ降格・移籍させようとする際、他球団に対してその選手を無償で獲得する機会を与える競売プロセスである。主力や有望株の不当な抱え込みを防ぎ、選手全体の出場機会とリーグ内の戦力均衡を保つことを目的に設置されている。

 労使協定(CBA:Collective Bargaining Agreement)第13条「Waivers and Loans of Players to Minor League Clubs(ウェーバーおよびマイナーへの貸与)」のうち、第13.4項(Section 13.4)は「ウェーバー免除対象選手(Exempt Players)」の基準を厳密に定めた項目である。

 若手選手は一定の条件を満たすまで「ウェーバー免除(Waiver Exempt)」となり、他球団に奪われるリスクなくメインチームとマイナーチームを行き来できる。しかし、プロとしての経験年数や試合数が一定基準に達すると免除資格を失い(Waiver Eligible)、マイナー降格時に必ずウェーバーを通過させなければならなくなる。

 CBA第13.4項における「プロ経験(1シーズン分)」の加算条件や免除期間の判断基準は、主に以下の要素によって複雑に分岐する。

  • 初契約時の年齢(Signing Age)18歳~25歳以上まで、初契約時の年齢に応じて「免除期間となる年数(Years from Signing)」と「免除対象となるNHL出場試合数(NHL Games Played)」の閾値が別々に設定されている。
  • プロ経験(年数)のカウント定義18歳または19歳で契約した選手の場合、当該シーズン中にNHLで11試合以上出場(ゴールテンダーも同様)した時点で1年分のプロ経験としてカウントされる。一方、20歳以上で契約した選手は、NHLだけでなくAHLなどの北米プロリーグで契約下においてプレーした全試合(プロ試合)がカウント対象となる。
  • 免除の喪失タイミング「契約からの経過年数」と「NHL等での通算出場試合数」のいずれか一方でも定めた規定値に到達した時点で、ウェーバー免除資格は即座に消失する。

 エクスパンション・ドラフト(新参入チームによる選手選抜)における「プロ経験年数」を算出する際、このCBA第13.4項に定められた『18〜19歳での11試合以上の出場実績』および『20歳以上でのプロ契約下における実動実績』といった明確なルールに則って「プロ経験1年分」が判定される。

 20歳以上で開始したシーズンはNHL/AHL/ECHLで1試合以上、20歳未満で開始したシーズンはNHLで11試合以上出場するとプロ経験1年と定義されます。

自動保護となるベテラン選手
 上記の基準に基づくと、もし今年の夏にエクスパンション・ドラフトが行われた場合、フレームズのロスターで指名対象になる主な選手は以下の通りです。

ForwardDefenceGoaltender
Matt CoronatoSimon NemecDustin Wolf
Connor ZaryZach WhitecloudDustin Cooley
Yegor SharangovichKevin Bahl
Ryan StromeJoel Hanley
Morgan FrostBrayden Pachal
Martin PospisilYan Kuznetsov
Joel FarabeeJacob Middleton
Adam Klapka
Rory Kerins
Maxim Tsyplakov
Brennan Othmann

 2021年のエクスパンション・ドラフトでミラン・ルチッチにノームーブ条項(トレード拒否権などではなく、移籍不可条項)の解除を求めた時と同様の対応をしない限り、ジョナサン・ユベルドーとミカエル・バックランドの2人は、契約に含まれるノームーブ条項(移籍不可条項)によって、手続上自動的に保護されることになります。

注釈:2021年エクスパンション・ドラフトにおけるミラン・ルチッチのノームーブ条項(NMC)解除

 2021年にシアトル・クラーケンがNHL(北米プロアイスホッケーリーグ)へ新規参入する際に行われた「エクスパンション・ドラフト」における、カルガリー・フレームズ所属(当時)のミラン・ルチッチ(Milan Lucic)選手に関する特例措置を指す。

 NHLのエクスパンション・ドラフト規約では、新球団の指名から既存選手を守る「保護リスト(FW7名・DF3名・G1名、あるいはポジション問わずスケーター8名・G1名)」を作成できる。しかし、契約内に「ノームーブ条項(NMC:No-Movement Clause)」が含まれる選手については、ルール上チームが強制的に保護リスト枠へ入れなければならない(=自動保護)という規定が存在する。

 2021年当時、ミラン・ルチッチは高額な長期契約とNMCを保持していた。もし彼がNMCを行使したままであれば、フレームズはFWの貴重な保護枠(全7枠)の1つを彼のために強制消費させられ、他の主力・若手選手(ミカエル・バックランド、アンドリュー・マンジャパーニなど)を守り切れずに指名対象として晒す(Exposeする)リスクに直面していた。

 この窮地を回避するため、ゼネラルマネージャー(GM)のブラッド・トレリビングはルチッチに直接働きかけ、「エクスパンション・ドラフト目的に限ったNMCの放棄(Waive)」の合意を取り付けた。

  • ルチッチ側の同意と背景 ルチッチ本人は、2019年にエドモントン・オイラーズからフレームズへトレード移籍した時点で「エクスパンション・ドラフト時にはNMCを解除する」という口頭合意をGMと交わしていた。自身の高額な年俸(キャップヒット600万ドル)と年齢を考慮すれば、保護枠から外れて指名可能リストに晒されたとしても新球団シアトルに指名される可能性は極めて低いと踏んでいたことも手伝い、2021年5月に正式にNMC放棄の書類にサインした。
  • フレームズ側のメリット ルチッチを「指名対象選手」としてオープンにできたことで、チームは貴重なFW保護枠を消費せずに済み、バックランドをはじめとする主要なFW選手を陣営内に留めるためのプロテクトを全社的に完遂できた。

ノームーブ条項の解除請求は不要
 フレームズがこの2人のノームーブ条項解除を求めるとは考えにくいでしょう。今のフレームズには高価値な選手が多くないため、あえてベテランに「指名可能な状態になってほしい」と頼んで気まずい関係を作る必要がないからです。

現在のロスターへの影響
 現在のフレームズのロスター状況を考慮すると、指名対象リストの中で他チームに奪われて本当に痛手となるような選手はほんのわずかしか存在しません。そのため、ドラフトが実施されたとしてもチームが受けるダメージは比較的軽微で済みそうです。👍

【讃岐猫😸の深掘りコラム】制度の構造的歪みと戦略的ゲーム理論:NHLエクスパンション・ドラフト規律を巡る賛否の真相

 北米プロスポーツ界において、新規参入チーム(エクスパンション・チーム)の早期競争力確保と既存フランチャイズの戦力保持の均衡を図るNHLのエクスパンション・ドラフト制度は、常にメディアや専門家の間で議論の的となってきた。

 2017年のベガス・ゴールデンナイツ、2021年のシアトル・クラーケンへの適用を通じて定着した現行ルール(7FW-3DF-1G、または8スケーター-1Gの保護枠およびプロ経験年数による免除制度)は、従来の拡大ドラフトに比べて新規チームに優位な設計がなされている。このルール構造に対して北米ホッケーメディアや評論家からは、明確な「肯定派」と「否定派」の論陣が張られている。

 肯定的な視点を寄せるジャーナリストや分析官は、現行ルールが「新規参入フランチャイズの即効性ある市場定着」と「若手育成エコシステムの保護」を両立させている点を高く評価する。

 特にプロ経験3年未満の若手選手や未契約ドラフト指名選手が自動的に指名免除対象となる規定(CBA第13.4項に準拠したプロ年数換算)は、再建期にある既存チームが心血を注いで育てたコア資産を不当に没収されるリスクを回避する防波堤として機能していると分析される。

 また、プロテクト枠が11枠程度(スケーター10人以下)と限定的であることで、指名側は即戦力のミドル6フォワードや第2ペア級のディフェンス陣を確実に確保できるため、参入初年度からプレイオフ争いに加わる強いロスターを構築できるという強みがある。

 一方で、否定的・批評的な見解を唱える評論家層からは、このルールが引き起こす「ゲームの歪み」と「既存ゼネラルマネージャーのパニック行動」が問題視されている。旧来のルールと比較して既存チームのプロテクト可能人数が大幅に削られた結果、指名候補からあふれる主力級選手を守るために、既存GMが指名回避のための「お礼(サイドディール)」として指名権や超有望株を新規チームへ譲渡する過剰取引が相次いだ。

 北米の分析メディアはこれを「リーグによる新チームへの露骨な過剰優遇(Over-correction)」と批判し、GMたちの戦力評価ミスと相まって新チームだけに莫大なアセットが集約する非対称な市場構造を作り出したと指摘する。

 さらに、自動保護対象となるノームーブ条項(NMC)を保有する高額ベテラン選手と、プロ免除対象となる若手有望株の間に挟まれた「中堅・中堅契約選手」が使い捨てのように指名リスクに晒される点や、既存チームが「指名枠を満たすためだけにプロテクト基準を満たす選手と意図的な契約を結ぶ」というルールハックが横行した点も、制度設計上の欠陥として厳しく追及されている。

 このように現行のエクスパンション・ドラフト構造は、新規チームの迅速な成功というリーグビジネス上の至上命令を果たした一方で、既存チームのGMたちに極度の戦略的負荷と裏取引を強制するシステムとして、今なお北米メディアの間で賛否両論の議論が巻き起こり続けている。

出典: ・Sports Shorts, “NHL Expansion Draft: An Opportunity for Rapid Competitiveness?“, 2021年8月10日

・Knights On Ice, “The grim truth on the supposedly ‘rigged’ expansion draft“, 2018年4月17日

・The Hockey Writers, “NHL Expansion Draft Rules and Regulations“, 2026年7月17日

保護対象外(免除)となる期待の若手たち 🌟

経験不足による指名対象外の若手
 幸いにも、フレームズには期待の若手選手が数人存在します。彼らはプロでの出場経験がまだ少ないため、現時点では指名対象外となり、プロテクト枠を使わずに自動的に保護される状態です。

 以下は、すでにプロの舞台でプレーしているものの、経験年数の不足によって保護する必要がない主な選手たちです。

ForwardDefenceGoaltender
Sam HonzekZayne ParekhArseni Sergeyev
Matvei GridinHunter Brzustewicz
Aydar SunievAbram Wiebe
William StromgrenAxel Hurtig
Sam Morton
Tyson Gross
Jonathan Castagna
Andrew Basha

将来のドラフトでは厳しい判断も
 もしエクスパンション・ドラフトが例えば2028年に開催されるなら、状況は大きく変わります。これらの選手の多くはその時点では対象外ではなくなり、もし上記の選手のうち1人、あるいは複数人を保護する必要が出てくれば、非常に難しい判断を迫られることになるでしょう。

 しかし現時点においては、若手選手を保護枠に入れる心配をする必要はありません。✨

【讃岐猫😸の深掘りコラム】将来の「保護ジレンマ」へ向かうフレームズの若手宝庫

 NHLの新規参入ドラフトが仮に2028年夏以降に開催された場合、カルガリー・フレームズが現在享受している「若手選手の免除特権」は完全に消失し、フロントオフィスはきわめて困難なプロテクト枠の争奪戦に直面することになる。

 2025-26シーズンにおいて若手中心の体制(ユースムーブメント)を本格始動させたフレームズにとって、現在免除枠にあるトッププロスペクト達が、2028年時点では軒並みプロ経験3年以上の対象資格を満たしてしまうためである。

 北米メディアの評論家やホッケーアナリストが最も注目しているのは、ディフェンス陣の「超大型プロスペクト」であるゼイン・パレク(Zayne Parekh)とハンター・ブリュステウィッツ(Hunter Brzustewicz)の処遇である。2024年ドラフト全体9位指名のパレクは、OHLで歴史的な得点力を記録した後にトップチームへ定着しており、2028年時点ではチームの第1DF枠として不可欠な存在になると見られている。

 さらに、トレードで獲得したサイモン・ネメツ(Simon Nemec)やケビン・バール(Kevin Bahl)といったすでにプロテクト確定級の若手DF陣に加え、ブリュステウィッツまでをも保護しようとした場合、標準的な「FW 7名・DF 3名・G 1名」の保護フォーマットでは枠が圧倒的に足りなくなる。

 これにより、泣く泣く「スケーター8名・G 1名」の変則フォーマットを選択せざるを得ず、結果として貴重なFW陣の枠を犠牲にするという厳しい決断を迫られる可能性が指摘されている。

 攻撃陣においても同様の波乱が予想されている。2025-26シーズンに頭角を現したサム・ホンゼク(Sam Honzek)やマトヴェイ・グリディン(Matvei Gridin)といった若手FW陣がプロ経験を積み指名対象となる一方で、ダスティン・ウルフ(Dustin Wolf)とともに長期大型契約でチームの核となっているマット・コロナト(Matt Coronato)らのプロテクト枠も確保しなければならない。

 専門誌『Daily Faceoff』や『The Hockey News』などの分析によると、2028年夏までにベテランのミカエル・バックランド(Mikael Backlund)の契約が満了を迎えるものの、ジョナサン・ユベルドー(Jonathan Huberdeau)の超大型契約と移籍不可条項(NMC)は依然として残るため、枠の圧迫は免れないとされる。

 現時点(2026年8月)のドラフトであれば、控えキーパーのデビン・クーリー(Devin Cooley)や下位ラインの選手を差し出すだけで、痛手を回避できる「棚ぼた状態」にあるフレームズだが、再建計画が実を結ぶ2028年以降のドラフトでは、丹精込めて育成した自生型スターを失うリスクと背中合わせになる。

 評論家筋は、GMのクレイグ・コンロイが将来のエクスパンションを見越し、プロテクト枠から漏れた有望株を守るためにドラフト指名権やアセットを、新球団へ差し出す「指名回避のためのトレード」を打診せざるを得なくなると分析している。

出典:Daily Faceoff, “2026-27 NHL team preview: Calgary Flames“, 2026年8月25日

Yardbarker, “2026 Calgary Flames Prospect Rankings: #1 Zayne Parekh“, 2026年8月20日

The Hockey News, “The Athletic Projects Flames Losing Wolf’s Backup in Mock NHL Expansion Draft“,2026年8月

フレームズのプロテクトリスト(保護選択)の考察 🏒

リスト作成の難しさとチームの現状

 条件を踏まえて今ドラフトが行われる場合の保護リストを作成しましたが、作業自体は難しくありませんでした。現在のフレームズには突出した才能を持つ選手がほとんどおらず、選択肢が少なすぎたためです。

ForwardDefenceGoaltender
Johnathan Huberdeau (NMC)Simon NemecDustin Wolf
Mikael Backlund (NMC)Kevin Bahl
Matt CoronatoZach Whitecloud
Connor Zary
Morgan Frost
Yegor Sharangovich
Joel Farabee

 最終的には「ジョエル・ファラビーを保護する? まあ、そうするしかないか」と枠を埋めるような判断になるほどでした。

ゴーリーの選択:ウルフの一択

 ゴーリー枠の選択は非常に明確です。ダスティン・ウルフはNHL全体でも極めて価値が高い若手であり、フレームズの未来を支える柱となる選手だからです。デビン・クーリーとの比較になりますが、迷うことなくウルフを指名します。ゴールキーパー枠は彼で決まりです。🥅

先日、ブログにアップした現役ゴーリー・ベスト10になぜか入っていなかったウルフ。脆弱なディフェンス陣を支える献身的なプレーはもっと評価されて然るべき。

ディフェンスの選択:ネメツとバール

 ディフェンス陣の選択も同様に簡単です。若手のブリュステウィッツとパレクが対象外のため、現在のフレームズで保護する価値があるディフェンスは実質的に3人しかいません。獲得に大きな代償を払った超若手のサイモン・ネメツは確実に保護される存在です。

 また、年齢とチーム内での役割を考慮するとケビン・バールを守るのも、非常に簡単で当然の判断となります

ディフェンスの最後の1枠:ホワイトクラウド

 DF最後の1枠は判断が分かれますが、ヤン・クズネツォフではなくザック・ホワイトクラウドを選びます。ホワイトクラウドの方が年上ですが能力は遙かに上で価値があります。クズネツォフは昨季のプレー分析指標が悪く、良くても下位ペアのディフェンスに留まる選手だと考えています。

 一方でホワイトクラウドは、現在でも非常に価値のある選手であり、トレード資産としても魅力的です。

注釈:登場選手についての解説

デビン・クーリー(Devin Cooley)

 アメリカ合衆国出身のゴールキーパー。下部リーグ(NCAA、ECHL、AHL)での下積みを経てNHLへ昇格した遅咲きの大型選手である。フレームズ陣営においては、正ゴーリーの有力候補である絶対的な若手エース(ダスティン・ウルフ)のバックアップまたはバックアップ争いの立ち位置にある。

 そのため、エクスパンション・ドラフト等の保護枠(通常ゴーリー枠は1名のみ)においては、将来性とチーム内優先度の観点からウルフにプロテクト枠を譲る対象として比較に挙げられている。

サイモン・ネメツ(Simon Nemec)

 スロバキア出身のディフェンスマン。2022年のNHLドラフト全体2位という極めて高い順位でニュージャージー・デビルズから指名された超有望株である。2026年6月にトレード(複数のドラフト1巡目指名権などの大きな対価を伴う取引)によりフレームズへ移籍してきた。

 爆発的なポテンシャルを持つフランチャイズの未来を担うトッププロスペクトであり、チームにとっては絶対に他球団へ放出できない最優先プロテクト対象に位置づけられる。

ケビン・バール(Kevin Bahl)

 カナダ出身の大型ディフェンスマン。恵まれた体格(身長約198cm)を活かしたフィジカルプレイと手堅い守備(シャットダウンDF)を強みとする。2024年にゴールキーパーのジェイコブ・マークストロムとのトレードでニュージャージー・デビルズからフレームズに加入した。

 守備陣の中核を担う実力派であり、年齢的にもこれからピークを迎える主力選手であるため、プロテクト枠の消費において「当然保護すべき選手」として評価されている。

ザック・ホワイトクラウド(Zach Whitecloud)

 カナダ出身のベテラン・ディフェンスマン。ベガス・ゴールデンナイツで主力として活躍し、2023年のスタンレーカップ優勝にも貢献した実績を持つ。2026年1月にトレードでフレームズに加入した。堅実な守備力とシュートブロック技術を備えた即戦力であり、若手育成段階にあるチームにおいて守備の安定をもたらす存在である。

 自チームの戦力としてはもちろんのこと、他球団からも需要が高い「トレード資産価値の高い実力者」として評価され、最後の保護枠の候補として挙げられている。

フォワードの選択:若手主力と主力選手

 フォワードの選択も非常に簡単でした。自動保護のベテラン2人に加え、20代半ばのドラフト1巡目指名組であるコナー・コロナトとペレ・ザリーを選択します。コロナトはすでにチーム屈指のFWであり、ザリーは最近苦戦し移籍希望の噂もありますが、見返りなしで失うわけにはいきません。この2人は必須の選択です。👍

フォワードの残り3枠:トレード価値を優先

 最後の3つのフォワード枠も、それほど難しい判断ではありませんでした。守る必要がある若手選手がもう残っていなかったため、次に若く、なおかつチーム内で最もトレード価値の高い選手を選びました。モーガン・フロスト、ジョエル・ファラビー、エゴール・シャランゴヴィッチとなりました。

 シャランゴヴィッチは契約面に難があるものの、30ゴールの実績があり、他の候補より上限が高いです。フロストとファラビーも安定したミドル6で、リーグ内でもまだ価値があります。

注釈:登場選手についての解説

コナー・コロナト(Matt Coronato)

 アメリカ合衆国出身のウイング。2021年のNHLドラフト1巡目(全体13位)でカルガリー・フレームズから指名されたトッププロスペクトである。ハーバード大学を経てプロ入りし、力強いシュート力と得点嗅覚を武器に頭角を現した。

 チームの若返り(リビルド)施策においてコア(核)を担う存在であり、攻撃陣の主力として不可欠な評価を得ているため、確実にプロテクトすべき最優先選手として扱われている。

ペレ・ザリー(Connor Zary)

 カナダ出身のセンター/ウイング。2020年のNHLドラフト1巡目(全体24位)でフレームズから指名された。高いホッケーIQと確かなシュート技術、ハンドリング精度を備える。NHLデビュー以降、チームの将来を支える中心選手として期待を集めてきたが、プレイの波や起用法をめぐって移籍願望の噂が報じられるなど立ち位置が揺れた時期が存在する。

 しかし、ドラフト1巡目出身の高い才能を無償(ドラフトでの流出)で失うわけにはいかないため、プロテクト必須の枠に含まれている。

モーガン・フロスト(Morgan Frost)

 カナダ出身のセンター。2017年のNHLドラフト1巡目(全体27位)でフィラデルフィア・フライヤーズから指名された元有望株である。高いプレイメイク能力とゲームメイク力を武器とする。2025年1月の大型トレードでフレームズへ移籍してきた。

 チーム内での年齢的立ち位置が比較的若く、センターとしての需要も高いことから、自チームの戦力維持のみならず「他球団とのトレード市場で高い見返り(ドラフト指名権やプロスペクト)を引き出せる資産価値の高い選手」としてプロテクト枠に選出されている。

ジョエル・ファラビー(Joel Farabee)

 アメリカ合衆国出身のレフトウイング。2018年のNHLドラフト1巡目(全体14位)でフライヤーズから指名された。多才な攻撃力とハードワークを兼ね備えたフォワードであり、2025年1月にモーガン・フロストと共にトレードでフレームズに加入した。

 20代半ばと働き盛りの年齢であり、長期契約を保持している即戦力である。フロスト同様に市場価値が高く、他球団へのトレード交渉時に優位に立てる重要なトレード資産として評価され、保護枠にラインナップされている。

エゴール・シャランゴヴィッチ(Yegor Sharangovich)

 ベラルーシ出身のユーティリティ・フォワード(センター/ウイング)。ニュージャージー・デビルズから2023年にフレームズへ移籍し、加入初年度の2023-24シーズンに31ゴールを記録して躍進を遂げた。2024年夏には5年総額2,875万ドルの長期契約延長を結んでいる。

 優れたシュートセンスと守備意識の高さから、チーム内でもトップクラスの得点源かつ価値ある中堅選手として定着しており、自チームの核としてもトレード資産としても守る価値が高い選手として位置づけられている。

今回の参照記事を読んでいると、「フレームスって良いトコ無いんだ…」と思ってしまいそうですが、この映像を見て、スカッと爽やかになってください!何年後かには、必ずフレームスの時代が来ます!

プロテクト漏れ(指名候補)となる選手と新規参入チームの視点 🏒

 プロテクト漏れ選手の魅力の乏しさ

 先ほどの11人を保護すると残りの選手が指名可能になりますが、新規参入チームのGM視点で見ても、フレームズの選手を選ぶ段階で、それほど魅力的な選択肢があるとは感じないでしょう。成長余地が大きい選手は少なく、候補はNHL定着目前の選手やベテラン、控えゴーリーなどに留まります。

ForwardDefenceGoaltender
Adam KlapkaYan KuznetsovDevin Cooley
Martin PospisilJoel Hanley
Ryan StromeBrayden Pachal
Maxim TsyplakovJacob Middleton
Brennan Othmann
Rory Kerins

指名対象となり得る注目の3選手
 その中で興味を持たれそうなのはマーティン・ポシシル、ヤン・クズネツォフ、デビン・クーリーの3人程度です。それでも、そこに大きな才能があるわけではありません。

 ポシシルは健康ならボトム6で機能し、相手にとって厄介な存在になれる可能性を持っています。クズネツォフは成長余地が非常に限定的なものの、体格のある20代半ばのDFとして、新規フランチャイズにとって一定の需要が考えられます。

新規参入チームが選ぶべき指名候補
 最終的に選ぶなら29歳のクーリーでしょう。昨季素晴らしい成績を残したものの、フレームズでウルフから正ゴーリーを奪うのは困難です。しかし新チームなら低コストで先発を任せられ、2025-26シーズンの成績を、より大きな役割でも再現できることを期待できるからです。✨

【讃岐猫😸の深掘りコラム】再建期における「プロテクト漏れ」の現実:新規参入チームから見たカルガリー・フレームズの薄い層

 2025-26シーズンを終えて本格的なリビルド(再建)の最中にあるカルガリー・フレームズ。近未来のエクスパンション・ドラフトを想定した際、フレームズが「プロテクト漏れ」としてリストに並べる選手層の魅力の乏しさは、北米のホッケーアナリストや現地メディアの間でも決定的な課題として認識されている。

 新規参入チームのGM視点に立った際、フレームズのプロテクト漏れリストに、目を引くような選択肢が存在しない理由は明確である。最大の要因は、現在のチーム構造において、「プロテクト枠を消費すべき第一線の即戦力」と「経験年数が浅く指名対象外となる期待の若手」の二極化が進んでいる点にある。

 主力級の若手フォワードや主力的ディフェンス、そして絶対的正ゴーリーであるダスティン・ウルフといった将来の中核は当然のごとく保護される。一方で、プロキャリアが浅く指名対象から除外(免除)されるプロスペクト(若手有望株)群が存在するため、プロテクトから漏れる枠には「上限が見えた中堅・ベテラン」か「トップカテゴリー定着に至っていない当落線上の選手」ばかりが残る構造となっている。

 具体的に市場の評価を検証してみよう。プロテクト漏れの最右翼とされるマーティン・ポシシルは、ボトム6でのフィジカルなプレースタイルやアジテーター(相手を揺さぶる役目)として一定の有用性を持つものの、コンディション面での不確定要素と健康状態の維持が常に課題として挙げられており、新チームの軸として指名するにはリスクが勝る。

 また、ディフェンス陣のヤン・クズネツォフに関しては、2025-26シーズン中にトップ4ペアでの出場機会を得るなど一定の経験を積んだものの、アナリティクス指標や下位データにおける評価では依然として厳しく、現代NHLの新規参入チームが求める「上限の高い若手DF」というよりは「3番手ペア(ボトムペア)にとどまるサイズのあるバックアップ」という領域を出ない。

 その結果、新規参入チームにとって最も実質的な選択肢となり得るのが、控えゴールキーパーのデビン・クーリーであるという皮肉な状況が生まれている。クーリーは2025-26シーズンにおいて31試合に出場し、セーブ率.909、防御率2.69という極めて優秀な数値を残し、バックアップとして申し分のない働きを見せた。

 しかし、ウルフという不動のエースが存在するフレームズにおいて彼はあくまで控えに過ぎず、新フランチャイズが低コストで正ゴーリーの試走枠として確保する程度の価値に留まる。

 このように、プロテクト漏れ枠に「指名されたら痛手となるようなコア人材」が皆無である現状は、新チームにとっては魅力的ではない半面、フレームズにとってはエクスパンション・ドラフトで奪われる資産価値がほぼ存在しないことを意味している。

 現在のカルガリーが抱える選手層の薄さは、再建フェーズの途上にあるチームの歪みを如実に物語っていると言えるだろう。

出典:
InGoal Magazine, “Devin Cooley | NHL Goaltender Career & Stats“, 2026年6月11日

FlamesNation, “Revisiting the Calgary Flames organizational roster following the 2026 NHL Draft“, 2026年6月30日

Calgary Flames Official (NHL.com), “Practice Notebook – 23.02.26“, 2026年2月23日

讃岐猫
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まとめ〜今のフレームズにとっては「痛手なし」のドラフト 🏒

 今回は、仮のNHLエクスパンション・ドラフトにおけるカルガリー・フレームズのプロテクトリストを検証してきました。

 現状のロスター構成では失う痛手が少ないフレームズですが、これはチームが再建過程にあるからこそと言えます。今後、免除対象となっている若手有望株たちが順調に主力へと成長していけば、数年後のドラフトでは一転して非常に贅沢で難しい選択を迫られることになるはずです。

 未来のフランチャイズを担う若手たちがどのようにチームを引っ張っていくのか、これからの変貌と活躍に期待が高まりますね!✨

讃岐猫
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