2025年国際ホッケー大会!各国の選手たちを徹底分析してみたよ!

アイスホッケー各国代表情報

はじめに

 日本アイスホッケー界の有望若手選手が、北米の下部リーグやヨーロッパのリーグで活躍しているニュースが入ってきています。東北フリーブレイズ海外挑戦制度により、今シーズン、ポーランドのKHトルンでプレーする日本代表DFロウラー和輝選手が、9月15日、リーグ初ゴールを挙げて初勝利に貢献しました!

 この活躍が代表にも活かされて欲しいです。ということで、今回は日本代表ではないですが、他国代表の話題をアップします。

 ホッケーファン待望の国際大会「4 Nations Face-off」が2025年に開催されます。カナダ、フィンランド、スウェーデン、アメリカ合衆国のトップ選手たちがモントリオールとボストンで激突し、最高のプレーを見せる機会が訪れます。各国の選手選考や戦略に迫ります!

讃岐猫
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引用元:espn.com(ESPN公式サイト)「Full projections for the NHL’s 4 Nations Faceoff rosters

どのチームもスターがズラリ!

 ホッケーファンは何年もの間、最高の対戦が行われる国際大会を待っていましたが、NHLの「4 Nations Face-off」では、カナダ、フィンランド、スウェーデン、アメリカ合衆国のトッププレーヤーが、モントリオールとボストンで(2025年)2月12日から20日まで競い合います。

この大会については、以前記事にしました。

 各国は6人の選手をロースターに選出しており、残りの選手は大会が近づくにつれて発表されます。4つのチームには多くの才能が揃っているため、約10年ぶりにファンは世界最高の選手たちが国際舞台で競い合う姿を目にすることができます。

 カナダはシドニー・クロスビー、ネイサン・マッキノン、コナー・マクデイビッドが代表として活躍し、米国代表にはオースティン・マシューズ、ジャック・アイチェル、トカチュク兄弟がいます。

 スウェーデンの層の厚いディフェンスラインと、フィンランドの二刀流センターの人材の豊富さも注目です。

 NHLシーズンが始まる前に、各国のロースターがどのようになるかを予想してみました。

米国代表については、以前記事にしました。

期待の星たち:カナダの選手選考

カナダ

左ウィング:(1)ザック・ハイマン、(2)ブレイデン・ポイント、(3)マシュー・バーザル、(4)ライアン=ニュージェント・ホプキンス
センター:(1)コナー・マクデイビッド、(2)ネイサン・マキノン、(3)シドニー・クロスビー、(4)ニック・スズキ
右ウィング:(1)ミッチ・マーナー、(2)ブラッド・マーシャン、(3)サム・ラインハート、(4)コナー・ベダード

左ディフェンス:(1)デボン・トウズ、(2)シェイ・セオドア、(3)ジョシュ・モリッシー
右ディフェンス:(1)ケール・マカー、(2)エヴァン・ブシャール、(3)ノア・ドブソン

ゴールテンダー:(1)ジョーダン・ビニントン、(2)スチュアート・スキナー、(3)アディン・ヒル

Extras:スティーブン・スタムコス、アーロン・エクブレッド
※サブで待機している選手。
In the mix:マーク・ストーン、トラビス・コネクニー、モーガン・リエリー、アレックス・ピエトランジェロ、ドリュー・ダウティ、トリスタン・ジャーリー、ジョエル・ホーファー
※出場する可能性がある選手。

 カナダは、クロスビー(ピッツバーグ・ペンギンズ)、マクデイビッド(エドモントン・オイラーズ)、コナー・ベダード(シカゴ・ブラックホークス)という3世代を代表する選手が前線に揃っていて、人材は豊富です。

 ベダードはホッケー・カナダ(カナダ代表)の目には絶対的な選手とは見なされていませんが、彼が好調なスタートを切るなら、チームに選ばれるべきでしょう。

 前線での最も難しい選択は、ニック・スズキ(モントリオール・カナディアンズ)をマーク・ストーン(ベガス・ゴールデンナイツ)より優先したことと、スティーブン・スタムコス(ナッシュビル・プレデターズ)がエキストラとして起用され、メンバーに残ることです。ストーンの怪我が影響しており、健康であれば重要な考慮事項となります。

 スズキは価値のある2ウェイ(二刀流)を試合にもたらし、複数の役割を果たすことができるため、カナダのボトム6(第3&第4ライン)にうまくフィットするでしょう。スタムコスは控えですが、パワープレイを強化するためにボトム6に入ることがあっても驚くことはありません。

ニック・スズキはキャプテンシーも高いし、ここ一番でチームを救ってくれるのでは?

 その他、トラビス・コネクニー(フィラデルフィア・フライヤーズ)やワイアット・ジョンストン(ダラス・スターズ)も前線で考慮される可能性があります。

 ディフェンス陣では事態が複雑になり、カナダは右サイドに優れたディフェンス選手を多数擁しています。ケール・マカー(コロラド・アバランチ)とデボン・トウズ(同)は、自然なトップペアとして理にかなっています。

 ノア・ドブソン(ニューヨーク・アイランダーズ)は2023-24シーズンに素晴らしい活躍を見せ、守備力も高いにもかかわらず、あまり注目されていませんでした。

 シェイ・セオドア(ベガス・ゴールデンナイツ)とジョシュ・モリッシー(ウィニペグ・ジェッツ)は左サイドに適しており、オーウェン・パワー(バッファロー・セイバーズ)やモーガン・リエリー(トロント・メープルリーフス)も検討される可能性が高いです。

 エヴァン・ブシャール(エドモントン・オイラーズ)は、昨シーズンにスターダムにのし上がったことを考えると、最も興味深い議論の的です。

 エレクトリック・オイラーズ1のパワープレイ・メンバー4人がいるのは魅力的かもしれませんが、マカーが(パワープレーの)トップ・ユニットを率いる可能性が高いです。

 カナダがブシャールをパワープレイの担当にしない場合、アレックス・ピエトランジェロ(ベガス・ゴールデンナイツ)やアーロン・エクブレッド(フロリダ・パンサーズ)のような選手に守備力を求め、ブシャールは控えとして考えられるかもしれません。

 利用可能な才能の豊富さを考えると、ディフェンス陣の選定はカナダの有識者や専門家にとって最も難しい課題となるでしょう。

 ゴールテンダーについては…あまり良くありません。カナダはスケーターのカテゴリーにおいて才能が豊富にある一方で、ゴールテンダーには欠けています。

 ジョーダン・ビニントン(セントルイス・ブルース)、スチュアート・スキナー(エドモントン・オイラーズ)、アディン・ヒル(ベガス・ゴールデンナイツ)は、プレッシャーのかかる試合に勝てる能力を実証していますが、3人とも信頼できない瞬間や不調期間の長い試合がありました。

 この大会で対戦する相手を考えると、カナダは実績よりも現在最も良いパフォーマンスをしているゴールテンダーを選ぶ必要があります。

 トリスタン・ジャリー(ピッツバーグ・ペンギンズ)とジョエル・ホーファー(セントルイス・ブルース)がシーズン序盤に好調であれば、カナダは彼らを考慮せざるを得ないでしょう。

スウェーデンの強力なディフェンス陣

スウェーデン

左ウィング:(1)フィリップ・フォルスバーグ、(2)レオ・カールソン、(3)イェスパー・ブラット、(4)エリアス・リンドホルム
センター:(1)ミカ・ジバネジャド、(2)エリアス・ペッターソン、ジョエル=エリクソン・エク、ミカエル・バックルンド
右ウィング:(1)ウィリアム・ナイランダー、(2)エイドリアン・ケンペ、(3)ルーカス・レイモンド、(4)ウィリアム・カールソン

左ディフェンス:(1)ヴィクター・ヘドマン、(2)グスタフ・フォースリング、(3)ハンプス・リンドホルム
右ディフェンス:(1)ラスムス・ダーリン、(2)エリック・カールソン、(3)マティアス・エクホルム

ゴールテンダー:(1)ライナス・ウルマーク、(2)ジェイコブ・マークストローム、(3)イェスパー・ウォルステッド

Extras:グスタフ・ナイキスト、ヨナス・ブローディン
In the mix:ガブリエル・ランドスコグ、リカルド・ラケル、リアス・アンダーソン、アダム・ラーソン、サミュエル・エルソン

 スウェーデンは、ラインアップ全体で興味深い選択をする必要があります。

 エリアス・ペッターソン(バンクーバー・カナックス)、ジョエル=エリクソン・エク(ミネソタ・ワイルド)、ミカエル・バックルンド(カルガリー・フレームス)は、得点力を兼ね備えた強力な二刀流プレーを体現しています。

 ガブリエル・ランドスコグ(コロラド・アバランチ)が問題なく復帰すれば、スウェーデンが彼を大会に連れて行く可能性は高いでしょう。

 リカルド・ラケル(ピッツバーグ・ペンギンズ)はシーズンの初めに良いプレーをすれば考慮される可能性があり、グスタフ・ナイキスト(ナッシュビル・プレデターズ)、ルーカス・レイモンド(デトロイト・レッドウィングス)、またはレオ・カールソン(アナハイム・ダックス)のいずれかのポジションを奪うかもしれません。

 スウェーデンは若手を起用するか、ベテランに国際大会で最後のチャンスを与えるかの選択肢があります。両方を組み合わせるのが最良の選択肢になるでしょう。

 ブルーラインについてですが、ヴィクター・ヘドマン(タンパベイ・ライトニング)、グスタフ・フォースリング(フロリダ・パンサーズ)、エリック・カールソン(ピッツバーグ・ペンギンズ)、ラスムス・ダーリン(バッファロー・セイバーズ)は素晴らしいトップフォー(第1&第2ライン)を形成しています。

 スウェーデンのディフェンス陣は過去10年間のノリス・トロフィーの候補者たちです。

ディフェンス・リーダーはヘドマンしか考えられないでしょう!

 このグループの後ろには、マティアス・エクホルム(エドモントン・オイラーズ)が一貫して安定したプレーを見せており、ハンプス・リンドホルム(ボストン・ブルーインズ)は素晴らしいチームで重要なシャットダウン役を果たしています。

 (守備専門となる)彼らの起用により、カールソンとダーリンはペナルティキリングから解放され、攻撃面で活躍できるはずです。

 ヨナス・ブロディン(ミネソタ・ワイルド)も候補に挙がり、ラスムス・アンダーソン(カルガリー・フレームス)やアダム・ラーソン(シアトル・クラーケン)もボトム・ペア(第3ライン)の役割で考慮されるでしょう。

 スウェーデンのブルーラインの選手層は大きな強みとなります。

 もしジェイコブ・マークストローム(ニュージャージー・デビルズ)がニュージャージーで本来の力を発揮すれば、彼はライナス・ウルマーク(オタワ・セネタース)をバックアップする可能性が高いです。

 両ゴールテンダーは最近のシーズンでベジーナ・トロフィーの候補に挙がっており、ウルマークはここ数シーズン、より安定したプレーをしています。

 イェスパー・ウォルステッド(ミネソタ・ワイルド)は、スウェーデンが彼を将来の国際舞台の重要なピースと見なしているため、サミュエル・エルソン(フィラデルフィア・フライヤーズ)よりも優先されます。

 もしエルソンがシーズンの初めにウォルステッドを圧倒的に上回るプレーをすれば、彼が選ばれるかもしれませんが、ウルマークとマークストロームが健康であれば、どちらも大会で出場する可能性は低いでしょう。

讃岐猫
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フィンランドの攻撃力と戦略

フィンランド

左ウィング:テウボ・テラバイネン、アレクサンダー・バルコフ、ミッコ・ランタネン、エリック・ハウラ
センター:マティアス・マチェリ、セバスチャン・アホ、ミカエル・グランルンド、アントン・ルンデル
右ウィング:アルトゥーリ・レヘコネン、ルーペ・ヒンツ、カーポ・カッコ、パトリック・レイン

左ディフェンス:ミロ・ハイスカネン 、エサ・リンデル、ニコ・ミッコラ 
右ディフェンス:ラスムス・リストライネン、オリ・マッタ、ヘンリ・ヨキハルジュ

ゴールテンダー:ユース・サロス、ウッコ=ペッカ・ルッコネン、カーポ・カフコネン

Extras:エトゥ・ルオスタリネン、ユウソ・ヴァリマキ
In the mix:エーリ・トルヴァネン、ジョエル・アルミア、ヤニ・ハカンパ、ヴィレ・フッソ

 フィンランドの強みは前線にあり、センターにはアレクサンダー・バルコフ(フロリダ・パンサーズ)、セバスチャン・アホ(カロライナ・ハリケーンズ)、ルーペ・ヒンツ(ダラス・スターズ)、アントン・ルンデル(フロリダ・パンサーズ)と揃っています。

 他国にはより多くの得点力がありますが、フィンランドにはエリートの二刀流センターの選手が3人おり、ルンデルは二刀流のスタープレイヤーに成長しています。

 ミッコ・ランタネン(コロラド・アバランチ)を除くと、フィンランドのウィングにはエリート・レベルの得点力が欠けています。

 パトリック・レイン(モントリオール・カナディアンズ)がモントリオールで調子を取り戻せば、ラインナップで高い位置(トップ6ライン)に入る可能性があり得点も期待できます。

 イーリ・トルバネン(シアトル・クラーケン)とジョエル・アルミア(モントリオール・カナディアンズ)は、レインやマティアス・マチェリ(ユタ・ホッケークラブ)がシーズンのスタートでうまくいかなかった場合、前線でのポジション争いに入ってきます。

 フィンランドはタイトなチェックゲーム2を展開し、ロースコアの試合に勝つために、エリートの二刀流プレーヤーに頼ることが予想されます。この国は最近の国際大会で大きな成功を収めているため、その相対的な得点力不足にもかかわらず、過小評価されるべきではありません。

 ブルーラインでは、フィンランドはミロ・ハイスカネン(ダラス・スターズ)を中心に構成されており、彼が唯一の真のスターです。彼は多くの時間をプレーし、あらゆる状況で活躍し、パワープレイを指揮します。

 オリ・マッタ(デトロイト・レッドウィングス)とユウソ・ヴァリマキ(ユタ・ホッケークラブ)はパフォーマンスに応じて、優先順位を入れ替える可能性があります。

 エサ・リンデル(ダラス・スターズ)、ラスムス・リストライネン(フィラデルフィア・フライヤーズ)、ニコ・ミッコラ(フロリダ・パンサーズ)は重要なペナルティキラーとして活躍し、ディフェンシブゾーンにフィジカルな要素をもたらすことが期待されます。

 フィンランドがこのトーナメントで争う能力において、ユース・サロス(ナッシュビル・パンサーズ)は重要な役割を果たし、先発ゴールテンダーが確実視されています。

サロスは当たり出すと止まらない!サッカーでもそういうゴールキーパーいるでしょ?

 ウッコ=ペッカ・ルッコネン(バッファロー・セイバーズ)かカーポ・カフコネン(ウィニペグ・ジェッツ)にバックアップされる可能性がありますが、サロスはトーナメント全体を通してフィンランドのスターターであり続ける可能性があります。

まとめ

 フィンランドの前線からの厳しいチェックが、意外と他の3カ国を封じ込めるんじゃないかと予想しています。フィンランドは北京五輪金メダルで自信を付けていますし、代表としての試合感覚も一歩先を行っているので、番狂せを起こす可能性は高いです。

 今回の大会は、各国の強力な選手たちが集結し、ホッケーの真髄を見せる絶好のチャンスです。期待される選手たちの活躍に注目し、素晴らしい試合を楽しみにしましょう!

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. エドモントン・オイラーズの別表現。「エレクトリック」は、このチームのプレースタイルや攻撃力が非常にダイナミックで刺激的であることを示している。手動よりも遥かに潤滑能力の高い電動オイル供給装置とチームを掛けた表現か。
    ↩︎
  2. 相手選手をボディ・チェックやスティック・チェックを使ってプレッシャーをかけたり、パックを奪ったりする戦術やプレースタイル。これにより相手の攻撃を防ぎ、自チームの守備を強化することが目的。 ↩︎
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