2024年NHLルーキー・イベントで注目された選手を紹介するよ!

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はじめに

 先週末、28チームから若手選手が集結し、NHLのプロスペクト・ショーケースが開催されました。プロ選手や大学で活躍したスター選手の不在にもかかわらず、AHLやECHLでのレギュラー、NHL昇格を目指す招待選手たちが集まり、選手たちの成長を確認する貴重な機会となりました。

 地味なイベントではあるのですが、通のファンは「ダイヤの原石」「自分だけのお気に入り」を見つけるべく、NHLのスカウト並みに一生懸命見ているんだそうです。こういうイベントがあると、若手選手達だけでなく、ファンのモチベーションも上がりますから、リーグとしては一石二鳥ですね。

 ここでは、注目の15人の有望選手を紹介します。※全員紹介すると、かなり長文の記事になりますので、今回は8人にさせていただきましたm(__)m。

讃岐猫
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引用元:dailyfaceoff.com(DAILY FACEOFF)「Top 15 standouts from 2024 NHL rookie tournaments

注目の若手選手たちを見ていこう!

 NHLのシーズンは先週末、28の異なるチームから若手選手たちが集まった7つのプロスペクト・ショーケース1が開催され、盛り上がりを見せました。

 ヨーロッパのプロ選手や大学のスター選手は不在で、各チームの人材供給が最高の状態ではなかったものの、多くのチームはAHLやECHLのロースターを目指す招待選手でいっぱいだったのです。

 それでも、今週のトレーニングキャンプ前に、選手たちの成長の様子を確認する良い機会となりました。

 NHLの最高峰の競争にしか興味がない場合、こうしたイベントは無視しがちですが、筋金入りの本物の熱心なファンであれば、爆発的に楽しめたはずです。過去4日間、できる限り多くの試合に目を光らせましたので、ここで私の目を引いた15人の有望選手を紹介します。

ベテランのような若手選手?

イリ・クーリッチ、センター(バッファロー・セイバーズ。20歳、2022年ドラフト全体28位)

 クーリッチのプレーは、週末のバッファローで話題になりました。ホームで1勝2敗に終わったセイバーズで5ゴールと2アシストを記録しています。彼は特にパワープレイで危険であり、しばしばその強力なシュートで滑り込むゴールテンダーを打ち破る場面が目立ちました。

 ペンギンズ戦での2ゴールの活躍はセイバースに活力を与えましたが、しかし、自陣での問題(守備?)がチームを悩ませ、十分ではありませんでした。クーリッチはトップ・チームに加わるために努力することになりますが、その実力には納得の声があります。

 彼は得点能力があり、パックから離れた場所での彼の仕事ぶりは、これまでで最高です。セイバースは早急に勝利を収めていく必要があり、クーリッチはNHL経験は1試合のみですが、それを実現する役割を果たすかもしれません。

 また、コンスタ・ヘレニウス(フィンランド出身の18歳、ポジションはセンター。約180センチ、82キロ。2024年ドラフト全体14位)のプレーも評価に値します。彼はセイバーズの最終戦を一人で勝ち取ろうとしましたが、残念ながら及びませんでした。

青のユニ、25番の選手です。

デントン・マテイチャク、ディフェンダー(コロンバス・ブルージャケッツ。20歳、2022年ドラフト全体12位)

 マテイチャクは、昨年9月のニュージャージー・デビルズでのサイモン・ネメック2に似ていて、そのプレーはまるでベテランのように見えます。

 元WHLのスター選手(マティチャクはムースジョー・ウォリアーズに在籍)はコロンバスであらゆる状況でプレーし、トップパワープレーのクォーターバック的役割をし、ペナルティキルでも最も多くプレーしました。

 マテイチャクはボストン戦での1ゴール・1ポイントのみでしたが、パックを扱う際の滑らかさと冷静さには目を見張るものがあり、シーズンのスタートをトップ・チームで迎える可能性があるのではないかと感じさせてくれます。

 彼はダイナミックで楽しませてくれる選手で、ムースジョーでは素晴らしいシーズンを過ごし、AHLプレーオフ(23-24シーズン後半、クリーブランド・モンスターズへ移籍)でも優れた活躍を見せました。

強さを身につけ、さらに高みへ!

トピ・ニーメラ、ディフェンダー(トロント・メープルリーフス。22歳。2020年ドラフト全体64位)

 ニーメラは2試合で5アシストを記録し、メープルリーフスの至る所に顔を出す選手です。このダイナミックでクリエイティブなディフェンスマンは、常にスキルを発揮し、現在トロントのトップディフェンスの有望株です。

 彼はパワープレイの司令塔として活躍し、氷上のあらゆる場所から質の高いチャンスを生み出し、しばしば攻撃を助けるために前に出てきました。

 22歳のニーメラはトロントのブルーラインで年長の有望株の一人だったので、当然のことながら期待がかかっていましたが、それに見合った成果を上げています。スカウトたちが頻繁に指摘するのは、ニーメラのプレーへの考え方です。

 彼は常に駆け回り、限界を押し広げ、パックを奪うために戦っています。ニーメラは常に成功するわけではありませんが、–将来のNHLディフェンダーに求められるような真の強さにはまだ欠けています–常に向上心を持っています。

白のユニ、47番の選手です。

トリスタン・ブロズ、センター(ピッツバーグ・ペンギンズ。21歳、2021年ドラフト全体58位)

 ブロズはトーナメントを4ポイントで締めくくり、主にエイブリー・ヘイズ3との連携でハットトリックを達成しました。彼は氷に入るたびに目立ち、素晴らしいパスを送り、オフェンスゾーンでのフェイスオフを何度も制し、時には少しフィジカルなプレーも見せました。

 この21歳の彼はプロホッケーの初シーズンに向けて準備が整っており、昨年のデンバー大学(ミネソタ大から転校)の全米選手権に欠かせない役割を果たした後(43試合出場、16ゴール・24アシスト)、彼が何を成し遂げるか楽しみです。

 ブロズはオープンスペースを好み、どこからでもシュートを狙える能力がありますが、プレーメーカーとしての方がより優れています。これが私にとってブロズを直接見るのは初めての機会で、非常に感銘を受けました。

思い切ってトップ・チームに上げてみてはどう?

アダム・エングストローム、ディフェンダー(モントリオール・カナディアンズ。20歳、2022年ドラフト全体92位)

 モントリオールのビッグガンズ(大物若手選手達)には多くの魅力がありましたが、エングストロームには特に注目しました。彼はパックを持つと冷静かつ賢明で、しばしばパックを運び込み、プレーを落ち着かせ、必要な場所にパックを送ります。

 第1戦のリーフス戦でゴールを決め、その後の第2戦でもスマートで計算されたプレーを見せ、モントリオールのディフェンスゾーンで最高の選手となりました。

 エングストロームはレーン・ハットソン4ローガン・マイルー5ほどショットに派手さはありませんが、強さがあり、ネット周辺で簡単に打ち負かされることがありません。今年はラヴァル(・ロケット。AHL)に加わる予定で、トップ4で激しいプレーを期待しています。

 カナディアンズのディフェンスの選手層を考えると、エングストロームは将来に期待の持てる20歳です。

クエンティン・ムスティ、左ウィング(サンノゼ・シャークス。19歳、2023年ドラフト全体26位)

 ムスティはシャークスで電撃的な活躍を見せ、人々が語るのをやめられないほど話題を呼びました。

 サドベリー・ウルブズ(OHL)のスター選手は、日曜日(9月15日)、アナハイム相手に3ゴール1アシストを記録し、月曜日にはコロラド戦でさらに2アシストを加え、数か月前の世界ジュニア・サマー・ショーケース6での堅実なパフォーマンスを見せた後の勢いを維持しました。

 彼は楽しく攻撃的なプレーをし、スティックでパックをキープしていることが大好きです。

 シャークスは今年、マックリン・セレブリーニ(2024年ドラフト全体1位。センター、18歳)とウィル・スミス(2023年ドラフト全体4位。センター、19歳)をトップ・チームに昇進させる予定で、そのタイミングは興味深いものです。

 彼らは誰もが注目しているルーキーですが、ムスティもNHLの開幕を目指す価値があるプレーを見せました。シャークスは今年リーグ内で競争するつもりなんてない(上位進出を考えていない)のですから、ムスティがキャンプで好印象を与えるなら、彼に挑戦させてみてはいかがでしょうか?

今回のイベントの様子がわかる映像。緑ユニ、13番の選手です。

讃岐猫
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6フィート6インチの巨漢ウィング!

ブラッド・ランバート、センター(ウィニペグ・ジェッツ。20歳、2022年ドラフト全体30位)

 ランバートは、日曜日にバンクーバーに4-2で敗れた試合で1ゴール1アシストを記録し、ウィニペグのベストプレーヤーとなりました。

 しかも、彼の全体的なプレーは、ペンティクトン(カナダ、ブリティッシュコロンビア州。今回の会場の一つ)でほかの誰よりも成熟し、NHLで活躍できる印象を与えました。

 彼はAHLのマニトバ・ムースで素晴らしいルーキー・シーズンを送り(64試合出場、21ゴール・34アシスト)、レギュラーシーズンの終わりにはNHLデビューでも印象を残しました(1試合で1アシスト)。

 ランバートはウィニペグのラインアップに入るために可能な限りのことをしようとしており、チームに創造性とオフェンシブゾーンに新たな意識をもたらします。

 20歳の彼は、すでに5シーズンのプロホッケー経験を積んでおり(2019年、母国フィンランドのリーグから)、同年代の選手としては非常に異例ですが、それが彼の素晴らしいパフォーマンスの理由を説明しています。

マニトバ・ムースの時とシアトル・サンダーバーズの時の映像が混じってます。

ヴィルマー・アルリクソン、左ウィング(バンクーバー・カナックス。19歳、2023年ドラフト全体107位)

 アルリクソンは2ゴール3ポイントを記録し、ヤングスターズ・トーナメントのポイント王に並びましたが、これは誰も予想していなかったことです。2023年の4巡目指名選手である彼は、氷上で6フィート6インチ(約198センチ)の存在感を誇ります。

 しかし、単なる大柄な選手ではなく、相当なスキルと素晴らしいシュートを持っています。アルリクソンの本来の力は相手を簡単に打ち負かすことができるものであり、スケート技術も悪くありません。彼は大きなヒットを連発し、新たなファンを獲得しました。

 現時点でアルリクソンがNHL選手になるのは難しいかもしれませんが、キャンプでのパフォーマンスは印象的でした。

まとめ

 先週末のプロスペクト・ショーケースでは、将来のNHLスター候補たちがそれぞれの個性を発揮しました。選手たちの成長を見守りつつ、シーズンの始まりに向けてさらなる進化が期待されます。AHLをはじめとする下部リーグの情報も、どんどん仕入れていかないといけないですね。

 15人全員を紹介できなかったのは残念ですが、いずれ彼らはNHLの表舞台に必ず登場するはずですから、その時に大々的に記事にしていけることでしょう。

讃岐猫
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【註釈】

  1. 若手選手がその才能をアピールするためのイベント。各チームのスカウトやコーチが、将来のスター候補を見極めるための機会となる。

     通常、数日間にわたり(今年は9月13〜16日、カリフォルニア州エルセグンドのトヨタスポーツパフォーマンスセンターやバッファローのLECOMハーバーセンターなどで開催)、複数のチームが集まり、トーナメントのゲーム形式で試合が行われる。

     一部のショーケースはファンにも公開され、熱心なファンにとって、未来のスターを観るチャンスとなる。チームは若手選手の実力を直接観察し、将来のドラフトやトレードに役立てることができ、若手選手にとっては、自らのプレーをアピールし、上位チームへの昇格を狙う重要なチャンスとなる。
    ↩︎
  2. スロバキア出身の20歳、ポジションはディフェンダー。約185センチ、90キロ。スロバキアのプロリーグ(Tipos Extraliga)でプレーし、2022年のNHLドラフトでニュージャージー・デビルズに2位指名された。

     非常に技術的に優れ、パックを持った際の判断力やプレーの展開能力が高い。攻撃にも参加し、アシストを稼ぐことができる攻撃的なディフェンスマン。スロバキア代表U-20チームでの経験あり。
    ↩︎
  3. 米国ミシガン州出身、21歳。ポジションは右ウィング。178センチ、79キロ。現在はECHLのホイーリング・ネイラーズ所属。

     フェイクショットを使って、ディフェンダーを自分の方に引き寄せ、空いたスペースへパスを通したり、ディフェンダーの間をパックを滑らせたりする能力があり、小さなエリアでのプレーメーカーとしての可能性を持つ。
    ↩︎
  4. 米国ミシガン州出身、21歳。ポジションはディフェンス。191センチ、96キロ。2022年ドラフト全体62位指名。サイズの小ささから、NHLでやっていなけないのでは?との声があったが、プロ向きの性格、競争心、そして運動能力の高さが評価され、指名に至った。
    ↩︎
  5. カナダ、オンタリオ州出身、20歳。ポジションはディフェンス。175センチ、72キロ。2021年ドラフト全体31位指名。

     パンデミックでOHL中断の際、スウェーデンのチームへレンタル移籍中、不祥事を起こしたため、ペナルティを科せられている。本人によるドラフト指名辞退があったが、カナディアンズは才能の高さを見込んで、強行指名した経緯がある。
    ↩︎
  6. 主にU20の選手たちが参加する大会。今年は7月28日〜8月3日まで、ミシガン州にあるUSAホッケーアリーナで開催された。将来の世界ジュニア選手権に向けた選手選考やトレーニングの機会として重要視されている。

     米国、カナダ、スウェーデン、フィンランドなどの国々が参加し、毎年夏に開催され、数日間にわたって行われる。 ↩︎
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