はじめに
ずっとNHLのシーズンを追いかけていると、調子の波の激しいチームや、シーズン序盤は予想外のいい滑り出しだったのに、突然ガタガタと崩れてしまうチームが出てきます。そして、不思議なことに、そういうチームの「内部」は氷上同様、「ガタガタ」しているようです。
今回、辛口ESPN.comの記事を紹介しますが、その内部分裂を食い止めたチームもあれば、「こりゃどん底まで落ちていきそうだな」というチーム(フライヤーズ…)等多種多様です。中にはGMが選手を嗜めた例もあるようですよ。
元記事はレンジャーズやブラックホークス、
アバランチも出てくるのだが、
今回はブログ主の興味あるチームに絞ったにゃ。
引用元:ESPN.com「Kaplan: Rangers’ rebound, latest on Blackhawks and more around the NHL」。
ワイルドは「自分達のゲーム(の進め方)」を見つける
効果的な補強
ビル・ゲリンは、ミネソタ・ワイルドのGMとしてこれまで短い期間でしたが、チームが何を必要としているかを察知していることについて実証しました。
※ビル・ゲリン=マサチューセッツ州 ウースター出身の52歳。元プロアイスホッケー選手で、アイランダーズなどで活躍。以前、ピッツバーグペンギンのアシスタントGMなどを歴任。
それは、ザック・パリーゼ(アイランダーズから。左ウィング、38歳)とライアン・スーター(スターズから。ディフェンス、37歳)を買い取るという決断から始まり、ロッカールームが新しい声に変わる必要があることを知ったからです。
昨年に引き続き、NHLで最も人気のある選手の一人であるマーク=アンドレ・フルーリー(ブラックホークスから。ゴールテンダー、38歳)を獲得しました。
暴れん坊新加入がチームの力に
今年、ライアン・リーブス(レンジャーズから。右ウィング、35歳)の加わったことは見逃せません。先週、リーブスはデトロイトのフィリップ・ヒロネク(ディフェンス、25歳)に氷上で大打撃を与え、ミネソタを勝利に導いたのです。彼の影響はそれだけではありません。
「誰もが彼のおかげで私たちがより大きく、より堅くなったと言いますが、彼の存在はフィジカル以上のものだと思います」と監督のディーン・エヴァソン(58歳)は言いました。
「彼は毎試合、人を走らせるわけではないんだ。ベンチではとても落ち着いていますし、とても成熟した選手です。彼の仕事ぶりは、体を鍛えていて、みんなのお手本になるし、本当にいいチームメイトだよ。その方が影響が大きいと思うね」。
エヴァソンによると、「ワイルドがパワープレーする前に、リーブスは完全に興奮しまくっていて、『パワープレーだ、パンパンやろうぜ!』と叫び、目の前のベンチを蹴るんだよ–自分が氷上にいるわけじゃないことを十分わかってるのに。
リーブスは、ただチームのために奮起しているんだ。確かに、いつでもライバルを叩きのめすことができる男がいると、みんな少しは気が引き締まるよ」とエヴァソンは言いました。
「でも、彼は素晴らしいチームメイトだし、プレーもできる。もしライアンがゲームをプレイできないとしても、氷上で戦うこと以外で、我々のホッケークラブにいて頑張ってくれるだろう」。
※ライアン・リーブスは、過去に試合中の相手選手への乱暴行為で、長期の出場停止や罰金のペナルティを受けている。
ライアン・リーブスの過去のトラブルを検索すると、
まあ、出るわ出るわ…。
今、チームの一員として頑張ってるんなら、
それでいいけどにゃ…。
攻撃的チームから守備的チームへ
ワイルドは序盤にいろいろと試行錯誤を繰り返しましたが、徐々に調子を取り戻してきたように思います。
11月27日以降、彼らは9勝2敗の成績で18ポイントを挙げ、リーグをリードしています。昨シーズン、ワイルドはトップ5のオフェンス力を持ち、ゲームあたり3.72ゴールを記録しました。エヴァソンはそれを完全に説明することはできないようです。
「去年は思うがままに得点してた、クレイジーだったよ」と述べました。「選手たちはキャリアを積んだ選手ばかりだったから、パックはゴールのいたるところに入っていた。今年はそうはいかなかったんだ」と述べました。
今シーズンのミネソタは一試合3.13ゴールと、全チームの中で真ん中くらい。そして、特にシーズン序盤、得点力不足が問題になったのです。
エヴァソンは「得点するのは大変だったし、今でも得点するのは難しいよ」と語りました。「しかし、これが私たち自身の姿であるということに気付いたんだ。そして、最初に守りを重視するという認識は、より良いクラブになるのに本当に役立ったのさ」と述べました。
フィリーのロッキーロード
トルトレラ、遠慮なし
ケビン・ヘイズ(センター、30歳)のヘルシー・スクラッチは、NHL全てのプレーヤーにとって、あまり受け入れられるものではなかった。
※ヘルシー・スクラッチ=ロスターに名前の有るケガをしていない選手で、試合に備えた服装・準備をしていない選手のこと。20名の選手だけが試合のために着替えることを許可されており、試合に出場しない選手はスクラッチと見なされる。
※ケビン・ヘイズは「忍耐力、スポーツマンシップ、ホッケーへの献身の資質を最もよく例示している」選手に授与される、ビル・マスタートン記念トロフィーのファイナリストに選ばれるくらいの人格者。チームの副キャプテンでもある。
しかし、ここ数年、スポーツヘルニアをはじめ、故障や病気に悩まされ、パフォーマンスが落ちているのは間違いないのだが…。
ジョン・トルトレラの「典型的な瞬間」だった。しかし、チームの得点源である選手が、パフォーマンス上の理由でスクラッチされるのは極めて稀なことです。
あるベテラン選手から「こんな前例は嫌だ」とメールが来ました。「自分(トルトレラ)の主張を通すために、一生懸命働いて実際に貢献している人を困らせているんだ」。
これが、ヘイズのフィラデルフィアでの「任期の終わりの始まり」になるかもしれないと感じています。
ヘイズのパフォーマンスが落ちているのは明らか。
トルトレラの毅然とした処置が、
間違ってるとは言い切れないにゃ。
フランチャイズはトルトレラを支持
トルトレラは、正しい方法でプレーするプロセスを構築すると話してきましたが、フィリーではフラストレーションのたまるシーズンとなってしまいました。
チームにとっての最初の打撃は、ベテランのキャム・アトキンソン(右ウィング、33歳)が首の手術で今シーズンを棒に振るということです。
さらなる変化が起こりつつあります。期限になると、ジェームズ・ファン・リームスダイク(左ウィング、33歳)のマーケットが実現することを願いながら、数人の選手を売り出すだろう。しかし、より大きな構造変化が起こるかもしれません。
ここ数ヶ月の間に、あまりにも多くのメッセージが交錯し、もちろんその内容の多くについて変更がありました。フィラデルフィアはより一貫した道を歩みたいと考えており、フランチャイズはそれに取り組む方法を理解するでしょう。
セントルイスのどの方向へ行こうとしてるのか。
キータームは「フラストレーション」
今、セントルイス・ブルースをどう評価したらいいか分かりません。彼らは今、勝つために作られたベテランチームであり、GMのダグ・アームストロングは、ジョーダン・カイロ(センター、24歳)とロバート・トーマス(センター、23歳)の賢明なドラフト指名(と長期契約)のおかげで、うまく再建を達成できたように感じています。
にもかかわらず、ブルースは一貫して自分たちペースの試合を見つけることができず、現在はプレーオフ圏外に位置しています。
12月11日にセントルイスで行われた試合を取材したとき、選手やコーチが最も多く使った言葉は「フラストレーション」でした。「みんなイライラしているようだ。悔しいです。勝つことに慣れているからこそ、悔しいことが多い」とクレイグ・ベルベ監督(57歳)は語りました。
「今は通過中だが、トンネルの先には光がある。あとはここでいくつかの勝利をつなげていき、正しいプレーをすることにより勝利を得るだけで、すぐに前の状態に戻れると思う」と述べました。
アームストロングは、トレード期限までにどのような方向に進むか、2つのプランを持っていると私に話してくれましたが、いつ決断するかというタイムテーブルは明言しませんでした。
この夏、2人のベテラン選手、ウラジミール・タラセンコ(右ウィング、31歳)と主将ライアン・オライリー(センター、31歳)がフリーエージェントとなります。
タラセンコにはトレード禁止条項があるため、セントルイスは彼を動かすのに苦労していて、これはオフシーズンの「離婚」になりそうです。一方で、チームのフロントオフィスの幹部は、オライリーを利用できると考えていると私に言いました。
また、セントルイスが「荷降ろし」した場合、移籍市場締め切り時に、こっそり密かにピックアップされる選手として、ジョシュ・レイボ(左ウィング、29歳)に注目してください。
よっぽどライアン・オライリーは、
GMをはじめとするチーム・スタッフから
よく思われていないんだにゃ…。
GMに呆れられる選手
ブルースのフロント幹部は、プレーよりも、氷上でケンカをしたり、他の選手にぶつかったりと、おちゃらけた態度をとるジョーダン・ビニントン(ゴールテンダー、29歳)についての質問には、遠慮なく答えてくれました。
ベルベは、ゴールキーパーのフラストレーションが過剰に働いてしまったのだと言っています。チームの問題をすべて解決しようとしていたビニントンは、途中で精神的に集中できなくなってしまったようです。ベルベはビニントンに数日の休暇を与え、自分のポジションにだけ集中するようにと言いました。
「彼は非常に競争心のある男なんだ。フラストレーションについて話すと、部屋の中で、彼以上にフラストレーションを持っている人はいないよ」とベルベは言いました。
アームストロングもこの件に関与していたようです。「そんなことをしたら、ゴールテンダーとして格好がつかない」とアームストロングは言いました。「あのふざけた態度は、初期には効果があったかもしれないが、効果はない。もう限界だと思います」。
12月11日以降、ビニントンがゴールテンダーを務めて、3勝0敗、防御率.940、GAA1.70(1試合フル出場した場合の、平均失点)、シャットアウトも記録しています。
まとめ
ビニントンは、GMからビシッと何か言われたのでしょうか…。ここ数試合は悪くない数字を出していますし、NHL.TVとか見ても、落ち着いたプレーぶりです。確かにフラストレーションを解消しようと、少しはしゃぐというか、調子に乗る人はどこの世界にもいます。
しかし、GMが言うように、チームを最後尾から締める存在であるゴールテンダーが、ハメを外しすぎるのはいかがなものかと。逆に監督は庇っているわけで、GMとの考えの違いから、要らぬ対立を生まねばいいのですがね。堅実経営のブルース、「多くの荷」を下ろして、さらにその道を進むことができるのでしょうか。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!