NHLワイルドカード争い・当落線上ギリギリチーム、Part.2!

NHLチーム紹介

はじめに 

 前回の記事で、NHL.comの2022-23シーズン・プレビューを元に、イースタン・カンファレンス「ワイルドカード争い・当落線上ギリギリ」4チームを紹介しました。今回は残り4チーム分をお届けします。 

 NHL公式では、全8チーム分、一気に紹介していますが、ブログの読みやすさを考慮して前半と後半4チームずつに分けました。前半4チーム分はこちら。 

 イースタン・カンファレンスには、贔屓チームの一つ、フィラデルフィア・フライヤーズがあり、残念ながら今回の「ギリギリ・チーム」の仲間入りをしています。記事にもありますが、ケガ人が多く、新監督も頭を悩ませている様子。 

 各チームのファンによるシーズン・プレビュー、やや贔屓目に見てるかな?っぽいコメントもありますが、移籍による新加入選手や生え抜き若手選手との組み合わせから生まれる、素敵な化学反応に期待している思いの強さを感じるのも一興でしょう。 

讃岐猫
讃岐猫

ウェスタン・カンファレンスもやりたい所だけど、

もう開幕間近なんで、今回は見送るニャ!すまん!

引用元:NHL.com「How eight Eastern Conference teams can get back into playoffs」。

NHL.comによる2022-23シーズンのプレビュー 

ニュージャージー・デビルズ 

昨シーズン:27勝46敗9延長負け、63ポイント。 

ワイルド・カード争い:出場権のある2位チームから37ポイント差の8位。 

結果:シーズンの堅実なスタートの後、デビルズは、11月30日から12月19日まで11試合のうち10試合を失いました (1勝9敗1延長負け) 。これでメトロポリタン・ディヴィジョン7位となり、4シーズン連続でプレーオフ進出を逃しました。 

オフシーズンでの最大の変化:ゴールキーパーのヴィテック・バネチェク(26歳)が、7月8日、ワシントン・キャピタルズとのトレードで新加入しました。 

 デビルズは、昨シーズン、7人のゴールキーパーが少なくとも1試合プレーし、.900以上のセーブ率を持っていたのはジョナサン・バーニエ(.902。34歳)だけで、ポジションで何かを変える必要があります。バーニエは、昨年12月3日以降、股関節のケガのために出場できませんでした。 

 バネチェクは、キャピタルズでの過去2シーズン、NHLの79試合で.908セーブ率と6シャットアウトを記録しています。 

 ニュージャージーはまた、スタンレーカップで2度優勝しているフォワードのオンドレイ・パラット(31歳。タンパベイ・ライトニングから新加入)と、7月14日に5年間の契約を結びました。 

ワイルドカード争いに参加できる理由:昨シーズンと比べて強化されたゴールテンディングは、今シーズンのデビルズに最大の違いをもたらすでしょう。 

 昨シーズンは一試合あたり31.0本のシュートを許し、NHLでは12番目に少ない記録でしたが、.881のセーブ率は2番目に低い数字でした(シアトル・クラーケン、.880)。元気なダギー・ハミルトン(29歳)が率いるゴールキーパーの前のディフェンスは、依然として強いままです。 

  パラットはチャンピオンシップでの経験を活かし、ニュージャージーに攻撃的な3パターンのラインをもたらします。彼は左ウイングで開幕を迎えるでしょうから、センターのジャック・ヒューズ(21歳)とラインを組むこともできます。パラットはシーズン開幕の準備完了と見ていいでしょう。 

  ヒューズは昨シーズンに49試合で56ポイント(26ゴール、30アシスト)を記録しており、肩と膝の負傷から回復すれば、彼のプレーがニュージャージーのワイルドカード争い、さらにはメトロポリタン・ディヴィジョンのトップ3入りにつながるきっかけになるかもしれません。 

ニューヨーク・アイランダーズ 

昨シーズン:37勝35敗10延長負け、84ポイント。 

ワイルド・カード争い:出場権のある2位チームから16ポイント差の3位。 

結果:シーズン開幕からの13試合い及ぶ遠征では、11月7日から12月5日まで11連敗 (0勝8敗3延長負け) を記録。 

 12月に入っても、COVID-19が大流行した影響で、5勝10敗5延長負けとなり、最後の62試合でポイント率.556(32勝25敗5延長負け)を記録したにもかかわらず、這い上がるには大きすぎる(前半戦の連敗は)「穴」でした。 

オフシーズンでの最大の変化:まず、バリー・トロッツ監督(60歳)が今年5月9日に解任されたことです。アイランダーズはトロッツの最初の3シーズンでスタンレーカップ・プレーオフに出場し、2020年と2021年に準決勝に進出しました。 

 アイランダーズ、ワシントン・キャピタルズ、ナッシュビル・プレデターズで過去11シーズンの大半をトロッツのトップアシスタントを務めていたレーン・ランバート(57歳)が、5月16日、トロッツの後任に任命されました。ランバートがNHLのコーチになるのは、これが初めてとなります。 

ワイルドカード争いに参加できる理由:アイランダーズは、プレーオフに2年連続進出したシーズンとほぼ同じメンバーを維持しており、ランバートもアシスタントとしてベンチ入りしていたので、選手のことをよく知っています。 

 ゴールキーパーのセミョン・バラモフ(34歳)とイリヤ・ソロキン(27歳)は、ニューヨークに全試合に勝つほどのチャンスを与えるはずなので、今シーズン、メトロポリタン・ディビジョン上位3位以内に食い込むのを見るのは、そんなに難しいことではありません。 

讃岐猫
讃岐猫

今回紹介した中で、最もワイルド・カード圏内に近かったチーム。

前半戦の躓きが無かったら…ってとこだにゃ。

オタワ・セネターズ 

昨シーズン:33勝42敗7延長負け、73ポイント。 

ワイルド・カード争い:出場権のある2位チームから27ポイント差の7位。 

結果:セネタースは最初の20試合のうち16試合を落とし (4勝15敗1延長負け) 、12月1日までイースタン・カンファレンス最下位となりました。彼らは5シーズン連続でプレーオフを逃し、チーム史上最長となりました。 

オフシーズンでの最大の変化:セネターズはオフシーズン中に大きく前進しました。 

 7月7日、2022年NHLドラフトでの1巡目と2巡目、2024年NHLドラフトでの3巡目指名権と、シカゴ・ブラックホークスのアレックス・デブリンキャット(24歳)をトレードで獲得。7月13日にクロード・ジルー(34歳、フロリダ・パンサーズから新加入)と3年契約を結びました。 

 (右ウィングの)デブリンキャットは昨シーズンに41ゴールを決め、NHLのキャリア最高得点を記録し、78ポイントと14のパワープレーゴールはキャリアハイでした。 

 (右ウィングの)ジルーは、フィラデルフィア・フライヤーズとフロリダ・パンサーズでのレギュラーシーズン(昨シーズン途中に移籍)75試合で65ポイント(21ゴール、44アシスト)を記録し、プレーオフでは10試合で8ポイント(3ゴール、5アシスト)でパンサーズでチーム2位でした。 

 オタワはまた、7月12日にミネソタ・ワイルドとのトレードでカム・タルボット(ゴールキーパー、35歳)を獲得することで、その目標設定を確固たるものにしました。 

ワイルドカード争いに参加できる理由:ジェイソン・スペッツァ(昨シーズン限りで引退)が2014年に去って以来(トロント・メープルリーフスへ移籍)、デブリンキャットはセネターズに欠けていた種類のシューターであり、ジルーはブレイディ・トカチュク(23歳)、ジョシュ・ノリス(23歳)、ドレイク・ベザーソン(24歳)、ティム・スタッツル(20歳)らの若いフォワード・グループを進歩させられるエリート・プレイメーカーです。 

 タルボットの存在は、ワイルドカード圏内に向けて、セネターズの上昇し続けることを可能にするでしょう。 

フィラデルフィア・フライヤーズ 

昨シーズン:25勝46敗11延長負け、61ポイント。 

ワイルド・カード争い:出場権のある2位チームから39ポイント差の9位。 

結果:開幕当初の14試合のうち8試合 (8勝4敗2延長負け) で勝利した後、フライヤーズは次の29試合のうち5試合 (5勝18敗6延長負け) しか勝利しませんでした。この中には、11月18日から12月8日までの10連敗 (0勝8敗2延長負け) 、12月30日から1月25日までの13連敗(0勝10敗3延長負け)が含まれます。 

オフシーズンでの最大の変化:ジョン・トルトレラ(64歳)が6月17日に監督として採用されました。2シーズン連続でスタンレーカップ・プレーオフを逃し、2012年以来プレーオフ・シリーズで、なかなかファースト・ラウンドを勝ち上がれないチームの文化を変える、という目標を掲げています。 

 トルトレラは、フライヤーズと対戦しにくくするディフェンス構造を守りながら、攻撃的なスキルを発揮できるようになってもらいたい、と選手達へ述べています。フィラデルフィアはまた、7月8日、カロライナ・ハリケーンズとのトレードでディフェンスマンのトニー・デアンジェロ(26歳)を獲得し、昨シーズン、NHL最下位だったパワープレー成功率(12.6%)を活性化させようとしています。 

ワイルドカード争いに参加できる理由:チーム内で、負傷者の件が問題になっています。 

 センターのショーン・クチュリエ (29歳、上半身のケガ) は毎週欠場している状況(早期回復の見込みあり、というニュースも)であり、フォワードのジョエル・ファラビー(22歳)は首の手術から徐々に回復中ですが、ディフェンスのライアン・エリス (31歳、下半身のケガ) は今シーズン(完全に)欠場となっています。 

 しかし、FWのファラビー、ケビン・ヘイズ(30歳)、トラビス・コネクニー(25歳)、ディフェンスのイヴァン・プロヴォロフ(25歳)、トラビス・サンハイム(26歳)、GKのカーター・ハート(24歳)らの才能あるコア集団がチーム内に存在しています。 

 昨季、試合時間60分当たり33.2本のシュートを打たれた守備が、よりタイトに強化されれば、.905のセーブ率を記録したハートにとってより有利となるでしょう。 

 トルトレラは自分のチームから最大限の力を引き出すことに定評があり、プロヴォロフやコネクニーなど昨シーズンの成績が振るわなかった選手から、最大限の力を引き出すことができれば、フライヤーズはワイルドカードを争うことができると思います。 

讃岐猫
讃岐猫

ディフェンス、センター、フォワードの主力、

各一人ずつ大きな故障を抱えているとなると、

これは苦しいにゃあ…。

まとめ 

 二つの記事にまたがって紹介した、イースタン・カンファレンス「ギリギリ・ラインの8チーム」に共通して言えるのは、早急に守備の立て直しが必要という点でしょうか。プレシーズン・マッチで、どこまでそこを詰めていくかが鍵になりそうです。 

 そんな中で、セネターズによる、シカゴ・ブラックホークスから攻撃的ポジションのデブリンキャット獲得は、攻撃面の充実→1点取られたら、必ず2点取り返すホッケーを目指しているチームからのメッセージだと思います。 

 現地でも話題になっている移籍劇であり、ジルーとのコンビが上手くいくと、強力な攻撃陣になる予感がします。プレシーズン・マッチもそろそろ大詰め、どこまでチームが仕上がってきているのか、明日もNHL公式アプリ試合速報から目が離せません!

讃岐猫
讃岐猫

アイスホッケーの場合、ラインがクルクルと変わるので、

チーム内できっちり約束事を決めておかないと苦しい。

守備面で、それを徹底できたチームが強いのかにゃ。

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

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