コナー・ベダードが最速で馴染みそうなNHLチームは?【前編】

NHLチーム紹介

はじめに

 あと1ヶ月もすれば、運命のドラフト抽選が行われます。NHLだけでなく、NBAとNFL周辺も次第しだいにざわつき始めているようです。今月中旬、NFLドラフト指名予定選手を網羅した選手名鑑が、ここ日本でも発売されますが、NHLは…、もう言うまい、って感じでしょうか。

 このブログでも再三名前を出してきた、神童コナー・ベダードがNHLファンの注目の的であることに、依然として変わりはありません。どこが指名するかは別にして、どこのチームに行けば、彼の能力が最大限に活かせるか、この議論にも目を通しておくべきでしょう。

 今回は「このチームに行けば、ベダードは伝説の選手になる!チームも伝説となる!」という分析記事をお届けします。

讃岐猫
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推しチーム、フライヤーズとコヨーテズにも、

全体1位指名権獲得の可能性はあるんだにゃ。

コヨーテズの方が、まだ10代のベダードを

ノビノビとプレーさせそうな気はするけど。

引用元:ESPN.com「Which NHL team contends the fastest with Connor Bedard?」。

コナー・ベダードについて、もう一度考えよう

 2023年のNHLドラフト抽選は5月8日に予定されています。その時になると、おそらく自己犠牲も厭わない祈りが通じるか、あるいはただの偶然によって、フランチャイズの救世主として期待されている、

17歳のレジーナ・パッツ(ウエスタン・ホッケー・リーグ所属のジュニア・アイスホッケー・チーム)所属のセンター、コナー・ベダードのドラフト指名権を獲得したチームが判明します。

 これは、新人にとって、かなり高いハードルであることを認めます。

 少し前に、TSN(The Sports Network)の尊敬するボブ・マッケンジー(1986年にTSNに参加して以来、ホッケーを取り上げてきたカナダのホッケーコメンテーター)と、ベダードの可能性について、どう認識しているかについて話をしました。

 「自分で考えていただけで、公には言わなかったけど、私たちは少しブレーキを踏むべきです」と彼は笑いながら言いました。「私は長年、このような『表現者』たちと接する中で、それを学びました。それとは、彼らに対して公平性を問うことです。

 私たちの社会とソーシャル・メディア、そして誰もが、すべての人を史上最大の存在に仕立て上げ、誇大広告をしてみたいのです。ここで少し賢明になりましょう。

 この子たちに何か特別なものがあると認識しながらも、しかし、持続不可能なほど(プレーできなくなるほど)高いハードルを設定しないようにしましょう」。

 ベダードの助けになるものは何だろう:もし、彼がフランチャイズの救世主になる必要のない場合、すでにチームにあるものを補強するスター選手になればいいのです。

 私はテレビで大量のホームセンターのショーを見ているので、こう表現させてください。ベダードがフィクサー・アッパー(修理が必要な家、要修理物件)に参加するのと、ベダードがガット・リフォーム(家を作り変えること)に参加するのと、

ベダードがまだコンクリートを流し込んでもいない空き地に入っていくのとでは違いがあります。

ベダードと相性のいいチームはどこ?

 ここでは、どのチームがベダードと最も早く戦えるかを見てみましょう。水曜日の時点で、全体1位指名権獲得資格のあるチームを取り上げていることに注意してください。チームは最初のドラフト抽選に当選することで10位しか繰り上がりできないため、上位11チームのみが対象となります。

上位11チームのみが対象=基本的に、シーズン下位11チームのいずれかが全体1位指名権(一番最初に指名可能)を獲得できるようになっている。

 2022年から、(プレーオフに出場しなかった)下位チームから引き始める一次抽選を行い、それに当たった2チームは全体1位指名・同2位をそれぞれ指名可能。それ以外のチームは、レギュラーシーズンの勝ち点をベースとして、ドラフト指名順位が決定。

 「下位11チーム」と設定されているのは、シーズン中の順位から数えて、10ランク繰り上がるルールが有るため。

 例えば、下位11チーム以外のチームがドラフト指名順抽選に当選した場合、この仕組みを適用すると、全体1位指名権はもらえない(例:最下位から数えて14位のチームが抽選に当選した場合、全体4位までしか繰り上がらない)。

 いずれにせよ、前シーズン、最下位チームの全体1位指名権獲得が高確率になるよう設定されている。

 最短時間で最大限にコナー・ベダードを活用するのに、最適なチームはどこでしょうか。

※今回は、最もベダードの働きやすいチーム・ベスト3(あくまで予想)をお届けする。

讃岐猫
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ここ2〜3年の動きを見ただけでも、

ドラフト方式はコロコロ変わってるんだにゃ。

プレーオフに出なかった12〜16位までのチームって、

この方式だとモチベーション上がらないなぁ。

一番手は「赤い翼」

1.デトロイト・レッドウィングス

 2010年にスティーブ・アイザーマンがタンパベイ・ライトニングに(GMとして)入団したとき、2008年にドラフト1位のスティーブン・スタンコス(センター、33歳)、2009年に2位のビクター・ヘドマン(ディフェンス、32歳)という、

前の2シーズンで頑丈な柱を2つ加えたチームの基盤を発見したのです。

スティーブ・アイザーマン=カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州クランブルック出身の57歳。22年に及ぶ現役時代のポジションはセンター、レッドウィングス一筋。背番号19は永久欠番。引退後、タンパベイGM就任後はドラフトの達人となり、次々と有力選手を指名。

 それが結実したのが2015年のスタンレーカップ準優勝、NHLゼネラル・マネージャー・オブ・ザ・イヤー賞の受賞である。ライトニングのGMとしては初の栄誉となる。

 デトロイトに戻る前、アイザーマンがいくつかの素晴らしいチームを作り上げたことについて、軽視しているわけではありません。

 —ニキータ・クチェロフ(右ウィング、29歳)、アンドレイ・ヴァシレフスキー(ゴールテンダー、28歳)、ブレイデン・ポイント(センター、27歳)、アンソニー・チレリ(センター、25歳)を(ドラフトで)引き当てて、

印象的な「Battleship」ゲームで、次々と軍艦を駆逐するかのように、将来性豊かな選手たちを獲得していったのです。

 特にレッドウィングスで手渡されたものと比較すると、彼は非常に有利なスタートを切ったと言うだけのことです。

「赤い翼」現状と不足部分

 「アイザープラン」の主な欠陥は、チームを構築してくれて、エリートで基盤となるセンターの選手が存在しないことです。

 (センターの)ディラン・ラーキンは素晴らしいし、大好きな選手です。

 しかし彼は26歳で、最近、チェックしたところ、コナー・マクデイヴィッド、オーストン・マシューズ、ネイサン・マッキノン、レオン・ドレイサイトル、ジャック・ヒューズのクラス(全員、他チームのセンターであり、大スター選手)にはいません。

 これらの選手はすべてドラフトで上位3位以内に指名されましたが、これ(ドラフト指名)は再建中のデトロイトの問題となっています。指名選手の最高順位は、ルーカス・レイモンド(左ウィング、21歳)を獲得した2020年の全体4位でした。

 彼らの抽選運は非常に腐っていき、負けたシーズンの時間だけが浪費され、それを受けて現在のドラフトの抽選ルールが制定されたのです。

 (これについて、NHLがイリッチ家に与えた最も大きな譲歩だと言おうとしていましたが、その後、彼らが文字通りリーグを再編し、レッドウィングスのロードゲームをより早く開始できるようにしたことを思い出しました。)

イリッチ家=1959年、マイクとマリアン・イリッチ夫妻がリトル・シーザーズを創業。すぐにブルーライン・フード・サービスも開始され、レストラン・チェーンに食材やその他の製品を供給する一大企業となる。

 1982年、苦戦していたレッドウィングスを買収し、イリッチ家はスポーツ界に参入し、現在に至る。

 ミシガン州デトロイトを本拠とする、マリアン・イリッチ所有企業を管理するイリッチ・ホールディングス傘下には、多くの企業がある。レッドウィングスの他に、(そのアリーナ名はピザ・チェーンに因んでリトル・シーザーズ・アリーナ)、MLBのデトロイト・タイガース、

リトル・シーザーズ・ピザキット、フォックス・シアター等。

 現在のレッドウィングスは、基本的に太陽を探す太陽系のようなものです。ラーキンは正統派の選手です。モーリッツ・サイダー(ディフェンス、21歳)とルーカス・レイモンドは、2年目で苦戦しているものの、明るい未来を手にしています。

 サイモン・エドヴィンソン(ディフェンス、20歳)、マルコ・カスパー(センター、18歳。スウェーデン・ホッケー・リーグのレーグルBKでプレイ中)、セバスチャン・コッサ(ゴールテンダー、20歳。ECHLのトレド・ウォールアイでプレイ中)が次の波となります。

 ベテランのサポート陣、特にゴールキーパーのヴィル・フッソ(ゴールテンダー、28歳)がいます。

 もし彼らがベダードを入団させ、彼がマクデイビットやマシューズと同じ成長パターンに従ってくれるならば、2024-25シーズンが上手くすべてをまとめるシーズンとなるでしょう。

 サイダーが次の契約を結んだ後、2024年夏にはアイザーマンに莫大なキャップ・スペースが与えられ、ベダードを中心としたメンバーが形成されていきます。ウィングスの若い選手たちも成熟しているでしょう。

 種子はすべてデトロイトに植えられています。ベダードは彼らの「Miracle-Gro」になるでしょう。

Miracle-Gro=米国のScotts Miracle-Gro Companyと英国のEvergreen Garden Care Ltdによって作られたガーデン製品ブランドのこと。

讃岐猫
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イリッチ・ファミリーって何者なんだろにゃ?

この記事から行くと、かなりNHLへの影響力が強そう。

ベダードと「生きる伝説」とのタッグ?

2.ワシントン・キャピタルズ

 この思考実験について、NHLの役員に質問したところ、興味深い指摘をしてくれました。キャピタルズは、ここに挙げた他のチームよりもはるかにプレーオフ出場に近づいていたため、全体1位指名の確率が最も低いのです。

 つまり、論理的には、かなり優秀なチームに天才的なセンターが加わることになれば、そのチームが短期間でプレーオフに参加する可能性も出てきます。

 今シーズンのキャピタルズは、まさに中途半端な存在でした。

 例えば、5対5でプレイした際の予想ゴール数は15位(それだけ得点力が低い)でした。今季は怪我の影響が大きく、トム・ウィルソン(右ウィング、29歳)、ジョン・カールソン(ディフェンス、33歳)、ニクラス・バックストローム(センター、35歳)といった選手が、いずれもシーズンの半分以上を欠場してしまいました。

 でも、バンドを続けようと思ったときに、たまにアンプのヒューズが飛んでしまうケースもありますよね。

ベテラン選手との共存

 キャピタルズの来季の姿を予測するのは難しいため、キャピタルズへのベダード効果を予測するのは困難です。チームとは17人の選手が契約を結んでおり、キャップ・スペースは700万ドル強(約9億3000万円)です。

 年収平均780万ドル(約10億円)の契約を結んでいることから、ワシントンでのエフゲニー・クズネツォフ(センター、30歳)の将来についての憶測が高まっています。ここまで述べてきた選手たちは若くなりたいが、今のままの競争力を保ちたいとも思っています。

 キャピタルズのオーナー、テッド・レオンシスによると、チームはアレックス・オベチキン(左ウィング、37歳)と契約したと私に語ってくれました。ここで再契約して、勝利へのモチベーションを維持し、「チームの競争力を維持し、プレーオフチームになる」と言っています。

※テッド・レオンシス=ブルックリン出身の66歳。実業家、投資家、映画製作者、作家、慈善家、元政治家と活動範囲は異常に広い。Yahoo!とも関連深いAmerica Online (AOL)の元シニア・エグゼクティブ。

 日本でも馴染み深いNBAワシントン・ウィザーズのオーナーでもあり、サラリー・キャップ制反対論者でもある。

 彼の言葉を鵜呑みにしておきましょう。これが、この高い順位にキャピタルズを置く理由の一つです。オベチキンが通算ゴール数でウェイン・グレツキーを追い抜くために、(チーム内に)競争相手を置き続けることが最も確実な方法だと、彼らは考えているのです。

 もちろん、コナー・ベダードが彼にパックを渡すことで、そのプロセスはより促進されることになります。

讃岐猫
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オベチキンとベダードの共演なんて、

まるで夢物語みたいだにゃ。

まあ、抽選で指名権を引き当てるのは難しそう。

ベダード獲得の前に、選手の整理?

3. バンクーバー・カナックス

 NHLの優勝候補の構成要素を特定するのは非常に簡単ですが、育成ははるかに難しいものです。

 実際にカナックスには、ゴールテンダーのサッチャー・デムコ(27歳)、ディフェンスマンのクイン・ヒューズ(23歳)、センターのエリアス・ペターソン(24歳)などが在籍しています。

 彼らには、第2のペアをうまく固定できる他のディフェンスマンと、トップ6を固める他のセンターの人材が欠けています。

第2のペアを…、トップ6を…=アイスホッケーは交代制である。ディフェンスは2人一組なので、ヒューズがペアに入る最も強力なディフェンス・コンビがファースト・チョイスなのだが、今のカナックスでは、その次に来る2人を決められない。

 次にフォワードは3人一組で、最も強力なフォワード3人組のセンターはペターソンが入るとして、その次の3人組のセンターが不在。この2点の説明である。

 マジシャンであるベダードは、そのディフェンスマンにタイラー・マイヤーズ(33歳)やオリヴァー・エクマン=ラーソン(31歳)を優れた選手に変えられませんが、絶対にそのセンターのポジションには入れます。

 リック・トチェット監督のもと、このグループのプレーには勇気づけられました。2月1日以降の予想失点は8位で、1月23日に彼が監督に採用されてからは16-9-3となっています。有害な契約が乱立し、「乗客」の多すぎるロースターの全体像にはあまり勇気づけられません。

リック・トチェット=こちらの記事を参照のこと→

 裏で明らかに機能不全に陥っているのだから、なおさら勇気付けられません。

 ノース・バンクーバーの王子を思い描くことで、(チーム内に)完璧な雰囲気を醸し出すことができるでしょうが、ベダードはフランチャイズの病の治療薬ではありません。カナックスは強固な基盤を持っていますが、家を整える必要があります。

讃岐猫
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後編はいくつかのチームをピックアップして、お届けするにゃ!

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

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