NHLオフの主役!ヘイトンの去就とシェーン・ライトのトレード話

現役スター選手紹介

はじめに

 NHLのオフシーズンが活発に動くなか、ニュージャージー・デビルズとシアトル・クラーケンを巡るトレード市場が大きな注目を集めています。

 デビルズが仕掛けたオファーシートの動向や、それに伴う代替案としての若手センター、シェーン・ライトの移籍の可能性について、各チームの思惑や最新の統計データを基に詳しく解説します。複数チームの補強戦略と、若き才能の未来に迫る最新の動向を整理してみていきましょう。

参照記事:Yahoo Sports「Devils Trade Target: Shane Wright as Barrett Hayton Plan B?

参照記事:Hockey Patrol「The Kraken are expected to move on from Shane Wright and John Chayka should be the first call

デビルズによるヘイトンへのオファーシート提示とチームの現状

 ニュージャージー・デビルズはフリーエージェント初日に、バレット・ヘイトン(ユタ・マンモス)に対して1年契約で477万5,000ドルという条件のオファーシートを提示しました。

 この動きはユタ・マンモスにとって非常に厳しい判断を迫るものであり、約1週間以内にこの条件にマッチするか、あるいは見返りとして2027年の2巡目指名権を失って彼を手放すかの選択をしなければなりません。

 もしユタがマッチを見送り、ヘイトンを手放す決断を下した場合、彼はデビルズの3番手センター候補としてラインナップに組み込まれる可能性が浮上します。

 ニュージャージーのチームはこれまで、セカンダリーの得点力不足やセンターラインの安定した両面性における課題を長年抱えてきたため、彼の獲得は補強ポイントに合致します。

 しかし、マンモスがこのオファーシートにマッチした場合、ヘイトンはデビルズの選択肢から完全に外れることになります。

 とりわけユタ・マンモスが以前にトレード交渉の席から撤退していた経緯を考慮すると、今回のオファーシートにマッチすることは、チームとして彼を強く保持しようとする姿勢の明確な表れであると言えます。

【讃岐猫😹の深堀りコラム】戦略的撤退の裏に潜む「毒薬条項」――ユタとヘイトンの決別が意味するもの

 ニュージャージー・デビルズが、フリーエージェント初日にバレット・ヘイトンへ提示した1年477万5,000ドルのオファーシートは、2026年オフシーズンの移籍市場に最大の衝撃を与えた。

 この大胆な奇襲の背景には、直前のNHLドラフト時に両チーム間で進められていたトレード交渉が土壇場で決裂したという伏線が存在する。

 ユタ・マンモスが当時、合意間近とされた取引の席から急遽撤退した理由は、ヘイトンの持つ潜在的な市場価値を再評価し、より有利な条件での引き留め、あるいは別の絵図を描いていたためである。

 しかし、デビルズの新GMサニー・メータはこのユタの姿勢を逆手に取り、オファーシートという最も冷酷な手段で報復とも言える揺さぶりを仕掛けた。

 マスコミや専門家筋がこの攻防を「ユタにとって極めて不利な罠」と解説する理由は、NHLの労使協定が定めるオファーシートの厳格な規則にある。

 もしユタがデビルズの提示額にマッチしてヘイトンを残留させた場合、チームは今後1年間にわたり彼をトレードで放出することが一切禁止されるルールとなっている。

 つまり、マッチすることは2027年夏に彼が完全フリーエージェント(UFA)として無償で流出するリスクを抱えながら、今季の貴重なキャップスペースを縛られることを意味する。

 ユタは今オフに実力派センターのヴィンセント・トロチェックやアンダース・リーを補強したばかりであり、すでに前線の層は十分に厚い。これ以上の高額な投資をしてまで、将来的な資産回収が不可能な契約を結ぶ動機は薄いというのが評論家たちの一致した見解である。

 ヘイトン自身の能力についても、その評価は二分しているものの、決して過小評価されるべきではない。

 2025-26シーズンは67試合で10ゴール・15アシストと数字上の決定力には課題を残したが、5対5の局面における守備指標やゴール期待値の創出力といった高度なアドバンスド・スタッツではリーグ上位の極めて優秀な数値を叩き出している。

 このため北米メディアの多くは、ユタが関係の冷え切ったヘイトンを頑なに保持するメリットは皆無であり、おとなしくマッチを見送ってデビルズから見返りとなる2027年の2巡目指名権を受け取る道を選ぶと断定している。

 かつてトレード交渉を突っぱねたユタの強硬姿勢は、デビルズの冷徹な知略によって完全に封じ込められたと言える。

出典:

Sportsnet、「Devils submit offer sheet for Mammoth’s Barrett Hayton」、2026年7月1日

Pro Hockey Rumors、「Devils Tender Offer Sheet To Mammoth’s Barrett Hayton」、2026年7月1日

Daily Faceoff、「Barrett Hayton offer sheet is more complicated than you think」、2026年7月2日

The Hockey Writers、「2026 NHL Offseason Will Be Remembered for Years to Come」、2026年7月4日

 ヘイトンを巡る2025-26シーズンを振り返ると、細かなプレー面では非常に優れていたものの、決定力という点においては欠ける部分がある選手の姿を示していました。

 具体的には67試合に出場して10ゴール・15アシストの計25ポイントを記録しており、試合における平均出場時間は15分07秒という数字でした。

 そのため、成績が回復するポジティブな回帰候補と彼は見なされており、過去に2024-25シーズンで達成していた20ゴール水準に戻る可能性があると評価されています。

 5対5のイーブン・ストレングスでの守備評価はフォワード中90パーセンタイル、ゴール期待値(xG/60)も74パーセンタイルと、基礎指標では非常に高水準を維持しています。

デビルズがオファーシートを提示した、バレット・ヘイトンの2025-26シーズンにおけるトッププレー集です。

ヘイトン獲得失敗時に浮上する代替案ライトのデータと柔軟性

 ヘイトンの基礎指標はシーズンごとの安定した守備基盤を裏付けており、複数年で見るとEVディフェンスは94パーセンタイルに達しています。対照的に目立った課題は決定力で、シュート成功率は1パーセンタイル、単年WARも5パーセンタイルと低迷しました。

■ EVディフェンス(Even-Strength Defense)

 両チームのオンアイス(氷上)の選手数が同数(主に5対5、またはペナルティによる4対4や3対3)の状況における「失点抑制能力」および「守備的貢献度」を評価する指標。

 アイスホッケーのアドバンスド・スタッツにおいて、守備力は単純な失点数やプラスマイナス(+/-)だけでなく、選手が氷上にいる間に相手チームに許したシュート試行数(Corsi Against)、枠内シュート数(Fenwick Against)、およびシュート位置や角度から算出される「失点期待値(Expected Goals Against: xGA)」などを基に総合的にモデル化される。

 本文中における「EVディフェンスが94パーセンタイルに達している」という表現は、リーグ全選手(または同ポジションの選手)の上位6%に含まれる高水準な守備基盤を持っていることを意味する。

 パワープレー(数的優位)やペナルティキル(数的不利)といった特殊な状況を除いた、試合の大半を占める均等な人数状況において、相手の決定機を極めて効果的に抑え込んでいることを裏付ける指標である。

■ シュート成功率(Shooting Percentage)

 放った総シュート数(枠内シュート数:Shots on Goal)のうち、実際にゴールネットを揺らして得点に至った割合(得点数÷枠内シュート数)を示す指標。

 ホッケーにおける個人のシュート成功率は、選手のシュート技術(決定力)だけでなく、シュートを打った位置、相手ゴールの状況、さらには「運(バウンズの偏り)」の要素に大きく左右される。一般的にフォワードの平均値は10%前後、ディフェンスマンは5%前後となることが多い。

 本文中の「1パーセンタイル」という数値は、リーグ内で最下位クラス(下位1%)の極端な低水準であったことを意味する。これは、ヘイトンが多くのシュート機会を得ていた、あるいは枠内へ飛ばしていたにもかかわらず、ゴールキーパーの好セーブに阻まれたり、ポストに嫌われたりしたことで、記録上の決定力が著しく低下していた状況を示す。

 多くの場合、このような極端な低数値は一時的な「不運(リーグ平均への回帰前)」として捉えられることもあるが、単年における得点貢献の足を大きく引っ張る要因となった。

■ 単年WAR(Single-Season Wins Above Replacement)

 対象となる「単一シーズン(1年間)」において、その選手が「リプレイスメント・レベル(代替可能レベル:下部リーグから容易に昇格させられる、または自由契約から獲得できる控え級の選手)」と比較して、チームの「勝利数」をどれだけ積み上げ、貢献したかを算出する総合評価指標。

 WARは、オフェンス(EV・パワープレー時)、ディフェンス(EV・ショートハンド時)、ペナルティ奪取・被ペナルティ数など、あらゆる局面のスタッツを網羅的に数値化し、「ゴール数(GAR:Goals Above Replacement)」に換算したのち、それを勝利数(Wins)に変換して算出される。

 これにより、ポジションや役割の異なる選手同士の貢献度を同一の尺度の「勝利数」として比較することが可能となる。

 本文における「単年WARも5パーセンタイル」という記述は、当該シーズンにおける総合的なチーム勝利への貢献度が、リーグ全選手の下位5%に沈んでいたことを示す。

 EVディフェンスにおいて94パーセンタイルというリーグトップクラスの守備貢献を見せていた反面、前述した「シュート成功率1パーセンタイル」に象徴される極端な攻撃面の不振(決定力不足)が相殺して余りあるほどのマイナスとなり、シーズン単体で見ると、代替選手を起用した場合と大差ない、あるいはそれ以下の総合評価になってしまったことを浮き彫りにしている。

 ここで浮上するのが、シアトル・クラーケンのシェーン・ライトという興味深い代替案です。

 ライトの成績もボックススコア上では似た構図で、74試合で12ゴール・15アシストの27ポイント、出場時間は13分48秒でした。

 オフェンス面の評価では32パーセンタイルとヘイトンより低いですが、ゴール効率は48パーセンタイル、一次アシストは53パーセンタイルと、よりバランスの取れた数字を示しているのが特徴です。

 シュートの位置分布も両者は似ており、外周ではなくネット前など高確率ゾーンでのプレーが中心です。スケーティング面では、時速20マイル以上のスプリント到達率でライトは84パーセンタイル、ヘイトンの86パーセンタイルとほぼ同等で、最高速度もごく僅差です。

■ ゴール効率(Goal Efficiency / Finishing Ability)

 単なる総得点数ではなく、その選手が放ったシュートの質や量に対して、「どれだけ効率的にゴールに結びつけたか」を評価する指標。

 多くのアドバンスド・スタッツ・モデルでは、シュートを打った位置、角度、状況(リバウンドやラッシュなど)から算出される「失点・得点期待値(Expected Goals: xG)」と、実際の「ゴール数」の差分(Goals Above Expected)などをベースにパーセンタイルが算出される。

 本文中における「48パーセンタイル」という数値は、リーグの平均値(50パーセンタイル)とほぼ同等であることを意味する。

 ヘイトンが「シュート成功率1パーセンタイル」という極端な低迷(チャンスの数に対して極端にゴールが少なかった状態)だったのに対し、ライトは自身のシュート機会や期待値に対して、リーグ平均に近い標準的な決定力・効率性でしっかりとゴールを決め切っていたことを示している。

■ 一次アシスト(Primary Assists / 1st Assists)

 ゴールが生まれた際、その得点者に「直接パスを回した(最後にパックに触れた)選手」に記録されるアシスト。アイスホッケーの公式記録では、ゴール前に最大2人のパス貢献者に対してアシスト(一次および二次)が付与されるが、アドバンスド・スタッツではこれらを明確に区別する。

 二次アシスト(Primary Assistを記録した選手へ事前にパスを出した選手)は、チームのシステムや偶然の要素(パスを回した後に味方が個人技で持ち込んだ場合など)が絡みやすく、選手の純粋なチャンスメイク能力を評価する上では、直接ゴールをお膳立てした「一次アシスト」のほうが遥かに信頼性が高いとされる。

 本文中の「53パーセンタイル」は、均等人数時(5対5など)において、リーグのFW陣の中で平均をわずかに上回るレベルの「直接的なラストパス・チャンスメイク貢献度」をコンスタントに記録していたことを裏付けている。

■ 時速20マイル以上のスプリント到達率(20+ mph Speed Bursts Percentile)

 NHLの公式スマートカメラおよびチップトラッキングシステム「NHL EDGE」によって計測される、選手の瞬間的なスケーティングスピードに関するスタッツ。試合中に選手が「時速20マイル(約32.2km/h)」以上の爆発的なスプリント(加速・急襲運動)を記録した回数を集計し、リーグ内の全選手と比較したパーセンタイルである。

 ホッケーにおいて最高速度(Top Speed)の単発記録は、ロングカウンターなどの特殊な状況で生まれやすいが、「時速20マイル以上の回数(Speed Bursts)」は、試合を通じてどれだけ頻繁にトップスピードに近い推進力を発揮し、バックチェック(守備への戻り)やフォアチェック(前線からのプレッシャー)でインテンシティ(プレー強度)を保てていたかという、実戦的な走力を示す。

 ライトの「84パーセンタイル」という数字は、リーグの上位16%に位置する優れた俊敏性と脚力を持っていることを証明している。ヘイトン(86パーセンタイル)とほぼ同等であることから、両者ともにリーグトップクラスのスピードを武器に、インテンシティの高いスケーティングを繰り返すことができる現代的なプレースタイルであることを示している。

 最大の違いは年齢と成長曲線にあります。

 ヘイトンは26歳で、やや低調なシーズンを経て多年平均WARは58パーセンタイルにとどまりますが、それ以前はより高い水準を示していました。一方ライトは22歳で、36パーセンタイルの多年評価ながら、2024-25シーズンにはより生産的な数字を残しています。

 またライトは全体4位指名という高い評価を受けており、来季終了までは約88万7,000ドルという格安のエントリーレベル契約にあり、その後は制限付きフリーエージェントとなります。このサラリーの柔軟性はデビルズにとって重要な要素です。

 両選手ともに、ミドル6センターとして3番手ラインを問題なくこなせるプロファイルを持っています。ヘイトンはより実績のある攻守両方向の安定性とゴール期待値を上げる創出力を備え、ニュージャージーが近年デッドラインで求めてきた下位6人の得点補強像に合致します。

 一方、ライトは右利きのセンターで、決定力と危険地帯への関与にポテンシャルを示しています。クラーケンが放出に前向きな背景には、既存のセンター陣の後ろに回り、出場機会が限られていることへの不満もあるからです。

 ニュージャージーでも似た状況になるかもしれませんが、ジャック・ヒューズの負傷歴やウイングへの移動の可能性を考えればチームに柔軟性は残されており、相性の良いラインメイトを得ることでさらなる成長を引き出す可能性があります。

ライトの鋭さを感じさせるゴールシーンやスケーティング能力を見ると、一級品であることに疑いはないのだが…。

クラーケンがライト放出を検討する背景と双方の現在の関係性

 ただしライトの獲得には、ヘイトンの取引不成立時に失う2巡目指名権より大きなコストがかかります。シアトルは相応の見返りとして指名権と有望株、またはロスター選手の組み合わせを求めると見られており最大の懸念です。

 また彼の2025-26シーズンの守備指標はヘイトンより低く成長のばらつきも指摘されますが、低キャップヒットで4年間のチームコントロールをもたらす利点もあります。

 シアトル・クラーケンは現在非常に微妙な立ち位置にいます。NHLの中で最悪のチームではありませんが、競争力のあるチームとして完全に完成しているとも言い難い状態です。

 マッティ・ベニアーズ、ジャレッド・マッキャン、新たに加入したマッキー・サモスケヴィッチといった優れた選手に加え、ジョーダン・エベールやチャンドラー・スティーブンソンといったベテランも抱えていますが、まだ次のレベルには到達しておらずロスターの大きな変更を検討しています。

 チームは主力級の移動を含めて検討中で、全盛期にあるフォワードのイーリ・トルバネンをフリーエージェントで失うリスクもあります。

【讃岐猫😹の深堀りコラム】停滞する「中位のぬかるみ」:シアトル・クラーケンが直面する構造的ジレンマ

 シアトル・クラーケンは現在、北米の有力ホッケーメディアから「中位のぬかるみ」に囚われていると冷酷に評価されている。2025-26シーズン終盤の急激な失速によってプレーオフを逃したチームは、フロントの体制変更や外部機関による組織監査を進めている真っ最中である。

 しかし、戦力の抜本的な改善に向けた明確なビジョンはいまだ見えてこない。

 評論家たちが指摘する最大の弱点は、ロスターに「使い勝手の良い選手」は揃っているものの、単独で試合を支配できる「偉大なスター選手」が一人も存在しない点である。

 ジャレッド・マッキャンや新たに加わったマッキー・サモスケヴィッチらは確かに優秀な戦力だが、彼らだけでリーグの並み居る強豪と渡り合い、チームを次のステージへ引き上げるには明らかな限界がある。

 さらに、2026年7月現在の移籍市場の環境もクラーケンに逆風となっている。NHL全体のサラリーキャップが1億4000万ドルへと大幅に引き上げられたことで、各チームは主力選手を容易に囲い込めるようになった。

 大物選手を狙ったトレードやフリーエージェント市場での交渉は難航を極めており、シアトルの補強戦略は著しく制限されているのが実状である。

 一方で、クラーケンはリーグトップ5に数えられる非常に優秀な若手育成プールを保有している。2026年ドラフト1巡目で獲得したディフェンスのチェイス・リードや、有望株のジェイク・オブライエンらは将来のコアを担う大器である。

 しかし、メディアからはチームが目先の勝利のためにベテランを重用し、若手の出場機会を奪っているという育成システムへの批判が根強い。

 マスコミの間では、中途半端に勝利を追い求めてベテランのフリーエージェント補強に走るのではなく、現有のベテランを放出して資産を集める本格的なリビルドに舵を切るべきだという意見が主流を占める。

 このまま中途半端な補強を続ければ、来シーズンもウェスタン・カンファレンスの10位前後に沈み、凡庸な成績を繰り返すだけの結果に終わる可能性が極めて高いと断定されている。

 要するに、現在のシアトルは未来のスター育成と目先の勝利との狭間で身動きが取れなくなっている。ジェイソン・ボテリルGMがこのオフにどのような舵取りを行うかが注目されるが、主力級を絡めた劇的なトレードを断行しない限り、このぬかるみから脱出する道は険しい。

 評論家たちの冷徹な視線は、この構造的な停滞感に向けられている。

出典リスト

Sound Of Hockey, “Five Seattle Kraken offseason objectives“, 2026年6月2日

Pacific North Hockey, “Kraken 2026-27 Outlook: Now, The Bad News“, 2026年5月20日

Sound Of Hockey, “Seattle Kraken 2026 offseason priorities“, 2026年5月19日

 そのため10月時点でどのような形になっているかは不透明ですが、ラインナップから外れる可能性がある名前としてシェーン・ライトが挙がっています。若きセンターはトレードの噂が出続けており、チーム側も22歳の彼をどう評価すべきか確信を持てていません。

 評論家エリオット・フリードマン氏によると、クラーケンとライトは双方にとって新たなスタートが最善だと考えています。2024-25シーズンには79試合で44ポイントという非常に堅実な成績を残したものの、その後は71試合でわずか27ポイントにとどまり、フェイスオフの数字も平均以下となりました。

 パフォーマンスが後退したように見え、クラーケン側は現状の成績に対して満足していない模様です。

 現在クラーケンとライトの間には契約延長に関する大きな進展はなく、双方が別々の道を歩むことが最善かもしれないという認識を持っています。

 またライトの代理人もトレードの話し合いがあった事実を認めており、GMのジェイソン・ボッテリルと前向きな話し合いを行い、この夏にトップの若手センターを必要としているチームへの移籍に同意していると公式に明かしています。

メープルリーフスがライトの新天地として理想的とされる理由

 シアトルが公式にライトをトレードすると発表したわけではないものの、リーグ全体としては両者が実際に取引成立に向けて動いているという見方が広がっています。

 他チーム幹部によれば、チームと代理人の間には協力して進める合意はあるものの、クラーケン側は適正な対価を強く求めており、望まない条件で急かされて動くことはないという姿勢を明確にしています。

 報道によれば、ライトはより多くの出場機会を求めており、代理人もトップセンターを必要とするチームへの移籍を模索しています。その点でトロント・メープルリーフスは彼が再出発するには理想的な場所と言えます。

 もし加入すれば、ウィリアム・ニーランダーやオーストン・マシューズ、ジョン・タバレス、そしてギャビン・マッケナといった強力なサポート陣が揃っており、これまでのキャリアで最も恵まれた環境になることは間違いありません。

 彼が第2センターに入ることでタバレスを下位へ下げ、チーム全体の攻撃力を大きく高めることもできます。トロントはちょうど2人の守備的センターと契約しており、1人はトレードで獲得し、さらにジャック・ロズロヴィックも状況次第でセンターを務められる選手として加わったところです。

 枠は多くありませんがブルーガーはウイング経験もあり、シソンズやブランドン・デュハイムと同じラインで無理なく機能します。

 さらに層の厚さとしてスティーブン・ロレンツやダコタ・ジョシュアも控えています。ただし課題もあります。ライトはフェイスオフの実績があまり良くなく、一方でタバレスは近年でも屈指のフェイスオフ巧者です。

 この点を考えると、ライトがその役割をすぐに奪うのは簡単ではありません。少なくとも、タバレスがフェイスオフを担当し、ライトがフェイスオフ勝利後すぐに交代するようなシステムに適応していく必要があります。

【讃岐猫😹の深堀りコラム】幻想の「最高環境」:シェーン・ライトにトロントの居場所はあるか

 2026年7月のオフシーズン、シアトル・クラーケンのシェーン・ライトがトレードを志向していることが明らかになり、移籍市場は大きな騒動に揺れている。

 彼の代理人であるカート・オーバーハルトがGMジェイソン・ボテリルと移籍の方針で合意したと認めたことで、新天地としてトロント・メープルリーフスを推す声も一部で浮上した。

 ウィリアム・ニーランダーやオーストン・マシューズといった豪華なタレントが揃うトロントは、ライトにとってキャリアを再生させるための「最高のサポート環境」に見えるかもしれない。しかし、北米メディアのシビアな視点や評論家の分析を紐解くと、この適合論には大きな疑問符が付く。

 最大の障壁は、トロントが形成している過剰とも言えるセンターラインの厚みと、ライト自身のパフォーマンスの停滞である。ライトは2025-26シーズンに71試合27ポイントと大きく成績を落とし、ボトムシックスでの限定的な役割に不満を募らせていた。

 一方で、現在のトロントのロスターには、絶対的なエースであるマシューズをはじめ、マックス・ドミ、ダコタ・ジョシュア、スティーブン・ロレンツ、さらにはテディ・ブルーガーやコルトン・シソンズといった実力者が並ぶ。

 この飽和状態において、直近の守備指標が低く、成長のばらつきが指摘される22歳の若者を、即座に第2センター(2C)として迎え入れる余地は極めて限定的である。

 さらに致命的なのは、専門指標における適合性の欠如、とりわけフェイスオフの課題である。トロントは長年、ジョン・タバレスというリーグ屈指のフェイスオフ巧者を擁してセンターの支配力を維持してきた。

 対するライトはクラーケンでフェイスオフ成功率が平均以下を記録しており、これが重要な局面での起用を躊躇させる要因となっている。評論家の間でも、タバレスの負担を軽減するどころか、ライトのフェイスオフの弱さがチームのポゼッションを悪化させるリスクが懸念されている。

 また、クラーケン側がライトのトレードに対して「適正な高い対価」を求めていることも、財政的柔軟性を考慮するトロントにとって大きな足かせとなる。

 結果として、メディアや解説陣は、ライトが今すぐトロントの2Cに収まるというシナリオを現実的とは見ていない。

 むしろセンター不足にあえぎ、かつて2022年ドラフトで彼をパスした因縁を持つモントリオール・カナディアンズなどのほうが、彼に十分な出場時間と成長の機会を与えることができる現実的な選択肢として有力視されている。

 豪華なメンバーに囲まれる幻想的な環境よりも、今のライトに必要なのは、自身のフェイスオフ技術を磨き、失われた得点効率を取り戻すための、忍耐強い出場時間の確保に他ならないのである。

出典リスト

Sound Of Hockey, “What’s next for Shane Wright and the Kraken?“, May 4, 2026

The Hockey Writers, “Kraken News & Rumors: Wright Trade Discussions, Free Agency & More“, July 5, 2026

The Hockey Writers, “NHL Rumours: Robertson Arbitration, Jack Hughes to Wild & Wright To Habs?“, July 5, 2026

 さらにライトは契約最終年にあり、今夏には新契約が必要となります。シアトルが現時点で彼の保持に消極的であるなら再契約の可能性は低いです。シーズンの内容のジャッジ次第では、より安価な契約でサインすることになり、その上でトロントが最適な場所だと期待する形になる可能性もあります。

 現時点ではライトは放出候補にあり、クラーケンが動くのは時間の問題です。その際、トロントが最前線にいることが期待されています。

讃岐猫
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まとめ

 デビルズによるオファーシート提示から始まった今回のセンター補強を巡るドラマは、シェーン・ライトという若き才能のトレード動向へと波及し、リーグ全体を揺るがす大きな局面を迎えています。

 ヘイトンの去就次第でデビルズの戦略は変わりますが、ライトがクラーケンを離れてメープルリーフスなどの新天地へ向かう可能性も含め、この夏のロスター再編が各チームの未来を大きく左右することは間違いありません。

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