スタンレーカップ・プレーオフ開幕!注目点を徹底ガイド!【前編】

アイスホッケー名勝負

はじめに   

 いよいよ2022-23シーズンの総仕上げ、スタンレーカップ・プレーオフ1回戦が開幕しました。32番めのチームとしてリーグに参戦したシアトル・クラーケンが、チーム創設2年目で、見事プレーオフ進出という奇跡が、まず見どころの一つと言えるでしょう。 

 それ以外にも見どころ多数のプレーオフなのに、「NBAプレーオフは注目しているけど、NHLのは風の噂にしか聞いたことないなぁ」という方に、今シーズンのNHLに何が起きて、どんなメンツがプレーオフ進出へと到ったのかが、今回の記事内容です。 

 個人的には、NHLに限らず、北米4大スポーツのどれでも、ワイルドカードでプレーオフ進出を果たしたチームがどこまで食い下がれるか、一番の楽しみにしています。   

讃岐猫
讃岐猫

毎年、NBAもNHLもほぼ同時期プレーオフ開催なので、

楽しみは2倍・2倍!(ジェシー高見山風に・古い!)なんだにゃ。

引用元:ESPN.com「Stanley Cup playoffs: Guide to top storylines, players to watch」。

「ちょっとNHLのプレーオフも見てみようか」と考えている方へ 

 ナショナルホッケーリーグに一般的な関心を持っているが、昨年、コロラド・アバランチがタンパベイ・ライトニングの三連覇を阻止して、スタンレーカップを挙げて以来、何が起こったのかわからないファンへのサービスとして、2023年スタンレーカップ・プレーオフへのガイドとして、このFAQを喜んで提供します。 

 熱狂的なパックヘッズのあなたへ:試合開始前の公式復習はこちら。楽しんで! 

パックヘッズ=NHLプレーヤー、レジェンド、コーチ、プロの実際のライフストーリーに基づいたコメディ・ドラマのことか。あるいは、このドラマを見るように、ライトな感覚でNHLを楽しんでいるファンを指しているのか。 

今世紀最強?記録づくめのブルーインズ 

 待って、2023年のスタンレーカップのトーナメントを開催するんだって?ボストン・ブルーインズに渡すべきではないのか? 

 もしNHLが、単刀直入にレギュラー・シーズンの強豪へ聖杯を渡すようなことがあったら、それはボストン・ブルーインズに対してだったでしょう。 

 ジム・モンゴメリー新監督の元、FWブラッド・マーシャン(左ウィング、34歳)、DFチャーリー・マカヴォイ(ディフェンス、25歳)がオフシーズンの手術のために開幕から欠場したため、ボストンには優勝への窓が閉ざされたのではないかという多くの声があり、疑問に思われながらシーズンに入りました。 

 フリーエージェントとなったセンター、パトリス・ベージェロン(センター、37歳)とデビッド・クレイチ(センター、36歳)は違った考えを持ち、カップ戦への再挑戦のためにチームと再契約を結びました。結局のところ、彼らのそういう行動は賢明な判断でした。 

ざっと記録を見ただけでも… 

 今シーズンのブルーインズの功績を簡単に紹介します: 

 NHL1シーズン勝利数記録(65) 以前、1995-96シーズンのデトロイト・レッドウィングスと2018-19シーズンのタンパベイ・ライトニングが保持していた(62)。 

 1シーズンの勝ち点のNHL記録(135) 以前、1976-77シーズンのモントリオール・カナディアンズが保持していた(132)。 

 アトランティック・ディビジョンにおいて、1位を終始独走。 

 NHLのシーズン開幕ホーム連勝記録(14)。 

それ以前は、シカゴ・ブラックホークス(1963ー64)とフロリダ・パンサーズ(2021-22)の11。 

 NHLの最多ロード勝利記録(31)はタイ記録。 

もう1チームは、デトロイト・レッドウィングス(2005-06)。 

 NHL史上初、1シーズンに7試合以上のロード連勝を3回以上記録したチーム。 

 ホーム・アンド・アウェーの勝利数(ホーム勝利数は41試合で34、アウェイ勝利数は31)でフランチャイズ記録を樹立。 

 NHL史上5人目の60ゴール以上をマークしたスコアラー(デビッド・パストルナック〈右ウィング、26歳〉、61)と、勝利数でトップのゴールテンダー(ライナス・ウルマーク〈29歳〉、40)がいます。 

 得失点差でダラスを61点上回り、エクスパンション時代(1967-68年以降)で、得失点差が60以上の2位チームを上回った3番目のチーム(70−71シーズンのブルーインズ、76−77シーズンのカナディアンズ)となりました。 

 勝利数、得点数、平均得点数、ペナルティ・キル、第1ピリオドまたは第2ピリオドでリードした後の勝利数、相手より先に得点したときの勝利数、相手が最初に得点したときの勝利数でも、NHLのトップです。 

ペナルティ・キル=283回の機会で、成功率は87.28パーセント。2位は、ハリケーンズが記録(84.38パーセント)。 

今シーズン、ブルーインズによって打ち立てられた記録についての詳細はこちら→

讃岐猫
讃岐猫

公式サイトの試合結果をいつチェックしても、

「ブルーインズ勝利」ばかりだったにゃ。

たまに負けても、「あー、どうせ次勝つでしょ」と思っていたら、

倍返しみたいに勝っている^^;。

プレジデンツ・トロフィーを獲得したチームは… 

 ブルーインズはプレジデンツ・トロフィーも獲得しましたが、今では呪われているため、おそらくスタンレーカップを獲得できないでしょう。 

プレジデンツ・トロフィーの呪いとは何ですか? 

 リーグ最高の成績(特に勝利数)を残したチームに贈られる、プレジデンツ・トロフィー受賞チームは過去に36あります。スタンレーカップ決勝に進出したのはわずか11チームで、そのうち、カップを掲げたのはわずか8チームでした。 

 サラリーキャップ時代(2005-06シーズン以降)の3チームだけがプレジデンツ・トロフィーを獲得し、スタンレーカップ決勝に進出しています。 

3チーム=2007ー08シーズンのデトロイト・レッドウィングス、2010ー11シーズンのバンクーバー・カナックス(準優勝)、2012ー13シーズンのシカゴ・ブラックホークス。 

 近年、ますます厳しくなっています。2013-14シーズン、NHLがワイルドカード方式に変更して以来、スタンレーカップ決勝に進出したプレジデンツ・トロフィーの勝者は1人もいません。 

勝者は1人もいません=最高位は、2014ー15シーズンのニューヨーク・レンジャーズのカンファレンス決勝進出(タンパベイ・ライトニングに敗退)。 

最強ブルーインズへの刺客 

 あのタンパベイ・ライトニングが打ち立てた、チームの勝ち点記録を抜いたブルーインズも同じ目に遭うのですか? 

 かつて(2018−19シーズン)プレーオフ1回戦で、コロンバス・ブルージャケッツが、そのタンパベイに4戦ストレートで勝った時、ゴールを守っていた選手が、今度のブルーインズの1回戦の相手、フロリダ・パンサーズの守護神セルゲイ・ボブロフスキー(34歳)なのです。 

(昨オフシーズン、パンサーズが大型トレードで獲得した、MVP候補のマシュー・トカチュク〈左ウィング、25歳〉も同様です)。 

讃岐猫
讃岐猫

すでにパンサーズとの第1試合は終了しているにゃ。

結果は…、うーん、恐るべし…とだけ言っておこう。

両雄、またも1回戦で激突! 

え?リーフスとライトニングがまた1回戦で? 

 現在のプレーオフ形式では、そう判断されるのです! 

 2004年以来、プレーオフ・シリーズで勝利していないリーフスの典型的なチーム崩壊の後、昨シーズン、タンパベイはトロントを7試合で敗退させました(タンパベイの4勝3敗)。 

プレーオフ・シリーズで勝利していない…=2016−17シーズン以降、パンデミック禍に見舞われ、例外的形式で行われた2019ー20シーズン以外、メープルリーフスは1st Rnd.を勝ち抜けていない。 

 さらにロックアウトの翌年、2005−06シーズン以降、7季連続プレーオフに進出していない。 

 しかし、その連勝は、ここで終わるかもしれません。順位表で、トロント(勝ち点111)はライトニング(98)よりも13ポイント上回っています。 

 リーフスは40ゴールを挙げたオーストン・マシューズ(センター、25歳)とウィリアム・ナイランダー(右ウィング、26歳)、ミッチ・マーナー(右ウィング、25歳。99ポイント)、ジョン・タバレス(センター、32歳)ら、1試合1ポイントのペースでプレーできる攻撃的な選手が揃っています。 

 イリヤ・サムソノフ(ゴールテンダー、26歳)が、(リーフスが勝つかどうか、)その答えとなるゴールを見つけるでしょう。 

 トレード期限日に、セントルイスから獲得したライアン・オライリー(センター、32歳)もいます、かつてプレーオフでMVPを獲得した経験を持っていて、彼のポストシーズンの経験や知識が、彼とホッケーをするたびにチームに浸透し、チームメイトに伝わっています。

 ライトニングは3シーズン連続でスタンレーカップ決勝に進出し、昨シーズンのポストシーズンでコロラド・アバランチに敗れるまで、連続してカップを獲得していました。ジョン・クーパー監督率いるチームに、ロースターの減少が追い討ちをかけたのでしょうか。 

ジョン・クーパー=カナダ、ブリティッシュコロンビア州プリンスジョージ出身、55 歳。NHLでの選手歴はなく、大学時代はラクロスのプレーヤー。2012ー13シーズン途中から、ライトニング監督に就任、以来同チーム一筋、現在、NHLで最も長く在籍しているコーチである。 

 タンパはディフェンスのライアン・マクドナー(ディフェンス、33歳。ナッシュビルにトレード)とクラッチ・フォワードのオンドレイ・パラト(左ウィング、32歳。ニュージャージーと契約)を相次いで失ったことで、ずっと苦しい状況にあります。 

 しかし、ライトニングはまだスティーブン・スタンコス(センター、33歳)、ビクター・ヘドマン(ディフェンス、32歳)、ニキータ・クチェロフ(右ウィング、29歳)、ブレイデン・ポイント(センター、27歳)、そして特にアンドレイ・ヴァシレフスキー(ゴールテンダー、28歳)という基盤を持っています。つまり、どのシリーズでもチャンスがあるのです。

大ベテラン2人がプレーオフの場にいない! 

 しかし、どんなチャンピオン(チームも選手も)にも、「時」が訪れます。この春、自宅からプレーオフを観戦するシドニー・クロスビー(センター、35歳)とアレックス・オベチキン(左ウィング、37歳)に、(次の件について)聞いてみてほしいです。 

 なぜ、ピッツバーグ・ペンギンズとワシントン・キャピタルズは、プレーオフに進出できなかったのですか? 

 クロスビーとオベチキンが新人だった2005-06シーズン以来初めて、キャピタルズもペンギンズもプレーオフに進出できませんでした。キャピタルズでは、ジョン・カールソン(ディフェンス、33歳)やトム・ウィルソン(右ウィング、29歳)といった選手が負傷欠場し、2006-07シーズン以来の最悪のポイント獲得率で終了しました。 

 ペンギンズはプレーオフの運命を握っていながら、シーズン最終週にしくじってしまい(低迷するブルージャケッツに3-2の僅差で敗れる。その前の節で、これまた下位のブラックホークスに5-2で敗れているのだが)、16年間続いたポストシーズン出場権獲得が終わるのを見てしまいました。 

 両チームには、すでに影響が及んでいます:キャピタルズはピーター・ラヴィオレット監督と「相互に袂を分かつ」ことになり、一方、ペンギンズは、ゼネラルマネージャーのロン・ヘクストールと球団社長のブライアン・バークの両名を解雇し、フロントオフィスの大掃除を行いました。 

ピーター・ラヴィオレット=米国、マサチューセッツ州フランクリン出身、58歳。現役時のポジションはディフェンス。現役時、NHLには12試合しか出場していないものの、3チームをスタンレーカップ・ファイナルに導いた監督として、NHL史上4人目。 

 2021年10月13日、NHL監督として647勝目を挙げ、アメリカ生まれの監督では、ジョン・トルトレラを抜いてリーグ史上最多となる。 

ロン・ヘクストール=カナダ、マニトバ州ブランドン出身、58歳。現役時のポジションはゴールテンダー。現役時フライヤーズの守護神として君臨、ゴールエリアから出てパックをプレーすることで、ディフェンスをサポートする彼の機動的なプレースタイルは、革命的と言われた。 

ブライアン・バーク=米国、ロードアイランド州プロビデンス出身、67歳。ハーバード・ロー・スクールで博士号を取得する強者であるが、キレ者である分、敵も多く批判にさらされ続けてきた。 

 2021年、ペンギンズ入りしたが、今シーズン、16年連続プレーオフ入りを逃したことで、責任を取らされる形となった。 

讃岐猫
讃岐猫

今シーズン、通算ゴール数歴代2位になったオベチキンが、

華やかなプレーオフの舞台にいないのは、やはり寂しいにゃ。

シーズン中盤までのキャピタルズはそれで沸き返ってたけど、

だんだん尻すぼみに…。

大ベテランに取って代わるのは… 

 キャップス(キャピタルズ)とペンズ(ペンギンズ)が脇に置かれた状態で、メトロポリタン・ディビジョンの候補者は誰になるのでしょうか? 

 カロライナ・ハリケーンズは3シーズン連続でメトロポリタンを制し、ワイルドカードのニューヨーク・アイランダーズと1回戦で対戦します。 

 アイランダーズは、2月中旬から離脱していたセンターのスター選手マシュー・バルザル(センター、25歳)が復帰する見込みで、タイミングよく健康を取り戻しつつあります。 

 一方のハリケーンズは全く逆の様子です。ウィンガーのマックス・パチョレッティ(左ウィング、34歳)が2度めのアキレス腱断裂で1月から、3月からアンドレイ・スベチニコフ(右ウィング、23歳)もそれぞれ離脱しています。 

 この試合は、NHLで2番目に守備力の高いチームであるカロライナ(失点213は、1位ブルーインズの177に次ぐ)と、イリヤ・ソロキン(27歳)というリーグ最高のGKの一人を獲得したアイランダーズとの間の、激しい戦いになるかもしれません。 

まとめ 

 今回も前編・後編になってしまい、読みづらくてすいません^^;。ライトニングとメープルリーフスの再戦の行方、記事にあるように、今季のリーフスはズラッと攻撃的選手を揃えており、少々早い時間帯に失点しても、すぐに取り返せる余裕があります。 

 ただし、昨シーズン同様、7戦までもつれ込みそうになると、流石に地力のあるライトニングも攻撃パターンに慣れてきますから、リーフスとしては、早めに決着を付けたいかもしれません。実力者同士による1回戦屈指の好カード、玄人ファンにウケる試合になりそうです。 

 それでも、ブルーインズが根こそぎプレーオフの話題をかっさらい、一番光り輝く聖杯を頭上に掲げそうではあります。この記録づくめのチーム、その行く手を阻むチームがあるのでしょうか…。

讃岐猫
讃岐猫

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

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