はじめに
NHL.TVを見ていて、ふと思ったのですが、今シーズンの女性リンクサイド・レポーターは好みのタイプの方が多いです^^;。NHLではピリオド間のインターバルの他に、CM放送中、選手を休ませるためにプレーが一旦止まることもあり、レポーター陣の活躍する機会は多いです。
そんなレポーターや試合実況解説陣を驚かせていたのが、このブログでも取り上げたバンクーバー・カナックス開幕2連勝、しかも2試合共に優勝候補エドモントン・オイラーズ撃破です。たまたまオイラーズ不調なのか分かりませんが、カナックスから見れば快挙です。
今回は、思わぬ連敗スタートとなったオイラーズ選手達の声をお届けしましょう。中心選手であるコナー・マクデイビッドの連敗後のコメントはないものの、なかなか興味深い内容になっています。
昨シーズンのチャンピオン、ベガス・ゴールデンナイツの連勝は、
日本でもチラッとネット・ニュースに取り上げられていたにゃ。
それはそれで嬉しいけど、
さすがに、優勝候補筆頭格の連敗スタートまでは踏み込めていなかったなぁ。
引用元:sportsnet.ca「Oilers show no signs of panic despite 0-2 start, but have ‘room for improvement’」
予想外の連敗スタート、選手の様子は…
誰も予想していなかった、0勝2敗のスタートを切ったエドモントン・オイラーズを叩きのめすのは、それぞれ勝手にやってください。
10月14日(土曜日)、(オイラーズは)わずか16本のシュートしか許さず(2試合計33本)、(カナックスの)ケーシー・デスミス(32歳)が40本のシュートに直面し、さらに48本が(他の選手に)ブロックされたり枠外に飛んだりしていたにもかかわらず、です。
率直に言おう:もしエドモントンがバンクーバーでの開幕戦で8-1の大敗を喫していなかったら、この努力は気づかれることなく過ぎ去っていたでしょう。
あるいは、ザック・ハイマン(右ウィング、31歳)が言ったように、「シーズン途中に2敗しても、それは世界の終わりなんかじゃないよ。ここで2試合負けたことにより、試合中の僕たちの守備面についての質問が出るだろうね」。
「明らかに最初の2試合に負けるのは理想的じゃないさ」と彼は結論付けています。「しかし、(チーム内に)パニックはないよ」。
開幕戦で体調不良ながら大活躍したGKデムコは欠場だったにゃ。
この連勝後、どれだけの選手がインフルエンザから復帰するか、
カナックスの今後はそれ次第だと思う。
連敗の要因は?
(オイラーズにとって、)多くの人がスタンレーカップシーズンになると予想したものの、(開幕からの)最初の120分間(1試合60分✕2)で、(チームに)欠けていたものをすべて挙げればきりがありません。
私にとって、エバン・ブシャール(23歳)とダーネル・ナース(28歳)が不振で、ディフェンスの要であり、リーダーである2人が、期待されるようなリーダーシップを発揮できていないことから、それは始まります。
そして、ゴーリーは何も盗んでいません。一度でいいから、ビッグセーブ、(パックの)強奪をお願いしたいところです。土曜日の4ゴールのうち3ゴールで、2つは近い位置でパックが急にそれたこと、もう1つはカナックスのツーオンゼロから生まれたという事実は見逃しましょう。
しかし、土曜日の試合後のロッカールームで聞いた最も説得力のある言葉は、敗れたゴールキーパー、スチュアート・スキナー(24歳)のものでした。
彼は、フィル・エスポージト1や元オイラーズGKマイク・スミス2を自らの思いと結びつけ、彼らの言葉を引用しながら、チームメイトや自分の試合についての質問に答えた時のことです。
オイラーズGK、連敗について大いに語る!
まず、0勝2敗のオイラーズ、チームは自分たちについてどう感じているか、について。
「少し不満があるね。もちろん、0勝2敗ではなく2勝0敗から始めたいと誰だって思うけど、僕の考えでは、このような逆境が人を殺すことはないね。その方がずっと強くなれると思ってるよ」とスキナーは言いました。
「そして、早い段階でそれに向き合うことは、長期的には本当にいいことかもしれない。ここからどう立ち直るかによって、今後遭遇するどんな逆境からも立ち直れるかどうかが決まるんじゃないかな」。
「(チームは)逆境に立ち向かっていくから」と彼は約束してくれました。「このような試合はこれからもある。シュートを16本打たれて4本入れられる。それにどう対応するかだね」。
「僕はチームのみんなを知っているし、ここにいる全員を理解しているよ。僕らは気骨ある連中ばかりだし、どうやって立ち直るかを知っているんだ。僕らはとんでもないチームだ。だから僕はこいつらを信頼するしかない」。
スキナーのポジティブ・シンキングが吉と出るか、凶と出るか、何とも言えないにゃ。
16本のシュートで4点取られるって、
それだけカナックスの攻撃が的確だったってことじゃないの?
「油断大敵」という言葉もあるが…
(スキナーにとって)2試合を通しての数字はひどいとしか言いようがないのですが、自分のプレーについて尋ねられると、彼はかつてのスミスのように突き返すような答えをしました。
「ゴールテンダーに対する、その他大勢による一般的な意見に過ぎないね」と彼は言います。「ゴールキーパーってものはプレーの何たるかを知っていて、時に数字は嘘をつくものさ」。
ロッカールームの外で、ファンがパニックになることは自由です。彼ら(ファン)は、ロッキー山脈の東で正当な評価を得られない、驚くほど頑強なチームであるカナックスに2連敗したチーム(オイラーズ)の信憑性に疑問を呈することが許されています。
チーム専用機での食事について、自信過剰気味に「ローストビーフさ」と苦笑いしながら、スキナーは冗談を言っています。スキナーとジャック・キャンベルのどちらが、5月か6月の第7戦で力を発揮できているか–その時点でエドモントンがプレーしていればの話ですが–。
監督は前向きなのか、ノンキなのか…
ディラン・ホロウェイ(左ウィング、22歳)、ウォーレン・フォーゲル(左ウィング、27歳)、ライアン・マクロード(センター、24歳)で構成されるハードチャージのサードラインを構成する選手集団が、いつ他の選手に追いつくかを自問してみてください。
あるいは、フォーゲルがゴールネットのファーサイドへ外すという大罪を犯す一方で、氷上の他のオイラー全員が、2on0のゴールの際、決して訪れなかったリバウンドを追い求めているように見えました。
しかし、現実を見失ってはいけません。
監督のジェイ・ウッドクロフトは、「まだそこまで来ていないが、しかし、88本のシュートを放ち、40本のシュートがネットの中に行っていたし、7回のパワープレーで16本のシュートがネットの中に行っていた。
そのような試合なら、みんな勝つことを期待するだろう」と語っています。
「今夜はうまくいかなかったけど、あのような試合は負けるより勝つことの方が多いと思うね」。
監督の発言がどうもお気楽極楽に見えるのは、自分だけかにゃ。
シュートたくさん打っても入らないって、それだけ雑なプレーだったと言えるし、
大いに反省すべきなのでは?
チーム作りは、まず守備から!
このようなプレーをすれば、シーズンを通して4試合中3試合は勝てるでしょう。この基準を守り続ければ、土曜の夜のカナックスのように、自分に似つかわしくない勝利も手にすることができるでしょう。
しかし、どんな逆転もゴールテンディングと守備的なプレーから始まります。
この試合では、ホームチームにパックを与えることを許した、緩いカナックスのスティック・ペア(シュートを打たれっぱなしだった2人のディフェンスマンのこと)を消してしまえば、試合は違う方向に進んだはずです。
ホッケーチームにとって、ネット前の両端を制することは、アメリカン・フットボールのスクリメージライン3(オフェンス側とディフェンス側の間に引かれた架空の境界線)を制することと同じです。
すべてがここから始まるのであり、ゴーリーの3フィート(約1.5メートル)より手前でパックを取り返されたら、勝つことはできません。簡単なことです。
エドモントンの守備はどうでしょうか。
「改善の余地はたくさんあると思う」とハイマンは言いました。「僕らは2試合で12ゴールを許してしまった。改善の余地があります」。
もっと良くなる余地はある…、そうです。
パニックになっている場合でしょうか?であれば、チャンスはありません。
まとめ
2試合で12失点…、1試合平均6失点ですか。いくら攻撃的な傾向にあるNHL各チームでも、これを挽回する得点力、7ゴールを奪うのは至難の業です。記事にあるように、守備からチーム作りを始めていかないと、実は今のNHLで勝ち残れないと思います。
そうでなくても、スター選手頼みの攻撃パターンの少なさで、プレーオフを勝ち上がれなかったオイラーズ、それを補う守備力がないと、今後も苦戦するのではないでしょうか。敗けたのに、シュート数の多さに満足している監督の談話は、どうも引っかかるのです。
ちなみに、このブログ記事執筆終了後、オイラーズはナッシュビル・プレデターズと対戦し、鬱憤を晴らすかのように、6-1で勝利しました。この調子を維持して、大方の予想通り、ビクトリー・ロードを歩むのであれば、大したチームなのですが…。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 1972年に開催されたソ連(当時)とのサミット・シリーズで、カナダ代表のキャプテンを務めたレジェンド。このシリーズのポイント王。
そのシリーズ中、第4戦でソ連に5対3で敗れた後、代表チームにブーイングを送ったカナダのファンに対し、エスポージトが叱責したことを受けたものと思われる。
「もし我々をブーイングしているように、ロシアのファンがモスクワで選手たちにブーイングをしたら、僕は戻ってきて、ファン全員に個人的に謝罪するつもりだが、そんなことは絶対に起こらないと思う。僕らはそれを受け入れ、最善を尽くしている」。
「僕らは本当に落胆している。カナダを愛しているからこそ、ここまで来たんだ。ロシアは良いホッケーチームだ、そして我々に何ができるかわからないが、勝利すると約束する。でも、まったくばかげているし、ブーイングされるのは公平じゃない」。
↩︎ - 昨シーズンまでオイラーズに在籍し、現在41歳でFA中。レギュラー・シーズン中にゴールを決めた数少ないGKの1人であり、かつオウン・ゴールも決めてしまったGKでもある。
2015年の世界選手権ではカナダ代表の先発GKとして活躍、最後の3試合で190分以上を無得点に抑え、金メダル獲得に貢献。
↩︎ - ライン上に置かれるボールの長さの幅(約29センチ)は、ニュートラルゾーンでもある。このゾーンには、プレー開始までオフェンスもディフェンスもそこに入ってはいけない。もし、入った場合、フォルス・スタートかオフサイドの反則となる。 ↩︎