はじめに
世界中のアリゾナ・コヨーテズ・ファンの嘆きが聞こえてきそうな1週間でした。
ディフェンスの核であったヤコブ・チクロンがオタワ・セネターズへ、同じポジションのトロイ・ステッチャーと左ウィングのニック・リッチーを、カルガリー・フレイムスへトレードに出しました。この他にも主力がゴッソリと…。
チクロンは移籍確実とされていたので、仕方ないなと思ったのですが、次の2人の選手の移籍には驚きました。
フォワードのニック・ブュクスタッド(オイラーズへ)とディフェンスのシェイン・ゴスティスビヒア(ハリケーンズへ)のオールスター級の主力もいなくなってしまったのです。
しかも、獲得した選手の中には、やや疑問の残る選手もいたりして…。兎にも角にも、ディフェンスの中核となる選手がほとんどなくなったことで、守備がガタガタになってしまった試合を、ファンに見せてしまうという悪循環。GM、どう考えているのでしょうか?
トレード・デッドライン後の試合、
ハリケーンズ戦を見たけど、見るも無惨な大敗。
ファンも途中で帰ってしまっていたにゃ。
引用元:NHL.com「Voracek traded to Coyotes by Blue Jackets for Gillies」。
「Bjugstad traded to Oilers by Coyotes for prospect, pick」。
今シーズン、2桁得点をしていたフォワードまで去る!
木曜日、ニック・ブュクスタッド(センター、30歳)は、アリゾナ・コヨーテズからエドモントン・オイラーズにトレードされました。
コヨーテズは、2023年のNHLドラフト3巡目指名権と、ディフェンスのマイケル・ケッセルリング(ディフェンス、23歳)を獲得しました。
昨年7月13日、ブュクスタッドは1年契約を結び、シーズン終了後、制限なしフリーエージェントになることができる契約でした。30歳のフォワードは今シーズン、59試合で23ポイント(13ゴール、10アシスト)を記録しています。
ブュクスタッド、喜びの談話
ブュクスタッドは「オイラーズに加入できたことで間違いなく超興奮しているし、電話がかかってくることを期待していたチームであることは間違いないね」と述べました。
「(電話があった時、)私の方はとにかくとっちらかった状態になってしまって、興奮していたね。若い選手達と一緒になって、このチームのスタンレーカップ獲得に貢献するのが待ちきれないよ」。
「ここ数年、彼ら(オイラーズ)と対戦するのは難しかった。彼らには多くの技術があり、対戦するのは本当に難しかったね。彼らと同じチームにいることは楽しいことだし、個人的にも自分にピッタリのチームだと思う」とコメント。
2010年のNHLドラフト・全体19位でフロリダ・パンサーズに指名されたブュクスタッドは、パンサーズ、ピッツバーグ・ペンギンズ、ミネソタ・ワイルド、コヨーテズに在籍し、レギュラー・シーズン599試合で260ポイント(123ゴール、137アシスト)、
スタンレーカップ・プレーオフ15試合で5ポイント(3ゴール、2アシスト)を記録しています。
コヨーテズ監督の談話と新加入選手
コヨーテズのアンドレ・トゥーリニー監督は「彼の存在は、我々にとって大きな意味を持っている。彼こそまさに〈プロ〉だ」と語りました。「信じられない程すばらしい人なのだ。誰もが(オファーの)来ることを知っていたと思うよ:
つまり、選手やコーチは皆、(トレードの)可能性を知っていたのだ。しかし、彼が去っていくのを見るのは悲しいだろう」とコメント。
まだNHLデビュー前の23歳のケッセルリングは、アメリカン・ホッケー・リーグのベーカーズフィールドで49試合に出場して22ポイント(13ゴール、9アシスト)を記録しています。2018年のNHLドラフトの6巡目指名(全体164位)でエドモントンに指名されました。
ケッセルリングは、早速、ハリケーンズ戦に出場。
ご両親も観戦に来ていて、テレビのインタビューを受けていたにゃ。
オイラーズの移籍状況
オイラーズはマイナー・リーグのディフェンスマン、キャム・ディニーンも獲得しました。
24歳の彼は今シーズン、アメリカン・ホッケー・リーグのツーソンで、50試合・35ポイント(4ゴール、31アシスト)を記録しています。昨シーズン、NHL34試合で7アシストを記録しています。
パシフィック・ディビジョン3位のオイラーズ(33-21-8)は、これより先に、ナッシュビル・プレデターズからディフェンスマンのマティアス・エクホルム(32歳)と、2024年のNHLドラフト6位指名権を獲得しています。
一方のプレデターズは、ディフェンスのタイソン・バリー(31歳)、フォワードのリード・シェーファー(左ウィング、19歳)、2023年のドラフト1位指名権と2024年のドラフト4位指名権を獲得しています。
2月28日(火曜日)、エドモントンはフォワードのジェシー・プルジュヤルビ(右ウィング、24歳)をカロライナ・ハリケーンズにトレードし、フォワードの将来有望株であるパトリック・プイストラ(右ウィング、22歳)を獲得しました。
コヨーテズの移籍状況とGMの談話
ウェスタン・カンファレンスからプレーオフ進出への2番目のワイルドカード争いにおいて、コヨーテズ(21-30-9)は、勝ち点でシアトル・クラーケンとウィニペグ・ジェッツに21差をつけられています。
3月2日(木曜日)、コヨーテズは、コロンバス・ブルージャケッツへゴールテンダーのジョン・ギリーズ(29歳)を放出し、フォワードのヤクブ・ボラチェク(右ウィング、33歳)と2023年のドラフト6位指名権を獲得しました。
3月1日(水曜日)、アリゾナはディフェンスマンのヤコブ・チクロン(24歳)をオタワ・セネターズにトレードし、2023年NHLドラフトの条件付き1巡目指名権、2024年ドラフトの条件付き2巡目指名権、2026年NHLドラフトの2巡目指名権を獲得しています。
また、ディフェンスマンのシェイン・ゴスティスビヒア(29歳)をカロライナ・ハリケーンズにトレードし、2026年ドラフトの3巡目指名権を獲得しました。
アリゾナのゼネラルマネージャー、ビル・アームストロングは「今シーズン、氷の内外でコヨーテズに貢献してくれたニックに感謝したい」と述べました。
「ニックは素晴らしい人で、私たちのドレッシングルームで非常に好かれ、尊敬されていました。我々は彼のオイラーズでの成功を祈っています」とコメント。
コヨーテズが行った謎の移籍
3月2日(木曜日)、コロンバス・ブルージャケッツが、ゴールテンダーのジョン・ギリーズとのトレードで、ヤクブ・ボラチェクをアリゾナ・コヨーテズに移籍させました。
アリゾナは、2023年のNHLドラフトでの6巡目位指名権を受け取っています。
ボラチェクは大ベテランだが…
33歳のフォワード、ボラチェクは脳震盪のため昨年11月4日以降プレーしておらず、以前、ホッケー選手としてのキャリアは終わるかもしれないと語っていました。
12月5日、ブルージャケッツのウェブサイトで、ボラチェクは「長いものになりそうだが、それが現実だ」とした上で、「キャリアを重ねる中で、すべてを乗り越えてプレーすることを心がけ、多くの試合を欠場することはなかったね。
しかし、過去に頭を怪我したことがあって、それはかなり深刻な問題なんだ。将来の選択肢をすべて検討した上で、その先に何があるのかを見極める必要があるだろう」とコメントしました。
今シーズン、11試合で6ポイント(1ゴール、5アシスト)を記録しているボラチェクにとって、2015年7月にフィラデルフィア・フライヤーズと結んだ8年契約が残り1シーズンとなっています。
2007年のNHLドラフトの1巡目(全体7位)でコロンバスに指名されたボラチェク?は、ブルージャケッツとフライヤーズで、レギュラー・シーズン1058試合に出場して806ポイント(223ゴール、583アシスト)、
スタンレーカップのプレーオフ49試合に出場して28ポイント(9ゴール、19アシスト)を記録しています。
ボラチェクには申し訳ないが、
ほぼ引退を決断していたような選手を獲得するなんて…。
GMのチーム作り、大丈夫かにゃ?
ブルージャケッツの移籍状況とGMの談話
ギリーズは今季、アメリカン・ホッケー・リーグのツーソンで15試合に出場し、5-8-2、平均失点3.70、セーブ率.878を記録しています。
29歳の彼は、ニュージャージー・デビルズ、セントルイス・ブルース、カルガリー・フレームスで、NHL32試合(25先発)に出場し、7-15-3、セーブ率.893です。
「この移籍により、今シーズン中のゴールキーパーの層が厚くなり、サラリーキャップの観点からも柔軟な対応が可能となり、今後のチーム向上につながります」とブルージャケッツのゼネラルマネージャー、ヤルモ・ケカライネンは述べています。
NHL最下位のブルージャケッツ(20-35-6)は、3月1日(水曜日)、ディフェンスのウラジスラフ・ガヴリコフ(27歳)とゴールテンダーのヨーナス・コルピサロ(28歳)をロサンゼルス・キングスにトレードし、ゴールテンダーのジョナサン・クイック(37歳)を獲得。
前日の火曜日、フォワードのグスタフ・ナイキスト(センター、33歳)をミネソタ・ワイルドにトレードして、今年のドラフト5巡目指名権を獲得しています。
まとめ
冒頭、讃岐猫(^^;;も触れていましたハリケーンズ戦では、移籍したばかりのゴスティスビヒアにダメ押しゴールを決められるという大失態。元気のないコヨーテズの選手達の表情とは対照的に、晴れ晴れとしたゴスティスビヒアの笑顔が印象的でした。
第2ピリオド終了後、「俺はいい取引をした」とインタビューに自信満々で答えるGMの顔を見ていると、「ドラフト指名権を集めまくって、また若手選手を獲ればいい」という考え方も、度が過ぎるとちょっと…と感じました。
財政状況が貧弱なチームなので、仕方ないとはいえ、ここまで中心選手がいなくなると、人気面が落ち込むのではないでしょうか。ドラフト1位指名で話題をさらう「あの17歳」を指名できるとは限らないのですが。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!