ブルージャケッツ新監督、選手のスマホを検閲?選手会が調査開始!

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はじめに 

 NHL新シーズン開幕が近づいてきているというのに、何とも不可思議なパワハラ事件?が発生したようです。昨シーズンの不振から脱却のため、名将マイク・バブコックを監督に迎えたブルージャケッツ内で、無理やり選手のプライベート画像をチェックしたとは…。 

 しかも、そのパワハラの主が、あろうことか新監督だという「シャレならんで〜」事件なのです。 

 記事を読んでいただければ分かるように、監督も選手も「お互いを知るための有益な行動であり、全く事件にもならない」と声明を発表してはいます。しかし、監督主催で食事会とかを開いて、いろいろ選手に聞けばいいものを、わざわざ画像チェックする必要があるのかどうか。 

 この新監督、過去にもいろいろやらかしており、未だに根に持っている元選手も多いようですが…。 

讃岐猫
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引用元:ESPN.com「NHLPA, Jackets players meet amid probe into Babcock phone claims

選手会が調査開始!

 9月14日(木曜日)、NHLPA(選手会)の幹部2人がコロンバス・ブルージャケッツの選手と面会し、コーチのマイク・バブコックが選手の携帯電話にある写真を見せるよう求めた際、選手のプライバシーを侵害したかどうかを調査したと、関係者がESPNに語りました。

マイク・バブコック=詳しくはこちら→

 NHLPAのマーティ・ウォルシュ事務局長と、コロンバスで3シーズン(2005-08)プレーしたロン・ヘインゼイ事務局次長は、朝のスケートの後、ネーションワイド・アリーナでブルージャケッツの選手たちと会っています。

マーティ・ウォルシュ=詳しくはこちら↓。

ロン・ヘインゼイ=米国、コネチカット州ボルトン出身、42歳。現役時のポジションはディフェンス。攻撃面でも非凡な才能があったため、コロンバス在籍時、堅実な二刀流ディフェンスマンとして活躍。昨シーズン更新されるまで、プレーオフ出場まで最も多く試合をした選手でもあった。 

 NHLPAのコロンバス行きは、以前から計画されておらず、7月にジャケッツのコーチとして雇われたバブコックに対する疑惑について、さらに調査するために特別に行われました。 

 9月12日(火曜日)、元NHL選手のポール・ビソネットが配信したポッドキャスト「スピッティン・チクレット」によると、バブコックがコロンバスのキャプテン、ブーン・ジェナー(センター、30歳)にカメラロールを見せるように頼み、その後、その写真をAirPlayで監督室の壁に映したと語っています。 

ポール・ビソネット=カナダ、オンタリオ州ウェランド出身、38歳。現役時のポジションは左ウィング。ファイティング・スピリッツ旺盛な選手で、リンク上での武勇伝は数知れず。 

 TNTやアリゾナ・コヨーテズ・ラジオで解説を、ポッドキャスト「スピッティン・チクレット」で司会をそれぞれ務めている。 

スピッティン・チクレット=週1(火曜日)で放送されているアイスホッケー・ポッドキャスト。ポール・ビソネットと、元NHL選手のライアン・ホイットニー、そしてホッケー・ブロガーのブライアン・マクゴナグルが主催。 

 2016年10月14日にスタートし、それ以来世界で最も人気のあるホッケー・ポッドキャストとなっている。内容としては、NHLの試合内容をはじめ裏話的なものが多い。www .barstoolsports .com /shows /18 /spittin-chiclets

元選手からの告発?

 ジェンナーだけではありませんでした。ブルージャケッツのスターフォワード、ジョニー・ゴードロー(左ウィング、30歳)はESPNに対し、コーチの要求に応じて、携帯電話に入っていたバブコックの写真も見せたと認めています。

 NHLの元ディフェンスマンで、長年にわたりバブコックを批判してきたマイク・コモドールは、トロント・メープルリーフスでバブコックがコーチを務めていた時にも、このような行為のあったことを聞いていると語りました。

マイク・コモドール=カナダ、アルバータ州フォートサスカチュワン出身、43歳。2005-06シーズン、トレードされたばかりのコモドールはカロライナ・ハリケーンズでNHLチャンピオンに。

 決勝戦でコモドールは赤いひげとアフロヘアで有名になり、ハリケーンがホワイトハウスに迎えられたとき、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「スタンレー・カップとコモドールの髪、どちらが美しいか分からない」とジョークを飛ばしたとされている。

長年にわたりバブコックを批判=バブコックとの確執は、2002-03シーズン、AHLのシンシナティ・マイティダックス時代から始まっており、9年後、NHLデトロイト・レッドウィングスで再び顔を合わせて以降、激化していった。

 多くは自身の起用法をめぐってであるが、1500試合出場を目前に控えた同僚マイク・モダーノの起用法についても噛み付いており、結局、モダーノは1499試合出場で現役を引退している。

 コモドールは引退後もSNS上で徹底的に批判・暴言を繰り返し、「トラックに轢かれればいいのに」とまで発言している。

 「その行為は、コロンバスの他のプレーヤー数人にも起こりました。名前は使いたくありませんが、特に(それにについて)若くて非常に注目されている有望株が関わっていました」と、コモドールはXに投稿した動画の中で述べています。

 「コーチ・ルームで選手たちをその場に立たせ、携帯電話をエアプレイ・モードに連動させるよう要求し、尋問するなんて行為はもううんざりだ。多くのプレイヤーに確認してもらっている」と、エピソード公開後にビソネットは語りました。

讃岐猫
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監督と選手からの事情説明 

 関係者がESPNに語ったところによると、バブコックに不正があったかどうかを判断するためのNHLPAの調査を、ブルージャケッツは歓迎していると言われています。 

 9月15日(金曜日)、ウォルシュ、ヘインゼイ、顧問弁護士のドン・ザベロは、ニューヨークのリーグオフィスでNHL関係者と会い、最新情報を提供し、調査の次のステップについて話し合いました。 

 火曜日、バブコックとジェンナーはブルージャケッツを通じて声明を発表し、写真の要求が悪質ではないと否定しました。 

 バブコックは「選手やスタッフと会っている時、彼らをよく知るためのプロセスの一環として、携帯電話から家族の写真を共有するようにお願いしたんだ」と語っています。 

 「それ以上のことは全くなかった。この様子がポッドキャスト『スピッティン・チクレット』で描かれていたのは、これらの会合をひどく誤って伝えたもので、極めて不快なものだったね。 

 …これらの会合は私だけでなく選手やスタッフにとっても非常に重要で有益なものであり、このように描写されることは無責任であり、完全に不正確である」と述べました。 

選手は「いい会合だった」と言っているが… 

 ジェンナーは「バブスと会っている間、彼は私の家族や出身地、近々予定されている結婚式やホッケー関連のことについて尋ねてきたよ。それから彼は私に家族の写真を持っていないかと尋ね、私は喜んで彼と写真を共有したんだ。彼も自分の家族の写真を見せてくれたよ。 

 初めての出会いは素晴らしいもので、関係を築き始める良い方法だと思ったね。このことが大げさに報じられるのは本当に残念さ」と述べています。 

 ゴードローは、バブコックと「素晴らしい会合」をしたと語りました。 

 「家族の写真などを一緒に共有することができたよ。そのことがどのように扱われ、世に出てきた経緯を見て、少し動揺しているくらいだ…しかし、どうしようもないよね。 

 素晴らしいスタートを切り、彼と素晴らしいミーティングができ、一緒に仕事ができることを楽しみにしているよ」とスター選手は語っています。 

 バブコックはNHLに復帰するにあたり、他の多くのコーチよりも厳しい監視を受けることになりました。2019年11月、選手に対する精神的虐待が複数回告発され、トロント・メープルリーフスから解雇された後、彼の評判は地に落ちています。 

讃岐猫
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この監督、過去にも…

 2015〜19年までリーフスのコーチを務めたバブコックは、新人ミッチ・マーナー(右ウィング、26歳)との個人的なミーティングを要求し、仕事に対する倫理観について、若いフォワードにチームメイトをランク付けさせ、そのランキングの最下位にいた選手たちとリストを共有していたのです。

 その結果、マーナーは大いに困惑してしまいました。この事件は、当時のゼネラルマネージャー、ルー・ラモリエロに報告されています。

 元レッドウィングスのFWヨハン・フランゼンは、スウェーデンのメディアExpressen(ストックホルムに本拠を置く日刊新聞)で、バブコックが「言葉による攻撃」をしてきたために、ある時、フランゼンがベンチで倒れ、アリーナに来るのが怖かったとバブコックを非難しました。

ヨハン・フランゼン=スウェーデン、ヴェトランダ出身、43歳。現役時のポジションは左ウィング。短期決戦プレーオフにめっぽう強く、2008年に記録したプレーオフ年間最多ゴール13ゴールは、いまだのレッドウィングスのフランチャイズ記録である。

 バブコックの解雇後、リーフスのブレンダン・シャナハン会長は、NHLにおける時代の変化を考えると、彼のコーチング戦術は「適切でも容認できるものでもない」と述べています。

ブレンダン・シャナハン=詳しくはこちら↓。

 2019年、シャナハンは「私たちは進化しなければならない」と言いました。「私たちは皆、ある世代の出身で、あることが起こると、選手としてはそれをただ受け入れるしかなかった。 

 氷の上でも氷の外でも、そういう(進化した)職場環境を作るために、私たち全員がもっといい仕事をしなければならない」。 

バブコックの監督歴 

 バブコックは、NHLのリーフス、デトロイト・レッドウィングス、マイティ・ダックス・オブ・アナハイムで1,301試合もヘッドコーチを務めてきました。2008年、レッドウィングスをスタンレーカップに導いています。 

 彼の率いたチームは、3回のカンファレンス優勝(2003年ダックス、2008年と2009年レッドウィングス)を経験しました。700勝は歴代12位、.608のポイント率は、1,000試合以上を指揮したNHL監督の中で4番目に高いものです。 

 2010年と2014年にはカナダ代表のコーチを務め、オリンピックで金メダルを獲得しています。 

まとめ 

 バブコックの監督歴はとても輝かしいもので、年齢も適当ですし、再建中のブルージャケッツにとって、うってつけの人材だと思います。ただ、名監督はえてして厳しめの指導をしがちですし、必死であるあまり、選手を叱咤してしまうのかもしれません。 

 バスケ日本代表男子・ホーバス監督の試合中の叱咤もネットで賛否両論でしたが、選手との信頼関係の上で成り立っているのも、よく分かる感じでした。過去のバブコックの叱咤はそのレベルだったのかもしれませんが、選手のプライベート調査は疑問です。 

 選手のプライベートまで管理しようとする考えだったのか。何か選手の弱みを握って、選手を自らの管理下に置こうとしていたのか、過去にバブコックのやらかしたことを考慮したら、それが想像と言い切れない気もします。 

 今後、選手会の調査が、どういう方向で進んでいくのか。開幕前に、おかしな波風が立たないことを祈ります。  

讃岐猫
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