はじめに
世界ジュニア選手権は、単なる大会以上のものです。それは未来のNHLスターが集結し、その才能を世界に示す場でもあります。今年の世界ジュニアでは、2025年以降のNHLドラフトで注目される若きホッケー選手たちが競い合っています。
この記事では、特に注目すべき選手たちをピックアップし、彼らのプレースタイルや将来の可能性に迫ります。未来のNHLを担うであろう若手選手たちの活躍に注目していきましょう!
全体的に顔ぶれを見ていると、やはりドラフト1巡目指名の選手が多いにゃ。NHLのスカウティング力の高さが分かると同時に、「そうじゃない選手達」が注目株に入っていると、応援したくなるのが人間の性(さが。ツイスト・笑)かな。
引用元:nytimes.com(The Athletic)「Who are the best NHL prospects at 2025 World Juniors? Ranking the top 25 players」
未来のNHLスター候補たち:注目選手たちのプロフィール
世界ジュニア選手権(2024年12月26日・木曜日 – 2025年1月5日・日曜日。カナディアン・タイヤ・センター、オタワ・シビック・センター)は、自国を応援するファンにとって楽しいイベントですが、NHLの未来を占う選手たちが集まる舞台です。
今回は、このトーナメントに出場する選手たちの可能性を予測し、未来へ影響力のあるプロ選手を紹介します。
1.ギャヴィン・マケンナ(カナダ、左ウィング。2026年ドラフト対象)
16歳でCHL(カナダ・ホッケー・リーグ)の得点王1(ショット数もトップ)となり、2026年のNHLドラフトでNo.1指名が確実視されているマケンナ。2025年にドラフトされていても1位指名だったでしょう。
プレーメイキング能力が高く、ダイナミックなプレースタイルが特徴です。カナダ代表としては、ドラフト該当年の1年前に世界ジュニアに出場した8人目の選手となります。
いつ指名されても全体1位確実ってどんな選手?
T-2(2位タイ).ジェームズ・ヘイゲンス(アメリカ、センター。2025年ドラフト対象)
ヘイゲンスは、U17およびU18世界選手権で最多得点(それぞれ8ゴールと10ゴール)を記録し、大学ホッケー(ボストン・カレッジ)でも注目の選手(U19で最高得点)。
2025年のドラフトでもNo.1候補とされ、スケート技術とプレーメイキング能力が高く、ラインをリードする力を持ち、アメリカ代表の攻撃を牽引する存在です。
T-2.ポーター・マルトン(カナダ、右ウィング。2025年ドラフト対象)
OHL(ブランプトン・スティールヘッズに所属)で圧倒的な得点ペース(昨シーズン、60試合出場33ゴール。今シーズン、26試合出場21ゴール)を記録し、今大会ではカナダ代表で重要な役割(特にパワープレイ)を担うマルトン。
大柄で強いプレーをするウィンガーで、2025年のドラフトでも注目される存在です。
ヘイゲンスとマルトン、両方のプレーが楽しめます。
T-2.マシュー・シェイファー(カナダ、左ディフェンス。2025年ドラフト対象)
優れたスケート技術と攻撃力を持つシェイファーは、OHL(エリー・オッターズ所属)や国際大会でスカウトを魅了してきました。
氷上の両端でインパクトを与えることができ、17歳にしてカナダ代表で重要な役割を果たす可能性があり、将来的にはNHLのNo.1ディフェンスマンになる素質を持っています。
5.ゼーヴ・ブイウム(アメリカ、左ディフェンス、ミネソタ・ワイルド)
※2024年ドラフト全体12位。
ビウムは、NHLでもトップディフェンスマン候補とされ、大学ホッケー(デンバー大学)でもトップ選手の一人です。昨年の世界ジュニアではプラス/マイナス評価(+11)やゴール数(3)でトップに立ちました。
ミネソタ・ワイルドのシステムで評価を受けており、今年も注目のディフェンスマンです。
6.バークリー・キャットン(カナダ、センター、シアトル・クラーケン)
※2024年ドラフト全体8位。
WHL(スポケーン・チーフス所属)で注目の活躍(68試合出場、54ゴール・62アシスト)を見せるキャットンは、カナダ代表のトップ2ラインでプレーすると予想されています。ダイナミックなスケート技術とプレーメイキング能力を持ち、国際大会でも常に好成績を収めています。
7.サム・ディキンソン(カナダ、左ディフェンス、サンノゼ・シャークス)
※2024年ドラフト全体11位。
OHL(ロンドン・ナイツ所属)で素晴らしい成績を残し(今シーズン、26試合出場、15ゴール・31アシスト)、守備力と攻撃力を兼ね備えたディフェンスマン。優れたスケート技術を持ち、サイズもあり(191センチ)、守備力も高いです。
今大会では限定的な役割が予想されますが、将来的には注目の選手となる可能性が高いです。
8.ライアン・レナード(アメリカ、右ウィング、ワシントン・キャピタルズ)
※2023年ドラフト全体8位。
レナード(ボストン大学所属)は、ゴールスコアリングに長けたウィンガー(大学2年間で、57試合出場、43ゴール)で、アメリカ代表の主力選手として活躍が期待されています。スキルが高く、NHLでも得点力のある選手となるでしょう。
9.ゲイブ・ペロー(アメリカ、左ウィング、ニューヨーク・レンジャーズ)
※2023年ドラフト全体23位。
ペローはNTDP(USA Hockey National Team Development Program)2のシーズン最多得点記録保持者で、ここ2年間で大学ホッケーでトップのオフェンシブプレーヤーの一人です。プレーメイキング能力を持つ、パワープレイのウィンガーとしても優れた能力を持っています。
今回のトーナメントで得点王を狙える選手です。
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10.アクセル・サンディン・ペリッカ(スウェーデン、右ディフェンス、デトロイト・レッドウィングス)
※2023年ドラフト全体17位。
ペリッカは、3度目の世界ジュニアに出場し、昨年は最優秀ディフェンスマンに選ばれました。
SHL(シェレフテオAIK所属)ではティーンエイジャーながらほぼゲームごとにポイントを記録し(今シーズン、25試合出場、8ゴール・14アシスト)、右ショットのオフェンシブディフェンスマンとしてNHLで活躍が期待されています。
ヨーロッパからの挑戦者たち:スウェーデン、フィンランド、チェコの期待株
11.コンスタ・ヘレニウス(フィンランド、センター、バッファロー・セイバーズ)
※2024年ドラフト全体14位。
ヘレニウスはフィンランド代表の中心選手で、AHLやフィンランドリーグ(Liiga)3で素晴らしい成績を収めています。今後、バランスの取れたトップ9のNHL選手として成長することが予想されています。
12.カラム・リッチー(カナダ、センター、コロラド・アバランチ)
※2023年ドラフト全体27位。
リッチーはOHL(オシャワ・ジェネラルズ所属)でトップ選手の一人でありつつ、NHL経験4を持つ数少ない選手です。センターやウィンガーとして活躍できるバランスの取れたフォワードで、シュート力とパックスキルも備えています。
代表でも常に好成績を残しており(昨シーズンのU-18国際大会で7試合出場、3ゴール・6アシスト)、今大会でも期待されています。
13.コール・アイゼルマン(アメリカ、左ウィング、ニューヨーク・アイランダース)
※2024年ドラフト全体20位。
アイゼルマンはNTDP(ボストン大学)5で歴代ゴール数トップ(97)の選手で、今大会でも得点力が期待されています。レナードやペローがアメリカ代表のトップ2ウィンガーとなる予定ですが、中堅ラインやパワープレイで活躍するシュート力を持つウィンガーです。
彼は一発でゲームを決めるシュート力を持つ選手です。
素晴らしい素質を持った選手で、トップラインに置いても活躍すると思うんだけど、スタンド・プレーが多くてねぇ。
14.ダリボール・ドヴォルスキー(スロバキア、センター、セントルイス・ブルース)
※2023年ドラフト全体10位。
ドヴォルスキーはスロバキア代表として4度目の世界ジュニア出場(過去14試合出場、5ゴール・6アシスト)となります。
AHLでの活躍が目立ち(今シーズンからスプリングフィールド・サンダーバーズ所属。25試合出場、11ゴール・9アシスト)、ミッドレンジからの得点力を持つ手先の器用なセンターですが、スピードにやや課題があります。
15.オリバー・ボンク(カナダ、右ディフェンス、フィラデルフィア・フライヤーズ)
※2023年ドラフト全体22位。
ボンクはOHL(ロンドン・ナイツ所属)で優れた成績を収めている(3シーズン通算、137試合出場、34ゴール・76アシスト)右ディフェンスで、カナダ代表に復帰しました。大柄な(188センチ)右ショットのディフェンスマンで、スケートとパック捌きに優れています。
今大会では多くの出場時間が期待されます。
T-16.トレヴァー・コネリー(アメリカ、左ウィング、ベガス・ゴールデンナイツ)
※2024年ドラフト全体19位。
コネリーは非常にダイナミックな選手で、スケートやパックスキルを活かしてオフェンシブなプレーを生み出します(現在はプロビデンス大学所属)。
NHLトップ6の才能を持っており、規律面ではアメリカ・ホッケーにとって問題となっている部分(2021年、試合中に人種差別的中傷を行う、鉤十字の形をしたビルディングブロックの前で、ポーズをとる友人の写真をSNSに投稿、等)もありますが、今後が楽しみな選手です。
現在、自らの行いを反省して、慈善活動に励んでいるコネリーなんだにゃ。彼もやや協調性に欠けるプレーをするんだけど、いざパックを持たせると、ミスで取られることの少ない選手。大学卒業までトップチームに上がらないと思うが、今回の大会で活躍したら変わるかも。
T-16.ヴィクトル・エクルンド(スウェーデン、右ウィング、2025年ドラフト対象)
エクルンドは2025年のドラフト対象選手の中でもトップクラスで、ヨーロッパ選手の中では最も注目されています。非常に優れたスケート技術を持つウィンガーで、スキルと競争心が高いですが、やや小柄(178センチ)です。
18.カーソン・レホプ(カナダ、左ウィング、シアトル・クラーケン)
※2023年ドラフト全体50位。
レホプはOHLで過去1年半の間に6トップ・オフェンシブ選手として活躍しており、カナダ代表に復帰します。鋭いリストショットとスピード、大きな体を持ち、3つのフォワードポジションでプレーできる柔軟性があります。
カナダ代表ではトップ9での出場が予想され、パワープレイ・ユニットでも重要な役割を果たすでしょう。
T-19.デヴィッド・エドストロム(スウェーデン、センター、ナッシュビル・プレデターズ)
※2023年ドラフト全体32位〈ベガス・ゴールデンナイツ指名〉。
これまで何度かトレードされてきた7エドストロムはSHL(フロルンダHC所属)で非常に良いプレーをしており、大柄で(191センチ)速いセンターです。得点力もあり、攻守両方向で効果的にプレーできる選手です。
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T-19.タナー・モレンディク(カナダ、左ディフェンス、ナッシュビル・プレデターズ)
※2023年ドラフト全体24位。
モレンディクは、今シーズンのCHL(WHLのサスカトゥーン・ブレイズ所属)でトップ・ディフェンスマンと評価され、キャンプではプレデターズのトップ・チームのロースターに8ギリギリまで選ばれそうになりました。
カナダ代表ではNo.1ディフェンスマンとして期待され、エリートレベルのスケーターです。アイス上のあらゆる場面で、ゲームに影響を与える能力を持っています。
21.トム・ウィランダー(スウェーデン、右ディフェンス、バンクーバー・カナックス)
※2023年ドラフト全体11位。
ウィランダーはスウェーデン代表(19試合出場、4ゴール・9アシスト)で多くの出場時間を得ると予想され(現在はボストン大学所属。今シーズン、16試合出場、2ゴール・7アシスト)、トップ・フォワードを抑える役割を担います。優れたスケート技術とパック捌きが特徴です。
T-22.ジェット・ルチャンコ(カナダ、センター、フィラデルフィア・フライヤーズ)
※2024年ドラフト全体13位。
ルチャンコはフィラデルフィア・フライヤーズのキャンプに少し参加9した後、OHL(グルエフ・ストーム所属)に戻りました。スピードとエネルギーを持ち、強力なプレーメイカーとして注目されています。
2024年ドラフトの際、指名順を下げてまで?フィラデルフィアが獲得。もしかしたら当たり選手?
T-22.アダム・ジリチェック(チェコ、右ディフェンス、セントルイス・ブルース)
※2024年ドラフト全体16位。
ジリチェックは大柄で(188センチ)、よく動き回るディフェンスマンで、パック捌きとエッジの効いたプレーが得意です。最近はケガが続いていますが、健康な状態であればトップディフェンス有望株です。
T-24.イーストン・カウアン(カナダ、左ウィング、トロント・メープルリーフス)
※2023年ドラフト全体28位。
カウアンはOHL(ロンドン・ナイツ所属)でレギュラーシーズンMVPとプレーオフMVP(23-24シーズン。特にプレーオフは18試合出場、10ゴール・24アシスト)に輝いた選手で、勤勉でスケート力があり、攻守において多彩な役割をこなすフォワードです。
カナダ代表のトップフォワード・グループでプレーすることが予想されます。将来的にはトップ9のNHL選手として、ラインを問わず活躍できる能力があります。
T-24.アダム・ノヴォトニー(チェコ、左ウィング、2026年ドラフト対象)
2026年ドラフト対象のノヴォトニー(チェコのリーグ、マウントフィールドHK所属。17歳ながら、現在、リーグ戦で26試合出場、1ゴール・2アシスト)は、スケートと競争心に優れた高スキルの選手で、スカウトたちに注目されています。
まとめ
これらの選手たちは、世界ジュニア選手権で素晴らしいパフォーマンスを見せ、将来のNHLで活躍する可能性が高い注目選手ばかりです。特に、ギャヴィン・マケンナやジェームズ・ヘイゲンス、ポーター・マルトンなどは、すでにその能力を証明しており、今後の活躍が楽しみです。
世界ジュニアを通じてさらに注目され、NHLドラフトでの順位が上がることは間違いありません。ホッケーファンにとって、これらの若手選手の成長を見守ることは大きな楽しみです。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 23-24シーズン、WHLのメディシン・ハット・タイガースに所属し、61試合に出場し、34ゴール・63アシストを記録している。WHLとCHLの両方で新人王を獲得。
↩︎ - アメリカの若手ホッケー選手を育成するエリート・プログラム。U17とU18のチームに分かれ、国内外の大会や試合に参加し、厳しいトレーニングと教育を受ける。
選手たちは学業とホッケーを両立し、NHLドラフトや大学進学を目指して成長する。多くのNHL選手がNTDPを経て成功しており、アメリカのホッケーレベル向上に大きく貢献。
↩︎ - 昨シーズンまでは、フィンランド・リーガのチーム、ミケリン・ジュクリットでプレー。キャリア通算、84試合出場、14ゴール・22アシスト。今シーズンからAHLのロチェスター・アメリカンズに移籍し、26試合出場、6ゴール・10アシスト。
↩︎ - 今シーズン、トップのアバランチで7試合に出場、1ゴールを決めている。しかし、プラス/マイナス評価は-7と「これから」である。OHLでは18試合出場、8ゴール・26アシストである。
↩︎ - 当初、ミネソタ大学入学予定だったが、急にボストン大学へ変更。このことからも分かるように、性格的に「利己的」な面があり、試合中もワンマン・プレーに走りやすい選手。
またディフェンスをやらなかったり、味方に危険度の高いチャンス・メイクをするよう強要したりすると言われている。ドラフトでも全体2位以内の指名は確実とされながら、20位まで落ちたのは、彼の性格面が災いしたようである。
↩︎ - 昨シーズンまで在籍していたキッチナー・レンジャーズでの通算(3シーズン)は、193試合出場、100ゴール・87アシスト。特に昨シーズン、得点力が爆発し、60試合で52ゴールを記録している。
今シーズンからブランプトン・スティールヘッズに移籍し、27試合出場、20ゴール・27アシストと無双状態。
↩︎ - 2023年7月15日、ゴールデンナイツと3年間のエントリーレベルの契約を結んだが、2024年3月8日、まずサンノゼ・シャークスにトレード。その5か月後、第1巡目指名権とともに、再びナッシュビル・プレデターズにトレードされている。
↩︎ - 2023年7月6日、モレンディクはナッシュビル・プレデターズと3年間のエントリーレベルの契約を結んでおり、19歳という年齢もあり、そろそろトップ・デビューをしてもおかしくない。
なお、世界大会の前に負傷をすることが多く、今回は万全な状態で臨んでほしい。
↩︎ - トレーニングキャンプで監督のジョン・トルトレラとGMのダニエル・ブリエールから大絶賛を受け、ルチャンコは24-25シーズンのフライヤーズのオープニング・ロースターに選出。
10月7日、バンクーバー・カナックス戦でデビュー、18歳51日のルチャンコは、フライヤーズ史上最年少の選手となる。10月26日、OHLに戻るまで、フライヤーズで4試合に出場。 ↩︎