フライヤーズ、NHL8試合連続勝ち点ゲット!完封勝ちもやったぜ!

NHLチーム紹介

はじめに

 今、国際アイスホッケー協会によるオリンピック予選・試合映像が、YouTubeに毎日アップされています。「アイスホッケーと縁遠いのでは?」と思っていた国も参加しており、「アイスホッケーは世界規模なんだなぁ」と改めて実感し、自分の不勉強を反省している毎日です。

 普段NHLを見慣れているせいか、スピード感の無さというか、攻守の切り替えの遅さは如何ともし難く、他の競技同様、力を入れている国・そうでない国がよく分かる映像でもあります。予選を勝ち抜くサプライズな国の登場、そして日本の出場がどうなるか、楽しみです。

 さて、攻守の切り替えと言えば、贔屓のフィラデルフィア・フライヤーズが、昨シーズンのモタモタ感と比べ段違いに速くなっています。それに比例するごとく順位もジャンプ・アップ、久しぶりのプレーオフも夢ではないかもしれません。

讃岐猫
讃岐猫

引用元:sport.yahoo.com「 Ersson blanks Red Wings, Flyers push point streak to 8 games」。

絶好調なのは、フィラデルフィア・イーグルス(NFL)だけじゃないぜ!

 12月16日(土曜)の夜、ウェルズ・ファーゴ・センター(フィラデルフィアのホーム・アリーナ)で、レッド・ウィングスに1-0の勝利へとフライヤーズを導くために、サミュエル・エルソン(ゴールテンダー、24歳)はほとんど周囲からのサポートを必要としませんでした。

 完封は今シーズン2度目、キャリアでは通算3度目となっています。

 カム・ヨーク(ディフェンス、22歳)がフライヤーズ(17勝10敗3延長負け)で唯一の得点者であり、8試合連続(6勝0敗2延長負け)の勝ち点を挙げました。

 ジョン・トルトレラ監督率いるクラブはここ10試合で7勝1敗2延長負け、11月7日に未勝利だったシャークスに敗れて以降、12勝3敗2延長負けとなっています。

 「今はチームに変化を加えて、よりリスクの高いタイプの試合をしようとしているが、それでもまだある程度の努力が必要だ」と監督は土曜日の夜におけるチームの守備パフォーマンスについて語りました。

 「そういう困難を乗り越える中で、我々は勝つ方法を見つけなければならないから、このシーズンの早い時期に、それを行うことができて(勝ち方を見つけつつあるのは)本当に良いことだと思う」。

 再建中のフライヤーズは、30試合消化時点で多くの人を驚かせました。彼らは僅差でメトロポリタン・ディビジョン2位1につけています。

 前回プレーオフに進出した2019-20シーズン、フライヤーズは30試合を終えて17勝8敗5延長負けでした。

 「ここ数年、このような時間を過ごすのはあまりなかったね。ロッカー・ルームやウェルズ・ファーゴの周りで、本当に良い気分を味わうことがなかった」、スコット・ロートン(センター、29歳)は15日(金曜日)の練習後にこう語っています。

 「毎晩、ホーム・アリーナ内のエネルギー、僕らが進んでいる道、そして周りのあらゆるものにエネルギーを感じることができるんだ」。

 フライヤーズにはNo.1ディフェンスマンのトラビス・サンハイム(27歳)がいませんでしたが、彼は病気のため試合を欠場2しています。

 今シーズン、レッドウィングス(15勝11敗4延長負け)とあと2回対戦し、どちらの試合もデトロイトで行われます。

正GKハートの代役が大活躍!

 エルソンは3試合連続で先発出場を果たし、33セーブを記録しました。

 スウェーデン出身の24歳は、この3試合のうち2試合で勝利を収めています。敗戦は12日(火曜日)のアウェーでのプレデターズ戦で、延長戦の末、敗れています。

 土曜の夜、特に試合終盤、彼は本当に強力なゴールテンダーでした。

 「この試合は、僕にとって特別なものだったんだ。家族が僕のNHLでのプレーを見た、最初の試合だからね」とエルソンは語っています。「完封できたのは間違いなく大きかったよ」。

 エルソンは、過去9試合の先発出場で平均失点率1.84、セーブ率.930を記録し、7勝1敗1延長負けを記録しました。不安定なシーズン・スタートを切った彼の復活は、目覚ましいものと言えます。

 「彼がどのようにシーズン開幕を過ごしたかを思い出してほしい。彼にとって、しばらくは厳しい戦いが続いたが、彼はすぐにそれを受け入れていたね」とトルトレラは言いました。「私がサムについて気に入っているのは、そういうところなんだ。

 彼がいくつかの葛藤を抱えていたとき、私は彼の話に耳を傾けたのを覚えている。自分がもっと良くならねばならないと彼は知っていたし、自分がだんだん良くなっていることも知っていたようだ」。

讃岐猫
讃岐猫

ハートの体調も回復傾向

 カーター・ハート(25歳)は14日(木曜日)の試合を欠場した後、この試合でバックアップすることができました。フライヤーズのNo.1ゴールキーパーは、「しばらくの間」定期的に悩まされている病気3を診断するため、医師の診察を受けなければならなかったと明かしています。

 彼は答えを見つけたことに安堵しました。

 「以前は一度も病気にならなかったのに、先月は3回も体調を崩してしまったと記憶している。何かが起こっているようだ」、25歳の彼は土曜日の朝こう語っています。

 「根本的に解明できたのは良いことだ。今では適切な処置を講じて治療し、修正することができているし、今後は気分が良くなっていくと思うよ」。

讃岐猫
讃岐猫

デトロイトのゴールテンダーも頑張った

 アレックス・ライアンはフライヤーズの下部組織で5シーズンを過ごし、デトロイトでは、主にAHL所属のリーハイ・バレーでネットの前に立ちました。彼はセーブ中に負傷したため、第2ピリオドでセーブ中に負傷し、退場を余儀なくされています。

 31歳の彼は15本のシュートを打たれたのに対し、14セーブという結果に終わりました。

 ヴィル・フッソ(28歳。現在、彼もケガで休場中)はリリーフで出場し、18本のシュートを止めています。

先制点を挙げると強いぞ!

 ヨークは、トラビス・コネクニー(右ウィング、26歳)との素晴らしいギブ・アンド・ゴー・プレーで、フライヤーズに重要な先制点をもたらしました。

虎の子の1点は、このダイジェストで見よう!

 「あれは試合前に話し合ったプレーだった」ヨークは言っています。「対戦する直前に、それについて話し合って、うまく実行できた」。

 タイソン・フォースター(センター、21歳)もゴールをアシストしています。

 試合で先制点を挙げた場合、フライヤーズの勝ち星は15勝1敗と跳ね上がります。

 第3ピリオド序盤、ショーン・クチュリエ(センター、31歳)が強烈なシュートをブロックしました。ベンチに戻ると、彼は痛みを感じていましたが、試合のメンバーとしてベンチに残りました。

 「彼はあまりにも多くのホッケーするチャンスを逃している4(欠場が多い)ので、(第4ラインまでの)シフトから外れたくないんだろう」トルトレラは言っています。「彼はプロだ。…多くを語らないが、彼がベンチでアドバイスを送ると、人々は耳を傾けるんだ」。

23歳の若手ウィンガー、大抜擢

 トルトレラとアシスタント・コーチのロッキー・トンプソン5は、パワープレー・ユニットの1つにジョエル・ファラビー(左ウィング、23歳)を昇格させました。

 23歳のウインガーは、コネクニーと並んでチーム・トップの11ゴールを記録しています。

 フライヤーズは、マン・アドバンテージの場面でより多くの答えを出す必要がありました。レッドウィングス戦では3回のチャンスに無得点で、シーズンではここまで95回あって10ゴール6です。最後のパワープレーのチャンスは、試合残りわずか16秒で訪れました。

 しかし、ペナルティ・キルは彼らの成功の要7となっています。フライヤーズのPK(ペナルティ・キル)はデトロイトを無得点に抑え、ここ16試合で51回中48回も、相手に得点を与えていません。

 「(相手の)パワープレーが安定しなかったので、助かったよ」とトルトレラは16日(土曜日)の午前中の練習で語りました。「我々のペナルティ・キリングは二重の役割を担っているんだ。ウチのペナルティによる相手側のチャンスを潰すだけでなく、ゴールも決めているからね。

 特別なチームというものは、(リンクの中を)行ったり来たりするものさ。ペナルティ・キルで一番大事なのは、攻撃的であろうと抑えた感じであろうと、それが何であろうと、全員が足並みを揃えていることなんじゃないかな」。

讃岐猫
讃岐猫

第3のディフェンス・ラインからトップへ

 サンハイムの不在中、ラスムス・リストライネン(29歳)は第3ディフェンス・ペアからヨークと並ぶ第1ペアにジャンプ・アップしました。

 フライヤーズが第3ピリオドでペナルティ・キルを仕掛けると、リストライネンがバックボード沿いにいたロビー・ファッブリ(センター、27歳)にビッグ・ヒット(体当たり)を放っています。

 レッドウィングスのフォワードは流血したままになり、復帰するまで少しの間、試合から退場しなければなりませんでした。

 リストライネンは(プラス/マイナス評価)プラス1で、守備面でも堅実なプレーを見せています。

 「素晴らしい」、トルトレラは言いました。「ケガでホッケーをあまりできなかっただけに(今シーズン、いくつかの軽症のため欠場。ケガの場所などは非公開)、彼は印象的だった」。

 リストライネンはシーズンに入って10試合をこなしており、フライヤーズは彼の安定感を気に入っています。トルトレラ監督とブラッド・ショウ8助監督のもとで、彼は成長しました。

 「18歳でリーグ戦に出場した時に、『トルトレラ』がいればよかったのに」とリストライネンは語っています。「彼と一緒に仕事をするのは楽しいし、彼の下で大きな一歩を踏み出せたような気がするんだ」。

デトロイトに、元フライヤーが…

 元フライヤーのシェイン・ゴスティスベヒアがウェルズ・ファーゴ・センターに戻ってきました。フリーエージェントの初日、彼はデトロイトと1年・総額412万5000ドル(日本円で約5億9千万円)の契約を結んでいます。

 30歳のディフェンスマンは、今シーズン、21ポイントを記録しています。

 フライヤーズは月曜日にニュージャージー州ボーヒーズで練習し、火曜日(東部時間午後7時/NBCSP=NBC Sportsで試合中継)にデビルズのホームへ乗り込む予定です。

まとめ

 トルトレラは冷徹そうに見えて、意外と熱い人で、それを選手達にも求める傾向があります。リストライネンのラフ・プレーについても、「よけいなプレーだ」「もっとキレイに守れ」と言わず、「どんどん行こうぜ」と言ってしまうタイプです。

 その熱さがいい形で伝わっているのか、今シーズンのチームは元気の良さを感じさせてくれます。ケガ人や病欠の多さが気がかりですが、トルトレラをはじめとする現場スタッフのチームワークがいいのか、それを補う人材の使い方が実に上手いのです。

 首位を行く絶好調レンジャーズを止めることができるか、攻撃力で劣るフィラデルフィアとしては、守備優先で少ないチャンスをモノにする作戦しかないでしょう。トルトレラが「2位じゃダメなんですか?」と言う訳ないので、きっと何か策を立てていると期待しています。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. トップのニューヨーク・レンジャーズとの勝ち点差は6、これ以上広げられると苦しい。同ディビジョン8チーム中、得失点差がプラスのチームは3チーム(既出の2チーム以外では、ピッツバーグ・ペンギンズのみ)しかいない。
    ↩︎
  2. 病名は非公表。19日(火曜)のニュージャージー戦には復帰予定と報じられている。
    ↩︎
  3. 病名については、いまだに非公表。痩せて体重が激減していることから、食中毒ではないかと言われているが、シーズン中に何度も症状が出たということで、別な病気との説も出ている。詳細はこちら→↩︎
  4. クチュリエは背中の出術のため、一昨シーズン、29試合出場で6ゴール・11アシスト、昨シーズンは全休。今シーズン、既に一昨シーズンの成績を上回っている。

     しかし、複数メディアの最新情報によると、レッドウィングス戦の後、練習を休んでおり、しばらく戦列を離れるのではないかと言われている。
    ↩︎
  5. カナダ、アルバータ州カルガリー出身。46歳。現役時のポジションは右ウィング/ディフェンス。現役時代、主にAHLを主戦場としていた。アイスホッケーをプレーする前はボクシングをやっていて、州でチャンピオンになっている。
    ↩︎
  6. パワープレー成功率10.5%は全体で30位。ゴール数87も全体22位とあまり高くなく、攻撃力アップがないと、レンジャーズ追撃は難しいかもしれない。
    ↩︎
  7. ペナルティ・キル成功率は86.5%で全体3位。被シュート数の1試合平均が28.37で全体29位と芳しくないにもかかわらず、失点79が全体7位、ゴールテンダーのセーブ率.907が11位となっていて、守備力の強さが分かる。

     トルトレラが「まだある程度の努力が必要」と言うのは、これら守備的数値のさらなるアップも含まれていると思われる。
    ↩︎
  8. カナダ、オンタリオ州ケンブリッジ出身。59歳。現役時のポジションはディフェンス。引退後、NHLやAHL等で9チームのコーチを歴任。トルトレラとコンビを組むのは、2015-16シーズンのコロンバス以来。妻は児童文学の作家。 ↩︎
タイトルとURLをコピーしました