はじめに
日米プロ野球は揃って開幕を迎え(珍しくほぼ同日)、各地で熱戦が繰り広げられています。特にWBC優勝で、注目の高まっている日本プロ野球は、例年と違い、Jリーグよりも威勢いいというか、元気のあるシーズンになりそうな予感がします。
片や我らのNHL、そしてNBAはレギュラー・シーズンの順位もほぼ確定し、いよいよプレーオフのシーズンに入ります。激しい順位争いを繰り広げたディビジョンが多い中、まさに無敵の快進撃、順風満帆なシーズンを送ったチーム、それがボストン・ブルーインズです。
数々の勝利にまつわる記録を打ち立ててきた今シーズンのブルーインズ、先週、(いつも通り)我が愛するフライヤーズを倒し、シーズン通算勝利数新記録となる63勝目を挙げました。
記事中、得点経過にも触れていますが、点差以上にブルーインズの底力を思い知らされた試合でした。次に目指すは、シーズンポイント数(勝ち点)新記録。果たしてどうなるのでしょうか。
とにかく強い!このままの勢いで、
一気にスタンレーカップも獲っちゃうんじゃないかにゃ!
ブルーインズを止められるのは、どこのチームなんだろ?
と考えるのもまた一興。
引用元:ESPN.com「Boston Bruins secure NHL record for single-season victories」。
シーズン最多勝記録達成!
5日、ボストン・ブルーインズは、フィラデルフィアのウェルズ・ファーゴ・センターでフライヤーズを5-3で破り、63勝を記録し、NHLのシーズン最多勝記録を更新しました。
この試合で、ブルーインズのフォワード、デビッド・パストルナック(右ウィング、26歳)はハットトリックを達成し、エドモントン・オイラーズの主将コナー・マクデイビッド(センター、26歳。64ゴール)に次ぐシーズン60ゴールを記録しています。
「とても楽しかったよ、嘘なんかつくつもりはないさ」とパストルナックはシーズンについて語っています。「特に、ここにいる仲間はみな楽しい連中ばかりだよ。
僕たちは、どれだけ(チームの勝利に)賭けられているかをよく知っていたし、そして、このようなゲームで、相手チームに勝つことは間違いなく特別なものさ。今日、ホッケー最大のリーグで歴史を作ったんだ」。
パストルナックも、マクデイビッドに負けないくらいの
大スター選手なんだにゃ。
2人共歴史に名を残す選手、
もっともっと日本でも注目してもらいたいよ。
次に目指す記録は…
ブルーインズは、1995-96シーズンのデトロイト・レッドウィングス、2018-19シーズンのタンパベイ・ライトニングと勝利数で並んだ状態で、試合に臨みました。最後は、NHL史上初のレギュラーシーズン63勝を達成したのです。
フライヤーズのコーチ、ジョン・トルトレラは「彼らの中の何人かは休んでいたな」と語っています。「それでも、ブルーインズは本当に良いホッケーチームだ」。
これでボストンのシーズン勝ち点は131となり、1976-77シーズンのモントリオール・カナディアンズが保持していたシーズン最多勝ち点132に迫る勢いとなりました。
ブルーインズは火曜日のワシントン・キャピタルズとのホームゲーム、そして木曜日のカナディアンズとのアウェイゲームへ突撃し(この最終戦について、かなり詩的な表現かもしれません)、シーズン終了となります。
※かなり詩的な表現=原文では、カナディアンズとのアウェイ・ゲームを「road tilt」と表現している。「tilt」には「(中世の騎士が)馬上でやりの試合をする」という意味があり、それが変じて「突撃」と訳される場合もある。
「game」とせずに、この語を使用したことについて、おそらく言及していると思われる。
ジム・モンゴメリー監督の談話
4月8日(土曜日)、ボストンのジム・モンゴメリー監督は「チームの皆は(この瞬間を)把握していると思うね。NHLの歴史と、このリーグがどれだけ長く続いてきたかについて話しているからだ」と語っています。
「(ウェイン・)グレツキーが(ゴーディ・)ハウの記録を破った時のように、彼らはそれを把握していると思う。我々のグループは、チームとして今、何をしているかを認識しているよ」。
※(ウェイン・)グレツキーが…=こちらを参照のこと→☆。
ボストンは2022-23シーズンのNHLを終始支配してきました。リーグ最高の成績でプレジデンツ・トロフィー(NHLのレギュラーシーズンにおいて、最も多くの勝ち点を獲得したチームに贈呈される賞)を獲得し、プレーオフを通じて、ホームのアイス・アリーナを使えるアドバンテージを得ています。
ESPNスタッツ&インフォメーションの調査によると、シーズンを通してディビジョン首位に立ったチームは、2008-09シーズンのサンノゼ・シャークス、1984-85シーズンのオイラーズ、1977-78シーズンのカナディアンズに続き、ブルーインズが4チーム目となります。
ブルーインズは50勝(64試合)、100ポイント(61試合)のチーム最速記録も樹立しました。
モンゴメリー監督と選手たちは、惰性でポスト・シーズンに突入するよりも、4月17日のスタンレーカップ・プレーオフ開幕前に、レギュラー・シーズンの記録を更新することが、意義深い目標であることを強調しています。
モンゴメリーは「記録を追いかけている最中に集中力を維持しながら、勝つ方法を学べるのは、我々のようなシーズンを過ごしている場合、やるべきことに最も近いんじゃないかな」と語っています。
モンゴメリー監督は、今の状況をプラスに考え、
将来のチームのために役立てようとしているのだにゃ。
彼は一度監督業を失敗した経験を持つから、
それをベースに物事に対処しているのかもしれない。
記録達成試合の得点経過
土曜日の夜、本拠地で、ボストンはニュージャージー・デビルズを破ってから24時間も経たないうちに、フライヤーズと対戦しました。
ブルーインズはセンターのパトリス・バージェロン(センター、37歳)とデビッド・クレイチ(センター、36歳)、ウインガーのテイラー・ホール(左ウィング、31歳)、ディフェンスのチャーリー・マカヴォイ(25歳)とドミトリー・オルロフ(31歳)を欠き、いつもよりやや劣るラインナップを氷上に送り出しました。
センターのチャーリー・コイル(センター、31歳)が試合開始からわずか47秒で得点し、ディフェンスマンのコナー・キャリック(ディフェンス、29歳)からのパスで、フィラデルフィアのゴールキーパーであるフェリックス・サンドストロム(26歳)を通り過ぎる、ワンタイマーを放ちました。
わずか17秒後、フライヤーズは、ブルーインズのゴールテンダー、ジェレミー・スウェイマン(24歳)のミスを突いて、ウェイド・アリソン(右ウィング、25歳)のアシスト無しのゴールで反撃しますが、結局、スウェイマンは34セーブを挙げて、チームを勝利に導きます。
スウェイマンは「このリーグで勝つのは難しいし、この記録が62にあるのは、そこに到達できるチームが少ないからで、到達できれば特別な名誉なんだ」と語っています。「ここにいる連中こそが、もっともふさわしい」。
第2ピリオド・2分4秒、パストルナックは同点に追いつき、7分31秒、追加点を決めました。第2ピリオド・13分58秒、ブルーインズのターンオーバーからジョエル・ファラビー(左ウィング、23歳)がゴールを決め、3-2とリードを広げて第3ピリオドに突入しました。
第3ピリオド・39秒、パストルナックはハットトリックを達成。
フライヤーズのフォワード、オーウェン・ティペット(右ウィング、24歳)が9分6秒に決めたゴールは興味深いものとなりましたが、センターのパベル・ザチャ(センター、26歳)がシーズン21ゴール目を決めて5-3とし、ボストンに歴史的勝利をもたらしたのです。
試合のハイライト映像をどうぞ!
愛するフライヤーズも歴史に名を残しちゃったにゃ…。
記録を紐解いてみると、実は…
日曜日(10日)、モンゴメリーは「レギュラーシーズン最多勝の歴史に、我がチーム名を残そうという話は、いつでも特別なものだ」と述べています。
1995-96シーズンのレッドウィングスは、延長シュート・アウト(PK戦)で引き分けがなくなる前の時代に、レギュラー・シーズン最多勝記録を樹立したことに注目する必要があります。
デトロイトの通算戦績が62-13-7。今シーズン、ボストンの勝利のうち4勝は、PK戦によるものでした。
まとめ
最後は、さりげなくブルーインズの勝利数に対してチャチャを入れている辺りが、ESPNらしいのですが、そういう数字上のことより、今季のブルーインズの試合運びの安定ぶりに着目すべきでしょう。
ベテランと若手の融合が理想的に図られており、特にここぞという時のベテランの力の発揮具合が絶妙でした。
しかし、それは裏を返せば、ベテランが抜けた時に、チームがどうなっていくのか、という問題にぶち当たってしまいます。
順位が上のため、今季のドラフトで有望新人選手獲得は望めないのですから、マイナーリーグで武者修行している若手の何人かがNHL入りするのかどうか、オフシーズンのブルーインズの動向が気になるところです。
今はともかく、このチームが記録づくめの一年をどう締めくくるか、シーズンの残りとプレーオフを楽しみましょう。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!