はじめに
前回は、L.A.キングスの大ベテラン=ドリュー・ダウティとアンゼ・コピターの若き日、彼らに「ホッケーとは」「チームとは」そして「人生とは」を教えた先輩達についての記事でした。
先輩達は練習の必要性を説くと同時に、彼らに「チームにおけるリーダー論」を授けたようです。メンタル・トレーニングの一環ですね。
今回は、先輩達からの教えを引き継いだダウティとコピターが、今度は「指導する側」に回った時、どのような振る舞いをしたか、についてです。
生意気盛りの若手とどのように向き合ったのか、そして、そろそろ引退の二文字もちらつき始める2人にとって、若手に伝えていくべき「教え」とは何か、それが記事の中心テーマです。
今回は後編だにゃ。
引用元:ESPN.com「‘They make you feel like you belong’: How Drew Doughty and Anze Kopitar have shaped the Kings」。
ダウティとコピターによる若手選手との交流
コピターは「今の連中も同じだと思うよ」と語りました。「彼らの何人かは、10年前、初めてスタンレーカップを獲得した僕達の成長ぶりを見ていた人もいるね。そんな僕らの存在が、時に少し不愉快になることもあるんじゃないかな。
でも、僕とドリューはかなりオープンな人間だし、とても親しみやすいと思うけどね。できるだけ、彼らが快適に過ごせるように心がけているよ」と述べています。
ダウティとブラント・クラーク、クイントン・バイフィールド
ダウティがESPNと話した日、彼は、19歳の新人ディフェンスマン、ブラント・クラーク(現在、下部組織であるAHLのオンタリオ・レインでプレイ)を含む数人の若いチームメイトと昼食に行く途中でした。ダウティは、クラークについて、そして(若手の)彼らがどのように協力してきたかについて興奮しながら話していました。
8月に20歳になったセンターのクイントン・バイフィールド(彼も現在オンタリオ・レインでプレイ)について話す時も、同じレベルの熱意を持っていたのです。
バイフィールドとダウティは昨シーズン、2人とも負傷した時に仲が良くなりました。ダウティはバイフィールドと一緒にスケートをしたり、トレーニングをしたり、昨シーズンはバイフィールドを試合に連れて行ったと語りました。一緒にテレビゲームをすることさえあります。
どんなゲームをやってるんだろ?
やっぱりNHLをプレイしてるのかにゃ。
ダウティとマイキー・アンダーソン
キングスのディフェンスマン、マイケル「マイキー」アンダーソン(23歳)は3シーズンめを迎え、キングスの24歳未満の現役選手の内、地元出身選手は8人いて、彼はその中の1人です。
彼らはチームの中核を担っており、他にもバイフィールドやアレックス・ターコット(センター、21歳。彼も現在オンタリオ・レインでプレイ)等もいて、キングスは再建を進めており、永続的なプレーオフチームになる可能性を持ちつつあるように見えます。
23歳のアンダーソンは、ダウティとコピターから学んだことがどのようなものであったか、について自らの洞察を述べています。
彼のディフェンスパートナーであるダウティが、自分をリラックスさせるために微妙なジョークを言ったり、チームメイトが笑顔になるようなことを言ったりすると述べています。
「ダウティはチームの連中に対して厳しいけど、忍耐力もあるみたいだよ」とアンダーソンは言います。「何かがうまくいかなければ、彼はそれを修正するために僕らが何をすべきかを知らせてくれる。
しかし、物事がうまくいくと、彼は最初に『おい、よくやった!これを続けるんだぞ、続けていくんだぞ!』と言うんだ」。
コピターとアンダーソン
コピターについて聞かれたアンダーソンは、キングスのキャプテンは若い選手たちを自分の家に連れて行き、彼らが自分の子供たちと遊んだり、家族と夕食をとることができるようにしてくれる、と言いました。
アンダーソンがコピターの家で食事をした最初の2、3回は、何が起こるかわからないということで、スターウォッチングしてるような気分だったそうです。
しかし、アンダーソンは、家族の夕食会に行くことへの緊張を克服するため、何をすべきかに気がつきました。招待される回数が増えれば増えるほど、コピターは、アンダーソンに自分らしくあることを望んでいたのです。
アンダーソンの言葉から、コピターがキャプテンであり、
大スター選手であることが分かるにゃ。
歓迎されるベテラン2人
アンダーソンによると、ダウティとコピターは非常に歓迎されており、年下のチームメイトが快適に暮らせるようにと、わざわざ配慮してくれるそうです。
これには、いい家具を提案することや、必要に応じて不動産業者とコンタクトを取ることまで、あらゆることが含まれています。
「改めて、チームの一員であることを感じさせてくれる」とアンダーソンは言います。「『いつもそうなのか』と言われると、それはわからないよ。でも、あの2人がいてくれて本当にラッキーだった。
2人の他に、ジョナサン・クイック(ゴールテンダー、36歳。彼もスタンレーカップ優勝を経験)とブラウニー(ダスティン・ブラウンのこと。スタンレーカップ優勝時の右ウィンガー、キャプテン)もそうだったかな。
チームに入ってから最初の数年間、ベテラン選手みんなが両手を広げて、僕らのような若い連中を自分の家族の一員として歓迎してくれたんだよ」。
ベテラン2人による「遺産」
今シーズン終了後、コピターは契約を1年残し、ドウティは契約を4年残すこととなります。2人とも「史上最高のキング」として引退するべき経歴を持ち、また殿堂入りの有力な候補者でもあるのです。
しかし、ダウティとコピターにとって、彼らのキャリアはそれ以上のものです。
アンダーソン、バイフィールド、クラークといった選手たちが30代になり、キャリア初期の人生を振り返る日が来るかもしれません。
若い彼らが、自分たちのことを気にかけてくれた、年長の2人の選手から学んだことがどのようなものだったか、についての話を共有し、その教訓が次の世代にも引き続き教えられることを願っています。
それが、ダウティとコピターが残していきたい「遺産」です。
「最初はあまり良くない面もありましたが、その後は本当に良いチームになってきました」とコピターは語りました。「今のチームには、非常に高い可能性があると思うよ。このチームには可能性があると思うし、他の場所ではプレーしたくないね」と述べました。
コピターの言葉に、オイラ、泣けてきたにゃ…。
まとめ
献身的にチームに尽くすベテランと若手の融合のおかげで、キングスは好調をキープしています。
サラリー・キャップ制度が厳格なNHLにおいて、自前の若手育成はチーム再建・浮上の肝となります。それはヘッド・コーチ一人でできるものではなく、ダウティとコピターのように、陰ながら盛り立てていく役目の選手がいないと成立しません。
今後、記事に名前の出た選手達が、キングスの歴史を作っていってくれるでしょう。まだ下部組織で頑張ってる選手が多く、し烈な競争に勝たねばなりません。しかし、2人のベテランの教えを忠実の守っていけば、きっと全員が「次のキングス黄金時代」を築き上げていくと思います。
彼らの成長物語を追っていくだけでも、NHL、興味沸いてきませんか?
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!