カンファレンス首位カナックス、苦戦中のゴールデンナイツを一蹴!

アイスホッケー名勝負

はじめに

 NHL各チーム、レギュラー・シーズンの残り試合が20を切り、イースタン・カンファレンスのワイルドカード争いが熾烈な以外、プレーオフ進出チームとそうでないチームが見えてきつつあります。かろうじて引っかかっているフィラデルフィア・フライヤーズは、相当ヤバい。

 そんな中、第4コーナーを一気にまくって、一番にゴールテープを切りそうなのが、パシフィック・ディヴィジョン、ウェスタンカンファレンス共に1位で突っ走る、バンクーバー・カナックスです。シーズン中盤、やや緊張感を欠いたプレーをしていましたが、それも遠い昔。

 プレーオフ、いやスタンレーカップ決勝の未来予想図を描いてもいいでしょう。別カンファレンスにいる「最も理想的なホッケーをする」フロリダ・パンサーズ、今シーズンも強さ爆発ボストン・ブルーインズ、ここら辺と決勝でぶつかると予想しても間違いはなさそうです。

讃岐猫
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引用元:abc News.com「First-place Canucks hand struggling Golden Knights 3-1 loss

   The Hockey News.com「Elias Pettersson Makes History As The Canucks Defeat The Vegas Golden Knights

記録づくめの首位キープ!

 クイン・ヒューズ(ディフェンス、24歳)、フィリップ・ディ・ジュゼッペ(左ウィング、30歳。29試合ぶりの得点)、コナー・ガーランド(右ウィング、27歳)がそれぞれ得点を決め、ウェスタン・カンファレンス首位のバンクーバー・カナックスは、パシフィック・ディビジョン首位も維持しながら、3月7日(木曜日)の夜、苦戦中のベガス・ゴールデン・ナイツに3-1の「敗戦」をもたらしました。

 カナックスのセンター、エリアス・ペターソン(25歳)は第1ピリオドのアシストで、キャリア通算400ポイントを記録しています。彼はフランチャイズ史上2番目に速く到達した選手で、パベル・ブレ(バンクーバーOB。「ロシアン・ロケット」の異名を持つ右ウィング)より30試合多い390試合に出場しています(スウェーデン人選手としては、5番目)。

 ペターソンはまた、ナイツとキャリア通算14試合で16ポイントを獲得しており、現役カナックス選手中で最多です。

 サッチャー・デムコ(ゴールキーパー、28歳)はカナックスで27セーブを記録しました(今シーズン33勝目でキャリアハイ)。J.T.ミラー(センター、30歳)の連続ポイントは8試合で止まり、その間に7ゴールと7アシストを記録しました。

 マイケル・アマディオ(右ウィング、27歳)はベガスの唯一のゴールを決め、アディン・ヒル(ゴールテンダー、27歳)が32セーブを記録した。

 カナックスは3連勝し、勝ち点89で、ディビジョン2位のエドモントンよりも11ポイント多く(3月7日時点、現在は12ポイント差)、ウェスタン・カンファレンストップに立ち、2位のダラスよりも4ポイント多くなっています(3月7日時点、現在は2ポイント差)。

 またNHL最多の勝ち点であり、イースタン・カンファレンス首位に立つフロリダを、バンクーバーは1ポイント差で追いかけています

選手達が、今のチームについて大いに語る

 「今シーズンの残り期間、このようなプレーを維持していくこと1が重要になるだろう」とデムコは言いました。「これらは我々にとって大きな試合であり、我々のグループが成果を出し、実行していくことこそ良い仕事だ」。

 カナックスはここ3試合で3失点と好プレーを見せていますが、すべてアウェーでの失点です。

 「もちろん、アウェーでの勝利は大きいけど、1点か2点のリードだけで勝てるプレーする自信はあると思う…この遠征の全試合で、我々は必要なときにしっかり抑えられることを示した」とディ・ジュゼッペは言いました。

 「我々にはパックをネットに入れることのできるスキルのある選手がいるが、プレーオフのようなタイトな試合で、今回のようなタイトな試合で勝てることを証明できた(つまり、守り勝ちもできた)」。

讃岐猫
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昨シーズンのチャンピオン、危うし!

 ディフェンディング・チャンピオンのナイツは、過去11試合で2勝8敗1延長負けで、プレーオフ進出が危ぶまれています。彼らは最後のワイルドカード・スポットにしがみついています。

 「シーズン中にはそういう時期があるものだが、できるだけ早くそこから抜け出さなければならない」とナイツのセンター、ニコラス・ロイ(センター、27歳)は言いました。「もうずっと長いことやっているように感じるよ」。

 しかし、バンクーバーが第3ピリオドで得点を挙げなかったことで、ベガスは連続失点を13ピリオドで終わらせることに成功しています。それまでは、ナイツが1ピリオドを無得点に抑えたのは、2月27日の第1ピリオド、トロントが無得点に抑えられたのが最後でした。

得点経過

 バンクーバーは序盤からラスベガスを圧倒し、最初のピリオド途中でナイツを(シュート数)12-1で上回り、2-0のリードを奪いました(バンクーバーは、今シーズンのNHLで初の30試合連続先制点を達成)。

 NHLのディフェンス陣トップの74ポイントを挙げたヒューズは、スロットからのパワープレーで得点し、ベガスの遅延ペナルティーによるプレー・ミスの後、ディ・ジュゼッペは得点しています。その2点目の際、ニルス・ホグランダー(左ウィング、23歳)はつまずきましたが、パックは右サイドのディ・ジュゼッペに渡りました。

 しかし、ナイツにもチャンスがあったのです。ジャック・アイシェル(センター、27歳)は1本のショットでクロスバーを叩き、3対2のラッシュでデムコのグローブを直撃しました。

 第2ピリオド開始3分50秒、ベガスのアマディオが右サイドから得点を決め、突破口を開きましたが、残り4分2秒、カナックスのガーランドがリバウンドを拾い、再び2点差に広げています(第2ピリオド後にリードしたときの成績:32勝1敗3延長負け)。

この試合のハイライト映像です!
讃岐猫
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この試合内容に監督も大満足

 「この時期、プレーオフでのホッケーであれ何であれ、そういう状況では本当にタフでなければならない。我々はそれをできたと思う」とカナックス監督、リック・トチェットは言いました。

 「我々は今回のアウェイ遠征に満足している2。(金曜日に)休みをもらって、すぐにレギュラー・シーズンに戻ってくるよ」。

次の試合

カナックス:3月9日(土曜日)、ホスト・ゲーム(ロジャース・アリーナ)にウィニペグを迎えます。
 カナックスは土曜日にに戻り、ウィニペグ・ジェッツと対戦します。これは9試合のホーム戦の始まりであり、バンクーバーの次の試合は4月2日(ベガス戦)に行われます。

ゴールデンナイツ:土曜日、ホスト・ゲームにデトロイトを迎えます。

【付記】

 この試合を、The Hockey News.comでは次のように評価している。

 「全体として、バンクーバーはゲームプランをほぼ完璧に実行し、今シーズン最高のパフォーマンスの1つを披露した。

 ベガスは第3ピリオドでシュートのアドバンテージを得たが、カナックスは危険な相手側のチャンスを抑え込む素晴らしい仕事をし、サッチャー・デムコはゴールネットで再び堅実なプレーをし、この夜、わずか1本のリバウンドショットによる得点を許したのみだった。

 プレーオフで対戦するであろう相手との試合で、バンクーバーは、強力なディフェンスシステムと継続的なフォアチェックで相手を挫折させることができると改めて示した」。

 リック・トチェット監督は、期待の若手ヴァシリー・ポドコルジン(右ウィング、22歳)のプレーについて次のように語っている。

 「ポドコルジンが試合終盤5つのシフトでプレーしたことに満足している。彼は自在にパックを操れる選手で、彼がパックを持つと、自陣からスケートをして、相手にとってのレッド・ゾーンに入っていき、シュートを流し込めるんだ。

 時には間違った方向にパスを出してしまったり、うまくパックを持って行けなかったりするけど、そんな時でも落ち着いているように見えるね。タイトな試合でプレーするようになり、そういった状況でプレーすることにより、経験を積んでいけるんだよ」。

まとめ

 最新の試合結果(3月9日)を見ると、ウィニペグ・ジェッツを5-0で一蹴。この試合でも第1ピリオドに先取点、その後、2得点を挙げ、一気に試合の主導権を握る展開となりました。このピリオドだけで20本のシュート、ベガス戦同様、相手の出鼻を挫く戦法を取っています。

 エリアス・ペターゾン、J.T.ミラー、クイン・ヒューズの3人共、100ポイント超えするんじゃないかと思える勢い。デムコを中心とした守備は相変わらず強固。決して調子の悪くないウィニペグの攻撃を完封するとは、この実力は本物と言っていいでしょう。

 しかし、圧倒的パワーでレギュラー・シーズンを勝っておきながら、プレーオフ1回戦敗退の憂き目に遭った、昨シーズンのボストン・ブルーインズの例があります。バンクーバーの監督の談話から、そうならないようにどうするか、既に計画を立てているのではないでしょうか。

讃岐猫
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【註釈】

  1. なぜ、バンクーバーがゴールデンナイツに対して成功したのか、その理由についても、サッチャー・デムコは次のように述べている。

     「ただ、相手を追跡しているだけさ。3人でディフェンスをフォローしてくれたのは本当に良かったと思う。オッドマン・ラッシュを抑えて、ちょうど良いコミュニケーションと自陣での本当に強いプレーをしてくれたね。

     ベガスが得たリンク中央からのチャンスを防ぐことに集中してくれた。ウチのディフェンス陣は、相手をボックスアウトさせ、僕にパックを見せてくれるという本当にいい仕事をしてくれた」。

     ボックスアウトとは、パックを取ろうとするオフェンスに対し、ディフェンスは自分の背中部分を相手の体の方へ向け〈あるいは密着させ〉、相手の動きを封じることである。
    ↩︎
  2. 監督は次のようにも語っている。

     「これがカナックスのホッケーだと思う。パックのない所でのプレーが良かった。ここ3試合で自分たちのアイデンティティを取り戻せたと思う。各試合でペナルティを1回ずつ取ったのは良かったんじゃないかな。

     我々が補強したかった部分すべて、選手達が補強してくれた。私はみんなを称賛しなければならないね。これはプレーするのに難しい場所さ。ベガスに多くを与えなかったが、与えそうになったとき、デマー(デムコの愛称)がちゃんとそこ(ゴール)にいてくれたんだ」。

     クイン・ヒューズも、次のように語っている。

     「僕らはすでに自信に満ち溢れているグループなんだけど、この遠征を全力で終えた後、20日間もホームにいられるのは(次のアウェイは4月2日)、何よりもいいことだし、僕らはやっとそれを手に入れたんだ」。 ↩︎
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