2023年NHLヘリテージ・クラシックに現れた猛者達の姿を見よ!

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はじめに 

 いつの間にか日本に定着していたハロウィンも終わり、祭りの後の静けさに浸る…なんて感じじゃありませんね。 

 熱しやすく冷めやすい日本人の気質にしては、なぜか長続きしていることも含め、今年並みに来年も要注意とするのであれば、不可思議な社会現象として、グローバルな視点から分析していくべきなのかもしれません。 

 さて、ハロウィンの時期、NHLの選手達は家族とともに、あくまでも「ほんわかムード」の仮装をしています。そちらは公式HP等を見ていただくとして、野外での試合、2023年、ティム・ホートンズNHLヘリテージ・クラシックでも「仮装」は行われました。 

 NHLでは屋外試合をする両チームが会場入りの際、必ずその土地にちなんだ仮装をします。上記クラシックはちょうどハロウィンの時期も近かったため、注目されていたのですが、両チーム「男臭い(かわいくない?)仮装」で会場にやってきたようです。 

讃岐猫
讃岐猫

引用元:NHL.com「Oilers, Flames show up to 2023 Heritage Classic in unique outfits

「オイラーズ」なだけに「石油」なのか…

 さて、カルガリー・フレームスとエドモントン・オイラーズは、2023年のティム・ホートン1ズNHLヘリテージ・クラシック2試合会場3に到着しましたが、全員、太陽が目に入らないようにしていました(つまり、サングラスをしていた)。

 オイラーズの選手達は、カスタマイズされた4人乗りのカートに乗って、フル装備の石油関連の労働者姿で現れました。各カートには、チームのヘリテージ・クラシックのロゴが入っていたのです。

応援してくれる地元への敬意の表れ

 各選手は青いカバーオールに身を包み、前面に背番号、側面にオイラーズのロゴが入ったヘルメットをかぶっていました。

 「見てはっきり分かる通り、我々はオイラーズの代表としてここにいる石油掘削施設4の労働者だ。一生懸命働くブルーカラーとして、街を代表して仕事に行こう。これは面白いコンセプト、考えだと思ったのさ」とオイラーズのフォワード、ザック・ハイマン(左ウィング、31歳)は語っています。

讃岐猫
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 オイラーズのディフェンスマン、マティアス・エクホルム(33歳)は、「クールなことだと思うよ」と語りました。「僕はこれまで何度か(屋外の試合に)参加しているけど、ユニフォームを着て試合に臨むってことは、街やファン、そして街の人々を代表できる楽しさがあると思う。

 本当に素晴らしいことだし、エドモントンの街の人達は素晴らしい仕事をしてくれていると感じている」。

マティアスとザックの記者会見の映像です。

カルガリーはカウボーイの街

 一方のフレームスは…カウボーイの格好で来たのですか?農場主?牛の牧場主?それらすべてですか?

寒くないのかな?

 フレームスのFWアンドリュー・マンジャパン(左ウィング、27歳)は、「僕らにはちょっとしたウエスタン・ウェア5かな」と語っています。「それは(チームメイトの)ナゼム・カドリ(センター、33歳)のアイデアなんだ。僕らはそれに賛同し、楽しんでいたし、そのウェアは素晴らしい出来栄えだと思うよ」。

 チームはデニムのオーバーオール6を選び、着てきましたが、「オーバーオール」という言葉を適当に使っているな、と感じさせたのは、フレームスの選手達が(オーバーオールの下、上半身に)ほとんど何も着ていなかったからです。

一番見てほしいのは「ヒゲ」?

 しかし、本当に重要なのは、実際に各選手がスタジアムに向かう際にかぶっていた、大きなつばのカウボーイハットでした。そして、様々な無精髭スタイルがとてもたくさん並んでいたのです。

讃岐猫
讃岐猫

 「昨日、ディロン・デュベ(センター、25歳)は、(チームのみんなが)ひげを剃って、ハンドルバー7か何かの形にするべきだと言っていたね」とフレームスのディフェンスマン、クリス・タネフ(33歳)は言いました。

 「ハンドルバーによってはちょっとまだら模様で、まるでパッチワークのようだったけど、かなりいいヒゲができていると思うよ」。

 両チームは明らかにハロウィン・シーズンの本領を発揮していました。

まとめ

 カルガリーの仮装は金かかってそうに見えないんですけど(失礼!)、インパクトは結構あったのではないでしょうか。個人的には、これら仮装以上に、この試合限定ユニのデザインに驚かされました。

 NHLのユニはどこもシンプルなのが身上なのに、このゴテゴテ感をどう表現すればいいのか(特にエドモントン)。

 このクラシック、結局エドモントンが勝利し、チームは一時の不振から脱却しつつあります。とりあえず実力的にやや劣るチームには取りこぼしをせず、確実に勝ちを拾っていくしかないでしょう。そこでペースが戻ってくれば、一気に連勝街道を突っ走れる実力を持ったチームですから。

 一方のカルガリー、昨シーズンからチームに合流している選手達が相変わらずピリッとしません。根本的にチーム作りを見直すか、ネーム・バリューにとらわれず、本当にチームにフィットする選手を探してくるか。早くもチーム状況は正念場を迎えている感じです。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. 一般にTim’sまたはTimmie’sという愛称で親しまれている、カナダの多国籍コーヒーハウスおよびレストランチェーン。本社はトロント。コーヒー、ドーナツ、サンドイッチ、その他のファーストフード品を提供。

     カナダ最大のクイックサービス・レストランチェーンであり、2022年6月30日現在、15か国に5,352店舗を展開。カナダのホッケー選手ティム・ホートン(1930~1974)とジム・シャレード(1934~2009)によって、1964年、オンタリオ州ハミルトンで設立。
    ↩︎
  2. カナダにホームを持つNHLチームが、フットボール・スタジアムで開催するレギュラーシーズン中の屋外試合。

     NHLの他の2つの屋外試合、NHLウィンター・クラシックとNHLスタジアム・シリーズとは異なり、ヘリテージ・クラシックは頻繁に開催されていない。2003年から現在まで7試合しか行われていない。
    ↩︎
  3. カナダ、アルバータ州エドモントンのマッコーリー地区にある屋外の多目的スタジアム。座席数は56,302で、カナダ最大の野外スタジアム。主にカナディアン・フットボールに使用され、陸上競技、サッカー、ラグビーユニオン、コンサートも開催。
    ↩︎
  4. エドモントンはカナダ北西部の鉄道,航空路の要所であると同時に、カナダの原油の半分以上を産出するアルバータ油田の中心地で,石油精製・石油化学工業が発達している。

     ここからパイプラインで,東部のトロントやモントリオール,西部のバンクーバーなどに石油が送られている。
    ↩︎
  5. 毎年7月、カルガリーで開催されるカウボーイの祭典カルガリー・スタンピードにちなんだものと思われる。100年以上の歴史があり、世界中から100万人以上が集まる祭典で、「地上最大のアウトドアショー」と言われる。

     世界一高額なロデオ大会(賞金が2億円超え)等のショーの他、移動遊園地や花火ショーなど、子供から大人まで楽しめるものとなっている。
    ↩︎
  6. オーバーオールを着るのは、元々、中の衣服が汚れないようにするためで、上半身に何も着ていないと、意味をなさないから。
    ↩︎
  7. 自転車の部品のこと。カルガリーは、観光客に自転車による街中散策を勧めており、また住民も自転車移動を活用している。 ↩︎
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