はじめに
各チームのGMが集まって、試合中の違反行為やペナルティに関する会議を行った件について、前回記事にしました。
その会議と直結するわけではないのですが、11月13日(日曜日)夜に行われたボストン・ブルーインズvs.バンクーバー・カナックスの一戦は、ファールのオンパレードな上に、ペナルティ・ボックス大繁盛の試合でした。
NHLの場合、選手同士の肉弾戦も見所の一つとされてはいます(配信で見ていても、あまり気持ちのいい物ではありませんね)。ただ、それによって、該当選手のペナルティ・ボックス行きの時間が長くなり、試合の質を低下させてしまっては元も子もありません。
今回の場合、大切な仲間を守るため、理不尽に売られたケンカは買わなきゃならぬ!と(日本人好みの)浪花節的な部分があったとはいえ、該当選手はペナルティの中でもかなり重い10分間退場を命じられている訳であり、観に来ている子供たちの眼にそれがどう映ったか。
北米四大スポーツの中でも乱闘率の高いNHL、観客は言うに及ばず、ジャッジする審判団のことも考えたら、文字通り「正々堂々とホッケーやろうや!」の精神で試合をやってもらいたいものです。
試合時間60分で10分間も退場してたら、
それこそ戦力ダウン。
チーム監督からも
ペナルティ課せられるんじゃないのかにゃ?
引用元:ESPN.com「Bruins down Canucks for team-record 9-0 home start」
ブルーインズ、ホーム9連勝!
カナックスを撃破!
パトリス・バージェロン(キャプテン、センター、37歳)が2日間で3ゴール目を決め、ボストン・ブルーインズは日曜日の夜(11月13日夜)にバンクーバー・カナックスを5-2で破り、開幕からホームで9連勝し、チーム記録を更新しました。
ブルーインズは、1983-84年に旧ボストン・ガーデンで記録した8勝0敗のスタートを上回りました。
「誰もがチームのために貢献し、プレーしていると思う。今はそれが一番大きいと思う」とバージェロンは述べました。
ブラッド・マルシャン(副キャプテン、左ウィング、34歳)が今シーズンまだ8試合出場にもかかわらず5点目を決めました。
コナー・クリフトン(ディフェンス、27歳)とパベル・ザハ(センター、25歳)も得点し、残り1分58秒でトーマス・ノシェック(左ウィング、30歳)がゴール・ネットを揺らしました。
ブルーインズは4連勝中、ここ12戦11勝をあげ、通算で14勝2敗0分としています。
キャプテンであり、ベテランの
バージェロンがチームを引っ張っていて、
それにみんなが一致団結して、
ついて行ってる訳だにゃ。
セイバーズ戦の反省を活かせ!
バージェロンは、3対1で勝利した土曜日のバッファロー戦で2ゴールを挙げましたが、(この試合の)ブルーインズはセイバーズに苦戦しており(第2ピリオド終了時点で1‐1)、相手の勢いを抑えるために、チームは第3ピリオドで2ゴールを必要とされていました。
「そのこと(セイバーズ戦のこと)について、僕らは話し合ったよ。チームはより良いスタートを切り、より良い努力をしたかったんだ。今夜の試合の方がずっといいデキだと思ったよ」とバージェロンは述べました。
ハンプス・リンドホルム(ディフェンス、28歳)が3アシスト、ダビド・パストルニャーク(右ウィング、26歳)が2アシストを記録し、バージェロンとマルシャンのワンタイム・ショット(パスを受けてパックを止めずそのまま打つショット)のお膳立て。
ブルーインズのトップラインが、試合をリードしたのです!
カナックス、3連敗…
J.T.ミラー(副キャプテン、センターor左ウィング、29歳)が2点目を決め、シェルドン・ドリス(センター、28歳)もゴールを決めたが、バンクーバーは3連敗を喫してしまいました。
サッチャー・デムコ(ゴールテンダー、26歳)は27本のシュートを止めたものの、バンクーバーは5試合の遠征で1勝3敗の成績でした。
アシストに加え、パストナックパストルニャークはカナックスから2度のトリッピング・ペナルティ(スティックや手足を使って相手をつまづかせたり転倒させたりする反則)を受けました。
第1ピリオドの終盤、彼はスラップ・ショット(後方にスティックを振り上げて、野球やゴルフのようにスティックを振り落としてパックを打つ、強いシュート)を決めた後、スロット(アタッキング・ゾーン、またはディフェンス・ゾーンにある2つのフェイスオフ・サークルの間のスペース)のバージェロンへパックを滑り込ませるようなパス。
バージェロンはチップイン(軽くパスをスティックに当て、方向を変えたショット)で得点し、ボストンは2-1と逆転。彼は土曜日の夜にも2得点を挙げ、バッファローに3-1の勝利の立役者となっています。
カナックス監督の談話
両チームともパワープレーの機会が6回あって、2回をモノにしました。バンクーバーのブルース・ブードロー監督(67歳)は、カナックスがあまりにも多くのチャンスをブルーインズに与えたとコメントしています。
その中には、試合時間を遅らせるため、故意に行ったクリア・ミスに対する2回のペナルティと、壊れたスティックでプレーしたことによるペナルティも含まれています。
ブードローは「ひどく難しい時間帯を作ってしまったね」と言いました。「こっちが馬鹿げたペナルティや必要のないペナルティを受けるたびに、それらが全部得点に結びつくようだった」。
監督が怒るのも無理はない。
両チームとも反則の応酬だったからにゃ…。
ブルーインズの途切れた記録
リンドホルムとザハのギブ・アンド・ゴー(味方にパックを渡し、もう一度もらいに走るプレーのこと)でブルーインズが3-1にした後、パストルニャークが第2ピリオド終盤にマルシャンにクロス・パスを送り、オフ・シーズンの股関節手術から復帰したマルシャンが5点目を決めました。
ブルーインズは4対1でリードしていましたが、第3ピリオド・4分34秒、ドリースがネット横からのシュートで得点しました。
ボストンのヤクブ・ズボジール(ディフェンス、25歳)がハイスティックのペナルティを受け、(パワープレー)残り2秒のところで、カナックスがこの試合2点目のパワープレー・ゴールを決めました。
日曜日の試合で言えば、ブルーインズはそれまでの3試合で12回連続パワープレー・ゴールを防いでいました。
ボストンの連続記録は、第1ピリオド・9分5秒、(カナックスの)ミラーがゴールテンダーのリーナス・ウルマーク(29歳)を突破して、ゴールを決めた時に終わりを告げたのです。
ペナルティの嵐!
故意にパストルニャークを強く殴ったカイル・バロウズ(ディフェンス、27歳)と乱闘になったノシェックがペナルティを受け、カナックスは一人多い状態でした。
※ノシェックは暴力行為の他に、乱闘を煽るような行為等も行っていたため、この際、ペナルティが三つ課されています。
そのため、トレンド・フレデリック(センター、24歳)がノシェックのペナルティのうち一つ(煽る行為へのペナルティ2分間退場)を代わりに受けたため、5分間退場のバロウズのいないカナックスは4人、ブルーインズは3人それぞれ氷上にいるわけです(ゴールテンダーは除く)。
「毎晩、チームメイトのために、ノシェックは何かやってくれるんだ。彼があの場に行って、パスタ(パストルニャークのこと)のために立ち上がり、そして(ノシェックが)ゴールするのを見るのはとても楽しかった!」 とリンドホルムは語りました。
あまりにもノシェックのペナルティが多すぎて、
何が何やら,,,。
審判団も難しいジャッジになったと思うにゃ。
流血の騒ぎに…
この戦いは長続きしなかったものの、緊張は高まり続けていました。A.J.グリア(左ウィング、25歳)がバンクーバーのワシリー・ポドコルジン(右ウィング、21歳)をアイスリンクのセンター付近で打ちのめし、その後、両者がスティックを振り回し始めました。
グリアはポドコジンの顔面に何発もクリーン・ショットを放ち、ポドコジンは出血。グリアはブルーインズ・ファンの歓声の中、ベンチに戻されました。ポドコルジンは戻りませんでした。
乱闘後、チームは結束した
バージェロンによると、パストルニャークが殴られた後、ノシェックはバロウズのすぐ傍まで行き、他のチームメイトを鼓舞していたそうです。
その甲斐あって、終了間際には(ゴールテンダーの)ウルマークの正面からシュートを放ち、相手側の氷上のネットに突き刺しました。
※この際、カナックスはエンプティ・ネット、つまり、失点のリスクを冒してでも、数的有利な状況を作り出して得点を狙う状態でした。
「(あのゴールを)ベンチで見ることができたよ。みんな彼のために超喜んでいたね、当然のことさ」とバージェロンは言いました。
流血騒動の後に、チームが盛り上がるのは、
あまりいただけないにゃあ…。
まとめ
ペナルティについて、カナックス監督からコメントありましたが、ブルーインズ監督のものは、少なくともこの記事にアップされていません。チーム内でディスカッションされたと思うのですが、果たしてどうでしょう。
連勝街道驀進中のブルーインズ(この記事を書いてる最中にフライヤーズ戦があり、ブルーインズはまたも勝利!フライヤーズ、最近、調子悪いっす…)、勝ってるからと言って、このペナルティの多さに目をつむってはいけないと思います。
キャプテンであり、大ベテランのバージェロンからも反省の言葉はなし。試合直後でやや興奮していたのでしょうか、レジェンドとも言うべき存在の選手なだけに、もう少し大人の対応をして欲しかったです。
いずれにしても、世の中がきな臭い状況の中、スポーツ界もそれにならえで良い筈はありません。この試合、遅延行為やら折れたスティックでのプレーやらもあり、いろんな意味で、冒頭で述べたGM会議で採り上げられる感じがしますねぇ…。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!