はじめに
※昨日のブログ記事「巨額契約やトレードがリーグを揺るがす?NHLオフシーズン予測」の続編です。
NHLのオフシーズンは、各チームの未来を占う熱い駆け引きの戦場です。サラリーキャップに余裕のあるチームが多く、トレード中心の夏になると期待される今オフは、例年以上に大胆な噂が飛び交っています。
守護神のアップグレード、理想のセンターを巡る思惑、復活を期すベテランへの投資、そして次代を担う若き天才たちの契約問題まで、リーグの勢力図を塗り替える激動の最新トレンドを徹底分析します!
キングスの守護神問題:ベテラン・ボブロフスキー獲得でパナリンとの黄金コンビ復活へ?
オフシーズンを迎え、最も動きが注目されるのがロサンゼルス・キングスです。昨季のキングスはチームセーブ率がリーグ25位に沈み、ゴールテンダー陣の構築が深刻な課題となりました。
主にゴールを守ったのは、36歳のダーシー・クエンパーと33歳のアントン・フォルスバーグのベテランコンビでしたが、彼らはともに契約最終年を迎えます。
キングスとしては、来季は再び高い競争力のあるチームを目指しており、昨季トレードで獲得し、契約延長を結んだアルテミ・パナリンの残された2年間を、決して無駄にはしたくないはずです。
五輪での負傷により今季残り試合を欠場したケビン・フィアラも再び攻撃陣の一角を担う予定ですが、チームはさらなるテコ入れを必要としています。
この状況で、直近2度のカップ制覇経験を持つベテラン守護神、セルゲイ・ボブロフスキーの獲得の噂が浮上しています。彼が「マーシャン級」の契約を得る姿は想像しづらいですが、キングスが1~2年の短期契約に踏み切り、この実力派に賭ける可能性はあるのでしょうか。

⬆️ボブロフスキーが「マーシャン級」の契約を要求していた件については、こちらをどうぞ。
ボブロフスキーはパナリンと親しい友人であり、コロンバス時代にも成功を共にした実績があります。ロサンゼルスとしては、2026-27シーズンに向けてゴールテンダーの確実なアップグレードを模索する可能性が高く、この大物ベテランの動向から目が離せません。🤝🥅

参照記事が同一とはいえ、昨日のブログでも取り上げたボブロフスキー、再登場とはモテモテだにゃ。やや衰えが見えてきたのは年齢的に仕方ない、でも、カップ戦を2度制覇の経験値は何物にも代えがたいわけで、2025/26シーズンのプレーオフ出場チーム中、そこを重要視するチームがあってもおかしくない。レジェンドの抜けたキングス辺りはちょうどいいチームかも。
モントリオールの苦悩と野望:特級プロスペクト・ザロフスキーを動かす「極上センター」の条件
モントリオール・カナディアンズにも変革の予感が漂っています。トロントとの間で噂されたマシュー・ナイズとアレクサンダー・ザロフスキーの大型トレードは、フロントオフィスの刷新とドラフト1位指名権の獲得により現実的には消滅しました。
本来それはウィンガー対象でしたが、モントリオール最大の補強ポイントはセンターです。ニック・スズキの背後に続く中心選手を確保することが、チーム進化の次の段階となります。
今季は良いシーズンを送ったものの、来季のアトランティック・ディビジョンの激しさや、カロライナにあっさり敗れたプレーオフで露呈した課題を踏まえると、GMケント・ヒューズが今夏にセンター補強へ動く理由は十分です。
ただし適切な選手が市場にいるかが重要です。ディラン・ラーキン(デトロイト・レッドウィングス)は適合するのか。メイソン・マクタビッシュ(アナハイム・ダックス)は、プレーオフでの健康な状態でのベンチ落ちを考えるとリスクが高いのか。
ロバート・トーマス(セントルイス・ブルース)は本当にセントルイスから放出されるのか。
もし理想のセンターが不在なら、1年待ちコナー・マクデビッドやシドニー・クロスビー級の超大型案件を狙う可能性すらあります。サラリーキャップに余裕があるチームが多い今オフはトレード中心の夏になると期待されており、新たな名前が浮上する可能性も高いです。
理想のセンターが見つかれば、ザロフスキーは魅力的なカードになります。彼は今年初め、ジェイソン・ブカラのランキングでNHL未到達プロスペクト中2位でした。ジェームズ・ハーゲンスがブルーインズでデビューした今、事実上トップ評価のプロスペクトです。🇨🇦
【讃岐猫😺の深堀コラム】モントリオールの次なる一手:ケント・ヒューズGMが挑む「2番手センター」獲得への思惑とジレンマ
モントリオール・カナディアンズは、バッファロー・セイバーズやタンパベイ・ライトニングを撃破して東カンファレンス決勝(ECF)へ進出するという快進撃を見せ、チームへの期待値をかつてないほどに高めて2025-26シーズンを終えた。
しかし、アトランティック・ディビジョンの激烈な競争や、プレーオフで露呈した戦力不足を勝ち抜くためには、次なるステップとして実力派センターの獲得が不可欠であるというのが、現在の北米ホッケーメディアにおける共通の認識である。
GMのケント・ヒューズは、強豪としての地位を確固たるものにするため、今オフに「2番手センター」の補強を最優先事項に掲げて移籍市場を注視している。
現在、カナディアンズの補強候補として地元メディアを騒がせている名前は複数存在する。特に注目されているのがアナハイム・ダックスのメイソン・マクタビッシュであり、今季のパフォーマンス低下やプレーオフでのベンチ落ち(ヘルシースクラッチ)を受けてトレードの噂が絶えない。
23歳という若さはカナディアンズのコア層に合致するものの、年平均700万ドル(AAV)で残り5年という大型契約と守備指標の悪さは、サラリーキャップの柔軟性を重視するチームにとって小さくないリスクである。
また、デトロイト・レッドウィングスの主将ディラン・ラーキンを巡るトレード交渉に、ダックスがマクタビッシュを絡めて動いているとの報道もあり、センター市場の動向は複雑さを極めている。
さらに、ニュージャージー・デビルズのニコ・ヒシャの契約延長交渉の行方や、セントルイス・ブルースのロバート・トーマスの動向にも網が張られているが、これらの超大物を引き抜くための対価は極めて高くつくことが予想される。
ニューヨーク・レンジャーズのヴィンセント・トロチェックの獲得戦線からは一歩退いたとされるヒューズGMだが、トレーニングキャンプ開始までにセンター陣を厚くする算段であることは間違いない。
問題は、こうした即戦力センターをトレードで獲得するために、カナディアンズがどの「駒」を手放すかという点である。現時点で、ドラフト全体28位指名権や、NCAAのミシガン大学への残留を決めたマイケル・ヘイジが有力なトレードアセットとして浮上している。
一方で、KHLで台頭し、ジェイソン・ブカラのランキング等でも最高峰の評価を受けるアレクサンダー・ザロフスキーを放出カードにすることについては、慎重論が根強い。
ホッケーアナリストのクレイグ・ボタン氏は、ザロフスキーがKHLで見せた高いポテンシャルと、チームの未来のスターであるイワン・デミドフとの良好な関係性を指摘し、彼を安易にトレードへ出すべきではないと強く警鐘を鳴らしている。
デミドフ自身も同郷のザロフスキーの面倒を見る姿勢を示しており、この将来有望なコンビを解体することはフランチャイズの未来に影響を与えかねない。ヒューズGMは、今夏の勝利を掴むための即効性と、デミドフやレーン・ハトソンを中心とした長期的な育成方針の維持という、非常に難しい舵取りを迫られている。
出典リスト
Spectors Hockey, “NHL Rumor Mill – June 16, 2026“, 2026年6月16日
Spectors Hockey, “NHL Rumor Mill – June 1, 2026“, 2026年6月1日
Yardbarker, “Trading Alexander Zharovsky: ‘I’d be cautious’“, 2026年6月17日
Dose.ca, “RUMOR | Two centers linked to the Canadiens traded for each other“, 2026年6月17日
The Hockey Writers, “Top Canadiens Storylines Set to Define Their 2026 Offseason“, 2026年6月17日確認
A Winning Habit, “NHL Rumors: Canadiens pull out of the sweepstakes for Rangers center Vincent Trocheck“, 2026年6月17日確認
オタワ・セネターズの勝負手:得点源キュロー獲得に動く背景と、カチャックへの“保険”
センターのロバート・トーマスに関心を示していたオタワ・セネターズですが、現在のチームにとってより大きなニーズは、得点力のあるウィンガーの補強です。
トーマスが依然として市場に出ているかは不透明な状況ですが、ジョーダン・カイロー(セントルイス・ブルース)はその可能性が高いと見られています。
最新のトレードボードでニック・キプリオスは「ブルースのロスターの中で、カイローが今夏トレードされる可能性は他の多くの選手より高い」と述べており、オタワが獲得に動く現実味は増しています。
ただし、セネターズにとって最大の課題は、彼を獲得するための対価が決して安くないという点です。カイローは直近のシーズンで期待外れの結果に終わり、36ゴールから18ゴールへと得点力を落としました。それに伴い、ポイント数も70ポイントから46ポイントへと大きく数字を下げています。
それでも28歳の彼はホッケーキャリアにおいて全盛期の年齢にあり、過去には30ゴールシーズンを3度、70ポイントシーズンも3度記録した確かな実績を持っています。
トロント出身のカイローは完全なトレード拒否権を持っていますが、その契約は2030-31シーズンまで残っています。そのため、オタワにとっては長期的なチームの安定をもたらす貴重な存在となるでしょう。
※注1:完全なトレード拒否権(NMC:No-Movement Clause)の仕組み
NHLの契約において最高峰の選手保護条項であり、日本語では「完全移籍・トレード拒否権」などと訳される。
この権利を持つ選手は、本人の同意(承諾)がない限り、チーム側が一方的に他チームへトレードすることや、下部リーグ(AHL)へ降格させること、戦力外手続き(ウェーバー公示)にかけることが一切できない。
つまり、キュローが「オタワに移籍したくない(あるいは現在のチームに留まりたい)」と拒否すれば、チーム間でどれほど好条件のトレードが成立していても、移籍は白紙となる。
※注2:2030-31シーズンまでの長期契約と「獲得側の対応」
NHLでは、トレードで選手を獲得したチームが「元の契約(年俸や契約年数、トレード拒否権などの条件)」をそのまま丸ごと引き継ぐのが原則である。そのため、オタワが彼を獲得する(または獲得した)場合、獲得側であるオタワは主に以下の3点に対応、および想定する必要がある。
本人からの権利放棄(ウェイバー)の獲得
トレードを成立させる大前提として、キュロー本人(および代理人)に対し、「オタワへのトレードを承認し、一時的に拒否権を放棄する」という同意を取り付ける必要がある。通常、獲得側のGMは、本人が移籍に前向きになるようチームのビジョンや役割を説明し、説得を試みる。
拒否権(NMC)の継続引き継ぎ
本人が同意してオタワに移籍した場合でも、その「完全なトレード拒否権」自体は失効せず、2030-31シーズンまでオタワにそのまま引き継がれる。したがって、オタワは「一度獲得したら、2031年まで本人の同意なしには再トレードも放出もできない」というリスクと責任を背負うことになる。
長期的なサラリーキャップ(総年俸制限)の管理
NHLでは各チームが保有できる全選手の総年俸に厳格な上限(サラリーキャップ)が設けられている。
28歳という全盛期の彼を2031年(33~34歳になるシーズン)まで、現在の高額な年俸のまま固定資産として抱え続けることになるため、オタワのフロント陣は将来的な財政・チーム編成のバランスを緻密に計算して獲得に踏み切る必要がある。
短期的には不足している得点力の即効性ある補強となり、長期的には将来的にブレイディ・カチャックがチームに対してトレード要求や契約拒否の意思を示すような、最悪の事態に備えるための強力な“保険”にもなり得るのです。🇨🇦🏒
ピッツバーグの再生プラン:再生工場デュバスGMが次に狙う、パトリック・ライネへの1年限定の「賭け」
ポストシーズン復帰を果たしたとはいえ、現在のピッツバーグ・ペンギンズは依然として中途半端な立ち位置にあります。フロントオフィスはチームの進むべき方向性を見極め続けている最中です。
GMのカイル・デュバスが求める選手像は、若さや将来性を持つ選手です。今季もシーズン途中に25歳のエゴール・チナホフ(コロンバス・ブルージャケッツから)を獲得し、彼はチームで大きな成功を収めました。
しかしデュバスGMはそれだけではなく、経験豊富なベテランへの投資も積極的に行っています。昨夏にはアキレス腱断裂により2024-25シーズンをわずか13試合の出場で終えた、31歳のアンソニー・マンタ(カルガリー・フレームスから)と1年契約を結びました。
マンタはこの賭けに見事に応え、31歳にしてキャリアハイとなる33ゴールを記録したのです。このような再生工場としての“賭け”を次に行う対象として、パトリック・ライネの名前が浮上しています。
28歳のライネはモントリオールに所属した今季、わずか5試合の出場にとどまりました。しかし、その前年には52試合に出場して20ゴールを記録しています。
フリーエージェントとなる彼の獲得コストは高額にはならないと見られており、全盛期は過ぎつつあるものの、その得点力のポテンシャルは依然として残っています。このような1年限定の投資は、現在のピッツバーグの再建構想に完璧に合致する可能性があるのです。🐧🏒
※注1:フリーエージェント(FA)での獲得コストが「高額にならない」仕組みと理由
プロスポーツにおけるFA選手の「獲得コスト」には、主に「①契約年数・年俸(サラリーキャップへの影響)」と「②前所属チームへの代償(ドラフト指名権や若手選手など)」の2つの側面がある。今作のケースでコストが抑えられると見られている理由は、主に以下の3つの背景に基づくものである。
移籍に伴う「トレード資産」の放出が不要であるため
完全に契約が満了してフリーエージェントとなった選手を獲得する場合、前所属チーム(モントリオール)に対してトレードのような交換要員(ドラフト指名権や他の選手)を差し出す必要がない。そのため、チームの未来の資産を失うという意味での「獲得コスト」はゼロになる。
直近の「出場試合数の激減」による市場価値の低下
ライネは直近のシーズンでわずか5試合しか出場しておらず、怪我やコンディションの不良、あるいはパフォーマンスの低下というリスクを抱えている。
スポーツ界のFA市場では「直近のシーズン成績」が契約額に最も強く反映されるため、どれほど過去の実績(52試合で20ゴールなど)があろうとも、リスクを警戒されて争奪戦が起きにくく、年俸相場は必然的に下落する。
「1年限定の投資(バウンスバック契約)」の成立可能性
買い手(ピッツバーグ)側は、長期・高額の契約をリスクと捉える。一方、選手側も「価値が下がった現在の状態」で長期契約を結ぶと将来の生涯年俸が下がってしまう。
そのため、お互いの利害が一致し、「1年間だけ低年俸(または出来高重視)で契約し、活躍したら翌年に改めて大型契約を狙う」という、いわゆる単年の「再生(バウンスバック)契約」になりやすい。これが「獲得コスト(財政的リスク)が高額にならない」と言われる最大の理由である。
新時代のマネーゲーム:異次元の輝きを放つセレブリーニ&ベダードの新契約と、CBA改定がもたらす緊迫感
スポーツネットのエリオット・フリードマンは、サンノゼ・シャークスのマックリン・セレブリーニについて、19歳ながら球団史上シーズンポイント記録を更新したと語っています。
セレブリーニはまだエントリーレベル契約の最終年を残していますが、7月1日から延長契約が可能になります。一方、シカゴ・ブラックホークスのコナー・ベダードも同日にELCが終了し、次の契約を控える制限付きFAとなります。
両者はそれぞれのチームの中心選手でありドラフト全体1位指名選手ですが、セレブリーニはリーグMVP級の活躍を見せている点で、より大型契約を結ぶ可能性が高いとされています。
さらに9月にはCBA改定が控えており、契約年数の上限が現在の8年から7年へと短縮されるため、セレブリーニ側はその前に契約をまとめる動きに出る可能性があります。もし彼がAAV1300万ドルの長期契約を結べば、契約開始時点のサラリーキャップに対して約11.5%を占める計算になります。
この数字は、コナー・マクデビッドの15.72%、オーストン・マシューズの14.27%、ミッチ・マーナーの13.37%という過去のスターたちのキャップ占有割合よりも低い割合に抑えられています。
今後のさらなるサラリーキャップ上昇を考えれば、セレブリーニ側がこれ以上の高額契約を求める余地も十分にあります。次世代を担う天才2人の動向に、全リーグの注目が集まっています。💵📊
マックリン・セレブリーニの歴史的シーズンを振り返る映像。リーグMVP級と称される彼のプレーの凄みがダイレクトに伝わってきます。
【讃岐猫😺の深堀コラム】「8年枠」消滅へのカウントダウンと1億ドル超えの衝撃――CBA改定が引き起こす2026年夏のマネーゲーム
NHLの移籍市場および契約交渉の現場は、リーグの未来を左右する未曾有の緊張感に包まれている。その最大の要因は、同年9月16日に発効を控えた新たな労使協定(CBA)の改定と、それに伴う劇的な経済環境の変化である。
北米ホッケーメディアの多くが今オフ最大の焦点として注視しているのが、契約年数の上限短縮がもたらす「駆け込み需要」と、サラリーキャップの大幅な引き上げによる契約総額のインフレーションである。
新CBAの導入により、これまで自チームとの再契約で最大8年、他チームへの移籍で最大7年認められていた契約期間の上限が、それぞれ7年と6年へと1年ずつ短縮される。このルール変更は、選手にとって長期的な身分保障を失うリスクを意味する。
そのため、マックリン・セレブリーニやコナー・ベダードといった、エントリーレベル契約(ELC)からの延長交渉が今夏から可能になる超新星たちにとって、9月の改定前に現行ルール下での「最長8年契約」を勝ち取ることが最優先課題となるのは必然である。
エリオット・フリードマンをはじめとする北米のアナリストらは、エージェント側が7月1日の交渉解禁直後から猛烈なスピードで契約妥結へ動くと予測しており、これが今夏の移籍市場における最大の流動性要因となっている。
さらに市場の加熱に拍車をかけているのが、リーグから各球団へ正式に通達された2026-27シーズンのサラリーキャップ上限額である。前年の9550万ドルから一気に850万ドルも跳ね上がり、リーグ史上初の「9桁の大台」となる1億400万ドルに設定された。
この未曾有の資金潤沢化により、個人の最大年俸枠は2080万ドルまで拡大している。
マスコミや評論家の間では、セレブリーニ側が仮にAAV1300万ドルという破格の長期契約を結んだとしても、拡大したキャップ全体に対する占有率は12.5%(翌シーズン以降のさらなる上昇を考慮すれば11%台)に留まり、過去のスターたちのELC明け契約時よりも遥かに「割安」になると分析されている。
このため、評論家層は「選手側がこの1300万ドルというラインを単なる通過点とし、キャップ上昇の波を見越してさらなる高額条件を要求する余地は十分にある」と断定的な見方を示している。
一方で、年数上限が短縮される新時代を見据え、契約期間の短さを補填するために「完全移籍・トレード拒否権(NMC/NTC)」といった付帯条項の要求が激化するという、舞台裏の交渉戦術の変化も指摘されている。
潤沢な資金を持つもののフリーエージェント市場の選手層が薄い今オフにおいて、需要が供給を完全に上回る状態が生じており、CBA改定のタイムリミットが迫る2026年6月は、将来の勢力図を一変させるような大型ディールが次々と成立する狂乱の夏となるに違いない。
出典リスト
CapWages, “NHL CBA 2026: Salary Cap & Contract Changes Explained (Top 10) | CapWages“
Aird & Berlis LLP, “Newly Ratified NHL-NHLPA Collective Bargaining Agreement: Impact of Shorter Maximum Contract Lengths – Aird & Berlis LLP“
Pro Hockey Rumors, “NHL Sets Salary Cap For 2026-27 Season – Pro Hockey Rumors“
Russian Machine Never Breaks, “NHL reportedly informs teams of 2026-27 salary cap details, including maximum player salary“
トロントの劇的転換点:新体制が仕掛ける大型トレードと、若き逸材カーワン放出の現実味
トロント・マーリーズ(AHL)でプレーするイーストン・カーワンが、カルダー・カップ東地区決勝で見せた華麗なドリブルとゴールは、チームに見事なリードをもたらしました。
しかしその輝きとは裏腹に、カーワンはトレーニングキャンプの時点では、すでにメープルリーフスの選手ではなくなっている可能性があります。新フロントオフィス、新方針、そして新戦力の導入。
さらにドラフト1位指名権を獲得するという幸運にも恵まれたトロントは、今夏に非常に大きな転換点を迎えています。
昨季のチーム崩壊には多くの要因がありましたが、選手たちの健康面が改善されれば、チームの再建は十分に可能です。以前のような絶対的な優勝候補ではないにせよ、来季のプレーオフ進出は極めて現実的な目標と言えます。
そして、適切なトレードが1~2件ほど成立すれば、周囲を驚かせるような結果を生む可能性も秘めています。
現在、モーガン・ライリーやゴールテンダーのいずれかが具体的なトレード候補として語られていますが、21歳のウィンガーであるカーワンもまた、チームにとって重要な交渉の駒となり得ます。
大型トレードを成立させるためには、有望な若手資産の放出も検討される可能性があり、カーワンはその中でも有力な候補です。ジョン・チャイカら新体制は今オフに積極的な動きを見せる可能性が高く、チーム再建を象徴する劇的なピースとしてカーワンが扱われるかもしれません。🍁🔄
ノース・ディビジョン1回戦、ロチェスター・アメリカンズとの初戦。カーワン(背番号53)は5点目をアシスト。
※注釈:イーストン・カーワンの活躍とトレード可能性の背景
21歳のウィンガー、イーストン・カーワン(2023年ドラフト1巡目・全体28位指名)の2025/26シーズンにおける動向、および彼がトレード候補に挙がる背景には以下の具体的な事情がある。
1. 2025/26シーズンの活躍ぶり
カーワンは2025/26シーズン、NHLのトロント・メープルリーフスで実質的なルーキーイヤーを迎え、レギュラーシーズン66試合に出場して11ゴール、18アシスト(計29ポイント)を記録する堅実なデビューを飾った。
メープルリーフスのシーズン終了(プレーオフ進出を逃す)にともない、下部組織であるAHLのトロント・マーリーズに合流。カルダー・カップ(AHLプレーオフ)ではチームの主力として20試合で14ポイント(8ゴールを含む)を挙げる躍進を見せている。
特に東地区決勝(および続くシカゴ・ウルブズとの決勝シリーズ第3戦など)では、試合を決める値千金のゴールを決めるなど、大舞台での強さと華麗なスキルを発揮し、ファンの支持を急速に集めている。
2. トレードの可能性が浮上している理由
これほどの輝きを放ちながらも今夏の放出の可能性(トレーニングキャンプまでに他チームへ移籍している可能性)が指摘されるのは、現在のトロントが置かれている特殊なチーム事情に起因する。
新体制による改革:チームはGMにジョン・チャイカ、ヘッドコーチにジム・ヒラーを迎えるなどフロント・現場ともに新体制へ移行し、昨季の低迷からの迅速なリツール(再編成)を模索している。
ドラフト1位指名権の獲得と即戦力の必要性:トロントは運良く今夏のドラフト1位指名権(超大物候補ギャビン・マッケナらの獲得が有力視される)を獲得した。
これにより将来の超一級コアの導入は確定したものの、来季以降のプレーオフ戦線に復帰するためには、手薄なポジションを埋める「即戦力(インパクトプレーヤー)」の補強が急務となっている。
最大の取引材料(アセット)としての価値:現在のトロントは他球団を納得させられるだけのドラフト上位指名権や有力プロスペクトのストックが乏しい。
そのため、好成績を収め、なおかつ安価なルーキー契約(3年総額267万ドル)が残っているカーワンは、他球団にとって極めて魅力的な取引材料(アセット)となる。
モーガン・ライリーやゴールテンダー陣といったベテランの刷新と並び、大型トレードを成立させるための「もっとも価値のある交換条件」としてカーワンの名が具体的に取り沙汰されている。
まとめ
今オフのNHLは、サラリーキャップの余裕を背景としたトレードの活発化や、迫るCBA改定を見据えた若き天才たちの大型契約など、リーグの未来を左右する重大な転換点を迎えています。
守護神の刷新を狙うキングスから、再建へ舵を切るトロントまで、各球団の思惑が複雑に絡み合う今夏の動向は一瞬たりとも目が離せません。新シーズンの覇権を握るのはどのチームか、今後もその激闘の行方を追い続けます。

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

