NHL中盤考察!アバランチの記録的強さとプレーオフ形式の課題

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はじめに

 2025-26シーズンのNHLも折り返し地点に差し掛かりましたね。今シーズンは驚きの連続で、ファンとしては目が離せない展開が続いています。

 今回は、現在のリーグの状況や注目選手、そしてちょっと気になる裏話まで、今のNHLを賑わせているトピックをいくつかピックアップしてご紹介します!

参照記事:Sportsnet.ca「Eight thoughts on the NHL at mid-season

異次元すぎる!?コロラド・アバランチの得失点差🏔️

 今シーズンの中心と言えば、なんといってもコロラド・アバランチです。彼らの成績が、ちょっと信じられないことになっているのをご存知ですか?

 まずは「得失点差(ゴール・ディファレンシャル)」に注目してみましょう。昨年の今頃、リーグトップだったウィンニペグ・ジェッツの得失点差は「プラス46」でした。これでも十分にすごい数字なのですが、今シーズンのアバランチ(以下アブス)はなんと「プラス76」!昨年のトップを30ゴールも上回るという、とんでもない勢いです。

 ちなみに、現在2位のタンパベイ・ライトニングがプラス34ですから、もしタンパベイが今の2倍の成績を残したとしても、まだアバランチには8点届かない計算になります。それくらい、アバランチの強さは「異常事態」とも言えるレベルなんです。

 これまで43試合を戦って、勝ち点を1点も取れずに負けたのは、たったの4試合だけ。とはいえ、最近アブスは数試合を落としたにもかかわらず、このままのペースで行けば、1970年代以降で最高の得失点差を記録するチームになるかもしれません。(ちなみに1977年のモントリオール・カナディアンズはプラス216という、笑ってしまうような異次元の記録を持ってますけどね!)

1977年のモントリオール・カナディアンズはプラス216

NHL史に残る名チームとして知られる1976–77年のモントリオール・カナディアンズは、80試合のレギュラーシーズンで60勝8敗12引き分けという驚異的な成績を残し、合計132ポイントを獲得。これは当時のリーグ最多記録であり、ポストシーズンを含めない通常のレギュラーシーズンで最も支配的なシーズンのひとつと評価されている。

 チームが記録した得失点差+216は、387得点に対してわずか171失点しか許さなかったことを意味し、得点力と守備力の両方で圧倒的なバランスを示していたことを数字で表している。

 このシーズン、カナディアンズはリーグの不敗率でも突出しており、ホームアイスでの戦績は33勝1敗6分けとほぼ無敵で、唯一の負けも引き分けも非常に稀なもの。さらに、シーズン中には34試合連続不敗(28勝6分け)というNHL史上最長記録のひとつとなるスタンダードも打ち立てている。

 こうした数字は単なる偶然ではなく、スター選手から控え選手まで全員が高いレベルでコンスタントにパフォーマンスを発揮していた結果。

 また、この得失点差の数字は「ただの大量得点・失点の差」ではなく、攻撃的な効率と守備的な堅さが同時に極限まで高まった究極のバランスを示す指標として見ることができる。得失点差とは単純に「総得点−総失点」であり、数値が大きいほど「得点力が高く失点が少ない」チームであることを意味する。

 したがって+216という数値は、当時の他のチームと比較しても右に出る者がいない支配的な強さを象徴していた。

 この驚異的なシーズンの強さは、彼らがシーズン後にスタンレーカップも制覇したことからも裏付けられている。単に得失点差が高いだけではなく、実際の勝負どころでも最高のパフォーマンスを発揮できたチームであったという点で、1976–77年モントリオール・カナディアンズは歴史的な偉業を成し遂げたと言える。

 アブスの数字には少し奇妙な側面もあります。2年前の1月9日時点では、得失点差トップはバンクーバー・カナックスのプラス53でした。それが、わずか1〜2年後の現在、ジェッツとカナックスはNHL順位表で最下位と下から2番目に沈んでいます。

 アブスが同じ運命をたどるとは思いませんが、どうなるかは分かりません。

どこが脱落してもおかしくない!?大混戦の「MidHL」🎢

「MidHL」

現在のNHLの状態を少し皮肉を込めて、かつ親しみを持って表現した造語。最近のNHLは、圧倒的に強いチームや絶望的に弱いチームが少なく、多くのチームが「そこそこ(OK)」なレベルに固まっている。このように「普通」や「中くらい」を意味するスラングの「mid(ミッド)」と「NHL」を組み合わせて、「MidHL」と呼ばれている。

 みんなが同じようなレベル(=ミッド)だからこそ、ちょっとした健康状態やゴーリーの調子次第で、どのチームにも勝機が生まれるという、現在のリーグの「ランダムさ」を象徴する言葉として使われている。

 今シーズンのNHLは、とにかく順位争いが激しくて目が離せません。

 現在の順位表を見てみると、ちょっと不思議な現象が起きているんです。実は、リーグ全体で勝率が5割を切っているチームはたったの4つしかなく、イースタン・カンファレンスにいたっては、なんと全チームが勝率5割以上(ポイント獲得率で計算した場合)をキープしています。

 もちろん、NHLは「勝ち点率」で表示しているため、たとえばコロンバスのように43試合中18勝しかしていないチームでも、勝率5割として扱われてはいますが、それでもです。

NHLは「勝ち点率」で表示している

NHLの順位表を読み解く際、多くのファンがまず見るのは「勝率」ではなく「勝ち点(Points)」と「勝ち点率(Points Percentage)」である。これは、NHLが試合ごとに与える勝ち点の仕組みが他のスポーツと少し異なるためで、単純に「勝ち負けの割合(Winning %)」だけで順位をつけることができないから。

 NHLでは、1試合の結果に応じて勝ち点が与えられる。通常の勝利(規定時間内でも延長戦・シュートアウトでも)には2点、オーバータイムまたはシュートアウトでの敗戦には1点、規定時間内の敗戦には0点が与えられる。これが勝ち点制度の基本で、リーグ順位はまずこの総勝ち点によって決まる。

 ところが、シーズン途中では各チームの試合消化数が異なるため、単純に総勝ち点の多い順だけで順位を比較すると公平性に欠ける。そこで重要になるのが「勝ち点率(Points Percentage、pts%)」。これはチームが獲得した勝ち点の合計を、そのチームが理論上獲得可能だった最大勝ち点で割った割合で計算される。

 具体的には、「チームの総勝ち点÷(出場試合数×2)」で求められ、数字は小数で表記される。

 この方式の利点は、試合数が違うチーム同士でも、勝ち点を相対的に比較できる点にある。たとえば43試合を消化し18勝だけのチームがいたとしても(18勝×2点=36点)、そのチームは「43試合×2点=最大86点」まで獲得可能なため、36÷86=.419という勝ち点率になる。

 これは勝率で言うところの「.500」(=50%)より低い実力を示すが、単純な勝率とは異なる視点でチームの強さを捉えることができる。ただしNHL公式サイト上では、この数字をそのまま「.500」と表示するケースもあり得るため、誤解が生じることがある。

 なぜNHLがこの勝ち点率を重要視するかというと、この方式がリーグ全体の順位を試合消化数のバラつきがある状況でも公平に比較できるという特徴を持っているから。これはプレーオフ進出を巡る争いが熾烈になる時期ほど役立ち、総勝ち点だけで順位を並べても実際には「試合数が少ないチームの方が強い可能性がある」という混乱が生まれかねない。

 したがって、ファンやアナリストの間でも、この勝ち点率はチームの実力をより正確に示す指標として重視されている。

 まとめると、NHLの勝ち点率は単なる「勝ち÷試合数」ではなく、獲得可能な勝ち点に対してどれだけポイントを積み上げたかの割合を示す値であり、順位やチーム評価をするうえで欠かせない比較指標として用いられている。

 シーズンの半分が終わった時点で、イーストの15チームがプレーオフ圏内、もしくはワイルドカード枠までわずか5ポイント差という大接戦。ウェスタン・カンファレンスでも13チームが同じような状況です。

 ほとんどのチームにまだチャンスが残っているこの状況は、リーグのトップであるゲーリー・ベットマンがまさに望んでいた形と言えるでしょう。NFL(アメフト)のシーズンが終わり、ファンがもっとNHLに注目してくれる時期まで、どのチームのファンも「自分のチームはいける!」と希望を持ち続けられるからです。

「普通」のチームが突然爆発する理由🎰

 全体的に見て、どのチームも「悪くはない」「まあまあ」、あるいは“MidHL”と呼んでいるような状態にあると、そこにはランダム性が入り込む余地が生まれます。カジノに行ったことがある人なら分かるでしょう。ルーレットでは、黒に5回、あるいは10回連続で当たることがあります。それがランダムというものです。

 NHLでも同じで、基本的には「チームが健康を取り戻し、同時にゴールテンダーがセーブを重ねる」状態に入れば、同レベル同士の対戦では勝利(W)を拾えるようになります。つまり、ちょっとしたきっかけで「連勝街道」を突き進むチームが出てくるんです。

 その結果、こんなチームが躍進しています。

バッファロー・セイバーズ:驚きの10連勝を記録しました。
シアトル・クラーケン:5連勝をマーク。
ピッツバーグ・ペンギンズ:6連勝と波に乗っています。

 彼らが一気に優勝候補になったかと言われると、おそらくそうではないかもしれません。でも、みんなが「普通に良い」状態の中で、運命のルーレットが彼らに微笑んだ結果と言えるでしょう。それ以上の意味を、私はあまり読み取ろうとは思いません。

運命のルーレットが彼らに微笑んだ結果(1)

バッファロー・セイバーズは今季、長年続くプレーオフ未出場の歴史的なドライを終わらせる可能性が最初から指摘されていた。一部の予測モデルでは、2025–26シーズンに94ポイント前後と見積もられ、15年ぶりのプレーオフ進出を果たす可能性すらあるとの分析が出ている。これはチームが防御面の改善(Owen Powerの相棒確保)や若手選手の成長を背景にしており、総合的に噛み合えば「強豪」という枠に一歩近づくという見立て。

 ただし、これはあくまで複数の条件がうまく揃った場合の予想にすぎない。実際の勝率や攻守のバランス、特殊チーム(パワープレー/PK)の成功率などが継続して改善されるかどうかが鍵とされており、現地でも「本当にプレーオフ争いができるチームになるかはまだ不透明」という慎重な見方が根強い。(Sabre Noise

運命のルーレットが彼らに微笑んだ結果(2)

 一方、セイバーズの直近の連勝が単なる「運の巡り合わせ」であるとの見方も、ファンの間では多く聞かれる。掲示板やSNS上では「今の勝利はラッキーな部分が大きい」「勝率はまだ低い」「同地区の混戦に助けられている」などの声が散見され、短期的な勢いが長期的な安定につながるか疑問視されていることが窺える。

 これらのファン議論は統計や個々のゲームの結果を踏まえたものだが、専門メディアが評価するほど確信を持ってプレーオフ候補とはされていない。

 シアトル・クラーケンについては、数年前の創設チームとしてはすでに歴史のある動きを見せているが、現状は波が激しく、勝ち星の伸び悩みが続いている。最近の試合では連敗が続いており、メディア分析でも「オフェンスの不調とミスが目立つ時期に入っていて、連勝の期待はやや後退している」という評価が出ている。

 チーム雰囲気についても選手から「勝利のためには全体の流れが変わる必要がある」という慎重なコメントが出されており、調子の良い時の勢いを持続できるかは懸念材料です。(Sound Of Hockey

 ピッツバーグ・ペンギンズは、過去数シーズンでプレーオフ常連から一度低迷を経験したものの、今季序盤の好調さで一部メディアから「若返りと再建の過程で競争力を維持できる」と評価されている。ただし現地評価では「この好調は序盤だけで、シーズンを通して継続するかは未知数」「攻撃力や守備のバランスを改善しないと、ポストシーズンに継続的に進出するのは難しい」と分析されており、決して「本命候補」とはみなされていない。(SI

 総じて現地メディアやファンの評価は、セイバーズ、クラーケン、ペンギンズの最近の連勝や好調は一過性の可能性が高く、本格的な優勝候補として期待するには材料不足というスタンス。特に現状は勝敗が不安定な中で「勢いに乗る時期がある」という視点が強く、短期での躍進を長期的な評価に直結させるにはまだ距離があると見られている。そのため、記事中で述べられているように「運の良い波が来ている状態」と表現するのは、現地評価と整合的な見方だと言えるでしょう。

 特に絶好調なセイバーズについては、このままプレーオフ進出を目指してトレード期限で積極的な補強に動くのか、専門家の間でも話題になっています。

時代は回る!新旧「リーグの顔」たちが勢揃い✨

 ホッケー界には、その時代を象徴する「リーグの顔」となるスター選手が必ずいます。昔はウェイン・グレツキーやマリオ・ルミュー、その後はシドニー・クロスビーやアレックス・オベチキンがそのバトンを受け継いできました。

 そして今、まさに「現在の顔」としてリーグを牽引しているのが、コナー・マクデイビッドと、先ほどご紹介したアバランチのネイサン・マッキノンです。ちなみに、記者や専門家の間では、今シーズンのMVPにあたる「ハート・トロフィー」の最有力候補としてマッキノンを推す声が非常に高まっています。

 さらに次の世代として、マックリン・セレブリーニ、コナー・ベダード、マシュー・シェーファーといった選手たちが控えています。彼らがこれからのNHLを背負っていくことになるでしょう。新世代の中でも、特にマクリン・セレブリーニ(サンノゼ・シャークス)のプレーには驚かされます。

マクリン・セレブリーニ(サンノゼ・シャークス)のプレーには驚かされます

複数のメディアが指摘しているのは、彼がチームへの関与度と攻守両面での影響力が非常に高いという点。ある分析では、セレブリーニが出場した試合でのサンノゼ・シャークスのゴールのうち、実に50%以上に彼が直接絡んでいると報じられており、これは現代NHLの中でも極めて高い比率である。

 歴史的に見ても、チーム得点の半分以上に関与した選手は、ウェイン・グレツキーやシドニー・クロスビーなど、ごく限られた名選手しかいない。さらに単純な得点だけでなく、ターンオーバー創出数やパックバトル勝利数の高さから、攻撃と守備を両立させる“真の2Wayプレーヤー”としての側面も強調されている。(スポーツYahoo!

 こうした数字的評価と並行して、ローカルメディアもセレブリーニの賢いプレー選択や状況判断を高く評価。NBCベイエリアの試合解説では、最近の試合で彼がゴールとアシストを複数記録し、チームを牽引したことを「special(特別)」と表現し、同僚からも「毎試合が新しい驚きだ」「彼の働きは今や驚くことではなくなった」といったコメントが出ている。

 これは彼のひらめきやゲームインテリジェンスが単発的なものではなく、日々のプレーで確実に発揮されていることを示している。(NBC Bay Area

 また、国際舞台や歴史的な観点からも彼への評価は高まっている。最近の報道では、19歳にしてカナダ代表として2026年冬季オリンピックに選出されたことが触れられ、これは1998年以降NHL選手としてオリンピックに出場する最年少の代表のひとりとなる快挙。

 オリンピック代表入りの決定は、単に得点力だけでなく戦術理解やチームプレーへの適応力が高いことの証明として受け止められている。(San Francisco Chronicle

記事にある試合は1月7日に行われたアウェイでのロサンゼルス・キングス戦。ウィリアム・エクルンドの決勝ゴールを、セレブリーニがアシスト!

讃岐猫
讃岐猫

まだまだ続きます!

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