はじめに
トロント・メープルリーフスは、オタワ・セネターズ戦で延長戦の末に3-2で惜敗。第1ピリオドでリードを奪ったものの、第3ピリオドに追いつかれ、延長16秒で決勝ゴールを許しました。
注目のマティアス・マッチェリは初出場ながら2得点に絡み、ヒルデビーも無失点で好守。若手の成長やケガ回避など、プレシーズンならではの見どころも詰まった一戦でした✨。
参照記事:The Hockey Writers「4 Takeaways From Maple Leafs’ 3-2 Overtime Loss to Senators」
トロント・メープルリーフス、オタワ・セネターズに惜敗🏒
9月23日(火)、トロント・メープルリーフスはオタワ・セネターズと対戦し、延長戦の末に3-2で敗れました。リーフスは第1ピリオドで好調なスタートを切り、2-0とリードを奪い、シュート数1でもセネターズを上回る14-10の差をつけていたのです。
しかし、第2ピリオドからセネターズが勢いを取り戻し、第3ピリオドには圧倒的な攻勢で追いつきます。リーフスはこのピリオドで2失点2を許し、延長戦では開始16秒でシェーン・ピントに決勝ゴールを決められ、逆転負けとなってしまったのです🏒。
9月21日(日)の試合3では、AHL(アメリカン・ホッケーリーグ)行きが見込まれる選手や、ロースター入りを争う選手たちを中心とした布陣でセネターズに4対3の勝利を収めましたが、今回の試合では主力を多く含むラインナップを起用していました。
そのため、結果に驚き戸惑うファンもいるかもしれませんが、必ずしも意外ではありません。プレシーズンではベテラン選手が全力を出してケガのリスクを冒す動機は少なく、一方でロースター入りを懸けた若手選手は失うものがなく必死に挑むため、ある意味で自然な流れとも言えます。
それでも、6試合のプレシーズンのうち2試合目となるこの試合から得られた、ポジティブな材料もいくつかありました。
9月23日、メープルリーフスvs.セネターズ戦のハイライト映像です!
マティアス・マッチェリが存在感✨
正確にはレギュラーシーズンが始まっていないので「デビュー」とは呼べませんが、マティアス・マッチェリ4(ユタ・ホッケークラブから移籍)が初めてメープルリーフスのユニフォームでプレーしています。彼はこの試合の明るい材料となり、オーストン・マシューズ、マシュー・ナイズと同じトップラインで出場し、トロントの2得点に関わる活躍を見せました✨。
24歳のマッチェリは、第1ピリオド、まずオリヴァー・エクマン=ラーションとマシューズが攻撃ゾーンで素早くパス交換をした連携プレーに関与し、マシューズの先制ゴールに貢献。その後、第1ピリオド終盤のパワープレーでもボビー・マクマーンの得点をアシストし、ゲーム2つ目のポイントを獲得しています。
さらに第2ピリオドでは、背後からの鮮やかなパスでマシューズにチャンスを作るなど、攻撃面で光るプレーを見せ、得点機会を演出しました。
トップライン右ウィングの争いはキャンプを通じて注目される中、マッチェリは初登場から非常に強い第一印象を残し、2025-26シーズンに攻撃面でチームに大きなインパクトを与える可能性を感じさせたのです。
デニス・ヒルデビーの好守🧱
ゴールマウスを任されたデニス・ヒルデビーは、第1・第2ピリオドを無失点に抑え、23本のシュートをすべてセーブ。試合の「セカンドスター5」に選ばれました🧱。その後、第3ピリオドからはアルトゥール・アフチャモフに交代しました。
ヒルデビーは、2025-26シーズンをアントニー・ストラーズの控えとして迎える可能性があります。プレシーズンの試合前、リーフスは控えゴーリーのジョセフ・ウォールに、家族の事情による無期限の離脱を認めていました。
身長201cm、体重102kgのヒルデビーは、この試合でチーム首脳陣に安心感をもたらしています。NHLロースター入りの可能性は、彼にとって大きなモチベーションにもなりそうです。
若手選手に訪れたチャンス🌱
今回の試合では、複数のベテラン選手に混じって、イーストン・コーワン6、ベン・ダンフォード7、ルーク・ヘイムズ8といった若手がロースター入りしました🌱。
ヘイムズは出場時間が10分5秒とチーム最少で、プレシーズン初戦のような存在感は示せなかったようです。初戦ではアシストを記録し、15分近いプレータイムを得ていただけに、今回は静かな内容となりました。
一方、コーワンとダンフォードはプレシーズン2試合連続の出場となっています。初戦で好印象を残した2人について、ベリューブ監督は「オタワでの彼らのプレーはとても良かった。イーストンはシンプルで力強いプレーをし、ダンフォードはスケーティングが優れている」と評価。
さらに監督は「若いのに落ち着いていて、素晴らしいアウトレットパス9を何本も通した」とも称賛しました。
今回の試合でも、両選手は同様の安定感あるパフォーマンスを見せています。コーワンは第2パワープレーユニットで起用され、パックをマクマーンに供給し続けました。特に2度目のパスはノールックの華麗なフィードで、マクマーンが見事なバックハンドショットで決め切っています。
ドラフト指名の際、「ん?大丈夫?リーフス」みたいな言われ方していたけど、能力の伸び率がハンパない!下部組織ロンドン・ナイツが好調なチームだから、いい育成になったのだろう。
ダンフォードは派手さはないものの安定感を発揮し、積極的にブルーラインから攻撃参加も試みるなど堅実なプレーを続けました。
ケガ回避が最優先🚑
プレシーズンで最も大切なのは、勝利以上に「ケガなく乗り切ること」です。今回の試合でも、リーフスにはいくつかヒヤリとする場面がありました。
第3ピリオド序盤、マシュー・ナイズがディラン・コゼンスにトリッピング10されて転倒し、マシューズのスケートに突っ込んだ後、アルテム・ズーブと衝突してしまったのです。ナイズはロッカールームで治療を受けたものの、顔に切り傷を負いながらもベンチに戻りました🚑。
さらに、第3ピリオド中盤にはジェイク・マケイブがシュートを足に受けて苦しむ場面もありましたが、大事には至っていません。すでにマックス・ドミ(下半身)、ニコラス・ロワ(下半身)、シモン・ブノワ(上半身)、そして個人的理由で離脱中のウォールがいる中、これ以上の離脱者を出さなかったのはチームにとって幸運でした。
メープルリーフスの次戦に注目🔜
メープルリーフスは、9月25日(木)にモントリオール・カナディアンズと対戦予定です🔜。この試合も、AHLレベルの若手やベテラン控え選手中心のラインナップになる可能性がありますが、ロースター争いの状況次第では主力と混合した布陣になるかもしれません。
今回の試合で注目すべき点として、オーストン・マシューズの動きが前回よりも明らかに良くなっていたことが挙げられます。ゲーム最多となる8本のシュートを放ち、21分38秒のアイスタイムを記録。
唯一の悔やまれる点は、延長戦の決勝ゴールでピントに一歩遅れてしまったことですが、健康な状態のマシューズはチームにとって大きな戦力強化となります。これにより、2025-26シーズンも、メープルリーフスは強力な攻撃力を誇るチームであり続けるでしょう✨。
【追記1】
9月25日(木)、カナディアンズ戦については以下の通り。
参照記事:TSN「Laughton’s four-point night helps Leafs to win over Habs in pre-season action」2025年9月25日に行われたプレシーズンマッチで、トロント・メープルリーフスはモントリオール・カナディアンズを7-2で下しました。この試合でスコット・ロートンは2ゴール・2アシストの活躍を見せ、チームの攻撃を牽引しています。ロートンとスティーヴン・ロレンツ、イーストン・コーワンの第4ラインは合計8ポイントを記録し、注目を集めました。
試合は第1ピリオドから動き、ロートンが4分35秒に先制ゴールを決め、13分15秒には追加点を挙げます。モントリオールのマイク・マセソンが16分26秒にパワープレーで1点を返しましたが、31秒後にボビー・マクマンがすぐさま3点目を決め、リードを広げました。
第2ピリオドではパトリック・レインがパワープレーで1点を返しましたが、ロレンツが97秒間に2ゴールを決め、試合を決定づけます。第3ピリオドではマット・ベニングとライアン・トヴァーバーグがそれぞれゴールを決め、7-2で試合を締めくくりました。
ゴールキーパーのデニス・ヒルデビーは13本中11本のシュートをセーブし、安定した守備を見せています。モントリオールのゴールキーパー、サム・モントンボーは2ピリオドで12本のシュートをセーブし、ジェイコブ・ファウラーは20分間で6本のセーブを記録しました。
この試合では、モントリオールのディフェンスマン、カイデン・グールとノア・ドブソンがそれぞれ臀部の怪我で途中退場し、試合後にデイ・トゥ・デイの状態であると発表されています。また、デヴィッド・ラインバッハーも早期に試合を離れ、金曜日に状態の更新が期待されています。
ロートンの活躍は、メープルリーフスの第4ラインがプレシーズンでの存在感を示す重要な一戦となりました。新加入のロートンは、フィラデルフィア・フライヤーズからのトレードでメープルリーフスに加わり、プレシーズンでのパフォーマンスが注目されています。
【追記2】
コーワンは、カナディアンズ戦でも活躍している。そのニュースの要約は以下の通り。
参照記事:Toronto Star「The Maple Leafs’ Easton Cowan catches the eye of his coach, and his line has the attention of the Canadiens」トロント・メープルリーフスの若手フォワード、イーストン・コーワンが注目を集めています。2023年のドラフトで28位指名を受けたコーワンは、当初その選出に疑問の声もありましたが、現在ではその評価が一変しています。
ロンドン・ナイツでは、2024-25シーズンにおいて44試合で77ポイントを記録し、OHLのドラフト翌年選手の中で1試合あたり1.75ポイントを平均するなど、圧倒的な成績を収めています。
特に注目すべきは、コーワンの成長したフィジカル面です。昨シーズンから身長が5フィート10インチから5フィート11インチに、体重が171ポンドから185ポンドに増加し、より強靭な体を活かしたプレーが可能となっています。
そのプレースタイルは、ペナルティキルや攻守のバランスを重視し、コーチからも「コーチの夢のような選手」と評されています。
また、世界ジュニア選手権では期待通りの活躍とは言えませんでしたが、その経験を糧に、シーズン後半では連続得点を記録し、チームの勝利に貢献しています。ナイツは現在、ウェスタン・カンファレンスで首位を走っており、コーワンの活躍がチームのプレーオフ進出に大きく寄与しています。彼の成長と今後の活躍に、メープルリーフスのファンは大いに期待しています。

なんでフライヤーズはロートンをトレードに出したんだろうにゃ…。前任監督にむっちゃ嫌われていたらしいけど、リーフスでメッチャ伸び伸びやってるのが悲しい。それはともかく、ここまでのプレマッチ、リーフスの若手新戦力の動きがいいねぇ。トップリーグ本番でどこまで通用するか分からないけど、今回名前出た選手は開幕ロースター入りするんじゃないかな。
まとめ
プレシーズンでの収穫は、若手選手の台頭とベテランの安定感。マッチェリの初出場での存在感や、ヒルデビーの好守も印象的でした。ケガなく試合を終えたこともチームにとって大きな成果。次戦のカナディアンズ戦で、これらの成果がさらに発揮されるか注目です。

ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 第2ピリオドは11-13でオタワがややリード。第3ピリオドでは、8-17と2倍以上のシュート数をオタワが放ち、一気に同点に追いつく。
↩︎ - 同点に追いつかれる前、リーフスはトレーニング・キャンプから好調だったスコット・ロートンを、マイナーペナルティ(クロス・チェック)で欠いている。イーブン・ストレングス(5人対5人)に戻る30秒前に同点弾を叩き込まれており、勢いのあるセネターズを止める上で、ライン・コントロールのミスもあったのではないか。
↩︎ - 出場した全20名の選手中、移籍元でレギュラー・クラスだったディフェンスマンのヘンリー・スルン(サンノゼ・シャークス)等の新加入選手2〜3名を除くと、昨シーズン、常時ベンチ入りしていた選手は、フォワードのデヴィッド・カンプ、ニコラス・ロバートソン、ディフェンスのフィリップ・マイヤーズ辺りしかいなかった。
↩︎ - 2000年10月14日、フィンランド出身。2019年のNHLドラフトでアリゾナ・コヨーテズから4巡目98位で指名され、フィンランドのトップリーグ「Liiga」などを経てプロキャリアをスタートさせた。
NHL移籍後、コヨーテズでのルーキーシーズンには11ゴール・49ポイントを記録し、NHLオールルーキーチームにも選出されている。2025年シーズン後、トレードでメープルリーフスへ移籍。
国際舞台でも、2020年の世界ジュニア選手権などでフィンランド代表として活躍。その流麗なパスワーク、得点感覚、攻守にわたるバランス型のプレースタイルが評価されており、新天地でも期待がかかる選手。
↩︎ - その試合で選ばれる「三つのスター(Three Stars)」のうち2番目に優れた選手のこと。試合終了後にホームチーム側のメディア関係者などが、その試合で最も活躍した選手を「ファーストスター→セカンドスター→サードスター」の順で選出し、セカンドスターはその中で2番目に影響力の大きかった選手という扱いとなる。
多くの場合は得点やアシストといった得点貢献や、ゴールテンダーなら大量のセーブなど「試合の結果に直接寄与した」プレーを基準に選ばれるが、ブロックショットや守備的な貢献など目に見えにくい働きが評価されることもある。
この「三つのスター」制度は1930年代にラジオスポンサー(当時の石油メーカーの“三つ星”ブランド)に端を発し、以来プロ・アマを問わず北米のホッケー文化に定着した。リーグやチームはこの選考をその日のゲームの遊び的な評価にとどめる一方で、リーグ全体やチーム内での「ナイトリー(その日のリーグ内ベスト3)」や週間・月間の評価につなげる運用も行っている。
NHLは試合ごとの三つのスターに独自ポイント(ファースト=30点、セカンド=20点、サード=10点)を割り当て、累積ポイントで月間・年間のスター表彰などにも反映させている。
↩︎ - 2005年5月20日、カナダ出身の注目若手右翼フォワードで、トロント・メープルリーフスの有望株として見られている。2023年のNHLドラフトで全体28位で指名され、トロントと3年契約を結んだ。
OHLのロンドン・ナイツでは、2023–24シーズンに96ポイントを記録し、チーム記録となる36試合連続ポイント配給を達成。また、リーグ最優秀選手賞(Red Tilson Trophy)やオールスター選出、プレーオフでの得点王やMemorial Cup優勝など幾つものタイトルを獲得している。
国際大会でもカナダ代表として出場経験があり、攻守両面で活躍できるバランス型選手として将来が期待されている。
↩︎ - 2006年2月6日、カナダ出身の若手ディフェンスで、OHL(オンタリオ州ホッケーリーグ)のオシャワ・ジェネラルズに所属しつつ、NHLのトロント・メープルリーフス傘下の注目プロスペクトとされている。
2024年のNHLドラフトで全体31位指名を受け、同年8月にはメープルリーフスと3年契約を結んだ。ヘルメットを外してリンクに戻った経歴もあり、最近ではジェネラルズのキャプテンに任命され、リーダーシップを発揮しながら、自身のフィジカルさと攻守両面のスキル向上に意欲を見せている。
特に守備優先のスタイルを基盤としつつ、シーズン後半にはシュート数増加やオフェンス創出にも力を入れ、チームに厚みをもたらす選手として期待がかかっている。
↩︎ - 2003年7月28日、カナダ・オタワ出身のフォワードで、トロント・メープルリーフスと契約を結んでいる有望株。彼はダートマス大学(NCAA:アイビーリーグ所属)でプレーし、最近のシーズンでは22試合で12ゴール・6アシストの18ポイントをマーク。
また、2025年3月24日にメープルリーフスと2年契約を結び、2025-26シーズンから正式にチーム所属となる予定。パフォーマンス評価では、NCAA時代の得点力をプロレベルでも生かす可能性が指摘されており、AHLレベルではトップ6、NHLでも中堅ライン入りを目指せる選手として期待されている。彼の契約のキャップヒットは年額87万5,000ドル。
↩︎ - 自陣守備ゾーンからニュートラルゾーン、または攻撃への移行をスムーズに行うために使用される長めのパスで、守備側がパックを持ったときに、まず味方に安全に渡して攻撃を仕掛ける起点とするプレーを指す。
パスを使ってコントロールされた移行を行うことで、ターンオーバーやパックロストのリスクを低く抑えつつ攻撃を構築することが重視される戦術。例えば、守備ゾーンからの無造作なクリアに比べ、失敗した場合の失点リスクが高くなるという調査もあり、アウトレットパスを用いた、やや抑えめの展開の方が長期的には有利であるとされる。
↩︎ - 選手がスティックや足、腕などを使って相手をつまずかせたり転倒させたりして進行を妨げる行為を指す。通常、この反則が認められると、違反をした側に2分間のマイナーペナルティが科される。
特に「スリーフッティング(slew footing)」と呼ばれる、相手の足を意図的に蹴ったり引っかけたりして倒すような行動では、より重いマッチペナルティ(退場相当)になることがある。また、ブレイクアウェイ(ゴールに向かう絶好機)中のトリッピングでは、ペナルティショットが与えられるケースもある。 ↩︎