スターズの財政問題がロバートソン放出を後押しするのか検証

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はじめに

 ダラス・スターズの若きスター、ジェイソン・ロバートソンにトレードの噂が浮上。契約やチーム事情を背景に、コロンバス・ブルージャケッツが獲得候補として急浮上しています。

 本記事では、その可能性と影響を徹底解説。NHLのトレード戦線は、まだ始まったばかりです――注目の動きから目が離せません。

参照記事:Union and Blue1What a Blue Jackets trade for Jason Robertson could look like

🔄スターズの“意外な動き”?若きスター・ロバートソンの行方

 もし(ブルージャケッツGM)ドン・ワデル2がこのオフシーズン、チームのトップ6フォワード陣に本格的な補強を加えたいと本気で考えているなら、いくつかの選択肢があります。その中には、昨日(6月5日)午後に噂として浮上したダラス・スターズの意外な選手も含まれています。

 その選手の名はジェイソン・ロバートソン、これは衝撃ニュースになるかもしれません😲。その選手が本当にトレード市場に出るのであれば、ブルージャケッツがジェイソン・ロバートソンを獲得するためのトレード案について考えてみましょう。

 まず言っておきたいのは、スターズが本当にロバートソンを手放すとは考えにくいです。おそらく、これはチームがスター選手に対して長期契約を結ばせるために、プレッシャーをかけているだけの“ブラフ”かもしれません。でも、「火のないところに煙は立たない」とも言いますし、完全な作り話でもなさそうなんです。

 実際、スターズはこの夏やらなければならないことが山積み💦。2年連続でウェスタン・カンファレンス決勝で無念の敗退を喫しており、「このロスター構成での挑戦はもう最後かも…」という危機感があります。

ロバートソンのトレードについて、youtubeでは多くの映像がアップされています。

【追記】この映像は、次のように述べています。

 NHLのオフシーズンが始まり、ジェイソン・ロバートソンに関するトレードの噂が飛び交っています。これは、ダラス・スターズがエドモントン戦でのプレーオフ敗退後、キャップスペースが少ないという状況にあるためです。ジェイミー・ベン、マット・デュシェン、マベリック・ブルクといった大型フリーエージェントを複数抱えていることも、事態を複雑にしています。

ロバートソンを巡るトレードの可能性

 ロバートソンがトレードされる可能性が取り沙汰されていますが、その可能性に懐疑的です。スターズがキャップスペースを確保し、ドラフト指名権を再獲得するためにロバートソンを放出するかもしれないとの説もありますが、ロバートソンよりも優れた選手を獲得することは難しく、スターズが多額のドラフト指名権を必要としているとも考えていません。

 スターズは過去に上位指名以外でも良い選手を獲得できています。

映像作者の見解と他のトレード候補

 ロバートソンをトレードするよりも、メイソン・マーチモンドのような高額契約のフォワードや、マット・ダンバ、イリア・リウシキンといった失敗に終わったディフェンスマンの契約を処理すべきだと主張しています。特にダンバとリウシキンの契約はチームにとって大きな負担であり、守備を改善するためにも彼らを放出することが重要だと考えています。

 もしロバートソンがトレードされるとしたら、それは右利きの優秀なディフェンスマンを獲得するためであるべきだと考えています。彼のような選手を放出してまで、追加のドラフト指名権を得る必要はないという立場です。

トレード先の候補と今後の展望

 ロバートソンの獲得に興味を示すチームとして、オタワ・セネターズとアナハイム・ダックスを挙げられていますが、これらのチームがスターズの求める右利きディフェンスマンを提供できる可能性は低いと見ています。

 シアトルのアダム・ラーソンは、ラーソンが信頼できるディフェンスマンであり、スターズの守備を大幅に改善できるため、唯一理にかなったトレード候補だと指摘しています。

 全体として、今オフシーズン中にロバートソンがトレードされる可能性は低いと見ています。スターズは状況を把握しており、性急に行動する必要はないと考えています。もしトレードが実現するとすれば、ロバートソンがRFAとなる来オフシーズンが最も早い時期だろうと予想できます。

💸キャップの壁に直面するスターズ

 今の時点でスターズは、すでに8人のフォワード、6人のディフェンス、2人のゴーリーと契約済みですが、その時点でキャップヒットはすでに$88,743,333(約128億6千万円)に達しています。これは、想定される来季のキャップ上限である$95.5ミリオン(約139億円)にほぼ迫っている状態なんです。

 でも、さらにあと5〜6人のフォワードと1〜2人のディフェンスマンを補強しなきゃいけないという無理ゲー状態😂。残りのキャップスペースは約$6.7ミリオン(約9億7千万円)しかないので、競争力を維持しつつキャップに適合する形にするのは非常に困難です。だからこそ、彼らは中核メンバーの入れ替えを検討している可能性があるわけです。

 しかも、7人のUFA(無制限フリーエージェント)と2人の重要なRFA(制限付きフリーエージェント)を抱えており、非常に厳しい決断を下さなければならず、誰を残して誰を出すかは本当に頭を悩ませるところ。

 スターズのGM、ジム・ニル3は、若手有望株のRFAのマヴリク・ブーク(センター、23歳。2020年ドラフト全体30位)とニルス・ラントクヴィスト(ディフェンス、24歳。2018年ドラフト全体28位)をキープしたいと考えているでしょうし、保有権を持つUFA選手の一部を残すことも視野に入れているはず。

 そのリストには、生え抜きでキャプテンのジェイミー・ベン、そして得点力のあるマット・デュシェーン、ミカエル・グランルンド、エフゲニー・ダダノフ、トップ4ディフェンスマンのコディ・セシが含まれています。

 現状のままでは、来季のキャップに適合したチームを組むために、これらの選手のうち1~2人しかキープできないと考えられます。

🤔それでもロバートソンを出すの?

 それでもなお、こんな状況の中で、「なんで若きスター選手のジェイソン・ロバートソンを出す話になるの?」と思う人も多いはず。その理由を探るには、最近の類似トレードに目を向ける必要があります。

 でもここで思い出したいのが、ミッコ・ランタネンのトレード。この取引がスターズの将来に大きく影響を与えているかもしれません。

🚨ランタネンの獲得と高額契約が引き金?

 ランタネンはコロラド・アバランチからカロライナ・ハリケーンズへトレードされる大型取引の対象でした。しかし、彼はローリーで契約延長を拒否し、わずか数週間後にハリケーンズからスターズへトレードされることとなったのです。

 そして、スターズは彼を「ビッグD(ダラス)」でプレーさせるために、8年・9600万ドル(約138億5800万円)という超大型契約を彼にオファーします💰。これがカギとなります。

 スターズがミッコ・ランタネンを獲得したことで、勢力図は大きく変わりました。しかし同時に、彼らは若くて同等の価値を持つ選手を手放す羽目になるかもしれません。

 でもこのお金、他の用途――たとえばロバートソンの契約延長――に使えたかもしれません。実はロバートソンは来季終了後にRFAとなり、今は年俸$7.75ミリオン(約11億2000万円)というかなりお得な契約中 ✍️。でも次は確実に大幅アップを要求してきます。

 2人のスター選手に巨額を投資するのは、キャップ制限のある今のNHLではかなりのリスク。ラインナップが極端に「トップヘビー(上位選手に依存)」になってしまうからです。ランタネンとロバートソンには違いもありますが、どちらも左利きで大型のスコアリング・ウィンガー。

 過去3シーズンのスタッツもほぼ互角です😊。ランタネンは244試合に出場し、129ゴール・297ポイントを記録。一方のロバートソンは246試合で110ゴール・269ポイントを挙げています。ただし、ランタネンは高得点チームで、かつネイサン・マッキノンのサイドでプレーしていたことは指摘しておきたいところです。

 さらに、ロバートソンはランタネンより3歳若く、より信頼性の高い2ウェイプレイヤー4であるという点も見逃せません。

 こうした要素を踏まえれば、なぜスターズがトレード期限前にミッコ・ランタネンの獲得を「必要」と感じたのか、理解できない部分もあります。彼に使った資金をロバートソンの長期契約に回せば、同様の期間でより長く価値を提供できた可能性が高いのです。

🎯ブルージャケッツが動くべき理由

 ここで記事の最終部分に移りましょう。もしスターズがジェイソン・ロバートソンをトレードに出すつもりなら、彼らは何を見返りとして求めるでしょうか?ランタネンのトレードが、ここでも引き合いに出されます。ここで浮上してくるのが、コロンバス・ブルージャケッツ(ジャケッツ)です。実は彼ら、今こそロバートソンのような選手を狙う大チャンスなんです🔥

 この取引では、スターズが2つの1巡目指名権、2つの3巡目指名権、そして新人のローガン・スタンコーヴェンをカロライナ・ハリケーンズに送っています。このことを踏まえると、スターズはロバートソンのトレードでも、同様の資産を回収しようとするかもしれません。そうであれば、ブルージャケッツは候補として非常に理にかなっています。

 ジャケッツには、今季も来季以降も、ロバートソンのような選手の契約をしっかり受け入れられるだけのキャップスペースがあります。そして、彼にピッタリなトップ6(第1〜第2)フォワードの枠も空いており、若手中心に経験と実力を兼ね備えた選手を加えて次のステップへ進み、コンテンダー(優勝候補)になることを目指したいというニーズもピッタリ😊。

 さらに、ジャケッツはドラフト指名権などの追加資産(アセット)も十分に持っています。こういう「今が旬」の選手にこそ、積極的にリソースを投下すべきなんですよね💥

 もちろん、こういったトレードが安く済むわけはありません。しかし、実現可能なルートはあります。こういう選手を獲得するなら、システム内のプロスペクト(有望若手選手)は多少犠牲にしても構わないと考えるのが普通。ただし、オフシーズンであり、全チームが獲得に名乗りを上げるタイミングなので、ランタネンのときよりも高額な代償が求められる可能性もあるでしょう。

💼もしトレードが実現するなら…

 じゃあ、実際にどんな条件でロバートソンを獲得できる可能性があるのか?以下のような取引案から始めてみてはどうでしょうか👇

🔁【仮のトレード案📘】

コロンバス・ブルージャケッツ
獲得・ジェイソン・ロバートソン

ダラス・スターズ
獲得・2025年 1巡目指名権(全体14位)
・2026年 1巡目指名権(トップ10保護付き5
ギャビン・ブリンドリー6
・2025年&2026年の3巡目指名権

 この内容で取引が成立するかは不明ですが、他チームのどんなオファーにも匹敵する内容だと思われます。ギャビン・ブリンドリーは、スターズがランタネンを獲得するために手放したローガン・スタンコーヴェンに似たプレーヤーです。この取引によって、スターズはランタネンのために失ったドラフト資産をほぼ全て回収できる形になります。

この選手、どのチームでも欲しがる素材だけど、ロバートソンの穴埋めとしてはどうかな。守備がイケるのかどうか。

讃岐猫
讃岐猫

🔍コロンバスにとっての“賭け”はアリ?

 このトレード、ジャケッツ側から見ても悪くありません。これによって彼らは上位指名権を使ってチーム作りを継続しつつ、ドラフト資産を完全に失うことなく前に進むことができます。持っている余分な指名権を活用する形になるため、長期的な再建に支障は少ない。

 もちろん、スターズ側が「ケイデン・リンドストロム7」や「ルカ・デル・ベル・ベルズ8」のような超有望プロスペクトを要求してきたとしても、うまく交渉できれば、Win-Winの形を作れるかもしれません😉

 そして、もし相場が跳ね上がりすぎたら?その時は潔く別の道を選べばいい。大切なのは、「ちゃんと手を挙げて交渉に参加すること」なんです💪

🏆ロバートソンは未来のカップへのカギ?

 ジェイソン・ロバートソンは、ジャケッツの若いロスターにピタッとハマるタイプの選手です。プレースタイルも年齢も理想的。しかも、もし彼がコロンバスで8年契約を結んでくれるなら?

 未来は一気に明るくなります✨。スタンレーカップを本気で狙えるチームに化ける――そんな期待すら抱かせてくれる選手です。

まとめ

 ロバートソンの去就は、スターズとブルージャケッツ双方の今後を大きく左右する可能性を秘めています。資産と将来性をどう天秤にかけるか——その判断が、次のシーズンの勢力図を塗り替える鍵になるかもしれません。

讃岐猫
讃岐猫

【註釈】

  1. NHLのコロンバス・ブルージャケッツ専門のファン向けブログで、トレード情報、選手分析、試合レビューなどを発信している。スポーツメディアネットワーク「FanSided」に所属しており、ブルージャケッツに関する深掘り記事を定期的に掲載。
    ↩︎
  2. 現在コロンバス・ブルージャケッツのホッケー運営部門社長兼GMを務める、アイスホッケー界のベテランエグゼクティブ。選手としてもNHLでのプレー経験があり、その後、IHL(インターナショナル・ホッケー・リーグ)でヘッドコーチやゼネラルマネージャーとしてキャリアをスタートさせた。

     デトロイト・レッドウィングスでアシスタントGMを務め、スタンレーカップ獲得に貢献(1997-98)。アトランタ・スラッシャーズで唯一のゼネラルマネージャーを務め(1998-2011)、カロライナ・ハリケーンズの社長(2014年〜)および社長兼GM(2018-2024年)として、チームを過去6シーズンでNHL第2位の勝率に導いた。2024年5月29日、コロンバス・ブルージャケッツのホッケー運営部門社長兼GMに就任。
    ↩︎
  3. ライトウィングとしてNHLで9シーズンプレーし、1980年にはカナダ代表として冬季オリンピックにも出場。引退後、オタワ・セネターズでスカウトを務めた後、デトロイト・レッドウィングスに入団。レッドウィングスで4度のスタンレーカップ優勝に貢献した。

     スターズGMに就任(2013)、彼の指揮の下、スターズは7シーズンでプレーオフに進出。2020年にはスタンレーカップファイナルに、2020年、2023年、2024年にはウェスタンカンファレンスファイナルにそれぞれ進出した。

     2023年と2024年には、NHLの最優秀GMに贈られるジム・グレゴリー・ゼネラルマネージャー・オブ・ザ・イヤー・アワードを2年連続で受賞。史上初の3年連続受賞の候補にもなっている。2025年6月6日、ヘッドコーチのピーター・デボアを解任。
    ↩︎
  4. 攻撃と守備の両方で高い能力を発揮し、攻守の切り替え時に柔軟に対応できる選手のこと。一般的なフォワードやディフェンスとは異なり、彼らは得点に貢献するだけでなく、相手の攻撃を阻止するための堅実な守備スキルも持ち合わせている。

     高いホッケーIQと豊富な運動量を兼ね備え、試合の状況に応じて攻守の役割を切り替えることができるため、現代の速いホッケーにおいてチームのバランスを保つ上で非常に重要な存在。フォワードであれば自陣に戻って守備を助け、ディフェンスであれば積極的に攻撃に参加するなど、その万能性がチームの勝利に貢献する。 ↩︎
  5. NHLのトレードでよく見られる「ドラフト1巡目指名権(トップ10保護付き)」という条件は、指名権を放出するチームのためのリスクヘッジとなる。もし、指名権を渡す側のチームが将来的に非常に不振で、その年のドラフトで上位10位以内の指名権を得る権利を持ってしまった場合、この「保護」が発動する。

     つまり、チームは貴重な上位指名権を失わずに済み、代わりに翌年の1巡目指名権(または他の指名権)などをトレード相手に提供するという仕組み。これは、将来のドラフトで有望な選手を確実に獲得できるよう、チームが保険をかけるための重要な取り決めである。
    ↩︎
  6. アメリカ出身、現在はAHLのクリーブランド・モンスターズでプレーしており、NHLのコロンバス・ブルージャケッツの若手有望株。

     彼のキャリアは、USHLのトライシティ・ストームでのジュニア時代に始まり、その後、ミシガン大学でカレッジホッケーをプレーし、在学中にBig Tenの得点王と年間最優秀選手に輝いた。2024年4月にブルージャケッツとルーキー契約を結びNHLデビューを果たした後、プレシーズンでの怪我から回復し、クリーブランド・モンスターズにレンタル。

     国際大会では、アメリカ代表として冬季ユースオリンピック、IIHF U18世界選手権、そして2024年の世界ジュニアアイスホッケー選手権で金メダルを獲得するなど、複数のメダルを獲得。彼の父親も元プロアイスホッケー選手である。
    ↩︎
  7. カナダ出身のアイスホッケーフォワード。現在はWHLのメディシンハット・タイガースに所属しており、2024年のNHLドラフトではコロンバス・ブルージャケッツから全体4位で指名された有望な選手。

     彼のキャリアのハイライトには、WHL中部地区の新人王獲得や、CHLトップドラフトプロスペクト賞受賞がある。また、カナダ代表として2023年のフリンカ・グレツキー・カップで金メダルを獲得。腰の手術を含む怪我に直面しながらも、2025年のWHLチャンピオンシップではタイガースの優勝(エド・チノウェス・カップ獲得)に貢献。
    ↩︎
  8. カナダ出身のセンター。彼は、2022年のNHLドラフト全体44位指名。2019〜2023年まで、オンタリオ・ホッケー・リーグ(OHL)でプレー。最初はミシソーガ・スティールヘッズに所属し、その後、サーニア・スティングでプレー。

     2023年以降、NHLのコロンバス・ブルージャケッツと契約。現在は主に、ブルージャケッツ傘下であるAHLのクリーブランド・モンスターズでプレーしている。NHLでは16試合に出場し、3ゴール、6アシストを記録。AHLでは119試合に出場し、36ゴール、48アシストを記録。 ↩︎
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