はじめに
DAZNでサッカーのアジア・カップを楽しんでる毎日ですが、アイスホッケーのフェイスオフの緊張感を見慣れていると、サッカーのキックオフは幾分ぬるいなと感じます。相撲の立会いにも似たフェイスオフは、独特の間合いを持っています(時折、早くしてくれと思いますが)。
主審がパックを入れるタイミングと、対面する相手選手のスティックの動き、これらを瞬時に判断しながら、フェイスオフ担当の選手は味方にパックが渡るよう考えなければなりません。だいたいセンターの選手がやるとはいえ、ベテランでもかなり緊張するそうです。
フェイスオフはオフサイドやアイシングなどペナルティ後に行われるため、悪い流れに行きそうなところをリセットする重要なシーン。それをルーキーでありながら、平均以上にこなしている選手のランキングが、今回の記事の主役です。
2023年ドラフトで指名されたルーキーより、
数年前に指名された選手の方が多いランキングだにゃ。
やはり、フェイスオフは、それなりに経験を積まないと任せられないものなのだと分かる。
引用元:NHL.com「Rookie Watch: Top 6 face-off win leaders」
フェイスオフは「全ての始まり」
何人かのルーキーがNHLに与えている影響は、2023-24シーズンの主要なストーリーラインの1つです。毎週、NHL.comルーキーウォッチで、今シーズンのルーキー達に関連するトピックを取り上げます。
今週は、NHLルーキーの中で、フェイスオフ勝利数トップ6が選出されました(最低でも200名の選手が選出されています。プレーヤーはフェイスオフの合計勝利数に基づいてランク付けされました)。
今シーズンも好調ボストンの新星
ジョン・ビーチャー、C(センター)、ボストン・ブルーインズ:1月20日(土曜日)、ビーチャーはアメリカン・ホッケー・リーグ(AHL)のプロビデンス(・ブルーインズ)に配属されたにもかかわらず、依然としてこのリストに名を連ねています。
なぜなら、彼はブルーインズのラインナップにいたとき、39試合にわたってフェイスオフ・サークルの中で力を発揮していたからです。
彼は、208回にも及ぶフェイスオフでの勝利と53.9パーセントの勝率(合計386回のフェイスオフ)により、NHLルーキーの中で1位にランクされています。
2019年のNHLドラフトで30位に指名された彼は、新人センターの中で5ゴールで7位タイ、7ポイントで11位タイとなっています。
ニュートラルゾーンでの対決勝利数(76勝)とディフェンシブゾーンでのそれ(123勝)もルーキー1位で、22歳の彼は60ヒット(対戦相手へのボディチェック)で、ルーキーの中で7位にランクされています。彼のアイスタイム(プレー時間)の平均は10分20秒を記録しました。
さんざん「ベテランが多い」と低評価してきたボストンに、
こんなイキのいい若手がいるんだにゃ^^;。攻撃面ではそれ程成績を挙げていないんだけど、
縁の下の力持ち的存在で、守備に回るとギラッと光る選手かな。
「ルーキー」と呼べないくらい、今や主力中の主力
マルコ・ロッシ、C、ミネソタ・ワイルド:2020年のNHLドラフトで9位指名されたロッシは、フェイスオフ獲得合計(417回)でルーキー中のトップを取り、フェイスオフ勝利数(182回)とオフェンシブゾーンでの勝利数(66回)で2位、フェイスオフ勝率(43.7)で2位タイにランクされています。
22歳の彼は46試合で13ゴール・27ポイント(アシスト14)を記録し、ルーキーの中で2位となっています。
彼は反則数(20)でNHLルーキーのトップであり、ニュートラルゾーンでのフェイスオフ勝利数で2位(71回)、ディフェンシブゾーンでのフェイスオフ勝利数で4位(45回)、テイクアウェイ(相手チームからパックを取り返す)数で5位タイ(18回)となっています。
※ロッシについては、以前、このブログでも触れている。詳細はこちら↓(記事中に映像もあり)。
個人的印象では、ベダードより上の選手ではないかと…
アダム・ファンティリ、F(前線はどこでも可)、コロンバス・ブルージャケッツ:2023年のNHLドラフト3位指名選手は、氷上のあらゆる分野で効果を発揮しました。
彼は45試合に出場し、25ポイント(11ゴール・14アシスト)でルーキーの中で3位にランクされ、イーブン・ストレングス(リンク上、敵味方が同数の場合)で23ポイント(10ゴール)を記録し、2位タイとなりました。
フェイスオフ勝利数(171)では3位、オフェンシブゾーンのフェイスオフ勝利数(70)と、パワープレーのフェイスオフ勝利数(16)で共に1位となっています。
ファンティリのアイスタイムの平均は15分49秒で、ブロックショット(ゴール前で相手にシュートを打たせないよう、体を投げ出して止めるプレー)数(22本)でNHLセンターの中で2位、ヒット数(40)で6位タイ、テイクアウェイ数(14回)で7位タイとなっています。
パワフルなプレーでは、ベダードの上を行っている選手だと思うにゃ。
前線ならどこでもできる器用さを持っているし、スケーティングのスピードも速い。
チームが今後、彼中心のチームづくりをしていくかどうかで、
またプレーも変わってくるかもしれない。
※悩み多きチーム、コロンバスについてはこちらを↓。
アリゾナを「闘える集団」に急浮上させた男
ローガン・クーリー、C、アリゾナ・コヨーテズ:ウイングでもセンターでもプレーできる19歳は、フェイスオフ勝利数(144)とフェイスオフ獲得数(348)で4位にランクされています。
2022年のNHLドラフトで3位に指名されたクーリーは、17アシストでルーキーの中で3位タイ、ポイント(21)で8位、パワープレーでのポイント(10)で2位、反則数(18)で2位タイとなっています。
彼はセンターのニック・ビュグスタッドやディラン・ギュンターとともに左ウイングでプレーし、アイスタイムの平均は16分10秒を記録しています。
クーリーはディフェンシブゾーンでのフェイスオフ勝利数(48)でルーキーの中で2位、イーブン・ストレングスの勝利数(136)と、パワープレーでの勝利数(8)で共に4位となっています。
※開幕前から、このブログでもクーリーを注目していました!詳細はこちら↓
シカゴだけでなく、NHLを代表する選手に
コナー・ベダード、C、シカゴ・ブラックホークス: 2023年のドラフトで1位指名されたベダードは、1月5日に顎を骨折して以来初めて月曜日にスケートをしましたが、戦列復帰まではまだ5~7週間かかります。
過去7試合欠場したにもかかわらず、ベダードはフェイスオフ勝利(134)とディフェンシブゾーンでのフェイスオフ勝利数(44)で、依然として5位にランクされています。
彼は、ゴール(15)、ポイント(33)、リンク上、イーブン・ストレングスのポイント(25)、および枠内シュート(118)において、すべてのルーキーをリードし続けています。
アイスタイムの平均時間(19分4秒)と1試合あたりのポイント(0.85、最低5試合出場した選手を対象)ですべての新人フォワードのトップに立っています。
2月3日、トロントのスコシアバンク・アリーナで開催される2024年ホンダ(米国)/ロジャース(カナダ)NHLオールスターゲームのメンバーに、1月4日、ベダードは選出されました。
シカゴのルーク・リチャードソン監督は、ベダードがプレーできない場合、オールスター・ウィークエンドの祝典に出席するかどうかは分からないと述べています。その頃は、負傷から4週間が経過したことになります。
「彼はスラップショットをすることを許可されていないので、今、本当に歯を食いしばることはできないんだ」とリチャードソンは語りました。
「そうなれば、(周囲は)彼(ベダード)をオールスター出場選手から無理にでも外すかもしれない。でも、彼は熱心だし、(オールスターの頃、)そろそろ体を動かし始めるのはいいことだと思うけどね」。
※ベダードのケガについては、こちらを参照のこと↓
力を発揮するまでにやや時間かかったけど、
初ゴールを決めてから完全にペースをつかんだかにゃ。
「さあ、これから」って時にケガをしてしまったのは、非常に残念。
しっかり休んで、後半戦に万全な体調で出てきてほしい。
ファンティリと組んだ前線は破壊力満点
ドミトリ・ボロンコフ、LW(左ウィング)、コロンバス・ブルージャケッツ:ボロンコフは121回のフェイスオフ勝利でルーキーの中で6位、フェイスオフ勝率(43.1)では5位です。
2019年のNHLドラフト4巡目(総合114位)で指名されたボロンコフは、39試合に出場し13アシストでNHLルーキーの中で7位タイ、22ポイント(9ゴール・13アシスト)で6位タイとなっています。
この23歳の選手(6フィート5インチ=身長約196センチ、240ポンド=体重約109キロ)は、リンク上、敵味方が同数の場合に記録した19ポイント(7ゴール)で4位タイ、36ヒッツで18位タイとなっています。氷上プレー時間の平均は13分19秒で、プラス4の評価を得ています。
ボロンコフが氷上にいるとき、コロンバスは、5on5での全ショットの50.8パーセントをコントロールしています。
※外部リーグで武者修行をしてきたボロンコフは、スター選手を脅かすかも…。
まとめ
バンクーバー・カナックスの大躍進や、エドモントン・オイラーズの連勝街道の影に隠れていますが、ボストンの着実に勝ちを積み重ねる秘訣の一端が分かったようなランキングです。確実にチームに貢献できる若手を育て、上手くピースとしてハメるコツを知っているのです。
おそらく、下部組織のチームとの連携が上手く行っているのでしょう。ビーチャーがあれだけフェイスオフに勝てるのは、持ち前の素質とともに、AHL等で場数を踏ませた証です。2019年ドラフト指名選手ですから、約4年熟成させたことになりますね。
コロンバスの攻撃をリードするボロンコフのように、下位指名選手も決して侮れません。彼を他所に獲られないよう、チームはしっかり評価をしてあげないと。ゴタゴタの多いチーム事情に嫌気が差して、「他所へ行きたい」とか言われないように…。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!