はじめに
ヤンジャンにアイスホッケーを題材にした漫画が始まり、毎週「どうなるんだろう」とワクワクドキドキしながら読んでいます。ヤンジャンという「非常にメジャーな舞台」で、果たして連載続くのかなという不安も感じてはいますが…(作者の方、ごめんなさい)。
初心者の方に「アイスホッケー、面白いよ」と伝える時、何から話題を始めればいいのか、考えてしまいます。スピード感や格闘技的要素など数々あれど、やはり「スター選手」、さらに今ならば、開幕からバリバリに好調な選手を紹介するのもいいかもしれません。
今回は、cbssports.comのピックアップした4名のうち3名を紹介します(分量の都合で人数を減らしました)。3名の選手のYouTube動画もアップしてありますので、それを見ていただき、NHL、アイスホッケーの凄さを堪能してほしいものです。
ヤンジャンで連載されているのは、「ゴールデンカムイ」でお馴染み、
野田サトル先生の「ドッグスレッド」だにゃ。
北海道の高校アイスホッケー部を舞台に描く作品で、
ダイナミックな作風がアイスホッケーの躍動感にピッタリ!
引用元:cbssports.com「NHL Star Power Index: Canucks’ Elias Pettersson continues hot start, Devils’ Tyler Toffoli piling up goals」。
ここ最近のNHLの猛者は彼らだ!
NHLスター・パワー・インデックスへようこそ:リーグ界隈で実質的な話題をさらっている選手を週単位で紹介します。このリストに名前の載るということは、ホッケー界の注目を非常に多く集めているということであり、ある選手にとって良いことではないかもしれません。
話題性の高さという点で、ここに出てくる選手達は順不同です。レギュラーシーズン中、毎週、スターパワー指数を見直しています。
もうハットトリック2回達成!
エリアス・ペターソン
バンクーバー・カナックス、センター、背番号40
ゴール:5、アシスト:11、+/-:+7
2023-24シーズンのバンクーバー・カナックスは、開幕から9試合で勝ち点13と、なかなかのスタートを切りました。エリアス・ペターソンはその成功の大きな理由となりました。
ペターソンはこれまでに16ポイント(5ゴール、11アシスト)を記録しており、歴史に残る活躍を見せています。
トニー・タンティ1(19ポイント、1983-84)、パトリック・サンドストローム2(17ポイント、1983-84)、ポール・ラインハート3(16ポイント、1989-90)は、チーム史上、開幕から最初の9試合で16ポイント以上を挙げた選手はこれだけです。
24歳のペターソンはここ3試合で3ゴール3アシストと大活躍しています。ペターソンの最も印象的なパフォーマンスは、10月31日(火曜日)、ナッシュビル・プレデターズを5-2で下し、キャリア2度目のハットトリックを達成したときでした。
第2ピリオド開始早々、ペターソンはチームメイトのクイン・ヒューズ(ディフェンス、24歳)からパスを受け、1人でゴールを決めました。
カナックスのスターはスロットに滑り込み、シュートを放ち、プレデターズのゴールテンダーであるケビン・ランキネン(28歳)がシュートのパックを手に当てたにもかかわらず、ゴールネットの外に出すことはできませんでした。
「+/-」評価が+7ということは、攻撃に守備にかなり活躍しているということになるにゃ。
センターというポジションだから、そうなりやすいとはいえ、かなり高い数字だ。
ゴールシーンをたっぷりどうぞ!
このピリオドの後半、ペターソンはこの夜2点目のゴールを決め、驚異的な忍耐力を見せています。ペターソンはフェイスオフ・サークルでスティックの上にパックを乗せ、ピンポイントの正確さでランキネンをかわしてシュートを決めました。
ペターソンは、試合終了まで3分を切ったところで、エンプティネットにゴールを決め、ハットトリックを達成したのです。
ペターソンにとって、2023-24シーズンは非現実的なスタートとなりました。11月2日(木曜日)に入ると、スター・センターはジャック・ヒューズ(18。センター、22歳。ニュージャージー・デビルズ所属)に次ぐポイントを稼ぎ、NHLで2番目となっています。
ペターソンが今季9試合中6試合で複数ポイントを記録していることと併せて考えると、これは驚くべき数字です。
ペターソンがこの非常識な軌道へ自らを乗せていければ、カナックスは2023-24シーズンにおいてポストシーズンへ復帰できるでしょう。
移籍直後に大活躍!
タイラー・トフォリ
ニュージャージー・デビルズ、右ウィング、背番号73
ゴール:7、アシスト:3、+/-:-1
タイラー・トフォリがニュージャージー・デビルズに移籍したとき以上に、他の選手が新しいチームで良いスタートを切るのは難しいと思います。
トフォリは、夏の間にカルガリー・フレームスからのトレードでデビルズに加入しました。ニュージャージーでの開幕からの8試合で、ベテランのウィンガーは7ゴールを記録しています。
トフォリの7ゴールは、開幕からの8試合で、チーム内のどの選手よりも多いのです。
ポール・ガードナー4(1976-77シーズン、ロッキーズ)、ラニー・マクドナルド5(1979-80シーズン、ロッキーズ)、ボビー・ホリック6(1992-93シーズン、デビルズ)、デヴァンテ・スミス=ペリー7(2015-16シーズン、デビルズ)達はそれぞれ開幕から8試合で6ゴールを記録していますが、31歳の彼は僅差で抑えているのです。
この1週間、トフォリはわずか4試合で6ゴール・1アシストを記録し、モントリオール・カナディアンズ戦とワシントン・キャピタルズ戦で連続マルチゴールを記録しました。
カルガリーから移籍してきて、即大活躍とは凄いにゃ。
逆に、どうも昨シーズンからトレード下手を露呈しているカルガリー、
トフォリを出すべきじゃなかったんじゃないか?
71ゴールは無理でも、自己最高は行けるっしょ
直近では、6-4で敗れたワシントン・キャピタルズ戦でゴールを決めています。
トフォリはネット上で何かを起こすコツを持っており、この試合も例外ではありませんでした。
第2ピリオド中盤、デビルズのディフェンスマン、ルーク・ヒューズ(20歳)がフェイスオフ・サークルまで進み、シュートを放つと、キャピタルズのゴールテンダー、ハンター・シェパード(27歳)がこれをはじき返しました。
しかし、大きなリバウンドとなり、トフォリはパックをシェパードの下に滑らせてゴールを決めることができたのです。
トフォリは、ジャック・ヒューズやティモ・マイヤー(右ウィング、27歳)と並んで、ニュージャージーのトップラインでスケートをして成功しています。
昨シーズン、彼はフレームスで自己最高の34ゴールを記録しており、今シーズンのようなゴール量産が続けば自己最高を更新する可能性があります。
トッフォリは現在71ゴールのペースで進んでいますが、これは明らかに実現しないでしょう。しかし、ジャック・ヒューズのようなスター・センターとプレーすることで、30~40ゴールを記録する可能性がないわけではありません。
ディフェンスマンでもどんどん得点チャンスに絡みます
アダム・フォックス
ニューヨーク・レンジャーズ、ディフェンス、背番号23
ゴール:3、アシスト:8、+/-:+1
アダム・フォックスは、NHLの提供する最高のディフェンスマンの一人として、その地位を確立しています。2023-24シーズン開幕からの数週間を通して、フォックスはノリス・トロフィー級のキャンペーンを新たに開始しているようです。
フォックスはここまで11ポイント(3ゴール、8アシスト)を記録して好調ですが、ここ一週間で一気に調子を上げました。
レンジャーズのブルーライナーは現在4試合連続でポイントを獲得しており、その間に2ゴール・4アシストを記録しています。さらに、フォックスはこれら4試合のそれぞれでアシストを記録しています。
フォックスは現在、カナックスのディフェンスマンであるクイン・ヒューズ(24歳)と並んで、このポジションでのポイント数でリーグのトップです。
彼の8アシストは、デトロイト・レッドウィングスのブルーライナー、モリッツ・ザイダー(22歳)が9アシストを記録しているのに次いで、NHLのディフェンス選手では2位タイです。
フォックスは、これまでも得点能力の高いディフェンスマンとして評価されてたけど、
レンジャーズは前線派手だから、イマイチ地味だったんだにゃ。
今シーズン、チームを上位に定着させたら、一気にブレイクするかな。
トロフィー獲得も夢じゃない。
土曜日のカナックス戦で延長戦の末に4-3で勝利した試合では、フォックスが大活躍し、レンジャーズの勝利に貢献しました。
フォックスは1ゴール・1アシストを記録し、今シーズン3度目のマルチポイントを達成し、2試合連続のパワープレー・ゴールを決めています。
第3ピリオド、フォックスが思いがけないところからゴールを決め、2-2の同点に追いつきました。スターフォワードのアルテミ・パナリン(左ウィング、32歳)がブルーライン際でパックを運んでいたとき、フォックスが相手ゴールネットに向かって切り込んでくるのが見えたのです。
フォックスは、カナックスのネットマインダー、ケーシー・デスミス(32歳)の(キャッチング・)ブロッカー側にパックを叩き込みました。
フォックスは、ゴールを奪う脅威として十分な評価を得ていないのは確かです。レンジャーズのディフェンダーは、シーズン連続で2桁得点を記録し、2023-24シーズンも好調なスタートを切っています。
もし攻撃的なプロデューサーであり続けることができれば、フォックスは、間違いなく今シーズンの彼の履歴書に、別のノリス・トロフィーを追加することができます。
まとめ
3人とも攻撃面でチームに大貢献しているので、初心者の方にもわかりやすかったのではないでしょうか。この3人の中で、今後も同様の力を発揮しそうなのがカナックスのペターソン、と予想しています。チーム全体に勢いがありますし、それが彼の前進力を高めるのではないか。
やや守備力に不安のあるチームなので、センターというポジションであることから、守備に忙殺される試合も今後増えてくると思います。そこをチームがうまく切り抜けたら、彼の成績だけでなく、チームの成績も昨シーズンと比べ物にならないものとなるはずです。
この3人の他にも、まだまだスター選手、スター予備軍はたくさん控えています。「ドッグスレッド」で興味を持たれた方は、YouTubeのダイジェスト動画でもいいですから、NHLに触れて、お気に入りの選手を見つけてくださいね!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- カナダ、オンタリオ州トロント出身、60歳。現役時のポジションは左ウィング。1981年ドラフト全体12位でシカゴ・ブラックホークスに指名されたが、2年後、バンクーバー・カナックスへトレード。7年間の在籍中、3回40ゴールを達成している。
↩︎ - スウェーデン、スケレフテオ出身、61歳。現役時のポジションはセンター。ニュージャージー・デビルズ時代、プレーオフ1試合(対ワシントン・キャピタルズ戦)で8ポイント(3ゴール、5アシスト)を記録し、これは現在も破られていない。
↩︎ - カナダ、オンタリオ州キッチナー出身、63歳。現役時のポジションはディフェンス。登録はディフェンスだが、攻撃能力とスピードの高さから、時折フォワードでプレー。フレームス時代、1試合あたり30分をセンターでプレーしていた。
↩︎ - カナダ、オンタリオ州フォートエリー出身、67歳。現役時のポジションはセンター。現在のニュージャージーの前身チーム、コロラド・ロッキーズでプロ・キャリアをスタート。ロシアのKHLやドイツのプロ・リーグでの指導歴あり。
引退から11年後、AHLでコーチを務めている際に選手不足のため現役復帰、1試合出場し1アシストを記録している。
↩︎ - カナダ、アルバータ州ハンナ出身、70歳。現役時のポジションは右ウィング。彼の背番号9は、フレームス史上最初の永久欠番。16年のキャリアで1,100試合以上プレーし、500ゴールと1,000ポイント以上を記録。
1982-83シーズンの66ゴールは、フレースのフランチャイズ記録としていまだに破られていない。
↩︎ - チェコスロバキア、イフラヴァ出身、52歳。現役時のポジションはセンター。現在、イスラエル男子アイスホッケー代表チーム監督。
ニュージャージーで10シーズンプレーし、クラッシュラインの一員として活躍し、1995年と2000年、2回のスタンレーカップ獲得に貢献。
↩︎ - カナダ、オンタリオ州スカボロー出身、31歳。現役時のポジションは右ウィング。ワシントン在籍時、2018年のプレーオフで7ゴールを決め、キャピタルズがチーム史上初のNHLタイトル獲得に貢献。
スタンレーカップにハイフン付きの姓が刻まれた、NHL史上2人目の選手でもある。 ↩︎