過酷なスケジュールの影響?シャークスのチーム状況は最悪なのか?

NHLチーム紹介

はじめに

 海外スポーツ情報サイトに必ず名物コーナーあり!なのですが、sports.yahoo.comには「NHL Under the Radar」というコーナーがあります。まだ火種としてはそれほど大きくないのですが、いずれNHL中で議論されまくるであろうネタを紹介しています。

 元記事は5つの「小さな火種」をアップしていますが、ここでは3つに絞らせていただきました。どうしても選びたかったのは、サンノゼ・シャークスに関する記事。タイトルも含め、現在最下位を突っ走るサンノゼを叩きまくっています。

 残り2つは、鉄壁の守備を誇るダラス・スターズと、シカゴ・ブラックホークスのコナー・ベダードの弱点…です。ポゼッション率のアップと「チーム作りは守備から」を考えさせる記事で、これってサッカーでもよく言われますね。サッカー・ファンの人に、NHL見てほしいなぁ…。

讃岐猫
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引用元:sports.yahoo.com「NHL Under the Radar: Tough schedule has Sharks looking historically awful

シャークス、今シーズンも光明見えず

 NHLシーズン開催中の毎週、まだ見出しになっていないかもしれませんが、おそらくそうなるべきだと思われるものについてのコラムを、ここで見つけることができます。

 NHLのシーズン序盤、サンプルサイズが小さいことから、珍しい結果が必ず発生します。

 時に予想に反し、時に我々の予見を裏付けることもあります。今回の気づかれていない現象の検証について、大局的なレベルでは驚きませんが、しかし、よく見てみると、本当に異常な状態であるように思われるので、そこから始めてみましょう。

低いハードルの下で、ぐったりしているシャークス

 2023-24シーズン、サンノゼ・シャークスが優勝するとは、誰も予想していなかったと言っても過言ではありません。

 このチームは(勝ち点)60ポイントで、昨シーズンのキャンペーンを終了し(下から2番め)、夏の間にノリス・トロフィー受賞者のエリック・カールソン(ディフェンス、33歳。現在、ピッツバーグ・ペンギンズ所属)をトレードで放出しました。

 このチームがうまくやるかどうかを見極めるのは難しいでしょうから、彼らが0-4-1の開幕スタート1となったのを見るのは、合理的に思えます。

失点は多い、何本打ってもシュートは入らない…

 このシャークスについて特筆すべきは、彼らが悪いということではなく、彼らがいかに悲惨であったかということです。今シーズンはこれまでのところ、1試合平均15.4本のシュートを打たれ、20失点・7得点(現在は23失点・8得点)と負けています。

 それを踏まえて考えてみましょう、サンノゼの1試合当たりのシュート数39.2本は全チームの中で最多となっており、(シュート数と被シュート数の差)23.8本は統計が取られてから4番目に悪い数字となっています。

 1,416チーム分のシュート・データがあることを考えれば、これは驚くべきレベルの不甲斐なさです。

 しかし、サンノゼのスケジュールが、試合で数値を落としている大きな要因となっています。シャークスのシーズン開幕からの4試合は、ベガス・ゴールデンナイツ、コロラド・アバランチ、カロライナ・ハリケーンズ、ボストン・ブルーインズと対戦しました。

 サンノゼが対戦した中で、自分たちのレベルにより近いチームはナッシュビル・プレデターズ(それでも1-5で敗戦…)だけです。

 間違いなく、このチームは良くない、もしくはそれに近いチームですが、史上最悪のチームの1つかもしれないと考えるのは時期尚早です。

讃岐猫
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1人、2人欠けても守りきれるぞ!

NHLで最後に残った「完璧なチーム」

 完璧を手に入れるのは難しいと感じるほど、レギュラー・シーズンは深いものなのです。

 全てのシュートを決めて得点した選手はいません。すべてのパックをゴールの外に出してしまうゴールテンダーはいません。(現時点で)毎試合勝利しているチームもありますが、シーズン途中で何回かのぐらつきはあるものです。

 ペナルティキラー・ユニットのおかげで、2ダラス・スターズは完璧の域に達していると主張することができます。NHLのチームで唯一、ダラスはパワープレーでのゴールを許していません。

 彼らが4試合しかプレーしていないことも関係していますが、このチームは1年を通して(相手が得た)ペナルティのチャンスを潰すことに優れているはずです。

 昨シーズン、スターズはペナルティキリング成功率 (83.5%) でNHL3位につけており、チームにはジェイク・オッティンガー(24歳)という一流のゴールテンダーと、エサ・リンデル(ディフェンス、29歳)というリーグで最も多くのペナルティキリングを成功させた選手がいます。

守備職人が勢ぞろい!

 他の2人のプレーヤーも、チームのペナルティキリング・タイムの50%以上にかかわっています:

 過去6シーズンのうち4シーズンでセルケ・トロフィーの投票を獲得し、2021-22シーズン以降の各シーズンでフェイスオフ勝率55%を超えているセンターのラデク・ファクサ(センター、29歳)と、6フィート6インチ、225ポンドのジャンボ・ブルーライナーのヤニ・ハカンパ(ディフェンス、31歳)の2人です。

 リンデルとのコンビは威圧的なクルーであり、ダラスはベテランのジェイミー・ベン(左ウィング、34歳)やタイラー・セギン(センター、31歳)のような頼れる堅実で補完的な駒に加え、トップクラスのオールラウンド・ディフェンスマン、ミロ・ハイスカネン(24歳)を擁しています。

 今シーズンこれまで、ダラスは11回のペナルティ・キリングで16回のシュートしか許していません。完璧な記録は長続きしませんが、1年を通して5対4の状況で、スターズを攻略するのは難しいはずです。

讃岐猫
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地味だけど、フェイスオフは重要なのです

シカゴのフェイスオフ・サークルの悪夢

 フェイスオフに勝つことが、チームの運命を左右することはほとんどありませんが、シカゴ・ブラックホークスはパックを確保するのに非常に苦労しています。

 パックのかけ引きにおいて、シカゴは現在37.1%しか獲得しておらず、これは馬鹿げた数字です。ちなみに、チームがフルシーズンを通して達成した最低のパーセンテージは44.1%(1997-98シーズン、タンパベイ・ライトニング)です。

 成功の原動力として、チームのフェイスオフ率がほとんど語られないのは、通常、(選手各個人の)フェイスオフ率というものは、比較的狭い範囲(つまり、それほど差がない)に存在するからです。

 ブラックホークスは現在、既成概念にとらわれないチームプレーをしており、今後もそうし続けるかもしれないと考える理由があるのです。

ベダード1人の責任じゃないと思うが…

 今シーズンの(シカゴ・ブラックホークスにおける)フェイスオフ・テイカー上位5人をまとめてみました:

ジェイソン・ディキンソン(センター、28歳)—キャリアにおけるフェイスオフ勝率44.8%

コナー・ベダード(センター)—比較的小柄な18歳のルーキー、これまでのところ勝率は35.1%

ルーカス・ライヒェル(左ウィング、21歳)—キャリアにおけるフェイスオフ勝率38.8%のウィンガー

ライアン・ドナート(センター、27歳)—キャリアにおけるフェイスオフ勝率が42.0%のウィンガー

タイラー・ジョンソン(センター、33歳)—2020-21シーズン以降、フルタイムのセンターではなく、キャリアにおけるフェイスオフ勝率49.5%

 ジョンソンを除けば、状況はかなり厳しいです。

 大局的に見れば、この件がブラックホークスの戦力的見通しにどう影響するかはどうでもいいことです。いずれにせよ、シカゴは今年どこにも行きませんから(これまで通り下位に低迷)。

 しかし、もしブラックホークスが、フェイスオフで自分の方にパックを引き込めないままであれば、極端な場合、フェイスオフがいかに重要な意味を持つか、特にポゼッションを失うことで極めて不利になりうる「スペシャルなチーム」において、ブラックホークスは興味深いケーススタディとなるでしょう。

 これまでのところ、シカゴはその点(パックのポゼッション)では混とんとしています。パワープレーは散々(7.4%)ですが、ペナルティキルは立派なものです(83.3%)。

まとめ

 ベダードはこれから経験を積めば、フェイスオフでも勝っていけると思うし、今はまだ様子見の段階ではないでしょうか。それよりも、この記事はかなり悪意に満ちているような印象を受けました。

 つまり、今シーズンのシカゴが18歳の若鷹中心のチームで行こうとしていることを、揶揄しているように読めます。パックのポゼッションを取り、試合のイニシアチブを取れないのは、そういう「スペシャルなチーム作り」をしているからだ、と言いたいのでしょう。

 確かにパワープレーとペナルティキルの数字が物語るように、1試合において、守り重視のあまり、攻撃に転じた際の形があまりできていないことが分かります。

 いずれ、長くベダードを休ませる日が来ると思いますが、それまでに攻撃のオプションを増やしておかないと、この記事の予言どおりになるかもしれません。

讃岐猫
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ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!

【註釈】

  1. この記事の後、10月24日、フロリダ・パンサーズに3-1で敗れ、0-5-1の成績となっている。
    ↩︎
  2. つまり、自チームのペナルティによって、リンク上の人数が5対4、5対3の状況になっても、ダラスは守り切ることができ、相手に得点を許さない確率が高いということ。 ↩︎
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