はじめに
NHLオールスターの映像は、公式HPにアップされているダイジェストも含め、ざっと見ただけですが、特にトラブルもなく、成功裏に終わったようです。
新型コロナ禍による制限のかかったシーズンを振り払うには、開催地となったフロリダはまさにうってつけの場所だったのではないでしょうか。
さて、オールスター本戦の内容より、その周辺事情を探るのが、このブログの良いところ^^;。
本戦前に行われた選手達による、ちょっとコミカルなスキル・コンテストは言うに及ばず、選手達の家族やファンとの交流、アーティストによるイベント等、失われた数年間を取り戻そうとするみんなの笑顔が印象的でした。
夏好きのオイラにとって、フロリダはまさに天国だにゃ!
フェスティボー!アーンド、カーニボー!
(ノリさん風に読んでください)
引用元:NHL.com「Top 10 moments from 2023 NHL All-Star Weekend」。
フロリダにオールスターがやってきた!
太陽、楽しさ、砂、水、ホッケー、これらは通常一緒にはなりませんが、2023年にフロリダで開催されたHonda NHLオールスター・ウィークエンドでは、それらが見事に融合しました。
2月6日(月曜日)の6試合からレギュラーシーズンが再開される前に、お祭りの素晴らしい瞬間を振り返ってみましょう。
ベスト10は以下の通り。
※今回、内容が盛り沢山なため、いつもの注釈は必要最小限とした。
また、オールスターの詳細については、本ブログ内の「NHLオールスター・スキル・コンテストに3つの新種目登場!」を参照のこと。
セルゲイ・オベチキンがショーを盗む
アレックス・オベチキンはそのキャリアの中でリーグを大いに盛り上げてきましたが、2月3日(金曜日)、DraftKings Sportsbook発表の2023年NHLオールスター・スキルでは、4歳の息子セルゲイが脚光を浴びていました。
ジャージの裏に「Ovi Jr」と書かれていたセルゲイは、夕方になってメトロポリタン・ディビジョンを氷の上に導き、Great Clips NHLブレイクアウェイ・チャレンジで、父親とピッツバーグ・ペンギンズのキャプテン、シドニー・クロスビーが、著名なゴールキーパーであるロベルト・ルオンゴから5ホールで得点を決め、40点満点を取るのを助けました。
特に、セルゲイが父親からパックを渡してもらおうと、氷にスティックを叩きつけていたのは素晴らしかったです。
そういえば…
クロスビーとオベチキンの友情
2005年に2人ともNHL入りして以来、何年にもわたって氷上での戦いを繰り広げてきましたが、この週末、クロスビーとオベチキンは、いくつかの場面でタンデムになりました。もちろんブレイクアウェイ・チャレンジにも彼らのコンボがありました。
その後、2月4日(土曜日)のオールスターゲーム準決勝・第2戦で、アトランティック・ディビジョンがメトロポリタンを10対6で破った際、ラインメイトとして、オベチキンのプライマリー・アシストからクロスビーに2点、クロスビーのセカンダリー・アシストからオベチキンに1点、合計3点を奪いました。
※プライマリー・アシスト=(ファースト)アシストのこと。ゴールを決めた選手の前に、パックに触れた味方選手。ちなみに、セカンダリー・アシストはセカンド(ダブル)・アシストのこと。
メトロポリタンのコーチであるロッド・ブリンダムールにとって、この2人を一緒にすることは簡単でした。
「またチャンスがあるかどうか分からないさ。(出てくれた)2人のうち両方がもっと一緒にやりたいか分からないし。でも、僕は2人揃ったプレイを見たいから…」。
私たちもそうでした。
ナースが、リンクに往年の”フォルスバーグ”のプレイをもたらす!
「Discover NHL テンディ・タンデム」イベントの開催中、オールスターズはゴールキーパーに対してあまり良い働きをしませんでしたが、サラ・ナースがそれを補いました。
カナダ女子ホッケーのフォワードは、ニューヨーク・レンジャーズのイゴール・シェスターキンを相手に、ホッケー殿堂入りのフォワードであるフォルスバーグに敬意を表して、左側に回り込んでからパックを戻し、フォルスバーグのNHLでの素晴らしいキャリア時と同様、片手をスティックに置いたままブレークアウェイ・ゴールを決めています。
そして、これ以上に素晴らしいことがありました。土曜日、チームの社長兼CEOのマット・コールドウェルから、フロリダ・パンサーズが将来、FTLウォー・メモリアルに作る練習場とコミュニティ・リンクで、ナースは女子プログラムを運営する仕事を依頼されたのです。
スプラッシュ、スプラッシュ
エンタープライズNHLスプラッシュ・ショットは、金曜日、DraftKings Sportsbookによって発表されていた2023年NHLオールスター・スキルで初披露されたが、この新しいイベントは、特にダンク・タンクで終わった選手にとって、週末を楽しく(そしてクールに)彩るものでした。
※ダンク・タンク=ボールなどを的に当て、水槽の上に座ってる人を水に落とす競技。日本であまり馴染みないが、米国では夏の屋外イベントでよく行われる。
華氏83度(摂氏31度)の晴れた日にコンテストを終えるには、フォートローダーデール・ビーチ・パークのタンクに素早く浸かる以上に良い方法があるでしょうか?青空と大西洋を背景に、美的にも心地いいものでした。
クロスビーとコロラド・アバランチのフォワード、ミッコ・ランタネンを含むダンキーズにとって、チームメイトのディフェンスマンであるケイル・マカールとの争いを制し優勝したのは新鮮でした。
マクデイビッド、ぴったり正確に的を射抜いたが…
金曜日、Honda NHL アキュラシー・シューティングで、エドモントン・オイラーズのセンター、コナー・マクデイビッドが8打数8安打を記録したのは驚くべきことではありません。驚くのは彼が負けたことです。
マクデイビッドは準決勝でカルガリー・フレームスのナゼム・カドリと対戦しましたが、最初の3つのターゲットを(ターゲットと)同数のショットでヒットさせた後、4つ目のターゲットをノックアウトするまでに、失敗したパックを拾い集めるのに数秒を要しました。
しかし、その数秒でカドリは最終的な目標を達成して決勝に進み、ニューヨーク・アイランダーズのブロック・ネルソンに敗れました。
シンプルに美しい国歌
土曜日、2組のアーティストに満点を。オンタリオ州出身のカントリー・ミュージック・シンガー、サシャは、ギターを弾きながら「O Canada」を素敵に演奏しました。
サシャに続いたのは、マサチューセッツ州出身の米シンガーソングライター、アンドリュー・マクマホンで、「The Star-Spangled Banner(星条旗よ、永遠なれ)」を歌い、ピアノを弾きました。過度に演劇的なものではなく、ただ華やかでシンプルに演奏されました。
家族みんなで
マシュー・トカチュク(兄)とブレイディ・トカチュク(弟)は、土曜日に素晴らしい一日を過ごしました。
特にフロリダ・パンサーズのフォワードであるマシューは、アトランティックが10-6で勝利した準決勝のメトロポリタン戦でのハットトリックを含む、2試合で7ポイント(4ゴール、3アシスト)を挙げ、オールスターゲームMVPに選ばれました。
このハットトリックは、トカチュク家とお父さんのキース(NHLで1,201試合をプレーし、米国ホッケー殿堂のメンバー)にとって素晴らしい光景であり、彼はスイート・ルームで周囲の人々にハイタッチをしていました。オタワ・セネターズのフォワードであるブレイディは、2試合で5ポイント(1ゴール、4アシスト)を記録しました。
マシューのハットトリックは、土曜日に達成されたハットトリック3回のうちの1回で、コロンバス・ブルージャケッツのジョニー・ゴードローとデトロイト・レッドウィングスのディラン・ラーキンも、1試合で3得点を挙げました。
その結果、各試合で最初にハットトリックを達成した選手が選んだ慈善団体へ1万ドル寄付を約束していたエンタープライズは、全てのハットトリック達成者を含めるよう方向転換し、トカチュク、ゴードロー、ラーキンが選んだハットトリック慈善団体にそれぞれ1万ドル、合計3万ドルを寄付することになりました。
ケビンとボー・ヘイズにとって思い出に残る日
フィラデルフィア・フライヤーズのフォワード、ケビン・ヘイズは、2021年8月23日に31歳で亡くなった兄、ジミーの3歳になる息子、甥のボーにとって素晴らしい週末にしたいと考えていました。
ケビンは、金曜日のオールスター・スキルのために彼を氷の上に連れて行くなど、ボーと多くのオールスター体験をして過ごしました。「これは彼の一生の思い出だになるだろう」とケビンは土曜日に語りました。
「ボーはシドニー(・クロスビー)と『パスタ』(ボストン・ブルーインズのフォワード、デイビッド・パストルナック)に会いたがってて、(オールスターを体験して)彼らに会うことができたんだ。
最初は恥ずかしがり屋だったけど、僕のいとこやコロンバス・ブルージャケッツのフォワード、ジョニー・ゴードローなど知り合いを見ると心を開いていたようだ。とても楽しかったです」。
オベチキンやトカチュクのところもそうだったように、
選手の家族も参加してオールスターを楽しむってのが、
日本にはあまりない開催方法だと思うにゃ。
フォール・アウト・ボーイ・ロック
土曜日、オールスター・ゲームの準決勝と決勝の間に出演したフォール・アウト・ボーイは、期待を裏切りませんでした。
セントラル・フロリダ・コミュニティ・アーツ・シンフォニー・オーケストラに支えられたアメリカのポップ/パンクバンドは、「My Songs Know What You Did in the Dark(Light’Em Up)」と「Centuries(Century)」を含む3曲セットの演奏で素晴らしい音を出したのです。
彼らが後者をプレイしている間、ビデオ・ボードはボビー・オー、ゴーディー・ハウ、マイク・ボッシー、ウェイン・グレツキーなど、リーグ史上最高の歴代選手のモンタージュを再生しました。偉大だ。
家に帰って出直してこい!
パストルナックは凄まじい得点力を誇るが、金曜日のブレイクアウェイ・チャレンジではゴルフ・ゲームに取り組んでいました。まあ、ちょっとね…。
1996年の映画「ハッピー・ギルモア」へのオマージュとして、パストルナックはまずスラップショットをネットの外に飛ばし、その後「キャディ」であるブルーインズのゴールキーパー、ライナス・ウルマークが登場してパストルナックにパターを贈ったのです。
そこで、パストルナックがブルーラインからプットパットを放つが、惜しくも届かず。次に登場したのが、ミニホッケー・スティックの「スペシャル・パター」です。パストルナックが観客を少し騒がせた後、「パット」してゴールを決めました。
パストルナックはブレイクアウェイ・チャレンジに優勝しませんでしたが、楽しませてくれました。
まとめ
おちゃらけとはいえ、確かにパストルナックは外しまくっていたので、家に戻って練習し直した方がいいかもしれません(笑)。ポップな要素を持ったバンドとはいえ、パンク系のフォール・アウト・ボーイの出演にも驚きました。
万人受けを旨とするオールスターであろうが、ロックの魂を忘れないのが米国らしいです。「The Star-Spangled Banner」も、ジミヘン・ヴァージョンと一緒にやったら最高…って本当にやりそうなのが、これまた米国。
さあ、レギュラー・シーズン後半戦もはじまってますよ!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!