はじめに
「プレーオフ最優秀選手に贈られるコン・スマイス・トロフィーは誰の手に…」の続編です。第2戦を終えた時点で、ベガス・ゴールデンナイツの選手が持っていきそうなムード満点で、決勝で早くも3ゴールと大暴れしている右ウィングのジョナサン・マルシェソーが本命でしょうか。
前回の記事はこちら→☆。
後述の記事にもありますが、これまでセンターの選手が多く獲得しているので、安定した力を発揮している司令塔ジャック・アイシェルも捨てがいたです。しかし、無敵ブルーインズ撃破以来、勢いづいた発言をするフロリダ・パンサーズのマシュー・トカチュクも好調キープ。
この3人のうちの誰かの頭上に栄冠が輝く、と予想していますが、果たして。
パンサーズのディフェンスは崩壊気味なので、
このポジションからの選手はないにゃ。
ナイツもそれほど堅い守備ではないから、こちらも可能性薄。
引用元:ESPN.com「Conn Smythe Watch: Playoff MVP leaders ahead of Cup Final」。
この5人のうちの誰かに栄冠が!
5.アディン・ヒル、G(ゴールテンダー)、ゴールデンナイツ
(ここまでの)物語:「怪我で先発の座を手にした彼は、プレーオフでナイツの致命的な欠点となりそうな部分を修正した」。
(MVPの対象となる)事例紹介:オイラーズとの第3戦、12分頃にヒルが負傷したローラン・ブロソイト(30歳)と交代した時、誰もがベガスの破綻を思ったことは、素直に認めてもいいのではないでしょうか。
結局のところ、彼はアディン・ヒルです:これまでバックアップ・ゴールキーパーとしてのキャリアを持ち、今シーズン、ナイツが起用した5人のネットマインダーのうちの1人です。
その後、試合中、彼は24発のシュートすべてを止めました。
このポストシーズン11試合中、彼はセーブ率.937、平均失点2.07、カンファレンス決勝では2度のシャットアウトを記録し、プレーオフではGSAE(6.4)で3位につけています。
あと1シリーズ(カップ決勝)を戦えば、この誰にも知られていない英雄にMVPがもたらされる可能性があります—コン・スマイスのトロフィーをGK(17個)よりも多く獲得したのは、センター(19個)の選手だけです。
※GSAE=goals saved above expectedの略。この場合、ヒルの被シュート数とプレーオフ全体の平均セーブ率等から算出される。
評価の対象となるプレーオフ出場の他のゴールキーパーと、ヒルが同じ数のシュートを打たれた場合、セーブするであろう平均ゴール数を割り出すことによって、どちらが優れているかを判断する数値となる。
4.ジョナサン・マルシェソー、RW(右ウィング)、ゴールデンナイツ
(ここまでの)物語:「オリジナルのゴールデン・ミスフィット(前所属チームに上手く馴染めなかった、はみ出し者)がベガスをスタンレーカップに導き、拡張ドラフトで彼を見捨てたチームと戦う」。
(MVPの対象となる)事例紹介:ベガスのフォワードは、17試合でゴール(9)とポイント(17)でチーム内2位です。彼が氷上にいるとき、ナイツのセーブ率は.961となっています。
今のチームは彼のエネルギーと粘り強さを糧にしていますが、それは、2018年、マルシェソーと各チームからのはみ出し者たちがスタンレーカップ決勝に進出し、彼が20試合で21ポイントを獲得した時と同じなのです。
マルシェソーによると、2017年、パンサーズは彼をトレードに出し、ベガスが拡張ドラフトでチームメイトのライリー・スミス(右ウィング、32歳)を指名したことにまだ驚いている、と私に言いました。
本人は、あの時のことをまだ引きずっていないと言いながら、フロリダを破って初のカップを手に入れるという皮肉を、彼は喜んでいるのだろう。
※ライリー・スミスを指名=拡張ドラフトの際、ベガスはまずフロリダでプロテクト外だったマルシェソーを指名。
しかし、相手方から条件を出された場合、ベガスはそれを承認しなければならないルールがあり、フロリダからの条件、即ち2018年のNHLエントリードラフト4巡目指名権とマルシェソーのトレードと、拡張ドラフト指名をスミスへ変更することにベガスは合意した。
つまり、マルシェソーは捨て駒に使われた上、あまり高くないドラフト指名順とトレードされたため、プライドはかなり傷ついたと思われる。
決勝第2戦でのマルシェソーは、
鬼人の如き活躍ぶりだったにゃ。
積年の恨みを果たした訳だ。第3戦以降も暴れそうな予感。
3.ジャック・アイシェル、C(センター)、ゴールデンナイツ
物語:「ジャック・アイシェルはポストシーズンでプレーした経験を持たず、彼のこれまで所属したチーム(ベガスの前は、バッファロー・セイバーズ)はスタンレーカップを獲得していない」。
(MVPの対象となる)事例紹介:アイシェルは8シーズン、レギュラー・シーズン476試合、キャリアを左右する手術を経て(椎間板ヘルニアの手術)、彼はついにスタンレーカップ・プレイオフに進出し、人生で最もインパクトのあるホッケーをプレーしています。
アイシェルは18ポイントで、ナイツのトップです。17試合中11試合でポイントをマークし、安定した成績を残しています。マクデイビッド―2015年に彼の前にドラフトされた–とオイラーズを相手に、3ポイント・ゲームを2回経験しました。
カンファレンス決勝・6試合中4試合でポイントを獲得しています。プレーオフで、彼は猛烈な勢いでプレーしてきました:彼の猟犬のごとくパックを追いかけるディフェンスは、アイシェルという選手について、すでに攻撃的な選手だと思いこんでいた人々にとって、啓示を与えるものでした。
私たち投票者によると、アイシェルという選手は、ゴールデンナイツがカップを獲得した場合、コンスマイスの最有力候補です。
2.セルゲイ・ボブロフスキー、G、パンサーズ
物語:「プレーオフでのボブはパンサーズを初のスタンレーカップに導き、MVPを獲得し、ホッケーの殿堂入りを確固たるものにする」。
(MVPの対象となる)事例紹介:パンサーズがボストン・ブルーインズに勝った理由は、ボブロフスキーではありませんでした。十分に活躍し、アウェーで2勝を挙げましたが、最後にプレーしたのが3月27日だったため、まだ調子が上がっていなかったのです。
メープルリーフスを破ったのは彼のおかげで、第1戦と第2戦では73本中69本のシュートを止め、5試合で2点以上の失点を許しませんでした。第5戦では50セーブをあげて、リーフスを敗退させたのです。
ハリケーンズとの第1戦、63セーブを挙げ、オーバータイム4回の末に勝利しました。イースタン・カンファレンス決勝終了時にはセーブ率.966を記録し、第3戦では完封してケインズ(ハリケーンズの愛称)を苦しめています。
ボブロフスキーは、私たちライターによる投票で、1位の票を獲得した2人の選手のうちの1人でした。ただ、もう1人の方がボブロフスキーよりも1票多く、それで第1位になっただけです。
決勝第2戦の結果で、ボブロフスキーを含め、
パンサーズの守備的選手にほぼ賞獲得の可能性はないにゃ。
ここからの奮起を期待したいが…。
1.マシュー・トカチュク、RW、パンサーズ
物語:「スター誕生」。
(MVPの対象となる)事例紹介:他の年のポストシーズンであれば、チームがカップを獲得した場合、セーブ率.935で11勝2敗のゴールテンダーがコン・スマイスを獲得します。
我々の世論調査で、トカチュクがわずかにリードしていることは、パンサーズのイースタン・カンファレンスでの活躍について、どれだけトカチュクの存在感が貢献しているかを示しています。
彼は9ゴールでパンサーズのトップですが、そのうちの4ゴールはゲーム・ウィナー(タイ・スコア時にゴールを決め、そのまま勝利をもたらす選手)です。彼は他のどの選手よりも6ポイント多い21ポイントで、またもチームのトップに立っています。
1回戦、まさかの敗退者となってしまったブルーインズ相手に、11ポイント(5ゴール、6アシスト)を挙げました:トカチュクは、すべての始まりとなったゴールを含め、シリーズの勝敗を決定づけるヴァーヘーゲの止めの一撃をアシストし、第5戦の延長戦でブルーインズの敗退が決まったのです。
メープルリーフス戦では5ポイントを獲得して静かにしていましたが、そのうちの3ポイントは、第1戦の勝利で得たものです。
しかし、イースタン・カンファレンス決勝、それはトカチュクのショーでした:第1戦で4回目のオーバー・タイムでゴールを決め、NHL史上6番目に長い試合を終わらせています。続く第2戦では、延長戦の末に勝利を収めました;
その後、第4戦の規定試合時間残り5秒、シリーズを終了させるパワープレイ・ゴールを決めています。
ちょっと天狗になってる?
彼の威勢の良さが、成り上がってきた猫たち(パンサーズのこと)を特徴づけています。ボストン戦の11ポイントは、「シリーズで(ボストンに)1勝でもできたら奇跡だ」と言った後のことでした。
「あんなに才能溢れていて、今年多くのことを成し遂げた彼らに全力で立ち向かって勝った、今の僕たちに対して、〈負け犬〉という言葉がふさわしいかどうかなんて分からないね」と語っています。
彼がこんな発言をした動機について話しましょう。ゴールへのお祝いやトカチュクのファンの興奮ぶりがそうさせたのでしょうし、そのおかげで、彼はパンサーズの決勝進出の原動力となったのです。
繰り返しになりますが、コン・スマイス獲得に向けて、トカチュクとボブロフスキーの間にあるものはかみそりのように薄いです-基本的には五分五分です。
しかし、これはライターたちによって決定される賞なのです。
そして今のところ、NHLではマシュー・トカチュクが昨夏フロリダにトレードされ、今シーズン、フランチャイズの顔となり、今、このポストシーズンにおいてチームを初優勝に導くことで、スポーツ界の有名人の仲間入りを果たすことほど良い話はありません。
準決勝で敗れても…、ドンデン返しがあるか!?
消えてしまったけれど、忘れてはいけない選手達です。
セバスチャン・アホ、C、ハリケーンズ
ブレント・バーンズ、D(ディフェンス)、ハリケーンズ
ミロ・ヘイスカネン、D、スターズ
ルーペ・ヒンツ、C、スターズ
ジェイク・オッティンガー、G、スターズ
ジョー・パベルスキ、C、スターズ
ジェイソン・ロバートソン、RW、スターズ
ジェイコブ・スラヴィン、D、ハリケーンズ
思い出をありがとう、準決勝敗退の皆さん。
まとめ
ビッグ・マウスのいるチームは、古今東西、あまり成績はよろしくない傾向にあるようですが…。スポーツ・ライターさん達としたら、トカチュクがバンバン花火をぶち上げて、話題を提供してくれれば、少々横柄な態度でも構わない、といった感じでしょうか。
確かにトカチュクの勝負強さは群を抜いていて、有言実行、ここ一番に必ず顔を出し、美味しい所をかっさらう、いわゆる「俺って持ってる?」を地で行く選手なのです。しかも、移籍1年目でチームの中心まで昇りつめたというドラマも持っています。
彼の運というか、神通力がチームを立て直すのか、それともチームもろとも沈没して、「オマエがあんな事言うから!」とファンからお叱りを受けるのか。ユニークな選手であることに変わりはありません。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!