はじめに
プレーオフ進出チームがほぼ決まりかけているNHL、それでもまだ決着の付いていないディビジョンがあります。パシフィックがそれで、ベガス、ロサンゼルス、エドモントンの3チームが僅差でしのぎを削っている状況です。
シーズンを通して、この3チームは安定した力を発揮しており、プレーオフ進出は順当にしても、ディビジョン優勝とそうでないとでは、プレーオフ組み合わせに影響しますし、やはり「重み」が違います。
今回は、NHL.com専属ライターによる、「パシフィックの王者になるのは誰?」についての討論会です。実は、この討論会後に行われた、優勝を占う大一番・ロサンゼルスvs.エドモントンは終了しています。
よって、会の内容と若干ズレが生じてはいるのですが、プレーオフについての見どころも語られているし、チームのどの部分に注目すればいいのかにも触れられてあるので、あえてブログ記事にしてみました。
優勝を占う大一番の結果は、
このブログの一番最後にお伝えするにゃ。
個人的にはキングスに優勝してもらいたいけど、
ベガスの速攻も魅力的なんだなぁ。
引用元:NHL.com「State Your Case: Who wins Pacific Division?」
パシフィック・ディビジョンの首位争いが熱い!
2022-23 NHLレギュラーシーズンは残り2週間を切りましたが、パシフィック・ディビジョンの首位争いは依然として接戦が続いています。ベガス・ゴールデンナイツ、ロサンゼルス・キングス、エドモントン・オイラーズは勝ち点4差で、各チームは残り5試合です。
4月3日(月曜日)、ゴールデンナイツは、エクセル・エナジー・センターでミネソタ・ワイルドを相手に4-3のシュートアウト勝ちを収め、勝ち点103で首位に立っています。2位は勝ち点100のキングス、3位は勝ち点99のオイラーズ。
さらに良いのは、火曜日、3チーム全てがESPNで全米に放送されることです。
ゴールデンナイツは、ブリヂストン・アリーナでナッシュビル・プレデターズと対戦し(東部標準時午後8時。日本時間4月5日・午前9時。ESPN、SN NOWより)、キングスとオイラーズはCrypto.comアリーナで対戦します(東部標準時午後10時30分。日本時間4月5日・午前10時半。ESPN, SNW, SN NOW)。
(同一ディビジョンの)他の2チームのいずれかと(プレーオフ)1回戦で対戦することを避けられる、地区優勝チームとして登場するのは誰か。
※1回戦で対戦することを避けられる=この記事掲載時点のディビジョン順位のままで終了すると、プレーオフ1回戦でキングスとオイラーズが対戦し、ゴールデンナイツは、ウェスタン・カンファレンスのワイルドカードである(予定)ウィニペグ・ジェッツと対戦する。
これは、NHL.comのシニア・ライターであるダン・ローゼンと、スタッフ・ライターであるトレイシー・マイヤーズにより提示された、最新版の「State Your Case(あなたの主張を述べてください)」での質問です。
オイラーズの攻撃力の方が上
ローゼン:オイラーズと一緒に(プレーオフへ)行きましょう。というのも、逆転劇が嫌いな人はいないでしょうから。エドモントンではこのチームへの期待が高いので、負け犬とは言えません。
フォワードのコナー・マクデイビッド(センター、26歳。146ポイント)、レオン・ドライザイトル(センター、27歳。120ポイント)、ライアン・ニュージェント=ホプキンス(センター、29歳。97ポイント)の100ポイントを挙げる選手が3人もいます。でも、だから選んでいるわけではありません。
試合の進め方やスケジュールに加えて、それにタイ・ブレーカーを少し絡めたものです。そう、オイラーズにとって本当に重要なのは、火曜日に行われるキングス戦で2ポイントを獲得することなのですが、1週間前の対戦で2-0の勝利を収めたように、私は今回もそうなると思っています。
※タイ・ブレーカー=後述にあるように、複数のチームが勝ち点で並んだ場合、勝ち星の多いチームが優先され、それでも決着のつかない場合、直接対決の勝敗で順位が決定する。
1月11日に戻ってみると、オイラーズはその時点でNHLで最も優れた勝ち点獲得率.771を記録しており、35試合で24-5-6の成績を収めていることがわかります。
マクデイビッドとドレイサイトルの二本柱による
波状攻撃は威力絶大で、
オイラーズって短時間での得点固め取りが
できるんだよにゃ。
今季無敵のブルーインズよりも強い?
ボストン・ブルーインズは.770(37試合で28-8-1)です。(1月11日から)3月14日までの短い間隔で見ると、その期間、オイラーズは9-0-1、つまり勝ち点獲得率.950、そう、NHLで最高であり、ボストンは.833(10-2-0)で2位となっています。
オイラーズは4連勝中、彼らは熱く、その勢いが衰えることはないようです。キングスと対戦した後、直近の4試合のうち3試合が、アナハイム・ダックスと2回対戦し、サンノゼ・シャークスと1回対戦します。それらのチームは、コナー・ベダード争奪戦に参加しています。
(残り1試合)オイラーズはコロラド・アバランチとも対戦します。オイラーズは、ダックス、シャークス、キングス、アバランチとの過去6試合の対戦で、5-0-1となっています。
さらに、もし1位を決めるタイブレークになった場合、オイラーズはレギュレーション(60分間内での勝利)で41勝しており、ロサンゼルスとラスベガスの両方よりも6勝多いため、1位の座を手に入れることができます。オイラーズに戴冠させることになるでしょう。
いやいや、キングスをお忘れなく
マイヤーズ:うん、最近のオイラーズは素晴らしいね。でも、パシフィック・ディビジョンのトップ3の中で、素晴らしくないチームはいないだろうけどね。でも、私はキングスを推すよ。
日曜日、バンクーバー・カナックスに4-1で勝利したキングスは、77試合目にして100ポイントの大台に到達しましたが、これは歴代2番目に少ない記録です(1974-75シーズンは76試合)。
3月には9-2-2(.769)を記録し、パシフィックのトップ付近でペースを維持し、そのままのいい勢いでスケジュールを終えられると思うね。もちろん、簡単じゃないさ。
火曜日にはオイラーズ、木曜日にはパシフィック・ディビジョン首位(この記事時点)のゴールデンナイツ、土曜日にはスタンレーカップのディフェンディング・チャンピオンであり、セントラル・ディビジョンでポジション争いをしているアバランチ戦があります。
レギュラー・シーズン最後の2試合は、先日勝ったカナックス(日曜日、4-1)と、すでに2度勝っているダックスとの対戦です。
フォワードのアンゼ・コピタルは68ポイント(センター、35歳。26ゴール、42アシスト)と年齢を感じさせない活躍を見せており、72ポイント(左ウィング、26歳。23ゴール、49アシスト)のフォワードのケビン・フィアラに次ぐ、キングスでは2位となっています。
確かに、キングスにはマクデイビッドやドライザイトルはいませんが、彼らは安定していて強く、パシフィックでは勝っていると思うよ。
うむ、キングスのベテランと若手の融合って、
理想的だと思うんだにゃ。
ただ、キングスのスケジュールと対戦相手が
ちょっとキツイかな…。
オイラーズの二本柱に誰も勝てない
ローゼン:ここに座って、君の主張に反論するわけにはいかないよ、トレーシー。3チームは公平だ。キングスはしっかりしているね。
彼らのスケジュールはより困難だが、もしオイラーズ、ゴールデンナイツ、アバランチを乗り切ることができれば、ディビジョンで優勝する可能性が非常に高い。しかし、ここから、このレースの主要な選手について話し始めるよ。
残念だが、キングスとゴールデンナイツが、マクデイビッドとドライザイトルにかなわないのは明らかさ。ニュージェント=ホプキンスについては多く触れないけど、彼自身は素晴らしいシーズンを送っており、試合を支配することができる。
しかし、マクデイビッドとドライザイトルには、レースをやってきた過去の経験がある。
昨シーズンのプレーオフでは、それぞれ33ポイントと32ポイントを記録したポイント王の2人であり、オイラーズはタンパベイ・ライトニングより7試合、アバランチより4試合少ない試合数だったね。
なのに、マクデイビッドとドライザイトルのおかげで、チームはウェスタン・カンファレンス決勝に進出した。
また、オイラーズが復活して、パシフィック・ディビジョンで1位を獲得する理由もここにあります。オイラーズが今、候補に挙がっているのは、彼らのおかげだ。最初の議論で、1月11日以来、オイラーズのNHL最高の勝ち点獲得率.771について、僕は言及したね。
さて、マクデイビッドとドライザイトルは、その期間、エドモントンでプレーした35試合中、それぞれ28ゴールを挙げているんだ。これはNHL最多タイ記録です。
そして3月14日以降、過去10試合、エドモントンの9-0-1という成績は、まあ、その期間でドライザイトルが22ポイント(8ゴール、14アシスト)でNHL1位、ご存知、マクデイビッドが19ポイント(7ゴール、12アシスト)で2位です。
この2人にスキを見せたら、必ずゴールを成功させてしまうのさ。そのチャンスは常に存在しており、チームはそれを利用して、エドモントンを1位にしようとしているんだ。
得点だけじゃなく、キングスの守備も見てくれ!
マイヤーズ:ああ、マクデイビッドとドライザイトルに、何ができるかについての議論はないよ。しかし、この2人と、2人によって生み出される得点を見るのではなく、オイラーズと比較して、キングスがもう一方、守備面でどれだけ点を与えないかについて、僕は見ているんだ。
ロサンゼルスはまた「ケチな状態(失点少)」に戻っているよ。1月1日以来(簡単な日付なので選びました)、キングスの1試合当たりの平均失点数はNHLで7位(2.76)です。オイラーズは、この期間の1試合当たりの平均失点3.18(16位)となっている。
そして、ゴールテンディングでも、キングスに軍配が上がる。1月1日以降、フェニックス・コプリー(31歳)は25試合で16-3-3、平均失点2.70、防御率.900、1シャットアウト。
3月1日、ジョナサン・クイック(37歳)とのトレードで、コロンバス・ブルージャケッツからキングスに移籍したヨーナス・コルピサロ(28歳)は、トレード後の8試合で5-2-1、平均失点1.75、防御率.937を記録しています。
オイラーズを含むいくつかの強力な攻撃に、キングスは直面することになるだろうが、パシフィック・クラウンへの道程で、それらのチームを阻止するチャンスはあるんじゃないかな。
シーズン大詰めや
プレーオフのような短期決戦では、
守備力高い方に軍配上がると思うんだけどにゃ。
キングス推しでスイマセン^^;。
取られたら、取り返せばいい
ローゼン:トレイシーが、オイラーズとチームの得失点について言ったことへ反論するため、もう1つ議論を投げかける必要があるようだね。そう、1月1日以降、1試合平均3.18点を許している。また、1試合平均4.36点も取っている。
プレーオフで1試合平均4.00点を挙げるとは思っていないが、今はプレーオフの話じゃない。レギュラー・シーズン残り5試合の話をしているんだ。そして、その話を続けるからには、3月14日に戻ろう。僕がこの日に言及し続けるのは、オイラーズがそれ以降10試合を戦ったからだ。
というのは、トレーシーが1月1日について言ったように、ちょうど分析しやすい試合数なんだよ。その10試合の間に1試合あたり2.70ゴールを許している(得点は4.80)。過去2試合でゴールを許していない。これを言っておきたいだけさ。
これだけ議論したのに…
マイヤーズ:キングス戦の2-0、ダックス戦の6-0という連続シャットアウトに拍手を送りたい(そう、今回ばかりは皮肉ではなく、本当に拍手を送りたい)。僕はまだチーム・キングスにいるよ。
たぶん火曜日のオイラーズへのリベンジを皮切りに、彼らは一連の熱戦を(いい形で)締めくくると思うね。今シーズン25-9-4と好調なCrypto.comアリーナで、残り5試合のうち3試合が行われる。
おっと、チームに関係なく、僕はどうなるか見届けたいんだよ。でも、せっかく2人で議論した後に、ゴールデンナイツのディビジョン制覇を見るだけかもしれないが…。
まとめ
ベガス・ゴールデンナイツのことにほとんど触れられていないのは、新参チーム(クラーケンの次に新しいチーム)だからでしょうか?そのベガス、火曜日の試合でナッシュビルに3-2で敗戦…。そして、大一番の結果は、3-1でオイラーズがキングスに勝利!
記事でも注目されてるように、ドライザイトルが八面六臂の大活躍!1ゴール・2アシストで全得点に絡み、その存在感は絶大でした。マクデイビッドとニュージェント=ホプキンスも得点に絡んでおり、エドモントンの三銃士は絶好調です。
この結果、オイラーズが2位に浮上、ベガスとの勝ち点差3を重いと見るか、無きに等しいと見るか。このペースが続けば、首位奪取も夢ではなくなってきます。
シーズン最終戦・昨シーズンのチャンピオンであるコロラド戦までに、オイラーズは優勝を決めたいところですが、ベガスの安定感は侮れないため、まだまだ分かりません。
逆に3位・キングスは立て直しを図らないと、消化試合数の少ない4位・クラーケンとの勝ち点差が6。可能性はかなり低いといえ、キングスが残り4試合全敗、クラーケンが残り5試合全勝すると、4位転落→ワイルドカード行きとなります。
しかもレギュレーション・ウィン(60分間内での勝利)がキングスは35、クラーケンは34とほとんど変わりません。タイブレイクになった場合、ひっくり返される可能性も出てきました。キングスは次回ベガス戦に勝たないと、いろんな点で黄信号が灯るかも…。
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!