はじめに
間もなく2023年が終わろうとしています、皆さん、いいアイスホッケー・ライフを過ごせましたか?なになに?一度もアイスホッケーに触れてないって?アナタ、そりゃ精神衛生上よくありませんよ・笑。今からNHL公式サイトにアクセスして、まずは全32チームを覚えましょう。
さて、今回は昨シーズンのチャンピオン・チーム、ベガス・ゴールデンナイツの苦戦ぶりをお届けします。開幕からパシフィック・ディビジョン首位を快走していましたが、11月下旬から雲行きがおかしくなり、現在は絶好調バンクーバー・カナックスの後塵を排しています。
調子を落としている原因は、一にも二にも攻守のバランスの悪さ。ベテランが主力に多いが故に、昨シーズンも守備にやや不安のあったチームでしたが、今シーズンもそれを引きずったままのようです。
圧倒的な攻撃力で守備の拙さを補ったのが、昨シーズンだったわけだにゃ。
今シーズン、ちょっと攻撃パターンを覚えられたのか、
攻撃力がうまく発揮できないシーンが多くなったような気がする。
引用元:NHL.com「Ducks score 4 in 1st, hand Golden Knights 4th straight loss」。
アナハイム、ホーム8連戦初勝利!
12月27日(水曜日)、アナハイム・ダックスは、ホンダ・センター(アナハイムのホーム・アリーナ)でラスベガス・ゴールデンナイツに5-2で勝利、しかも第1ピリオドで4ゴールを決めました。
ホームで8連戦の1最初の2試合に敗れていたダックス(13勝21敗)のために、ブレット・リーソン(右ウィング、24歳)はNHLで初めて2ゴールを決め、メイソン・マクタビッシュ(センター、20歳)は3アシスト、キャム・ファウラー(ディフェンス、32歳)が2アシストを記録しています。ジョン・ギブソン(ゴールテンダー、30歳)は30セーブをしました。
「ウチは良いチームになってきているよね」とリーソンは言っています。「(この連戦で)我々は何勝かはできると思うよ。(これまでの敗戦は)少し不運だったね、1点差での敗戦も多い。でも、我々は良いチームだと思うし、戦っていけると思うね」。
ベガスのゴールテンダー陣、緊急事態!
アレック・マルティネス(ディフェンス、36歳)とマーク・ストーン(右ウィング、31歳)が得点したゴールデンナイツ(21勝10敗5延長負け)は、2022年3月8日から15日(5連敗)以来となるレギュレーションでの4連敗2となりました。ローガン・トンプソン(ゴールテンダー、26歳)は、上半身の怪我で過去2試合を欠場した後、21セーブを挙げました。
ベガスは、下半身の負傷で34試合連続ロースター漏れしているゴールキーパー、アディン・ヒル(27歳)を欠いての試合となったのです。
「今、”ヒリー(ヒルの愛称)”は怪我をしており、ローガン・トンプソンとジリ・パテラ(24歳)にはチャンスのはずだ」とゴールデンナイツの監督、ブルース・キャシディは語りました。
「彼ら(ゴールテンダー)の前で、(他の5人は)もっといいプレーをしなければならないし、我々のために(ゴールテンダーは)もっといいプレーをしなければならない。(アイスホッケーの試合というものは、)この2つの組み合わせなんだ」。
昨シーズンのプレーオフで大活躍したアディン・ヒルの怪我・不調は、
今後のベガスにとって、負担になっていきそうだにゃ。
そうでなくてもディフェンス面が後手に回っているのに、
ゴールテンダーが揃わないのは厳しい。
アナハイム、怒涛の4ゴール!
第1ピリオド・3分23秒、リーソンがファウラーのポイント・ショット(ゴール前のわずかなスペースを狙うシュート)をリダイレクト(スティックの先に当てて、方向を変える)して、アナハイムに1-0のリードをもたらしたのです。
8分23秒、ジェイミー・ドライスデール(ディフェンス、21歳)が2-0にしました。3対3のシーンでマクタビッシュがラッシュを仕掛け、パスを受けたドライスデールが右サークル奥からショート・サイド(ゴール前の狭いスペース)にリスト・ショットを放ち、ゴールを決めています。
ドライスデールにとっては、2022年3月31日以来のゴールとなりました。
「彼のプレーはクレイジーだ」とドライズデールはマクタビッシュについて語っています。「彼がプレーの前に僕を見たのは分かってたよ。僕らは5、6秒前に目が合ったように感じたんだ。それで、どうにか滑り込めたんだね」。
11分38秒、フランク・ヴァトラーノ(右ウィング、29歳)は、ネット裏からマクタビッシュのバックハンド・パス(ブレードの反対側〈本来、打つ方ではない面〉を使って出すパス)を受けて、左サークルからワン・タイマーを決め、3-0とリードを広げました。
「特定の状況で、チェックがうまくいかなかった」とキャシディは言っています。
「ゴールラインの後ろからのヴァトラーノのゴールは、事前に我々もスカウティングしていたものであり、彼らはああいうプレーをすることができるんだ。彼らはそれを得意としているんだから、我々はもっと上手く守らないといけない」。
第1ピリオド・12分18秒、トロイ・テリー(右ウィング、26歳)はアレックス・キローン(センター/左ウィング、34歳)のドロップ・パス(パックを運んで先行している選手が、後ろから来ている味方の選手に行うパス)を受け、右サークルから(相手ゴールテンダーの)5ホール(股下のスペース)に決め、4-0としました。
トレバー・ゼグラス(センター、22歳)は、ニュートラル・ゾーン(2本のオフサイド・ラインの間のスペース)でジョナサン・マルケソー(左ウィング、33歳)のパスをインターセプトしていて、このプレーから得点チャンスが生まれています。
「ニュートラルゾーンで(自分達の)パックを取られてしまって、それが我々のゴール前に返ってきたんだ」とキャシディは言いました。「だから(リンク内で)ミスもあるけど、(ゴールテンダーの)セーブも必要なんだ」。
ベガス、第2ピリオドで反撃するものの…
第2ピリオド・7分23秒、マルティネスが4-1にしました。ダックスがニュートラル・ゾーンでパックを奪われた後、彼がポール・コッター(左ウィング、24歳)からのパスを受け、ワンタイマーで得点しています。
12分34秒、ストーンは、左ポストからウィリアム・カールソン(センター、30歳)のパスを受け、左ハッシュ・マーク(フェイスオフ・サークルの横の2本線のこと)からワンタイマーでパワープレー・ゴールを決め、4-2としました。
「ペナルティを取られたことで、我々から力が抜けてしまった部分もあった」とアナハイムのグレッグ・クローニン4監督は言っています。「彼らに多くのエネルギーを与えたと思う」。
ストーンのパワープレーゴールでスティックを失った(ダイジェスト映像を見ると、スティックを持っていないことが確認できる)リーソンが、17分45秒、スロット内(2つのフェイスオフ・サークルの間にあるスペース)でリバウンドに反応し、5-2としました。
ベガスは連敗中に20ゴールを許しています。
「我々はこの状況を理解しなければならない」とマルティネスは言いました。「チームとして、ここ最近の4〜6試合の内容を見てみると、4点以上の失点を喫している。それは我々のこれまでの仕事と違っているよね。
細部への配慮が欠けていて、チームプレーができていないんじゃないかな。我々は試合中に(相手チームによって)分断されているようだ。もっと5人で一緒にプレーして、氷の上でお互いに支え合わないといけないと思う」。
監督の弁にあるように、5人がバラバラってことは、
守りのフォーメーションを組めていないってことだにゃ。
アイスホッケーは人数少ないから、マン・ツーで行くのか、
ゾーンで行くのか等の約束事はしっかり決めておかないと。
追記
注:アナハイムは以前、11月5日のベガス戦で4-2で勝利した際、第3ピリオドに4ゴール(サム・キャリックが2ゴール〈内1ゴールはパワープレー〉、アダム・ヘンリケ、メイソン・マクダビッシュ〈エンプティ・ネット〉が各1ゴールずつ)を決めました。
…ストーンはロードでの連続ポイントを8試合に伸ばしています(4ゴール、5アシスト。11月28日のエドモントン・オイラーズ戦から)。ここ10試合で15ポイント(5ゴール、10アシスト)を記録しています。
…ゴールデンナイツのフォワード、ウィリアム・キャリア(左ウィング、29歳)は、上半身の怪我で2試合連続で欠場しました。
…ラスベガスはパワープレー5回中1ゴール、アナハイムは1回で0ゴールでした。
まとめ
ベガスの最新の状況は、12月28日、ホームでロスアンゼルス・キングスを迎え撃ち、3-2で勝利しています。ホームとはいえ、マーク・ストーンは1アシストを記録しており、好調キープ。チームも4連敗でストップ、バンクーバーとは勝ち点で並び、勝率で2位となっています。
一方、アナハイムは29日にアリゾナ・コヨーテズと、そして大晦日にエドモントン・オイラーズと、どちらもホームで対戦します。今シーズンのアリゾナは侮れない存在ですし、エドモントンも一時期の不振を脱して上り調子。チーム再建中のアナハイムにとって、どちらも強敵です。※ベガスの年内試合は終了。
全32チーム、年内の残り試合も頑張って、良い年を迎えよう!
ここまで読んでくれて、サンキュー、じゃあね!
【註釈】
- 12月21日のカルガリー・フレームス戦でスタートし、2024年1月7日のデトロイト・レッドウィングス戦で終了。カルガリーには0-3、23日のシアトル・クラーケン戦は2-3と連敗していた。
↩︎ - アナハイム戦の前、12月19日のカロライナ・ハリケーンズ戦が3-6、21日のタンパベイ・ライトニング戦が4-5、23日のフロリダ・パンサーズ戦が2-3と連敗街道。
↩︎ - 12月17日のオタワ・セネターズ戦で、第1ピリオド・6分過ぎにヒルは途中退場、トンプソンと交代。それ以降、このアナハイム戦までロースター入りしていない。
また、11月30日のバンクーバー・カナックス戦で出場後、オタワ戦まで欠場しており、12月はほとんど出場していないことになる。
↩︎ - 米国、マサチューセッツ州アーリントン出身。60歳。現役時のポジションは右ウィング。大学でのプレー経験はあるが、NHLではない。今シーズンよりアナハイムの監督に就任、それまでは大学やNHL3チームのアシスタント・コーチ歴がある。 ↩︎